「リスキリング補助金」「リスキリング助成金」という名前の制度は、国にも自治体にも存在しません。2026年9月時点で実際に動いているのは、企業が申請する厚生労働省の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コースなど)、個人が使う雇用保険の教育訓練給付、経済産業省のリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業、そして東京都をはじめとする自治体の独自事業――呼び名が違うだけの、まったく別々の制度の集まりです。検索で「助成金」と書かれている側は厚生労働省・都道府県労働局が窓口、「補助金」と書かれている側は経済産業省系や自治体が公募・審査して交付するお金を指していることが多く、ここを取り違えると申請先そのものを間違えます。
金額の目安を先に置いておきます。企業が中小企業として事業展開等リスキリング支援コースを使う場合、経費助成率は75%(大企業60%)、賃金助成は1人1時間あたり1,000円(同500円)、1事業所・1年度の支給限度額は1億円です(厚生労働省「支給要領(令和8年8月3日版)」0504・0510)。個人側は、教育訓練給付が区分により20%〜最大80%(上限10万円〜年間上限64万円)、経済産業省の事業が講座受講費用の1/2相当額(上限40万円)に転職・1年継続就業で1/5相当額(上限16万円)が加わり、合計で最大56万円です。以下、まず呼び分けを片付けたうえで、企業・個人・自治体の3方向に地図を分けます。
「助成金」と「補助金」はどう呼び分けられているか
先に断っておくと、この2語に法令上の明確な線引きがあるわけではありません。ただし実務では、所管省庁・財源の系統・窓口・審査の型がはっきり違うため、次のように読み替えるとほぼ外しません。
| 見るところ | 「助成金」と呼ばれる側 | 「補助金」と呼ばれる側 |
|---|---|---|
| リスキリング文脈の代表例 | 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース ほか)、東京都DXリスキリング助成金 | 経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」、自治体のDX関連補助金 |
| 所管・窓口 | 厚生労働省/都道府県労働局・ハローワーク(都の助成金は東京しごと財団) | 経済産業省・自治体/採択された補助事業者・各事務局 |
| お金の決まり方 | 支給要領に定められた要件を満たす申請に対して支給 | 公募期間内に申請し、審査・採択を経て交付 |
| 申請するのは誰か | 事業主(雇用保険適用事業所)。個人は教育訓練給付という別枠 | 制度により事業者。経済産業省の個人向け事業は、補助事業者に補助が出る |
| 動き出すタイミング | 訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届 | 公募回・受付期間ごとの締切まで |
紛らわしいのは、検索で「リスキリング補助金」と打たれているものの多くが経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」を指している点です。この事業は公式サイトでも「補助事業者」「補助」という語で説明されており、名前のうえでは助成金ではありません。一方で会社が従業員の研修費のために使うのは、ほぼ例外なく厚生労働省の助成金です。「補助金か助成金か」で迷ったら、まず申請するのが自分自身なのか会社なのかを決めてください。制度全体の中でどの補助金が自社に合うかという広い比較は、補助金ナビ|【完全比較】中小企業向け補助金5制度 早見表【2026年】にまとめています。
制度の全体地図 — 対象者・助成の中身・窓口の早見表
「リスキリング」というキーワードで語られることが多い代表的な制度を、対象者・所管・助成の中身・2026年9月時点の状況で並べました。金額は令和8年8月3日版の公式資料に合わせています。
| 制度名 | 申請するのは | 所管・窓口 | 助成・給付の中身 | 2026年9月時点の状況 |
|---|---|---|---|---|
| 人材開発支援助成金 (事業展開等リスキリング支援コース) |
企業(雇用保険適用事業所) | 厚生労働省/都道府県労働局 | 経費助成 中小75%・大企業60%+賃金助成 中小1,000円・大企業500円(1人1時間) | 令和8年度末までの時限措置。令和8年8月3日改正 |
| 人材開発支援助成金 (人への投資促進コース) |
企業(雇用保険適用事業所) | 厚生労働省/都道府県労働局 | 高度デジタル人材訓練は経費助成 中小75%・大企業60%+賃金助成1,000円(同500円)ほか、訓練メニューにより異なる | 令和4年〜8年度の期間限定助成 |
| 人材開発支援助成金 (人材育成支援コース) |
企業(雇用保険適用事業所) | 厚生労働省/都道府県労働局 | 人材育成訓練は経費助成 中小45%(賃金要件等を満たすと60%)+賃金助成800円(同1,000円) | 時限の定めがない恒常コース |
| リスキリングを通じた キャリアアップ支援事業 |
個人(在職中で転職を目指す人) | 経済産業省/採択された補助事業者 | 受講費用の1/2相当額(上限40万円)+転職・1年継続就業で1/5相当額(上限16万円)=最大56万円 | 補助事業者経由で受付。講座・受付状況は事業者ごと |
| 教育訓練給付 (専門実践・特定一般・一般) |
