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【12月15日締切】持続化補助金 第20回の準備スケジュールと変更点

【12月15日締切】持続化補助金 第20回の準備スケジュールと変更点

この記事の結論

持続化補助金 第20回(申請受付2026年11月5日〜12月15日17時)の変更点と準備スケジュールを解説。公募要領は7月21日に第8版へ改版。様式4の発行締切は12月4日、加点は合計2種類まで、補助上限は最大250万円。

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小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回の申請受付は、2026年11月5日(木)開始、締切は12月15日(火)17:00。そして多くの事業者がつまずくのが、その11日前に置かれた事業支援計画書(様式4)の発行受付締切、12月4日(金)だ。9月の今から動けば、まだ余裕をもって間に合う。

ただし、いま出回っている解説記事には注意が必要だ。第20回の公募要領は2026年5月27日に第7版として公開されたあと、2026年7月21日に第8版へ改版されている。6月までに書かれた記事は、再申請ができるようになる時期など、いくつかの点が古いままになっている。

この記事では、公募要領(第8版)と事務局が公開している公募要領新旧対照表、そして中小企業庁が公表した第19回の採択実績をもとに、2026年9月3日時点で確定していることとまだ公表されていないことを分けて整理する。そのうえで、12月15日から逆算した準備スケジュールを週単位で示す。

第20回で確定している数字と日付(2026年9月3日時点)

まず、公募要領(第8版)に書かれている確定事項を一枚にまとめる。金額・日付はすべて第8版の記載どおりだ。

項目 内容
制度名 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>(第20回受付締切分)
所管 経済産業省 中小企業庁 経営支援部 小規模企業振興課
補助率 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)
補助上限 50万円
インボイス特例 50万円の上乗せ
賃金引上げ特例 150万円の上乗せ
両特例を満たす場合 200万円の上乗せ(合計で最大250万円)
補助対象者 小規模事業者等(商業・サービス業〈宿泊業・娯楽業を除く〉は常時使用する従業員5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下)
補助対象経費 ①機械装置等費 ②広報費 ③ウェブサイト関連費 ④展示会等出展費 ⑤旅費 ⑥新商品開発費 ⑦借料 ⑧委託・外注費(この8区分のみ)
公募要領 第8版(2026年7月21日改版)/初版公開は2026年5月27日の第7版
申請受付開始 2026年11月5日(木)
申請受付締切 2026年12月15日(火)17:00
様式4 発行の受付締切 2026年12月4日(金)
採択発表 2027年3月頃(予定)
見積書等の提出期限 2028年2月29日(期限までに未提出だと採択取消)
補助事業実施期間 交付決定日から2028年3月31日(金)まで
実績報告書の提出期限 2028年4月10日(月)
申請方法 電子申請システムのみ(郵送は一切受け付けない)。GビズIDのアカウントが必要
応募件数 同一事業者から同一受付締切回への応募は1件のみ

窓口は事業所の所在地によって2つに分かれる。商工会の管轄地域なら商工会地区 補助金事務局、商工会議所の管轄地域なら商工会議所地区 補助金事務局。スケジュールと公募要領は共通だが、様式4のやり取りの手順が少し違う(後述)。

まだ公表されていないもの

ここは正直に書いておきたい。2026年9月3日時点で、次の資料はまだ公開されていない。

  • 別紙「参考資料」(業種の判定、賃金台帳の様式、旅費の支給基準、加点の基準日などが載る)
  • ガイドブック
  • 申請時によくあるご質問(第20回版)
  • 交付規程(第20回版)
  • 電子申請システムの申請先URL(公募要領第8版でも「現在調整中」と記載)

いま計画を書き始めるうえで足りない情報はほとんどないが、細かい判定基準(たとえば経営力向上計画加点の基準日)は参考資料の公開待ちになる。9月〜10月は「自社の数字を固める作業」に集中するのが効率的だ。

制度そのものの選び方から迷っている場合は、AI導入に使える補助金5選 徹底比較で補助率・上限額・向き不向きを横並びにしてある。

7月21日の第8版改版で何が変わったか — 見落とされやすい4点

事務局は第8版と同時に「公募要領新旧対照表」を公開している。この対照表は第6版(第19回の公募要領)との比較が主だが、冒頭に「第7版からの変更点は、No.1、No.3、No.13、No.82となります」と明記されている。つまり第7版→第8版の実質的な変更は2か所だけだ(No.1とNo.3は表紙の版数・日付の更新)。

対照表No. 該当箇所 第7版(5月27日) 第8版(7月21日)
No.1 / No.3 表紙 第7版:2026年5月27日/2026年5月 第8版:2026年7月21日/2026年7月
No.13 3.補助対象外となる事業者(1) 過去に採択され補助事業を実施した事業者は、様式第14の提出を完了後、さらに1年が経過してから再度の申請が可能 過去に採択され補助事業を実施した事業者は、事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年が経過し、様式第14の提出を完了していれば申請が可能
No.82 政策加点⑪ 地域別最低賃金引上げ加点 直近の改定での地域別最低賃金額以下で雇用していた従業員がいる事業者 直近の改定での地域別最低賃金額未満で雇用していた従業員がいる事業者

No.13の緩和は、前回採択された事業者にとって大きい

第7版の書き方だと、過去に持続化補助金で採択され補助事業を実施した事業者は「様式第14(事業効果および賃金引上げ等状況報告書)を出し終えてから、さらに1年待つ」必要があった。再申請の間隔が実質2年になる、という理解が広まったのはこのためだ。第8版ではこの一文が差し替えられ、「事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年間が経過し、様式第14の提出を完了している場合に、申請が可能」という従来どおりの条件に戻っている。

