デジタル化・AI導入補助金 27分で読める

2026年度の補助金一覧|中小企業が使える主要制度と締切

2026年度の補助金一覧|中小企業が使える主要制度と締切

この記事の結論

2026年9月25日時点で中小企業が申請できる国の補助金・助成金11制度を一覧に。デジタル化AI・省力化・持続化などの受付状況・上限額・補助率・締切と、目的から1つに絞る手順を公式情報で整理しました。

この記事の制度について、AIにその場で質問できます(無料・登録不要)→

2026年9月25日時点で、中小企業が申請できる国の補助金・助成金は、受付中または受付開始が決まっているものだけで11制度あります。デジタル化・AI導入補助金2026の5次締切が9月29日17:00、中小企業省力化投資補助金(一般型)第8回が10月16日17:00、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回が10月30日18:00。10月から12月にかけて、主要な締切がほぼ2週間おきに並んでいます。

この記事は、各事務局と省庁の公式ページを2026年9月25日に一件ずつ開いて、制度名・所管・上限額・補助率・受付状況を書き写したものです。金額の出どころは本文の各制度の項に書きました。国ではなく都道府県・市区町村の制度を探している方は、自治体のDX補助金一覧|探し方4ステップのほうが近いはずです。

2026年9月25日時点で受付中・受付予定の11制度

まず全体像から。所管・上限額・補助率・受付状況を1枚にまとめました。上限額はいずれも「最も大きい区分」の値で、実際には従業員数や枠によって下がります。

左に経済産業省・中小企業庁(デジタル化・AI導入補助金2026、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、中小企業省力化投資補助金、<a href=小規模事業者持続化補助金)、右に厚生労働省(業務改善助成金、人材開発支援助成金、キャリアアップ助成金、65歳超雇用推進助成金)を並べた制度の地図" loading="lazy" style="width:100%;height:auto;border-radius:8px;margin:16px 0" />

制度名 所管 主な使いみち 補助・助成の上限 補助率・助成率 2026年9月25日時点の受付状況
デジタル化・AI導入補助金2026 経済産業省・中小企業庁 ソフトウェア・クラウドの導入 450万円(通常枠) 1/2以内(要件充足で2/3以内) 受付中。5次締切 2026年9月29日17:00
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 中小企業庁・中小機構 新製品開発・新市場進出・輸出体制 7,000万円(賃上げ特例で9,000万円) 1/2または2/3 第1回。2026年9月30日受付開始、10月30日18:00締切
中小企業省力化投資補助金(一般型) 中小企業庁・中小機構 現場に合わせた省力化設備・システム 8,000万円(大幅賃上げ特例で1億円) 中小1/2、小規模2/3 第8回受付中。2026年10月16日17:00締切
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型) 中小企業庁・中小機構 カタログ掲載の汎用省力化製品 1,000万円(賃上げ要件達成で1,500万円) 1/2以下 随時受付中(締切回なし)
中小企業成長加速化補助金 中小企業庁・中小機構 売上高100億円を目指す大型投資 5億円 1/2 3次公募。2026年9月29日受付開始、10月29日締切
事業承継・M&A補助金 中小企業庁 事業承継・M&A・統合後の投資・廃業 2,000万円(専門家活用枠の一部) 1/3〜2/3 十六次公募。2026年10月2日受付開始、11月6日17:00締切(予定)
小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠) 中小企業庁 小規模事業者の販路開拓 50万円(特例の上乗せで最大250万円) 2/3(赤字の賃金引上げ特例は3/4) 第20回。2026年11月5日受付開始、12月15日17:00締切
業務改善助成金 厚生労働省 賃上げとセットの設備投資 600万円 4/5または3/4 令和8年度受付中。都道府県ごとに期限が違う
人材開発支援助成金 厚生労働省 従業員の訓練・リスキリング 1事業所1年度あたり1,000万円(人材育成支援コース) 経費助成45〜75%(コース・対象者による) 通年。訓練開始前の計画届が必要
キャリアアップ助成金 厚生労働省 有期雇用労働者等の正社員化・処遇改善 80万円(正社員化コース・1人当たり) 定額(コース別) 通年。1年度1事業所20名まで
65歳超雇用推進助成金 厚生労働省(JEED) 定年引上げ・高年齢者の雇用管理改善 240万円(65歳超継続雇用促進コース) 定額(措置と人数による) 通年。制度実施後に申請