個人(雇用保険の被保険者・元被保険者) | 厚生労働省/ハローワーク | 区分により20%〜最大80%、上限10万円〜年間上限64万円 | 恒常制度。追加給付は令和6年10月1日以降の受講開始者が対象 |
| 東京都DXリスキリング助成金 | 企業(都内中小企業等) | 東京都/東京しごと財団 | 助成対象経費の3/4、1人1研修あたり上限75,000円、1申請企業あたり年度上限100万円 | 令和8年3月1日〜令和9年2月28日に申請受付 |
| 東京都DX実践人材 リスキリング支援事業 |
企業(都内中小企業等) | 東京都/事業事務局 | 60時間の学習プログラムを完全無料で提供(金銭の給付ではない) | 2026年度は応募多数により募集終了 |
この並びを見るだけでも、「リスキリング補助金でいくら出るのか」という問いに一つの答えがないことが分かります。特に見落とされやすいのが、人材開発支援助成金の3コースがそれぞれ別物として設計されている点です。同じ「人材開発支援助成金」でも、事業展開等リスキリング支援コース・人への投資促進コース・人材育成支援コースは対象要件も助成率も別々に定められています。どれか1つを指して「人材開発支援助成金はこうだ」と語るのは、正直なところ危険です。

なお「いつまで使えるのか」「年度末の駆け込みで間に合うのか」という期限まわりだけを確認したい場合は、リスキリング助成金|令和8年度最終|駆け込み申請の全要件に要件と逆算スケジュールをまとめてあります。本記事は「どれを使うか」の地図、あちらは「いつまでに何をするか」の時間割という分担です。
相談1:「AI研修をやりたい。うちは中小企業。何を使えばいい?」
事例区分: 想定シナリオ
以下は100社以上のAI研修・導入支援を行ってきた経験をもとに構成した、典型的な相談パターンです。特定の実在企業を指すものではありません。
従業員向けにAI・DX研修を実施したい中小企業の場合、本命は人材開発支援助成金です。ただし同じ人材開発支援助成金の中にも複数のコースがあり、どれを選ぶかで助成率も手続きの負担も変わります。実は、この選択を誤ると受け取れたはずの助成率を取りこぼすことも珍しくありません。
事業展開等リスキリング支援コース — 助成率は最も高い。ただし令和8年度末まで
新規事業の立ち上げやDX化など「事業展開」に伴う研修であれば、このコースの助成率が最も高くなります。中小企業なら経費助成率75%、加えて研修時間中の賃金助成が1人1時間あたり1,000円。1事業所・1年度の支給限度額は1億円です(支給要領 令和8年8月3日版 0504・0510)。ただし、このコースは令和8年度末までの時限措置であることは必ず押さえてください。
意外と知られていませんが、このコースの対象になる訓練は次の3パターンに限定されています(支給要領 0303 ヘ)。
- 事業展開に伴う訓練:訓練開始日から3年以内に実施予定の事業展開、または6か月前までに実施した事業展開に伴い、新たな分野で必要となる専門的な知識・技能を習得させる訓練
- DX化・GX化に伴う訓練:企業内のデジタル・DX化やグリーン・カーボンニュートラル化を進めるにあたり、これに関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識・技能を習得させる訓練
- 人事・人材育成計画に基づく訓練:企業内の人事及び人材育成に関する計画に基づき、対象労働者が3年以内に従事することが予定される職務に必要となる専門的な知識・技能を習得させる訓練
コース選びと申請の流れは人材開発支援助成金とは?コース一覧・助成率・申請の流れ|2026年度を、申請手順と締切の実務は人材開発支援助成金の申請手順と締切|令和8年度の変更点3つを参照してください。
経費助成には「訓練の形態ごとの限度額」がある
助成率75%という数字だけを見て予算を組むと、あとで足が出ます。経費助成には1人・1職業訓練実施計画あたりの限度額があり、通学制かeラーニングかで大きく変わるためです。
| 訓練の形態 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 通学制・同時双方向型の通信訓練(実訓練10時間以上100時間未満) | 30万円 | 20万円 |
| 同(100時間以上200時間未満) | 40万円 | 25万円 |
| 同(200時間以上) | 50万円 | 30万円 |
| eラーニング・通信制による訓練(訓練時間に応じた区分なし) | 15万円 | 10万円 |
| 専門実践教育訓練の指定講座 | 50万円 | 30万円 |
| 定額制サービスによる訓練 | 1人につき1月あたり2万円 | |
出典は支給要領(令和8年8月3日版)0505 ロです。賃金助成の時間数にも限度があり、1人・1職業訓練実施計画につき1,200時間(専門実践教育訓練の指定講座を受ける場合は1,600時間)まで。さらに中小企業には設備投資加算があり、要件を満たすと導入費用の50%が加算されます(1人につき15万円、10人以上の場合は人数にかかわらず150万円が限度)。設備投資とセットで使った具体例は【2026年最新】リスキリング助成金×設備投資加算事例4選にまとめています。
人への投資促進コース/人材育成支援コース — 事業展開を伴わない研修ならこちら