ただし、代わりに次の一文が新設されている。

「小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募」において、採択され補助事業を実施する事業者は、事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年間が経過し、「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果および賃金引上げ等状況報告書」の提出を完了後、さらに1年が経過してから再度の申請が可能です。(公募要領 第8版 P.5)

要するに、「さらに1年」ルールは第20回で採択された人の“次の申請”に適用される形へ整理された。第20回に申請する側の条件ではない。ここを取り違えたまま「うちはまだ申請できない」と諦めている事業者が出そうな箇所なので、過去に採択歴がある方は自社の事業実施期間終了日と様式第14の提出状況を確認してほしい。

No.82は加点の対象範囲がわずかに狭まった

地域別最低賃金引上げ加点の対象は、直近の最低賃金改定で決まった額「以下」で雇用していた従業員がいる事業者から、「未満」で雇用していた従業員がいる事業者へ変わった。改定後の額とちょうど同額で雇用していたケースが対象から外れる、という細かい修正だ。1円差で加点の可否が動くので、賃金台帳を見て判定する必要がある。地域別の額は厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」で確認できる。

第19回から変わった主要ポイントを対比で読む

ここからは第19回(公募要領 第6版)と第20回(第8版)の差分だ。新旧対照表に載っている83項目のうち、申請の中身に直接効くものを抜き出した。

項目 第19回まで 第20回
賃金引上げ特例の要件 補助事業期間中に事業場内最低賃金を+50円以上に引上げ 従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増加(2027年4月1日〜2028年3月31日と前年同月の12か月を比較)
赤字事業者の扱い 特段の規定なし 賃金引上げ特例に申請する赤字事業者は補助率3/4、赤字賃上げ加点が自動適用され優先採択
広報費の対象 パンフレット・ポスター・チラシ等 パンフレット・ポスター・チラシに加え、インターネット広告・SNS広告等を明記
広報費の上限 上限の定めなし 補助金交付申請額の上限30万円(税込)
広報費の単独申請 規定なし 広報費のみによる申請は不可(他の経費と組み合わせる)
ウェブサイト関連費の上限 補助金交付申請額の1/4(最大50万円) 一律30万円(税込)
相見積が必要な発注額 1件あたり100万円(税込)超 発注総額(1件あたり)50万円(税込)超
補助対象事業の要件 3要件 4要件(売上高・売上総利益が増加することが見込める事業であることを追加)
補助事業実施期限 2027年6月30日(水) 2028年3月31日(金)
見積書等の提出期限 2027年5月30日 2028年2月29日

賃金引上げ特例は「最低賃金の底上げ」から「全体の平均3.0%」へ

ここが第20回で最も性格が変わったところだ。第19回までは「事業場内でいちばん低い賃金を+50円以上にする」という、1人を対象にした分かりやすい要件だった。第20回は従業員1人あたり給与支給総額の年平均を3.0%以上増加させるという、給与総額ベースの要件になっている。

比較の対象期間も具体的に決まっている。補助事業実施期限日(2028年3月31日)を終点とする連続12か月と、その前年同月の12か月。つまり2027年4月1日〜2028年3月31日と2026年4月1日〜2027年3月31日の比較だ。補助事業終了予定日は実施期限日に設定するよう公募要領で指示されている。

計算のクセもいくつかある。公募要領の注記から実務に効くものを拾うと、こうなる。

  • 従業員には非常勤を含むが、代表者・役員・専従者は含めない
  • 比較する2つの期間のどちらかで全月分の給与を受けていない従業員(中途入社・退職者など)は、その期間の算出対象から外す
  • 産前・産後休業、育児休業、介護休業などで時短勤務中の従業員は算出対象から除くことができる
  • パートタイム従業員は正社員の就業時間に換算して人数を出す。1日7時間・週35時間の会社で1日3時間・週15時間のパートなら0.42人(3÷7を小数点以下第3位で切捨て)
  • 給与支給総額には給料・賃金・残業代・賞与を含み、福利厚生費・法定福利費・退職金は含めない
  • いずれかの月で算定対象となる従業員が1人もいない場合、1人あたり給与支給総額を計算できないため特例の対象外になる

提出書類も重くなった。採択後・交付決定までに「採択発表日の属する月を終点とした連続12か月分の賃金台帳の写し」と「雇用条件(1日の所定労働時間、年間休日)が分かる書類の写し」、実績報告時には「補助事業実施期限日を終点とした連続12か月分の賃金台帳の写し」を出す。役員・専従者を除く全従業員分だ。第19回の実績報告は「直近1か月分」で済んでいた。

そして最も重い注意書きがこれだ。賃金引上げ特例を希望した場合、通常枠と特例の要件を1つでも満たさなければ、上乗せ部分だけでなく補助金の全体が交付対象外になる。150万円の上乗せを狙って要件を落とすと、本体の50万円ぶんも受け取れない。ここは慎重に判断したい。

赤字事業者は補助率3/4になり優先採択の対象になる

賃金引上げ特例に申請する事業者のうち、直近1期または直近1年間の課税所得金額がゼロ以下の事業者は、補助率が2/3から3/4に上がる。判定に使うのは、法人なら直近1期の法人税申告書 別表一・別表四の「所得金額又は欠損金額」欄、個人事業主なら直近1年の確定申告書 第一表の「課税される所得金額」欄。申請時にその写しを提出する。