※ 受付状況は2026年9月25日に各事務局・省庁の公式ページで確認した内容です。締切は延長・前倒しがあるため、申請前に必ず公式サイトでご確認ください。

この11制度のほかに、小規模事業者持続化補助金には通常枠とは別に3つの型があり、それぞれ違うスケジュールで動いています。こちらは後ろの項で分けて説明します。

経済産業省系と厚生労働省系では「採否の決まり方」が違う

一覧表を見るとき、最初に押さえてほしいのがここです。上の11制度は、大きく2つのグループに分かれます。

上段に経済産業省・中小企業庁系(公募期間がある→事業計画書の審査→不採択になる)、下段に厚生労働省系(公募期間がない→要件を満たせば支給→計画届が先)を並べた図

経済産業省・中小企業庁系(補助金)は、公募期間があり、事業計画書を出して審査を受けます。要件を満たしていても、点数が足りなければ不採択になります。中小企業成長加速化補助金の公式概要資料には、1次公募の採択倍率が約6.0倍、2次公募が約3.9倍と書かれています。つまり、6社に1社しか通らなかった回があるということです。

厚生労働省系(助成金)は、公募期間という概念が基本的にありません。定められた要件を満たして所定の手続きを踏めば支給される設計です。ただし「いつでも出せる」わけではなく、たとえば人材開発支援助成金は訓練を始める前に計画届を出す必要があり、後から遡って申請することはできません。業務改善助成金にいたっては、令和8年度の申請期限が都道府県ごとに違います。

「補助金は落ちることがある、助成金は手順を間違えると受けられなくなる」。ざっくり言えばこの違いです。だから、社内で誰が担当するかも変わってきます。前者は経営企画や事業部門、後者は人事・総務が主担当になることが多い。

中小企業庁・経済産業省系の補助金7制度 — 金額と締切

デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)

ソフトウェアやクラウドを入れるなら、まずここです。2026年度から「IT導入補助金」が「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更されました。枠は5つあります。

枠・類型 補助率 補助額 締切
通常枠 1/2以内(要件充足で2/3以内) 1プロセス以上:5万円以上150万円未満/4プロセス以上:150万円以上450万円以下 5次 2026年9月29日17:00
インボイス枠(インボイス対応類型) 公募要領で確認 公募要領で確認 5次 2026年9月29日17:00
インボイス枠(電子取引類型) 中小企業・小規模事業者等 2/3以内、その他の事業者等 1/2以内 350万円以下 5次 2026年9月29日17:00
セキュリティ対策推進枠 小規模事業者 2/3以内、中小企業 1/2以内 5万円〜150万円 5次 2026年9月29日17:00
複数者連携デジタル化・AI導入枠 基盤導入経費のソフトウェア 3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超の部分は2/3以内 グループ全体で3,000万円 3次 2026年10月30日17:00

通常枠の補助率が2/3以内になるのは、公式サイトの記載では「令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合」です。該当しない企業は1/2以内になります。

5次締切分の交付決定日は2026年11月9日(月)が予定されており、事業実施期間は交付決定から2027年4月30日(金)17:00まで。6次以降の締切日は、公式サイトに「確定している募集回のスケジュールのみ公表」と書かれており、2026年9月25日時点では公表されていません。枠の詳細はデジタル化・AI導入補助金の公募要領の解説にまとめています。

出典:デジタル化・AI導入補助金2026 事業スケジュール・通常枠(独立行政法人中小企業基盤整備機構/参照日: 2026-09-25)

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回)

2026年度に「中小企業新事業進出補助金」と「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」を統合して新設された制度です。公式サイトにも「『中小企業新事業進出補助金』と『ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金』とは異なる補助金です」と明記されています。旧制度の感覚で公募要領を読むと足をすくわれます。

枠 対象 補助率 補助上限 補助下限
革新的新製品・サービス枠 革新的な新製品・新サービス開発 中小企業者 1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3)、小規模企業・小規模事業者・再生事業者 2/3 2,500万円(賃上げ特例で3,500万円) 100万円
新事業進出枠 既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出 1/2(同特例で2/3) 7,000万円(賃上げ特例で9,000万円) 750万円
グローバル枠 海外市場開拓に向けた国内の輸出体制強化 2/3 7,000万円(賃上げ特例で9,000万円) 750万円