「新規事業」というほど大きな話ではなく、既存業務の効率化のためにAIリテラシーを底上げしたい、というケースでは人への投資促進コースや人材育成支援コースが受け皿になります。人への投資促進コースの公式パンフレット(令和8年8月3日版)は冒頭で「令和4年~8年度の期間限定助成」と明記しており、高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練・情報技術分野認定実習併用職業訓練・長期教育訓練休暇等制度・自発的職業能力開発訓練・定額制訓練といった訓練メニューが並びます。メニュー別の助成率や向き不向きは【2026年最終年度】人への投資促進コース|6サブコース比較と活用ガイドで比較しています。
人材育成支援コースは時限の定めがない恒常コースという意味で、長期的な人材育成計画を立てやすいのが強みです。人材育成訓練(正規雇用労働者等)の経費助成率は45%、賃金要件等を満たすと60%に上がり、賃金助成は1人1時間あたり800円(賃金要件等を満たすと1,000円)。数字だけ見れば事業展開等リスキリング支援コースに届きませんが、「毎年継続的に使える枠を確保したい」なら現実的な選択肢です。
令和8年8月3日改正 — 「AI研修」と名前が付けば対象になるわけではない
ここが2026年度に入ってから最も問い合わせが増えた論点です。令和8年8月3日、事業展開等リスキリング支援コースに2つの改正が入りました。
改正1:DX化・GX化の訓練で「対象とならない訓練」が変更
厚生労働省の改正リーフレットは、DX化・GX化に関する訓練のうち、次の実施目的のものを助成対象外と明示しました。これは支給要領の表1「OFF-JT のうち助成対象とならないもの」の1番目と2番目を、DX化・GX化の訓練にも適用するという意味です。
1 職業又は職務に間接的に必要となる知識及び技能を習得させる内容のもの(職務に直接関連しない訓練等)
2 職業又は職務の種類を問わず、職業人として共通して必要となるもの
(厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)支給要領」令和8年8月3日版 表1)
抽象的に見えますが、同じリーフレットには生成AI研修の具体例が載っています。ここが実務上いちばん効きます。
| 訓練の中身 | 判定 | 理由(公式の説明) |
|---|---|---|
| 生成AIを活用して商品提案書の構成案作成、文章生成、修正方法を学ぶ営業担当者向けの訓練 | 助成対象 | 営業担当者の具体的な業務に直結しており、そのまま活用可能な内容であるため |
| 生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練 | 助成対象外 | 特定の業務への具体的適用を伴わない汎用的内容であるため |
| DXの概念、デジタル技術の概要、データ活用の考え方を学ぶ訓練 | 助成対象外 | 共通知識の習得にとどまり、具体的作業として業務に直接適用される内容ではないため |
| 自社のエネルギー使用量データの収集方法、CO₂排出量算定ルールに基づく計算手順を学ぶ訓練 | 助成対象 | CO₂排出量算定業務を担当する者を対象とする場合は、業務プロセスに直接組み込まれる実務能力を習得できるため |
| 同じ訓練を、人事や営業に従事する者を対象として実施する場合 | 助成対象外 | 訓練内容に沿って対象労働者を選定していないため |
リーフレットが示す判断の視点は3つです。特定の職業・職務に必要となる知識・技能を習得するためのものか、マナー・リテラシー・概念理解にとどまっていないか、訓練内容に沿って対象労働者を選定しているか。つまり「全社員向けの生成AIリテラシー研修」は、看板がAIでも通りにくい。逆に「営業部の提案書作成業務に限定した生成AI研修を、営業担当者だけに受けさせる」なら筋が通ります。

改正2:受講回数に上限が入った
もう1つの改正が受講回数です。本コースで助成が受けられる訓練の受講回数は、同一の労働者に対して一の年度で3回まで。このうちeラーニングによる訓練は一の年度で1回までに制限されました。ここでいう「一の年度」は支給申請日を基準とした4月1日〜翌年3月31日を指します。回数に算入されるのは令和8年8月3日以降に提出された計画届に基づく訓練だけで、経過措置も用意されています。対象基準の変更点と経過措置の詳細は事業展開等リスキリング支援コース改正|AI研修が対象外になる条件で扱っています。
AI・DX研修で対象になりやすい経費の具体例
「うちの研修費は対象になるのか」という質問には、制度ごとに判断基準が異なるため一律には答えられませんが、傾向として対象になりやすい経費と、対象外になりやすいケースを整理しておきます。
| 経費の種類 | 対象になりやすい制度 | 対象外になりやすいケース |
|---|---|---|
| 生成AI活用の外部研修講座(公開講座)受講料 | 人材開発支援助成金(事業外訓練)、教育訓練給付 | 職務に直接関連しない一般教養的な内容 |
| 社内向けに委託したAI・DX研修(オーダーメイド)の講師謝金 | 人材開発支援助成金(事業内訓練)、東京都DXリスキリング助成金 | 自社の経営方針説明会など、訓練に該当しない集会 |
| eラーニング形式のAI・DX講座受講料 | 人材開発支援助成金(経費助成の限度額が通学制より低い点に注意) | 進捗管理機能(LMS等)を持たない動画視聴のみのサービス |
| サブスクリプション型の研修サービス | 人材開発支援助成金(定額制サービスによる訓練) | 定額制サービスに含まれる講座のうち支給対象外訓練が5割以上を占める場合 |
| 資格取得を目指すAI関連の教育訓練給付制度対象講座 | 教育訓練給付(区分により対象講座が公表されている) | 指定講座に掲載されていない独自講座 |