あわせて赤字賃上げ加点が自動適用され、優先採択の対象になる。資金繰りが苦しい中でも賃上げに踏み込む事業者を、率でも採択でも後押しする設計だ。

広報費とウェブサイト関連費は「30万円ずつの箱」になった

ホームページやSNS広告に予算を寄せていた事業者には、ここがいちばん効く。

第19回まで、インターネット広告や動画に関する費用は「ウェブサイト関連費」で計上する扱いだった。第20回は広報費の定義そのものが「パンフレット・ポスター・チラシ・インターネット広告・SNS広告等」に書き換えられ、インターネット広告とSNS広告は広報費へ移った。SNS広告の運用代行費も広報費の対象例だ。一方で自社ホームページやECサイトで使う動画・写真の制作費は、引き続きウェブサイト関連費で計上する。境目は「広告の出稿・掲載まわり=広報費」「サイトやシステムの制作・改修まわり=ウェブサイト関連費」と覚えると整理しやすい。

そのうえで、両方に30万円(税込)の上限がついた。ウェブサイト関連費は第19回まで「交付申請額の1/4(最大50万円)」だったので、上限額としては20万円ぶん下がったことになる。さらに広報費・ウェブサイト関連費とも単独では申請できない。必ず他の経費と組み合わせる必要がある。

「ホームページ制作50万円+SNS広告30万円」で組んでいた計画は、そのままでは通らない。機械装置等費や展示会等出展費と組み合わせて事業全体を設計し直すことになる。経費区分の切り分けで迷いやすい論点はソフト更新料・クラウド利用料の経費区分早見表にまとめてある。

相見積のラインが50万円超に下がった

発注先の選定について、公募要領はこう定めている。発注総額(1件あたり)が50万円超(税込)になるものは、2者以上から見積を取り、より安価な発注先を選ぶ。第19回までは100万円超が基準だったので、対象になる発注が一気に増えた。

例外もある。発注する事業内容の性質上、見積を取ることが困難な場合は、その相手を随意契約の対象とする理由書を採択発表後・交付決定までに提出できる。ただし中古品の購入だけは金額に関わらず2者以上の見積が必須で、理由書による随意契約は認められない。個人からの購入やインターネットオークションでの購入も不可だ。なお相見積は「補助事業者自身が別々の企業から取得する」ことが求められている。

加点は「積み上げ」ではない — 選べるのは合計2種類まで

これは第20回に限った話ではないが、誤解が多いので独立した節にしておく。持続化補助金の加点審査は【重点政策加点】と【政策加点】からそれぞれ1種類、合計2種類までしか選べない。

公募要領には、こう書かれている。

加点は、【重点政策加点】、【政策加点】からそれぞれ1種類、合計2種類まで選択することができます。※【重点政策加点】、【政策加点】から2種類以上を選択された場合には、加点審査の対象となりませんので、お間違えのないようご注意ください。(公募要領 第8版 P.33-34)

「取れるものを全部押さえる」と加点がゼロになる。該当しそうな項目が3つ4つあるなら、どれを出すかを選ぶ作業が必要になる。

重点政策加点(この中から1つ)

加点名 対象 必要な手続き
赤字賃上げ加点 賃金引上げ特例に申請する事業者のうち赤字である事業者 賃金引上げ特例(赤字事業者)を希望すると自動適用
事業環境変化加点 ウクライナ情勢や原油・LPガス価格等の高騰、米国による相互関税の影響を受けている事業者 様式2で選択し影響の内容を入力
東日本大震災加点 福島県12市町村に事業実施場所がある事業者/ALPS処理水の風評影響を克服する太平洋沿岸部(北海道・青森・岩手・宮城・福島・茨城・千葉)の水産仲買業者・水産加工業者 様式2で選択し営業許可証等の写しを提出
くるみん・えるぼし加点 次世代法の「くるみん認定」または女性活躍推進法の「えるぼし認定」を受けている事業者 様式2で選択し認定通知書の写しを提出
健康経営優良法人加点 「健康経営優良法人」の認定を受けている事業者 様式2で選択。GビズIDの登録情報と突合して自動判定

健康経営優良法人加点は書類の提出が要らない代わりに、GビズIDの登録情報が古いと自動判定が通らない。公募要領には「GビズIDの登録情報に不備や未連携がある場合でも、個別対応は行いません」と明記されている。認定を持っているなら、申請前にマイページで登録情報が最新かどうかを見ておきたい。

政策加点(この中から1つ)

加点名 対象の要点
賃金引上げ加点 2027年4月1日〜2028年3月31日と前年同月の12か月を比べ、1人あたり給与支給総額を年平均2.0%以上増加させる(賃金引上げ特例を希望すると自動適用)
地方創生型加点 地域資源型(地域資源を活用し地域外への販売や新規事業を行う計画)/地域コミュニティ型(地域の課題解決・実需に応えるサービスで地域内の需要を喚起する計画)
経営力向上計画加点 基準日までに中小企業等経営強化法の「経営力向上計画」の認定を受けている(認定書の写しが必要。申請中は対象外)
事業承継加点 基準日時点で代表者が満60歳以上、かつ後継者候補が補助事業を中心に行う(様式10が必要。過去分の再利用は不可)
過疎地域加点 過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に定める過疎地域に所在し、地域経済の持続的発展につながる取組を行う事業者
一般事業主行動計画策定加点 従業員100人以下で「女性の活躍推進企業データベース」または「両立支援のひろば」に一般事業主行動計画を公表(計画期間に公募締切日と補助事業終了予定日の両方が含まれること)
後継者支援加点 「アトツギ甲子園」のファイナリストまたは準ファイナリストになった事業者
小規模事業者卒業加点 補助事業終了時点で常時使用する従業員数が小規模事業者の定義を超える(商業・サービス業は6人以上、宿泊業・娯楽業と製造業その他は21人以上)
事業継続力強化計画策定加点 申請受付締切日までに「事業継続力強化計画」等の認定を受け、実施期間が終了していない
令和6年能登半島地震等に伴う加点 石川・富山・新潟・福井県内に実施場所があり、直接被害または売上20%以上減少の間接被害を自治体発行の証明書等で確認できる
地域別最低賃金引上げ加点 直近からひとつ前の改定以降、直近の改定までの期間に、直近改定の地域別最低賃金額未満で連続3か月以上雇用していた従業員がいる