上限額は従業員数で刻まれています。たとえば革新的新製品・サービス枠なら、従業員1〜5人で750万円(賃上げ特例適用時850万円)、6〜20人で1,000万円(同1,250万円)、21〜50人で1,500万円(同2,500万円)、51人以上で2,500万円(同3,500万円)。上の表の「2,500万円」は51人以上の値です。

そして成果目標が重い。補助事業終了後3〜5年の事業計画で、付加価値の年平均成長率4.0%以上、1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高い水準、この3つをすべて満たす必要があります。公式サイトには「目標未達の場合は補助金の一部または全額の返還義務が生じる場合があります」とあります。取れたら終わりではありません。

第1回の応募期間は令和8年9月30日(水)から10月30日(金)18:00厳守。公募開始自体は令和8年6月29日で、当初の申請受付は8月31日開始予定でしたが、後にスケジュールが変更されています。統合前の制度からの移行については事業再構築補助金の後継制度の比較もあわせてどうぞ。

出典:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(中小企業基盤整備機構/参照日: 2026-09-25)

中小企業省力化投資補助金(一般型・カタログ注文型)

人手不足の解消が目的の制度で、性格の違う2つの類型があります。

一般型は、現場に合わせた設備導入・システム構築をオーダーメイドで組める代わりに、公募回制です。第8回の応募申請は2026年9月18日(金)10:00に始まり、締切は2026年10月16日(金)17:00。補助上限は従業員数で、5人以下750万円、6〜20人1,500万円、21〜50人3,000万円、51〜100人5,000万円、101人以上8,000万円。大幅賃上げ特例が適用されると、それぞれ1,000万円・2,000万円・4,000万円・6,500万円・1億円に上がります。補助率は中小企業1/2(最低賃金引上げ特例適用時は2/3)、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者は2/3です。

カタログ注文型は、事務局が承認したカタログ掲載製品から選ぶ方式で、交付申請を随時受け付けています。締切に追われないのが最大の利点です。2026年3月19日以降の制度では、補助上限が従業員5名以下200万円、6〜20名500万円、21名以上1,000万円。賃上げ要件を達成した場合はそれぞれ300万円・750万円・1,500万円に上がります。補助率は1/2以下。

どちらもGビズIDプライムアカウントが必要です。取得に時間がかかるので、申請を考え始めた時点で動くのが正解。手順はGビズID取得ガイドにまとめました。第8回の準備の進め方は省力化投資補助金 第8回の申請手順で詳しく書いています。

出典:中小企業省力化投資補助金(一般型)・同(カタログ注文型)(中小企業基盤整備機構/参照日: 2026-09-25)

中小企業成長加速化補助金(3次公募)

補助上限5億円、補助率1/2。桁が違いますが、対象も絞られています。売上高10億円以上100億円未満で、売上高100億円を目指す中小企業が対象です。

要件は3つ。「100億宣言」をポータルサイトで公表済みであること、投資額1億円以上、そして今後5年程度の事業計画で従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率4.5%以上を掲げること。公式の概要資料には、100億宣言の公表手続きに通常2〜3週間かかると書かれています。

3次公募の申請受付は2026年9月29日(火)開始、締切は10月29日(木)。事業期間は交付決定日から14か月以内〜24か月以内。対象経費は建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費などです。審査は書面の1次審査に加えて、経営者本人によるプレゼンの2次審査があります。

出典:100億企業成長ポータル「中小企業成長加速化補助金 3次公募 概要資料(Ver1.2・令和8年8月20日)」・中小企業庁の公募案内(参照日: 2026-09-25)

事業承継・M&A補助金(十六次公募)