いずれの制度でも共通するのは、「職務に関連した知識・技能の習得」を目的とした訓練であることが前提になっている点です。事業展開等リスキリング支援コースの支給要領は、表1「OFF-JT のうち助成対象とならないもの」として4区分を挙げています。職務に直接関連しない訓練(例:普通自動車運転免許の取得講習)、職業人として共通して必要なもの(例:接遇・マナー講習)、趣味教養(例:日常会話程度の語学、話し方教室)、そして通常の事業活動として遂行されるものです。
AI導入の文脈でつまずきやすいのは4番目です。支給要領は「自社の業務で用いる機器・端末等の操作説明」「自社製品及び自社が扱う製品やサービス等の説明」「自社の経営方針・部署事業の説明、業績報告会、販売戦略会議」を通常の事業活動として例示しています。社内に導入したAIツールの操作説明会は、研修の形をとっていてもここに当たる可能性があります。一方で、事業外訓練に限れば「単に自社の業務上の情報を訓練における題材として取り上げる場合で、業務改善指導や事業活動における成果物の創出につながらないもの」は対象外に該当しないとも書かれています。自社データを題材にするか、自社データで成果物を作るかが分かれ目です。
相談2:「東京都内の会社。国と都、両方使える?」
事例区分: 想定シナリオ
都内の中小企業からよく寄せられる質問を典型化したものです。
東京都内に事業所がある中小企業には、国の制度に加えて東京都独自の2つのリスキリング関連事業があります。まず紛らわしいのですが、この2つは名前は似ていても中身が全く違います。
東京都DXリスキリング助成金は、研修費用の一部を後から助成する現金給付型の制度です。助成率は助成対象経費の3/4、1人1研修あたりの上限は75,000円、1申請企業等あたり年度上限100万円。対象になるのは1研修あたりの総研修時間数が3時間以上10時間未満のDX関連研修で、外部の公開講座・自社向け委託研修のどちらも使えます。令和8年度の申請受付期間は令和8年3月1日から令和9年2月28日までで、申請は研修開始予定日の1か月前までです。申請ステップと不備が起きやすいポイントは【2026】東京都DXリスキリング助成金|研修費の3/4・上限100万円にまとめています。
一方の東京都DX実践人材リスキリング支援事業は、お金が戻る制度ではなく、60時間の学習プログラムを完全無料で提供する事業です。業務効率化・営業データ活用と分析・集客と販路拡大・経営戦略の4コースから選び、1社あたり3名まで申し込めます。2026年度は応募多数により募集が終了しています。制度の全体像と次回に備えた準備は東京都DX人材リスキリング支援事業とは?無料60時間講習の対象と申請を参考にしてください。
国の人材開発支援助成金と、東京都のこの2制度は、同一の経費を二重に計上しない限り原則として併用を検討できます。ただし研修内容によって細かい線引きがあるため、都の窓口(東京しごと財団)に事前確認をとってから計画届を出す順番が安全です。
実務上の使い分けとしては、まず無料の東京都DX実践人材リスキリング支援事業で自社の課題診断とスキル底上げの土台を作り、そのうえで具体的な研修を東京都DXリスキリング助成金や国の人材開発支援助成金で後押しする、という2段構えが現実的です。ただし募集枠が限られるため、募集開始のタイミングを逃さないよう東京都の発表を定期的に確認しておくことをおすすめします。
相談3:「会社は動いてくれない。自分で何とかしたい」
事例区分: 想定シナリオ
会社としての制度活用に前向きでない場合、個人として使える2つの制度が候補になります。
勤務先が助成金の活用に消極的、あるいは個人事業主・フリーランスで従業員という立場にない場合でも、自分自身でリスキリングに取り組む道は残っています。ここが「リスキリング補助金 個人」で検索されている中身です。
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経済産業省)
これは「学び直して転職する」ことを前提とした事業です。最初に押さえるべき点は、直接的な補助対象は個人ではないということ。公式のよくある質問にも「本補助事業の直接的な補助対象は個人の方ではありません」と書かれており、補助は採択された補助事業者に対して支給され、受講者はその分だけ負担が軽減された価格で講座を受けられる仕組みです。金額の設計は次のとおりです。
- リスキリング講座の受講を修了した場合:講座の受講費用(税別)の1/2相当額(上限40万円)
- 受講を経て実際に転職し、その後1年間継続的に転職先に就業していることを確認できる場合:追加的に受講費用(税別)の1/5相当額(上限16万円)
- 合計で最大56万円
ここでいう「転職」は、補助事業で実施された職業紹介による転職か、転職支援を実施する職業紹介事業者が自社で雇用する転職に限られます。対象者はサービスへの登録時とキャリア相談対応における初回面談時に在職者であり、雇用主の変更を伴う転職を目指している人。裏を返すと、退職してから申し込んでも対象になりません。キャリア相談と転職支援は無料で受けられ、負担が軽くなるのはリスキリング講座の部分です。なお実際の受講金額や軽減額は補助事業者ごとに異なります。
教育訓練給付(雇用保険)
もう1つは雇用保険の教育訓練給付です。3区分の設計はこうなっています。
| 区分 | 給付率 | 上限額 | 追加給付 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20% | 上限10万円 | なし(訓練修了後に支給) |
| 特定一般教育訓練 | 40% | 上限20万円 | 資格取得等をし、訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合などは50%(上限25万円) |