自動適用の重なりに注意

選択のとき、次の3つの関係を押さえておくと事故が減る。

  • 賃金引上げ特例を希望すると、政策加点の賃金引上げ加点が自動的に適用される。つまり政策加点の枠は自動で埋まるので、別の政策加点を重ねて選ぶ意味がない
  • 賃金引上げ特例(赤字事業者)を希望すると、重点政策加点の赤字賃上げ加点も自動的に適用される。重点政策加点の枠も自動で埋まる
  • くるみん・えるぼし加点(重点政策加点)と一般事業主行動計画策定加点(政策加点)の両方に該当し、両方を選んだ場合は重点政策加点分のみ加点される

逆に言えば、賃金引上げ特例を使わない事業者は、重点政策加点1つと政策加点1つを自分で選べる。ここは事業計画の中身とは別の、純粋な戦術の話だ。

過去の採択回数による減点調整もある

計画審査の末尾に、こう書かれている。「より多くの事業者に補助事業を実施いただけるよう、過去の補助事業(全国対象)の実施回数等に応じて段階的に減点調整を行います」。また、過去に採択された事業者については「それぞれ実施回の事業実施結果を踏まえた補助事業計画を作成できているか」「過去の補助事業と比較し、明確に異なる新たな事業であるか」という観点でも審査される。過去回と同じ事業と見なされると不採択(採択後に判明した場合は遡って取消)になる。

12月15日から逆算する準備スケジュール

「締切は12月だから、11月に入ってから動けばいい」と考えると、たいてい様式4で詰まる。商工会・商工会議所は同じ時期に相談が集中するし、様式4の発行受付締切(12月4日)を過ぎるといかなる理由があっても発行されないと公募要領に明記されている。様式4がなければ電子申請は完了しない。

逆算するとこうなる。

時期 やること つまずきどころ
9月上旬〜中旬 GビズIDの棚卸し(未取得なら申請、取得済みなら有効期限と登録情報の確認) 2026年7月からアカウントに有効期限が設けられた。書類申請は審査に最大1か月
9月中旬〜下旬 直近3年の売上高・売上総利益、販路別の内訳、課題の数字を洗い出す 売上「総利益」まで出しておく。第20回は総利益の増加が要件
9月下旬〜10月上旬 インボイス特例・賃金引上げ特例の当たり判定、加点の選択(重点政策加点1つと政策加点1つ) 賃金引上げ特例は12か月分の給与シミュレーションが要る
10月上旬〜中旬 補助事業の中身を固め、経費を8区分に割り付ける 広報費・ウェブサイト関連費は各30万円が天井。単独申請は不可
10月中旬〜11月上旬 商工会・商工会議所へ相談し、様式4の発行を依頼 相談から発行まで時間がかかる。混雑期は特に
10月下旬〜11月中旬 経営計画(様式2)・補助事業計画(様式3)を書き上げる 売上高・売上総利益の増加を客観的な根拠つきで書く
11月上旬〜中旬 見積書の取得(1件50万円超・税込は2者以上) 業者の見積が出るまで1〜2週間かかることがある
11月5日〜12月15日 電子申請システムで入力・添付・提出 17:00締切。郵送は受け付けない
12月4日(金) 様式4の発行受付締切 この日を過ぎたら発行不可。実質のリミット
12月15日(火)17:00 申請受付締切 —

Step 1: GビズIDの棚卸し(9月中に済ませたい)

電子申請システムを使うにはGビズIDのアカウントが必要だ。公募要領の注意事項では「申請には『GビズIDプライム』のアカウント取得が必要です」と書かれ、申請先の項では「GビズIDプライムもしくはGビズIDメンバーのアカウント取得が必要」と補足されている。メンバーはプライムの下にぶら下がる従業員用アカウントなので、いずれにせよ事業者としてプライムを持っていることが前提になる。なお暫定GビズIDプライムアカウントは使用できない。

取得にかかる時間は申請方法で大きく変わる。デジタル庁の案内では、GビズIDプライムの審査はオンライン申請で最短即日、書類申請で最大1か月。オンライン申請にはマイナンバーカードと、カードを読み取れるスマートフォンが必要だ。公募要領側は「アカウントの取得には数週間程度を要します」と書いているので、書類申請になりそうなら9月中の着手が現実的なラインになる。

手順はGビズIDプライムの登録手順ガイドにまとめてある。

Step 2: 自社の数字を「売上総利益」まで出す

第20回から補助対象事業の要件に「事業効果および賃金引上げ等状況報告書の提出時の売上高・売上総利益が、補助事業終了時と比較して増加することが見込める事業であること」が加わった。売上だけを見ていると足りない。原価を引いたあとの粗利がどう動くかまで書く必要がある。9月のうちに次を整理しておきたい。