枠が4つあり、それぞれ性格がまったく違います。中小企業庁の公表資料から整理します。

枠 補助率 補助上限 主な対象
事業承継促進枠 1/2・2/3(小規模事業者は2/3) 800万円〜1,000万円(一定の賃上げを実施する場合に引上げ) 5年以内に親族内承継・従業員承継を予定し、設備投資を行う方
専門家活用枠 買い手支援類型 1/3・1/2・2/3/売り手支援類型 1/2・2/3/小規模売り手支援類型 2/3 買い手・売り手支援類型 600万〜800万円(100億企業要件充足の買い手は2,000万円)/小規模売り手支援類型 450万円 M&Aの仲介・FA費用、デュー・ディリジェンス費用など
PMI推進枠 PMI専門家活用類型 1/2/事業統合投資類型 1/2・2/3 PMI専門家活用類型 150万円/事業統合投資類型 800万〜1,000万円 M&A後の経営統合・事業統合
廃業・再チャレンジ枠 2/3(他枠と併用する場合は各枠の補助率) 300万円(併用申請の場合は150万円または300万円) 既存事業を廃業して新たな取り組みに挑戦する方

公募申請受付期間は令和8年10月2日(金)から11月6日(金)17:00(予定)。申請は電子申請(Jグランツ)のみで、GビズIDプライムアカウントが要ります。4枠の中身は事業承継・M&A補助金の4枠解説でも扱っています。

出典:中小企業庁「事業承継・M&A補助金(十六次公募)の公募要領を公表します」(2026年9月4日)(参照日: 2026-09-25)

小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠 第20回)

補助上限は50万円。ただし特例の上乗せがあります。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方の要件を満たせば200万円が上乗せされ、最大250万円になります。補助率は2/3、賃金引上げ特例のうち業績が赤字の事業者は3/4です。

第20回の申請受付は2026年11月5日(木)開始、締切は2026年12月15日(火)17:00。補助事業実施期間は交付決定日から2028年3月31日(金)までと長めに取られています。準備の段取りは持続化補助金 第20回の準備スケジュールにまとめました。

出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回 公募要領(第7版)、中小企業庁の公募案内(2026年5月27日)(参照日: 2026-09-25)

持続化補助金は4つの型が別々に動いている

持続化補助金を「一覧」で見るときに混乱しやすいのが、同じ名前で4つの型が並行して動いている点です。中小企業庁の公募情報から、2026年度に公募要領が公開されている型を並べます。

型 公募回 申請受付期間
一般型・通常枠 第20回 2026年11月5日〜12月15日
創業型 第4回 2026年11月5日〜12月15日
共同・協業型 第3回 2026年8月14日〜9月30日
一般型・災害支援枠(令和8年熊本地震) 1次 2026年9月16日〜10月16日
一般型・災害支援枠(令和6年能登地震) 10次 2026年7月27日〜10月16日

補助上限も補助率も型ごとに違います。検索で出てきたページが「持続化補助金」としか書いていない場合、どの型の話なのかを先に確かめてください。ここを取り違えると、必要書類も締切も全部ずれます。

出典:中小企業庁 補助金公募情報(参照日: 2026-09-25)

厚生労働省系の助成金4制度 — 締切ではなく「要件」で動く

業務改善助成金(令和8年度)

事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、あわせて生産性向上に資する設備投資などを行った場合に、その設備投資の費用の一部が助成される制度です。令和8年度の受付は令和8年9月1日に始まりました。

この制度で一番注意が要るのは申請期限です。厚生労働省は令和8年9月24日付で改めてこう周知しています。申請期間は「令和8年9月1日から、申請事業場の都道府県において適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日まで」。つまり全国一律ではありません。厚生労働省のページにも「都道府県によっては9月末が申請期限になりますので、ご注意ください」と書かれています。

コース 引上げ額 助成上限額(右記以外の事業者/30人未満の事業者)
50円コース 50円以上 1人 30万円/40万円 〜 10人以上 130万円/130万円
70円コース 70円以上 1人 40万円/50万円 〜 10人以上 300万円/300万円
90円コース 90円以上 1人 90万円/100万円 〜 10人以上 600万円/600万円

助成率は、申請する事業場の引上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4。なお「10人以上」の上限額区分が使えるのは特例事業者に限られます。特例事業者は、事業場内最低賃金が1,050円未満の事業者(賃金要件)か、申請前6か月間平均の利益率が前年度と比べ3%ポイント以上低下している事業者(物価高騰等要件)です。後者に該当すると、通常は対象外のパソコン・スマートフォン・タブレット等の新規導入も助成対象に加わります。

事業完了期限は交付決定の属する年度の1月31日。納品・支払完了・賃金引上げをすべてこの日までに終える必要があります。制度全体は業務改善助成金の完全ガイドで詳しく扱っています。