| 専門実践教育訓練 | 50% | 年間上限40万円 | 同上の要件で70%(年間上限56万円)、さらに訓練修了後の賃金が受講開始前より5%以上上昇で80%(年間上限64万円) |
専門実践教育訓練は最大3年間で通算192万円まで。特定一般の50%区分と専門実践の80%区分は、令和6年10月1日以降に受講を開始した人が対象です。転職を前提としない学び直しにも使える点が、経済産業省の事業との最大の違いになります。AI・DX分野の講座選びや3区分の使い分けは【2026年最新】教育訓練給付金でAI・DXスキルを習得する完全ガイドで詳しく解説しています。

どちらを選ぶかの分かれ目は「転職するかどうか」です。今の会社に勤め続けながらスキルアップだけしたいなら教育訓練給付、学び直しを転職につなげたいならリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業、というのが基本的な整理になります。雇用保険の加入期間などの要件を満たせば、この2つを時期をずらして使うこと自体は制度上妨げられていません。ただし同一の受講料に対して二重に給付を受けることはできないため、対象講座が重複しないよう事前に確認してください。
自社・自分はどれを使うべきか — 判断フロー
ここまで3つの相談パターンを見てきましたが、実際には「うちはどのパターンに近いのか、そもそも判断がつかない」という声も少なくありません。上から順に自問していけば、候補となる制度が絞り込めます。
| 質問 | YESの場合 | NOの場合 |
|---|---|---|
| Q1. 会社として従業員の研修費を申請したいか | Q2へ | Q4へ(個人向け制度を検討) |
| Q2. 新規事業や新分野への展開、DX化・GX化に伴う訓練か | 事業展開等リスキリング支援コースを優先検討 | Q3へ |
| Q3. 東京都内に事業所があるか | 人への投資促進コース・人材育成支援コース+都の助成金の併用を検討 | 人への投資促進コース・人材育成支援コースを検討 |
| Q4. 在職中で、転職を前提に動けるか | リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業を検討 | 教育訓練給付を検討 |
併用できる?できない? — 組み合わせの実務ルール
「1つの制度で足りない分をもう1つで補いたい」という相談も多いため、組み合わせパターンを整理します。
| 組み合わせ | 可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| 人材開発支援助成金 + 東京都DXリスキリング助成金 | 条件付きで可能 | 同一の経費・同一の受講者・同一研修を二重に計上しない設計にする必要がある |
| 人材開発支援助成金の複数コース(同一研修) | 不可 | 1つの訓練は原則1コースのみで申請する |
| 企業の助成金 + 個人の教育訓練給付 | 受給者が別人であれば可能 | 同じ受講者・同じ研修費に対して企業と個人の双方が助成・給付を受けることはできない |
| リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 + 教育訓練給付 | 制度上は別建て | 対象講座や補助事業者の設計により実務上の併用可否が変わるため事前確認が必須 |
年間スケジュールの目安 — いつ動けばいいか
リスキリング関連の助成金・給付金は、締切のある予算事業と、通年で申請できる制度が混在しています。ざっくりとした年間の動き方の目安は次のとおりです。
| 時期 | 企業側の動き | 個人側の動き |
|---|---|---|
| 4月〜6月(年度初め) | 年間の研修計画を立て、人材開発支援助成金の計画届提出を逆算する | 教育訓練給付の受給資格があるかハローワークで確認する |
| 7月〜9月 | 自治体制度の募集状況と、年度途中の制度改正を確認する | リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業の補助事業者を比較検討する |
| 10月〜12月 | 下半期の研修実施と支給申請の準備を進める | 受講中の講座の進捗確認・給付申請の準備を進める |
| 1月〜3月(年度末) | 年度内の支給申請期限を最終確認する | 年度替わりで制度要件が変わる可能性があるため最新情報を確認する |
特に事業展開等リスキリング支援コースのように「令和8年度末まで」と期限が区切られている制度は、年度末に駆け込みで動こうとすると計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前までという提出期間に間に合わなくなります。使うと決めたら、年度の早い段階で計画届の準備を始めるのが安全です。
実務担当者がよくつまずくポイント
複数の制度を横断して検討する際、担当者が実際につまずきやすい場面を4つ挙げます。
つまずき1:制度名だけで検索して、担当窓口を間違える
❌ 「リスキリング補助金」で検索して出てきた最初の制度に飛びつき、後から対象外だと分かる
⭕ まず自社(自分)が企業側の申請者か個人側の申請者かを先に確定させてから、該当する窓口の一次情報にあたる
つまずき2:研修を先に契約してしまう
❌ 良さそうな研修会社を見つけて先に契約・支払いを済ませ、あとから助成金を探す
⭕ 人材開発支援助成金も東京都DXリスキリング助成金も、原則として研修開始前の計画届・申請が前提。契約前に対象になるかどうかを確認する