  • 直近3期(3年)の売上高と売上総利益の推移
  • 商品・サービス別、販路別の売上構成比
  • いま取りこぼしている需要の量(問い合わせ件数、失注件数、稼働率、客単価など)
  • 補助事業で動かしたい指標と、その目標値の根拠

Step 3: 特例と加点の当たり判定(9月下旬まで)

インボイス特例は、補助事業終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受けており、かつ「2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者だった」または「2023年10月1日以降に創業した」のいずれかに当てはまることが条件。申請時に2019年・2020年・2021年の各9月30日が属する事業年度の課税売上高を入力する(国税庁の登録申請ページ)。賃金引上げ特例を使うかどうかは、12か月×2期間の給与シミュレーションを作ってから決める。上乗せは大きいが、未達なら補助金全体が交付されない。加点の選択(重点政策加点1つ+政策加点1つ)もこの段階で決めておくと、様式4の依頼時に必要書類を一度で揃えられる。

Step 4: 商工会・商工会議所への相談と様式4(10月中旬〜11月上旬)

様式4(事業支援計画書)は商工会・商工会議所が発行する書類で、発行にあたって事業計画の内容、提出書類の過不足、希望する特例の要件充足まで確認される。社外の代理人だけで相談や発行依頼を行うことはできないと公募要領に明記されているので、事業者本人が窓口に出る前提で予定を組む。

手続きの流れは地区で少し違う。

  • 商工会地区: 電子申請システム内で地域の商工会へ発行依頼を出し、窓口へ行って発行を受ける(発行のために面談がある)。発行されると電子申請システムに反映される
  • 商工会議所地区: 地域の商工会議所へ発行依頼を出して発行を受け、受け取った様式4のPDFを電子申請システムにアップロードする

どちらの地区でも、様式4が電子申請システムに載るまで申請は完了できない。事業承継加点を狙う場合は、様式10(事業承継診断票)の発行依頼も様式4と同時に行うよう指示されている点にも注意したい。依頼の実務は様式4の依頼方法ガイドで手順を追える。

Step 5: 経営計画・補助事業計画(10月下旬〜11月中旬)

計画審査は「①自社の経営状況分析の妥当性 ②経営方針・目標と今後のプランの適切性 ③補助事業計画の有効性 ④積算の透明・適切性」の4本立てで、③には「デジタル技術を有効的に活用する取組が見られるか」も含まれる。書き方の具体は採択率を高める事業計画書の書き方ガイドに譲るが、第20回で外せないのは「客観的事実に基づいた売上高・売上総利益の増加」を数字で示すことだ。

Step 6: 見積書・相見積(11月上旬〜中旬)

採択後・交付決定までに、計上したすべての経費について見積書等の提出が必要になる。ただし相見積が要る発注(1件50万円超・税込)は、申請前に当たりをつけておかないと計画の金額が固まらない。中古品を買う予定があるなら、金額に関わらず2者以上の中古品販売事業者から見積を取る。

Step 7: 電子申請(11月5日〜12月15日)

申請は電子申請システムでのみ受け付ける。郵送は一切不可。第20回の申請先URLは公募要領第8版の時点で「現在調整中」と記載されており、2026年9月3日時点でも公開されていない。申請受付開始日までに事務局サイトへ掲載されるので、11月に入ったら公式サイトを確認してほしい。

動作確認済みのブラウザも決まっている。Windowsは Chrome / Edge、macOSは Chrome / Safari、iOSは Safari、Androidは Chrome。Edge の Internet Explorer モードはエラーの原因になるため使わない。添付ファイルは公募要領で決められたファイル名を付けて所定の場所に添付する。パスワード付きファイルは内容を確認できないため審査されない。

GビズIDは「持っている」だけでは足りなくなった

ここは今回いちばん見落とされそうな変更なので、独立した節にしておく。2026年7月9日から、GビズIDプライムとGビズIDメンバーのアカウントに有効期限が設けられた。

種別 有効期限 有効期間 更新方法
GビズIDプライム あり 2年3か月 法人代表者・個人事業主本人への本人確認
GビズIDメンバー あり 2年3か月 プライムまたは管理者権限メンバーの承認
GビズIDエントリー なし — —

起算日は発行時期で分かれる。導入日より前に発行されたアカウントは導入日から2年3か月(2028年10月ごろまで)、導入日以降のものは発行日から2年3か月。期限が切れると、行政サービスへのログインやGビズIDメンバーの作成ができなくなる。

厄介なのは更新にかかる時間だ。デジタル庁の案内には「更新手続きには本人確認を含む場合もあり、最大1か月ほどかかることがある」と書かれている。有効期限の3か月前・1か月前・2週間前にメール通知が届く仕組みだが、補助金の申請にしか使わないアカウントだと通知を見落としたまま11月を迎えかねない。プライムに紐づくメンバーが有効期限内でも、プライム側の期限が切れればメンバーも同じ制限を受ける。

9月のうちにマイページへログインして、有効期限と登録情報(法人名・法人番号・所在地・代表者名)をまとめて確認しておくのが安全だ。健康経営優良法人加点はGビズIDの登録情報との自動判定なので、情報が古いと加点そのものを取り逃す。