出典:厚生労働省 業務改善助成金、「令和8年度業務改善助成金のご案内」(参照日: 2026-09-25)

人材開発支援助成金

従業員の訓練経費と訓練期間中の賃金の一部が助成される制度で、7つのコースがあります。人材育成支援コース、教育訓練休暇等付与コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コース、建設労働者認定訓練コース、建設労働者技能実習コース、障害者職業能力開発コースです。

最もよく使われる人材育成支援コースの経費助成率は、令和8年4月8日版のご案内によると次のとおりです。人材育成訓練は正規雇用労働者等が45%(中小企業以外は30%)、有期契約労働者等が70%。認定実習併用職業訓練が45%、有期実習型訓練が75%、中高年齢者実習型訓練が60%。賃金要件・資格等手当要件を満たす場合は、それぞれ助成率に上乗せがあります。賃金助成は1人1時間当たり800円、OJT実施助成は1人1コース当たり20万円です。

経費助成の限度額は、訓練時間10時間以上100時間未満で中小企業15万円、100時間以上200時間未満で30万円、200時間以上で50万円。1事業所1年度あたりの助成限度額は1,000万円です。

厚生労働省のページには「『訓練経費』は無料になりません」という注意書きが掲げられています。助成金を前提に受講料を値引きする、あるいは差し引き後の金額を提示するといった案内には気をつけてください。令和8年5月14日付の支給要領改正で、受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)の提出が必要になっています。コースの選び方は人材開発支援助成金のコース一覧と申請の流れで整理しました。

出典:厚生労働省 人材開発支援助成金、「令和8年度版 人材育成支援コースのご案内(令和8年4月8日版)」(参照日: 2026-09-25)

キャリアアップ助成金

有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者の正社員化や処遇改善を行った事業主への助成です。令和8年4月8日版のご案内では、正社員化コースの助成額は中小企業で、有期から正規への転換が1人当たり80万円(重点支援対象者)または40万円、無期から正規への転換が40万円または20万円となっています。

重点支援対象者は、雇入れから3年以上の有期雇用労働者、過去5年間に正規雇用労働者だった期間が1年以下などの条件に当てはまる有期雇用労働者、派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定訓練修了者です。正社員転換等制度を新たに規定した場合は1事業所当たり20万円、多様な正社員制度を新たに規定した場合は1事業所当たり40万円が加算されます。

1年度1事業所当たりの支給申請上限人数は20名(同一対象者の2回目の申請を除く)です。

出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年4月8日)」(参照日: 2026-09-25)

65歳超雇用推進助成金

65歳以上への定年引上げ、高年齢者の雇用管理制度の整備、高年齢の有期契約労働者の無期雇用転換を行った事業主への助成で、3コースあります。65歳超継続雇用促進コース、高年齢者評価制度等雇用管理改善コース、高年齢者無期雇用転換コースです。

65歳超継続雇用促進コースの支給額は、措置の内容と対象被保険者数で決まります。定年引上げまたは定年の定めの廃止なら15万円から240万円、66歳以上の年齢まで雇用する継続雇用制度の導入なら20万円から130万円、他社による継続雇用制度なら16万円から105万円。最も大きい240万円は、定年の定めを廃止し、対象被保険者が10人以上の場合です。

支給申請は、制度の実施日の属する月の翌月から起算して4か月以内の各月月初から15日までに行います。実施してから申請する制度なので、「先に申請して交付決定を待つ」補助金とは順序が逆です。

出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)(参照日: 2026-09-25)

目的から逆算して1つに絞る

11制度を全部検討する必要はありません。「何を買うか・何をするか」が決まっていれば、候補は1つか2つに絞れます。

やりたいこと 第一候補 次の候補
業務ソフト・クラウドサービスを入れる デジタル化・AI導入補助金(通常枠) 小規模事業者持続化補助金(従業員20人以下の場合)
セキュリティ対策サービスを契約する デジタル化・AI導入補助金(セキュリティ対策推進枠) —
ロボット・自動化設備で人手を減らす 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型) 同(一般型)
現場専用のシステムを作り込む 中小企業省力化投資補助金(一般型) 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
新しい製品・サービスを開発する 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(革新的新製品・サービス枠) —
既存事業と違う分野に進出する 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(新事業進出枠) 中小企業成長加速化補助金
販路開拓・広告・展示会 小規模事業者持続化補助金 —
事業を引き継ぐ・M&Aする 事業承継・M&A補助金 —
賃上げとセットで設備を入れる 業務改善助成金 —
社員に研修を受けさせる 人材開発支援助成金 —
非正規社員を正社員にする キャリアアップ助成金 —
定年を引き上げる 65歳超雇用推進助成金 —