つまずき3:eラーニングだから安心、と思い込む
❌ 「オンライン研修なら手続きが簡単だろう」と考え、通学制と同じ限度額を見込んで予算を組む
⭕ 事業展開等リスキリング支援コースでは、eラーニング・通信制の経費助成の限度額は中小企業15万円・大企業10万円で、訓練時間に応じた区分がない。さらに令和8年8月3日以降の計画届からは受講回数が1年度1回まで
つまずき4:制度の対象期間を「今年度いっぱい使える」と誤解する
❌ 「令和8年度末まで」という表記を見て、令和8年度の年度末ぎりぎりに研修を組んでも間に合うと考える
⭕ 「年度末まで」は制度自体の実施期限。そこから逆算した計画届提出・訓練実施・支給申請のスケジュールが必要で、実務上の締切は制度の終了時期よりかなり手前になる
対象になる講座はどこで探すか — 制度ごとの公式ポータル
「リスキリング補助金の対象講座一覧はどこにあるのか」という質問は非常に多いのですが、3つの制度で探し方がまったく違います。ここを知らないと、存在しない一覧表を探し続けることになります。
| 制度 | 講座の探し方 | 公式の入口 |
|---|---|---|
| 教育訓練給付 | 厚生労働大臣が指定した講座だけが対象。検索システムで区分・分野・地域から探す | 教育訓練講座検索システム(厚生労働省) |
| リスキリングを通じた キャリアアップ支援事業 |
採択された補助事業者を検索し、その事業者のサイトから申し込む。講座は事業者ごとに異なる | 転職をご検討の方(経済産業省) |
| 人材開発支援助成金 | 指定講座リストという形の一覧はない。事業主が選んだ訓練が支給要件を満たすかで判断される | 人材開発支援助成金(厚生労働省) |
| デジタルスキル全般 | デジタルスキル標準に対応した講座ポータル。無料講座も掲載 | マナビDX(IPA・経済産業省) |
つまり、企業が人材開発支援助成金で研修を選ぶときには「この講座は助成対象です」と公式に認定されたリストは存在しません。カリキュラムと対象労働者の選び方で要件に合うかが決まります。だからこそ、前述の令和8年8月3日改正の線引き(業務に直結しているか/対象労働者を訓練内容に沿って選んでいるか)が、講座選びそのものに効いてきます。
よくある誤解 — ここで間違えると1円も出ない
誤解1:個人事業主やフリーランスでも人材開発支援助成金が使える
❌ 「自分は個人事業主だが従業員代わりに研修を受けたので申請したい」
⭕ 人材開発支援助成金は雇用保険の適用事業所が、雇用する被保険者に研修を受けさせた場合に支給される制度です。個人事業主本人や、雇用契約のない業務委託の相手は対象になりません。個人として使える制度は、経済産業省のリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業か教育訓練給付の系統になります。
誤解2:リスキリング補助金は無審査で受け取れる
❌ 「研修さえ受ければ後から自動的にお金が出る」
⭕ どの制度も、研修を始める前の計画届・登録・申請が必須です。人材開発支援助成金は訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を提出しなければ助成対象になりません。先に研修を実施してから申請しようとしても間に合わないケースがほとんどです。
誤解3:経済産業省の個人向け支援は退職を決めてから申し込めばいい
❌ 「転職活動を始めてから、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業に登録すればいい」
⭕ この事業はサービスへの登録時と初回面談時に在職者であることが条件です。退職済みの状態では対象になりません。転職を検討し始めた段階、在職中のうちに登録しておく必要があります。
誤解4:東京都の制度と国の制度はどちらか一方しか使えない
❌ 「東京都の助成金を使うなら国の助成金は諦めるしかない」
⭕ 同一の経費を二重に計上しなければ、国の人材開発支援助成金と東京都の助成金を組み合わせて使える場合があります。研修の種類・時間・費用の内訳を分けて設計することが前提になるため、計画段階で両方の窓口に確認しておくのが安全です。
誤解5:一度使った制度は来年度も同じ条件で使える
❌ 「昨年度この助成率で使えたから、今年度も同じ条件だろう」
⭕ 事業展開等リスキリング支援コースや人への投資促進コースのように、時限措置・年度ごとの予算枠が前提になっている制度が少なくありません。実際、令和8年8月3日には対象訓練の基準と受講回数の上限が改正されました。申請の直前には最新の支給要領・募集要項を確認してください。
誤解6:無料で受けられる制度は、お金が出る助成金より価値が低い
❌ 「東京都DX実践人材リスキリング支援事業は無料だから、助成金より“おまけ”のような制度だろう」
⭕ 無料で提供される東京都DX実践人材リスキリング支援事業は、4コースから選ぶ60時間の学習プログラムを提供する事業です。経費の一部が助成される制度と、そもそも研修自体が無償提供される制度は設計思想が異なるだけで、優劣の話ではありません。自社の課題整理がまだできていない段階なら、むしろ無料の診断型プログラムを先に検討する価値があります。
申請前に用意しておきたい書類の目安
制度ごとに必要書類は細かく異なりますが、どの制度でも共通して準備しておくと動きが早くなる書類を整理しました。あくまで目安であり、実際の必要書類は各制度の最新の要領・要項で確認してください。
| 制度 | 企業・個人が事前に準備しておきたいもの |
|---|---|