第20回で落ちやすい申請書の作り方 — 5つの不備

ここからは、第20回の変更点をそのまま踏み抜くパターンを並べる。どれも「前回と同じつもり」で書くと起きる。

不備1: 広報費・ウェブサイト関連費を前回の感覚で積む

❌ ホームページ制作50万円とSNS広告30万円を、ウェブ関連の予算80万円として計上する
⭕ ウェブサイト関連費30万円(税込)、広報費30万円(税込)の範囲に収め、機械装置等費や展示会等出展費と組み合わせて事業全体を組む

「ウェブに寄せた計画」は第20回でいちばん組み直しが必要になる型だ。上限が下がったうえに、両方とも単独申請ができない。

不備2: 賃金引上げ特例を旧要件のまま書く

❌ 事業場内最低賃金を+50円以上に引き上げる計画を書く(第19回までの要件)
⭕ 2027年4月1日〜2028年3月31日と前年同月の12か月を比べ、従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増やす計画を書き、賃金台帳で裏づける

前回の申請経験がある事業者ほど、古い要件で書いてしまう。しかも特例の要件を1つでも落とすと補助金全体が交付されない。上乗せ150万円と、本体50万円を含めた全額を失うリスクを天秤にかける場面で、迷ったら特例を使わないという判断も十分に合理的だ。

不備3: 50万円超の発注で相見積を取り忘れる

❌ 機械装置等費60万円(税込)の発注先は1社だけ。見積書1枚で申請する
⭕ 50万円超(税込)なので2者以上から見積を取り、より安価な発注先を選んだ経緯を残す

旧基準の100万円超という感覚でいると、50万〜100万円の発注が丸ごと抜ける。

不備4: 様式4の締切と申請締切を混同する

❌ 申請締切が12月15日だから、12月上旬に商工会議所へ相談に行けばいい
⭕ 様式4の発行受付締切は12月4日(金)。相談から発行まで時間がかかるので、10月中旬〜11月上旬に窓口へ連絡する

公募要領は「受付締切以降の発行依頼は、いかなる理由があってもできません」と書いている。補助対象者の要件を満たしていないと判断される場合も発行されない。窓口での確認で不足書類が見つかることもあるので、余裕を持って動くしかない。

不備5: 加点を欲張って加点ゼロになる

❌ 該当しそうな加点を4つ選んで申請する
⭕ 重点政策加点から1つ、政策加点から1つ、合計2種類だけを選ぶ

それぞれのカテゴリで2種類以上を選ぶと、加点審査の対象から外れる。賃金引上げ特例を希望した時点で賃金引上げ加点(+赤字事業者なら赤字賃上げ加点)が自動適用される点も忘れやすい。

おまけ: 交付決定前の発注は今回も対象外

毎回いちばん被害が大きいのがこれだ。交付決定日以降に発生し、補助事業期間中に支払いが完了した経費だけが補助対象になる。採択通知が来ても、まだ発注してはいけない。採択発表は2027年3月頃の予定で、交付決定はそこから概ね1〜2か月かかると公募要領にある。設備の納期が読めない事業は、この待ち時間を織り込んで計画を立てる。例外は展示会等への出展申込みだけで、これも請求書の発行日が交付決定日以降でなければ対象外だ。

補助対象になる経費・ならない経費(第20回の8区分)

ここは誤解がとても多い。第20回の補助対象経費は次の8区分だけで、これ以外は対象外だ。「資料購入費」「雑役務費」「設備処分費」といった区分は第20回には存在しない(過去の公募回の名残がネット上に残っている)。

区分 主な内容 第20回の要点
①機械装置等費 補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入費 1件50万円超(税込)は2者以上の見積。単価50万円(税抜)以上は処分制限財産。中古品は金額に関わらず2者以上の見積が必須で、単価50万円(税抜)未満のみ可
②広報費 パンフレット・ポスター・チラシ・インターネット広告・SNS広告等の作成と広報媒体の活用 上限30万円(税込)。単独申請は不可。SNS広告の運用代行費も対象
③ウェブサイト関連費 ウェブサイト・ECサイト・システム(オフライン含む)の開発、構築、更新、改修、運用 上限30万円(税込)。単独申請は不可。50万円(税抜)以上は処分制限財産(通常5年間)
④展示会等出展費 展示会・商談会への出展料等(オンライン開催を含む) 関連する運搬費・通訳料・翻訳料も対象。出展申込みは交付決定前でも可
⑤旅費 補助事業計画に基づく販路開拓のための旅費 公共交通機関の最も経済的・合理的な経路の実費。日当・ガソリン代・タクシー代・レンタカー代は対象外
⑥新商品開発費 試作品・包装パッケージの試作開発に伴う原材料・設計・デザイン・製造等 テストマーケティングまたは市場調査の内容と結果を様式2または実績報告書に書く。書かないと対象外
⑦借料 補助事業に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料 事務所の家賃は原則対象外。PRイベントの会場を借りる費用はここ
⑧委託・外注費 ①〜⑦に当たらない業務のうち、自ら実行することが困難な業務の委託・外注 店舗改装・バリアフリー化工事など。50万円(税抜)以上の外注工事は処分制限財産。実務すべての再委託を前提とした経費は対象外

AI・ITを入れたい場合はどこに乗るのか

公募要領の③ウェブサイト関連費には、対象となる経費例としてこう挙がっている。オフラインを含むシステム開発、顧客管理システムの構築、アプリケーション開発、業務効率化のためのソフトウェア、販路開拓等のための特定業務用ソフトウェア、効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策。