AI導入という切り口で7制度を比べた記事もあります。用途が「AIを入れたい」で固まっている方はAI導入に使える補助金・助成金7制度の比較のほうが早いはずです。

締切日より先に来る「本当の期限」

一覧表の「締切」の欄だけ見ていると間に合いません。実務では、締切日より前に効く期限がいくつもあります。2026年10月から12月の主な制度で整理します。

小規模事業者持続化補助金は2026年12月15日17:00の手前に様式4発行の受付締切2026年12月4日、業務改善助成金は2026年11月30日の手前に地域別最低賃金の発効日の前日、中小企業成長加速化補助金は2026年10月29日の手前に100億宣言の公表2〜3週間があり、共通の前提としてGビズIDプライムアカウントの取得が必要なことを示した図

制度 表向きの締切 先に来る期限
小規模事業者持続化補助金(第20回) 2026年12月15日17:00 事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 2026年12月4日
業務改善助成金(令和8年度) 2026年11月30日 都道府県の地域別最低賃金の発効日の前日(早い県は9月末)
中小企業成長加速化補助金(3次) 2026年10月29日 100億宣言の公表手続きに通常2〜3週間
省力化投資補助金・事業承継M&A補助金ほか 各公募回の締切 GビズIDプライムアカウントの取得
デジタル化・AI導入補助金 2026年9月29日17:00(5次) IT導入支援事業者の選定とITツールの登録状況の確認

特に持続化補助金の様式4は、商工会議所・商工会に発行してもらう書類です。自分の作業スピードでは詰められません。業務改善助成金も同じで、地域別最低賃金の発効日は都道府県ごとに違うため、「11月30日まで大丈夫」と思い込んだまま9月末を過ぎてしまう事故が起きます。

どの制度でも共通する申請の6ステップ

制度は違っても、経済産業省系の補助金の手順はだいたい同じです。

GビズIDプライムアカウントを取得→公募要領を最後まで読む→事業計画を作る→電子申請で応募する→交付決定を受ける→事業を実施し実績報告、の6ステップと、補助金は後払いであることを示した流れ図

  1. GビズIDプライムアカウントを取得する(目安1〜2週間)。電子申請の入口です。法人・個人事業主とも、ここがないと何も始まりません。
  2. 公募要領を最後まで読む。特に「補助対象外経費」と「交付決定前の発注の扱い」。ここを読まずに見積りを取る人が多い。
  3. 事業計画を作る(目安2〜4週間)。現状の課題を数字で書き、導入後の目標を数字で書く。この2つがない計画書は審査で伸びません。
  4. 電子申請で応募する。締切間際はシステムが混みます。前日までに提出を終える前提で組んでください。
  5. 採択後に交付申請を行い、交付決定を受ける。ここが最大の落とし穴で、採択と交付決定は別です。
  6. 事業を実施し、実績報告を出す。検査を経て補助金が振り込まれます。補助金は後払いなので、いったん全額を自社で立て替えます。

厚生労働省系の助成金は順番が違います。業務改善助成金は交付申請が先、65歳超雇用推進助成金は制度を実施してから支給申請、人材開発支援助成金は訓練開始前の計画届が先。「補助金と同じつもり」で進めると手順を踏み外します。電子申請でつまずいたときの対処は5大補助金の締切スケジュールの記事でも触れています。

一覧表を見ただけで動くと落ちる4つの穴

穴1:交付決定より前に発注してしまう

❌ 採択の通知が来たので、翌日に業者へ発注した
⭕ 交付決定通知を受け取ってから発注・契約する

左に失敗(交付決定より前に発注してしまう/型や枠を取り違える/助成金が出る前提で予算を組む/締切日を提出期限だと思っている)、右に対策(交付決定通知を受け取ってから発注/括弧まで読む/全額を自社で支払える前提/前日までに提出を完了)を並べた図