| 人材開発支援助成金(各コース共通) | 雇用保険適用事業所番号、事業内職業能力開発計画、職業能力開発推進者の選任、就業規則の写し |
| 東京都DXリスキリング助成金 | 都内に本社または主たる事業所があることを示す書類、対象研修のカリキュラム・見積書、企業規模(中小企業等)を確認できる書類 |
| リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 | 在職を証明する雇用契約関連書類、補助事業者への登録情報 |
| 教育訓練給付 | 雇用保険被保険者証、受給資格確認のための加入期間の記録、受講予定講座の指定番号 |
特に人材開発支援助成金は「職業能力開発推進者」の選任や「事業内職業能力開発計画」の策定・周知が支給要件に含まれているため、研修そのものよりも先に社内の体制整備が必要になる点は見落とされがちです。いずれも計画届を提出する日までに済ませておく必要があります。事業内職業能力開発計画の書き方はAI人材育成の助成金|事業内職業能力開発計画の書き方・記載例で具体的に解説しています。
まとめ — 今日から確認すべきこと
- 今日やること:自社(自分)が「企業として申請する側」か「個人として申請する側」かを、上の判断フローに沿って1つに絞り込む
- 今週中:候補になった制度の詳細記事(本記事内のリンク先)を読み、対象要件と申請期限を確認する。企業側は令和8年8月3日改正の線引きに自社の研修内容が耐えるかを点検する
- 今月中:該当する公式窓口(都道府県労働局・経済産業省の補助事業者・ハローワーク・東京しごと財団のいずれか)に一次情報を確認し、計画届・登録の準備を始める
AI研修の内容設計や、どの制度がAI・DX活用の目的に合っているか判断がつかない場合は、AI導入の計画策定に関するご相談をお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
人材開発支援助成金の対象になり得る研修をお探しの方へ
Uravation の法人向け生成AI研修(ChatGPT・Claude・Claude Code)は、要件を満たす場合に人材開発支援助成金の対象となることがあります(支給を保証するものではありません。要件の確認は弊社がサポートします)。
よくある質問
Q. 「リスキリング補助金」と「リスキリング助成金」は別の制度ですか?
どちらも正式な制度名ではなく、複数の制度をまとめて指す通称です。実務上は、「補助金」と書かれていれば経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」や自治体の補助制度、「助成金」と書かれていれば厚生労働省の人材開発支援助成金や東京都DXリスキリング助成金を指していることが多い、という程度の区別になります。法令上の定義ではないため、記事や広告の表記だけで判断せず、所管省庁と窓口で確認してください。
Q. リスキリング補助金は個人でも対象ですか?
個人が使えるのは、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」と、雇用保険の教育訓練給付の2系統です。前者は在職中で雇用主の変更を伴う転職を目指す人が対象で、補助は補助事業者に支給され、受講者は負担が軽減された価格で講座を受けます。後者は雇用保険の被保険者・元被保険者が対象で、区分により受講費用の20%〜最大80%が支給されます。企業向けの人材開発支援助成金を個人が直接申請することはできません。
Q. 個人事業主やフリーランスでも使える制度はありますか?
雇用保険の被保険者であった期間などの要件を満たせば、教育訓練給付は過去に雇用されていた個人事業主でも対象になり得ます。一方、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業は「登録時と初回面談時に在職者」であることを前提とした設計のため、雇用契約のない個人事業主・フリーランス単独では対象外となるのが原則です。詳細な要件は各制度の公式窓口で確認してください。
Q. リスキリング補助金はいつからいつまで使えますか?
制度ごとに期限が違います。人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースと人への投資促進コースは令和8年度末までの時限措置です(人への投資促進コースは公式パンフレットで「令和4年~8年度の期間限定助成」と明記)。人材育成支援コースと教育訓練給付には時限の定めがありません。東京都DXリスキリング助成金の令和8年度の申請受付は令和8年3月1日から令和9年2月28日までです。
Q. 同じ社員が何回でも使えますか?
事業展開等リスキリング支援コースでは、助成が受けられる訓練の受講回数は同一の労働者に対して一の年度で3回まで、そのうちeラーニングによる訓練は一の年度で1回までです(令和8年8月3日以降に提出された計画届に基づく訓練が算入対象)。「一の年度」は支給申請日を基準とした4月1日から翌年3月31日までを指します。
Q. 対象になる講座はどこで探せますか?
教育訓練給付は厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で指定講座を検索します。経済産業省の事業は、公式サイトの補助事業者検索から事業者を選び、その事業者のページで講座を確認します。人材開発支援助成金には指定講座リストという形の一覧はなく、事業主が選んだ訓練が支給要件を満たすかで判断されます。デジタル分野の講座全般を俯瞰したい場合は、IPA・経済産業省の「マナビDX」が入口になります。