ただし上限は30万円(税込)で、単独申請はできない。本格的なシステム投資をこの制度だけで賄うのは現実的ではない。数十万円規模の販路開拓ツールを機械装置等費や展示会等出展費と組み合わせて入れるのが、持続化補助金の使い方だ。区分の境目は経費区分早見表で確認できる。

なお、ウェブサイトおよびシステムに関連するコンサルティング・アドバイス費用は対象外、既に導入しているソフトウェアの更新料も対象外、販売を目的としたシステム・ソフトウェア開発も対象外と明記されている。

対象外になりやすい経費(公募要領から抜粋)

  • 汎用性が高く目的外使用になりえるもの: パソコン、タブレット端末、事務用プリンター、複合機、WEBカメラ、PC周辺機器(ハードディスク・サーバー・モニター・スキャナー・ルーター等)、電話機
  • 自動車等車両(自動車、フォークリフト、キッチンカー、除雪車、キッチントレーラー など)
  • 駐車場代、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費、電話代・インターネット利用料金等の通信費
  • 消耗品(名刺、文房具、インクカートリッジ、用紙、封筒、USBメモリ、電池、段ボール、梱包材 など)
  • 講習会・セミナー研修等の参加費・受講費、図書等の資料購入費
  • 役員報酬、直接人件費、謝金、雑役務費(アルバイト代などの人件費、派遣料、交通費として支払われる経費等)
  • コンサルティング・アドバイス費用(インボイス制度対応のための専門家への相談費用を除く)
  • 役員・従業員や代表者・役員の3親等以内の親族への発注、親族が代表・役員を務める事業者への発注、親会社・子会社・関連会社への発注、自社内部やフランチャイズチェーン本部との取引
  • 1取引10万円(税抜)を超える現金支払、売上高や販売数量に応じて課金される経費、成功報酬型の費用
  • 金融機関への振込手数料、決済手数料、クラウドファンディングで発生する手数料
  • 不動産の購入・取得費、修理費、車検費用、免許・特許等の取得・登録費
  • 単なる取替え更新で新たな販路開拓につながらない機械装置等、販売している商品の仕入、応接室のソファや従業員が使う事務机

公募要領には「計上されている経費の大半が補助対象外である場合、補助事業の円滑な実施が困難であるとして、不採択・採択取消になります」とも書かれている。積算の段階で対象外を混ぜると、その経費だけが落ちるのではなく事業全体の評価に響く。

採択率をどう読むか — 第18回48.1%・第19回47.2%

直近2回の実績は中小企業庁が公表している。

公募回 受付締切 採択発表 申請件数 採択件数 採択率
第18回 2025年11月28日 2026年3月17日 17,318件 8,330件 48.1%
第19回 2026年4月30日 2026年7月29日 16,576件 7,819件 47.2%

おおむね2件に1件が不採択という水準が続いている。第20回は受付締切から採択発表まで約3か月(2026年12月15日→2027年3月頃)を見込む形だ。なおこの採択率は商工会地区と商工会議所地区を合算した全国の数字で、地区別・都道府県別の内訳は公表されていない。

審査で見られている4つの観点

採択率を上げるコツを語る前に、公募要領がそのまま書いている審査基準を読むほうが早い。基礎審査(4項目すべてを満たさないと失格)を通過したうえで、計画審査が加点方式で行われる。

観点 公募要領が求めていること
①自社の経営状況分析の妥当性 自社の経営状況を適切に把握し、製品・サービスや強み・弱みも適切に把握しているか
②経営方針・目標と今後のプランの適切性 強み・弱みを踏まえ、対象とする市場(商圏)や顧客のニーズを捉え、売上高・売上総利益の増加を目指すものになっているか
③補助事業計画の有効性 効果が客観的事実に基づいて目標設定されているか/実現可能性が高いか/新たな価値を生む商品・サービスや提供方法があるか/デジタル技術を有効的に活用する取組が見られるか/取得資産を事業終了後も継続使用することが明確か
④積算の透明・適切性 事業実施に必要なものになっているか/事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額か

③に「デジタル技術を有効的に活用する取組」が明記されているのは、この制度を業務のデジタル化と組み合わせて使いたい事業者にとって追い風だ。ただし前述のとおりウェブサイト関連費の天井は30万円なので、「デジタル技術で販路をどう広げるか」を主役に据え、費用は8区分に分けて積むという設計になる。

②③のどちらにも「売上高・売上総利益の増加」が入っている点も重要だ。第20回から補助対象事業の要件そのものに昇格した項目なので、ここが曖昧な計画は基礎審査の段階で引っかかる可能性がある。「集客を強化したい」ではなく「客単価◯円の商品を月◯件増やし、粗利を年◯万円増やす」という書き方に落とし込む。計画書の組み立て方は採択率を高める事業計画書の書き方で具体例つきに解説している。

採択されたあとに待っている手続き

採択は通過点でしかない。採択発表(2027年3月頃)のあと、見積書等を2028年2月29日までに提出し、審査を経て交付決定。ここから補助事業を開始し、2028年3月31日までに完了させて、2028年4月10日までに実績報告書を出す。補助金の入金はそのさらに後だ。

加えて、補助事業終了から1年後の状況について「事業効果および賃金引上げ等状況報告書」(様式第14)の提出義務がある。この報告を出していないと、次回以降の申請ができない。前述の再申請ルールはここに直結している。

よくある質問

Q: 結局いくらもらえますか?