採択は「審査を通った」という意味で、まだお金を出す約束ではありません。交付申請を出して交付決定を受けるまでの間に発注した経費は、原則として補助対象外になります。数百万円を丸ごと自社で支払うことになります。

穴2:制度名だけ合わせて、型や枠を取り違える

❌ 「持続化補助金」で検索して出てきた締切をカレンダーに入れた
⭕ 一般型・創業型・共同協業型・災害支援枠のどれかを確かめてから日程を入れる

前述のとおり持続化補助金は4つの型が並行しています。省力化投資補助金も一般型とカタログ注文型では締切の有無からして違う。制度名の後ろにある括弧まで読んでください。

穴3:助成金が出る前提で予算を組む

❌ 助成金が入る前提で、値引き後の金額だけを見て研修や設備を決める
⭕ 全額を自社で支払える前提で予算を立て、助成は後から入るものとして扱う

助成金も補助金も後払いです。そして要件審査があり、支給が保証されるものではありません。厚生労働省が人材開発支援助成金のページに「『訓練経費』は無料になりません」と書いているのも同じ趣旨です。助成金を織り込んだ値引き提案には慎重に。

穴4:締切日を「提出期限」だと思っている

❌ 締切当日の夕方に電子申請システムへログインする
⭕ 前日までに提出を完了させ、当日は予備日にする

デジタル化・AI導入補助金の公式サイトには「締切の直前は申請マイページへのアクセスが集中するため、各種画面の遷移、SMS認証等に伴う接続時間が通常よりも長くかかってしまう可能性があります」「締切時間を過ぎた場合は、いかなる理由であっても受付対応は一切いたしかねます」と明記されています。

数字で見る「通りやすさ」と準備の重さ

一覧記事ではあまり触れられませんが、制度によって競争率はかなり違います。公表されている数字から見えるものを2つ挙げます。

1つめ。中小企業成長加速化補助金の公式概要資料には、1次公募の採択倍率が約6.0倍、2次公募が約3.9倍と記載されています。また2次公募は締切までに872件の有効申請があり、100億宣言の申請数は1次公募締切時点で1,517件、2次公募締切時点で3,091件と公表されています。宣言する企業は増えているので、今後も倍率が下がるとは限りません。補助上限5億円という数字だけを見て飛びつく制度ではないということです。

2つめ。準備の重さは金額に比例します。持続化補助金(上限50万円)なら経営計画と様式4で足りますが、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は補助事業終了後3〜5年にわたる付加価値と給与の成長目標を背負います。成長加速化補助金にいたっては経営者本人のプレゼン審査まである。「上限額が大きい制度から検討する」のではなく、「自社が3年後に説明できる計画の大きさ」から逆算したほうが現実的です。

2026年度に何がどう変わったのかを先に押さえたい方は、令和8年度の補助金7制度の変更点まとめをご覧ください。

よくある質問

2026年に中小企業が申請できる補助金はどれですか?

2026年9月25日時点で受付中または受付開始が決まっているのは、デジタル化・AI導入補助金2026、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、中小企業省力化投資補助金(一般型・カタログ注文型)、中小企業成長加速化補助金、事業承継・M&A補助金、小規模事業者持続化補助金の7制度です。厚生労働省の助成金を含めると11制度になります。

2026年度に新しくできた制度はありますか?

「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が2026年度に新設されました。中小企業新事業進出補助金とものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を統合した制度で、第1回公募の応募期間は2026年9月30日から10月30日18:00です。公式サイトには、統合前の2つの補助金とは別の補助金である旨が明記されています。

補助金と助成金は何が違うのですか?

大まかには所管と採否の決まり方が違います。経済産業省・中小企業庁系の補助金は公募期間があり、事業計画の審査で採否が決まります。厚生労働省系の助成金は公募期間がなく、要件を満たして所定の手続きを踏めば支給される設計です。ただし助成金にも申請期限や事前の計画届があり、「いつでも出せる」わけではありません。

国の補助金の一覧はどこで確認できますか?

中小企業庁の補助金公募情報に、公募要領が公開された制度が新しい順に並んでいます。制度の解説を読みたい場合はミラサポplus、電子申請できる制度を横断して探す場合はjGrantsが使えます。

複数の補助金を同時に使えますか?