Q. 年齢制限はありますか。40代・50代でも使えますか?
人材開発支援助成金・教育訓練給付・リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業のいずれも、年齢そのものを支給要件にしてはいません。人材開発支援助成金は雇用保険被保険者であること、教育訓練給付は被保険者期間などの要件、経済産業省の事業は在職者であることが条件です。例外は「教育訓練支援給付金」で、専門実践教育訓練(通信制・夜間制を除く)を受講する方のうち受講開始時に45歳未満など一定の要件を満たす方が訓練期間中に失業状態にある場合、雇用保険の基本手当の日額の60%相当が支給されます(令和8年度末までの暫定措置)。40代後半以降の方はこの支援給付金の対象外になり得るため、離職中の方は受給資格をハローワークで確認してください。
Q. 会社の助成金と、自分自身が使う教育訓練給付は同時に使えますか?
受給者が異なれば、制度上は別枠として扱われます。ただし同じ研修・同じ経費に対して、会社側の助成金と個人側の給付の両方を重ねて申請することはできません。会社が経費を負担して助成金を受ける研修と、個人が自己負担で受けて給付を申請する研修は、区別して計画する必要があります。
Q. 東京都以外の自治体にも同様の制度はありますか?
自治体によってDX・リスキリング関連の独自制度の有無や内容は異なります。本記事は国の制度と東京都の制度を中心に整理していますが、他の道府県・市区町村の制度を確認したい場合は、各自治体の産業振興部門の公式サイトを確認することをおすすめします。国の制度と自治体の制度は、同一経費の二重計上を避ければ併用を検討できるケースがあります。
Q. 助成金が振り込まれるまで、どのくらい期間がかかりますか?
制度によって異なりますが、いずれも研修を実施し、支給申請を行ってから審査を経て支給される「後払い」が基本です。人材開発支援助成金は訓練終了後の支給申請から審査を経ての支給となり、東京都DXリスキリング助成金も同様です。研修開始前に自己資金で経費を立て替えられることを前提に計画してください。
Q. 人材開発支援助成金は、正社員以外(パート・契約社員)の研修にも使えますか?
雇用保険の被保険者であれば、雇用形態そのもので一律に対象外になるわけではありません。ただし訓練対象者としての要件(被保険者であること、訓練期間中も被保険者であること等)を満たす必要があるため、対象になるかどうかは都道府県労働局への確認が確実です。なお人材育成支援コースの人材育成訓練では、非正規雇用労働者の経費助成率が正規雇用労働者等より高く設定されています。
Q. 東京都以外の企業でも、経済産業省のリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業は使えますか?
この事業は経済産業省が全国を対象に実施しているもので、都道府県は問いません。東京都の助成金・支援事業とは異なり、全国どこに勤務していても、在職中で対象要件を満たす個人であれば補助事業者への登録を検討できます。
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参考・出典
- 人材開発支援助成金 — 厚生労働省(参照日: 2026-09-25)
- 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)支給要領(令和8年8月3日版・PDF) — 厚生労働省(参照日: 2026-09-25)
- 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正:令和8年8月3日からの変更点について(PDF) — 厚生労働省(参照日: 2026-09-25)
- 令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(令和8年8月3日版・PDF) — 厚生労働省(参照日: 2026-09-25)
- 令和8年度版 人への投資促進コースのご案内(令和8年8月3日版・PDF) — 厚生労働省(参照日: 2026-09-25)
- 教育訓練給付金 — 厚生労働省・ハローワークインターネットサービス(参照日: 2026-09-25)
- 教育訓練給付制度について — 厚生労働省(参照日: 2026-09-25)
- 教育訓練講座検索システム — 厚生労働省(参照日: 2026-09-25)
- リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(転職をご検討の方) — 経済産業省(参照日: 2026-09-25)
- マナビDX — IPA・経済産業省(参照日: 2026-09-25)
- DXリスキリング助成金 — 東京都 Tokyo支援ナビ(参照日: 2026-09-25)
- 東京都DX実践人材リスキリング支援事業 — 東京都(参照日: 2026-09-25)
- 令和8年度DXリスキリング助成金 — 東京しごと財団(参照日: 2026-09-25)
- jGrants(電子申請システム) — デジタル庁(参照日: 2026-09-25)
この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。
免責事項
本記事の情報は2026年9月25日時点の各省庁・自治体の公表資料に基づく参考情報です。補助金・助成金の制度内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず各制度の公式窓口・公式サイトで最新の支給要領・募集要項をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。
関連記事: 人材開発支援助成金 申請書の記入例とダウンロード【2026年9月】
関連記事: 支給要件確認申立書の記入例|様式第1号ダウンロード【2026年9月】
事業展開等リスキリング支援コースは、令和8年8月3日以降に提出する計画届から、「対象とならない訓練」の基準が変更され、eラーニングの受講回数も1労働者・1年度1回までに制限されています。研修名にAI・DX・GXと入っているだけの訓練は対象外になる場合があるため、これから計画届を提出する場合は事業展開等リスキリング支援コース改正|AI研修が対象外になる条件で最新の基準・経過措置を確認してください。