A: 補助上限は50万円が基本で、補助率は2/3です。インボイス特例に該当すれば50万円、賃金引上げ特例に該当すれば150万円、両方に該当すれば200万円が上乗せされ、最大250万円になります。補助金は後払いで、事業の実施時には自己負担が必要です。上乗せを使う場合は補助事業終了時点で特例の要件を満たしていることが条件で、満たさなければ補助金は交付されません。

Q: 個人事業主でも申請できますか?

A: できます。商工業者である個人事業主は補助対象です。常時使用する従業員数の基準は、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)が5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他が20人以下。ただし申請時点で開業していない創業予定者は対象外で、開業届を出していても開業日が申請日より後なら対象になりません。医師・歯科医師・助産師、系統出荷による収入のみの個人農業者も対象外です。

Q: 商工会と商工会議所、どちらに相談すればいいですか?

A: 事業所の所在地がどちらの管轄かで決まり、選ぶことはできません。管轄が分からない場合は補助金事務局(03-6634-9307)へ「管轄地域が分からない」と伝えると案内してもらえます。会員でなくても申請は可能です。

Q: 過去に採択されたことがありますが、第20回に申請できますか?

A: 公募要領第8版の条件では、過去に採択され補助事業を実施した事業者は「事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年間が経過し、事業効果および賃金引上げ等状況報告書(様式第14)の提出を完了している場合」に申請できます。第7版にあった「様式第14の提出後さらに1年」という条件は、7月21日の第8版で第20回に採択された事業者の次回申請に適用される形へ整理されました。ご自身の事業実施期間終了日と様式第14の提出状況を確認してください。なお、過去の補助事業と同じ内容と判断されると不採択になります。

Q: ウェブサイト制作だけで申請できますか?

A: できません。ウェブサイト関連費のみによる申請、広報費のみによる申請はいずれも不可で、必ず他の補助対象経費と組み合わせる必要があります。それぞれの上限も30万円(税込)です。

Q: 賃金引上げ特例を使えば採択されやすくなりますか?

A: 賃金引上げ特例に申請する赤字事業者は、赤字賃上げ加点が自動適用され優先採択の対象になります。ただし採択は基礎審査と計画審査を経た総合的な判断で決まり、特例を使えば採択されるというものではありません。要件を1つでも満たさない場合は上乗せ分だけでなく補助金の全体が交付対象外になる点のほうが重要です。

Q: 補助金に税金はかかりますか?

A: 消費税については、国または地方公共団体からの補助金・助成金は対価性がないため課税の対象になりません(国税庁タックスアンサー No.6157)。一方、法人税・所得税では収益(益金・総収入金額)として扱われます。ただし公募要領には、本補助金が所得税法第42条・法人税法第42条に規定する国庫補助金等に該当し、交付目的に適合した固定資産の取得または改良に充てた場合はこれらの規定(圧縮記帳)を適用できると書かれています(国税庁タックスアンサー No.2202)。具体的な処理は顧問税理士にご確認ください。

Q: 店舗のエアコンや厨房機器は対象になりますか?

A: 機械装置等費は「販路開拓等のために必要な機械装置等」が対象で、通常の事業活動のための費用や単なる取替え更新は対象外です。公募要領は対象外の例として「老朽化した既存機械の取替え費用」「単なる取替え更新であって新たな販路開拓につながらない機械装置等」を挙げる一方、「生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫」「衛生向上や省スペース化のためのショーケース」は対象例に入れています。同じ機器でも事業計画の中でどう販路開拓につながるかで判断が変わります。個別の可否は補助金事務局へお問い合わせください。

Q: 第20回の電子申請はどこから行いますか?

A: 2026年9月3日時点で、第20回の申請先URLは公表されていません。公募要領第8版にも「現在調整中」と記載されています。申請受付開始日(11月5日)までに、商工会地区・商工会議所地区それぞれの事務局サイトへ掲載されます。

Q: 創業型と両方に申請できますか?

A: できません。小規模事業者持続化補助金<創業型>に申請中または採択を受けている事業者は、<一般型 通常枠>の補助対象外です。同時申請も不可と公募要領に明記されています。

9月中に片づけておきたい3つのこと

第20回は、12月15日の申請締切よりも12月4日の様式4の発行受付締切が実質のリミットになる。逆算すると、10月中旬には商工会・商工会議所へ相談できる状態、つまり事業の中身と数字がある程度固まっている状態にしておきたい。9月のうちに手をつけるなら、この3つだ。

  1. GビズIDの棚卸し: 未取得ならオンライン申請(最短即日)か書類申請(最大1か月)で取得する。取得済みなら有効期限と登録情報を確認する
  2. 売上高と売上総利益の整理: 直近3期の推移、販路別の構成比、補助事業で動かしたい指標の現在値を出す
  3. 特例と加点の当たり判定: インボイス特例・賃金引上げ特例の可否を判断し、加点は重点政策加点から1つ、政策加点から1つに絞る

AI・ITを使った販路開拓の計画づくりや、自社にどの制度が合うのかで迷っている場合は、お気軽にご相談ください。→ お問い合わせフォーム(株式会社Uravation)

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参考・出典


この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。


免責事項
本記事の情報は2026年9月3日時点の公募要領(第8版・2026年7月21日改版)および各省庁・事務局の公表資料に基づく参考情報です。補助金・助成金の制度内容は予告なく変更される場合があります。公募要領は必要に応じて改定されるため、申請にあたっては必ず商工会議所地区または商工会地区の事務局サイトで最新版をご確認ください。個別の要件判定や税務上の取り扱いについては、補助金事務局、商工会・商工会議所、税理士等の専門家にご相談ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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