同一の経費を複数の制度に重ねて計上することはできません。一方で、設備投資は補助金、研修は助成金というように経費を分ければ併用できる場合があります。制度ごとに併給調整のルールが定められているため、厚生労働省の雇用関係助成金については「併給調整早見ツール」で確認し、そのうえで各事務局や労働局に問い合わせてください。

個人事業主でも申請できますか?

制度によります。小規模事業者持続化補助金や事業承継・M&A補助金の専門家活用枠は個人事業主も対象に含まれています。一方、上限額の大きい制度ほど対象が絞られる傾向があります。各制度の公募要領にある「補助対象者」の定義を必ずご確認ください。

GビズIDは必ず必要ですか?

経済産業省・中小企業庁系の補助金は電子申請が前提で、GビズIDプライムアカウントが必要です。中小企業省力化投資補助金の公式サイトにも「ID取得には一定の期間を要しますので、取得未了の方は、早めにGビズIDプライムアカウント取得手続きを行ってください」と案内されています。厚生労働省の雇用関係助成金は、別の電子申請の仕組み(雇用関係助成金ポータル等)を使います。

補助金はいつ振り込まれますか?

いずれの制度も後払いです。申請して採択され、交付決定を受けて事業を実施し、実績報告を出して検査を通った後に振り込まれます。制度によっては交付決定から実績報告期限まで半年以上かかります。設備代金はいったん全額を自社で支払う必要があるため、つなぎ資金の手当ても含めて計画してください。

採択率を上げる方法はありますか?

採択は審査委員の評価で決まるため、通過を保証できる方法はありません。ただし審査で評価されやすい要素はあります。現状の課題を数字で示すこと、導入後の目標を測定できる指標で書くこと、実施体制の役割分担を具体的に書くこと、公募要領の加点項目を事前に確認しておくことです。

申請書の作成を代行してもらえますか?

補助金申請書の作成代行は行政書士の独占業務です(行政書士法第1条の2)。当サイトを運営する株式会社Uravationが提供しているのはAI導入・DX推進のコンサルティングと研修であり、申請代行ではありません。申請書の作成そのものを依頼する場合は、行政書士や中小企業診断士などの専門家にご相談ください。

締切に間に合わなかった場合はどうなりますか?

その回は申請できません。次回公募を待つことになりますが、次回の公募時期が未公表の制度もあります。たとえばデジタル化・AI導入補助金の6次以降の締切日は、2026年9月25日時点では公表されていません。締切に追われたくない場合は、随時受付の中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)のような制度から検討するのも一つの手です。

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参考・出典

2026年度の残り半年をどう使うか

2026年9月25日時点で見えている締切は、10月16日(省力化投資補助金 一般型 第8回)、10月29日(成長加速化補助金 3次)、10月30日(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回、デジタル化・AI導入補助金 複数者連携枠 3次)、11月6日(事業承継・M&A補助金 十六次)、12月15日(持続化補助金 第20回)。ここから逆算すると、10月末締切の制度は事業計画の骨格がもうできている企業向け、11月・12月締切の制度がこれから準備を始める企業の現実的な射程です。

今週できることは3つあります。1つめ、GビズIDプライムアカウントを持っているか確認する。未取得なら今日申請する。2つめ、自社が「何を買いたいのか」を1行で書き出し、上の目的別の表で候補を1つに絞る。3つめ、その制度の公募要領を開いて「補助対象外経費」の項だけ先に読む。この3つで、無駄になる検討をかなり減らせます。

どの制度が自社に合うか判断がつかない、AI導入の計画そのものをどう書けばいいか決めかねている、という場合はお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。100社以上のAI研修・導入支援でお受けしてきた質問をもとに、計画づくりの観点をお伝えします(申請書の作成代行は行っておりません)。


執筆:株式会社Uravation 補助金ナビ編集部

監修:佐藤 傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。早稲田大学法学部在学中に生成AIの可能性に魅了され、100社以上の企業向けAI研修・導入支援を展開。X(@SuguruKun_ai)フォロワー10万人超。AI導入と補助金活用の実務経験をもとに、中小企業のDX推進をサポートしています。


免責事項

本記事の情報は2026年9月25日時点の各省庁・事務局の公表資料に基づく参考情報です。補助金・助成金の制度内容、公募期間、補助率、上限額は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず各制度の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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