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【2026年最新】東京都DXリスキリング助成金|中小企業・最大100万円/従業員

【2026年最新】東京都DXリスキリング助成金|中小企業・最大100万円/従業員

この記事の結論

東京都DXリスキリング助成金は助成率3/4(75%)・上限100万円。AI研修やDX人材育成に使える対象経費、申請の流れ、採択を上げるポイントを2026年最新情報で解説します。

社員をDX研修に送り出したいが、費用がネックで踏み切れない——そんな東京都内の中小企業経営者に知ってほしい制度がある。東京しごと財団が運営するDXリスキリング助成金は、AI・DX関連の研修費用の最大75%(上限100万円)を都が肩代わりしてくれる、珍しいほど使い勝手のいい助成金だ。

令和8年度(2026年度)は3月1日から申請受付が始まった。手続きは比較的シンプルで、ポイントさえ押さえれば中小企業の人事担当者でも十分に対応できる。この記事では、申請フローを一からステップごとに解説する。

まずこれだけ確認(申請の前提条件)

申請を始める前に、自社が対象かどうかをチェックしよう。

  • 東京都内に事業所があること(都外本社でも都内事業所があればOK)
  • 中小企業等であること(中小企業基本法の定義に準じる)
  • 研修を受講させる従業員が雇用保険の被保険者であること
  • 過去に同じ従業員で同一研修を受けていないこと
  • 研修開始の1か月前までに交付申請を提出できること

業種による制限はなく、製造業・サービス業・小売業・士業事務所など幅広く対象になる。個人事業主も「中小企業等」に含まれる場合があるので、確認する価値はある。

令和8年度 DXリスキリング助成金の基本データ

項目 内容
制度名 DXリスキリング助成金(中小企業人材スキルアップ支援事業)令和8年度
運営 公益財団法人東京しごと財団
助成率 対象経費の3/4(75%)
1人1研修あたり上限 75,000円
1社あたり年間上限 100万円(上限に達するまで複数回申請可)
申請受付期間 令和8年3月1日〜令和9年2月28日
対象研修期間 令和8年4月1日〜令和9年3月31日開始分(令和9年8月31日までに修了)
研修時間 3時間以上10時間未満(1研修あたり)
申請方法 Jグランツ(電子申請)または郵送
公式サイト 東京しごと財団 令和8年度DXリスキリング助成金

※上記は令和8年度の情報です。制度内容は変更になる場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。

なお、東京都が提供する補助金・助成金全体の比較については 【2026年度】東京都で使えるAI導入・DX推進の補助金・助成金まとめ もあわせて参照してほしい。

どんな研修が対象になるか

DXリスキリング助成金で助成される研修には「レディメイド研修」と「オーダーメイド研修」の2種類がある。

レディメイド研修(公開研修型)

既存の市販研修プログラムに個人単位で申し込む形式。外部の研修会社・スクールが提供するDX関連のオープン講座がこれにあたる。AIプロンプト活用研修、ChatGPT業務活用、データ分析入門、Excel×AI活用といったプログラムが該当する可能性が高い。

オーダーメイド研修(企業向けカスタム研修)

自社の業務課題に合わせて設計・実施する社内研修。「営業部門向けの生成AI活用研修(全10時間・社員15名)」のようなケースが典型だ。ただし、社内講師だけで完結する研修(講師費用が発生しない場合)は対象外になることがある。

いずれの場合も、研修のテーマが「DXに関する知識・技能の習得」である必要がある。具体的には以下のようなカテゴリが対象として認められやすい。

  • 生成AI(ChatGPT・Gemini・Copilot等)の業務活用
  • データ分析・BI(Power BI、Tableau等)
  • クラウドサービス活用(Google Workspace、Microsoft 365等)
  • 業務自動化(RPA、ノーコードツール等)
  • 情報セキュリティ(DX推進に必要な基礎知識として)

純粋な語学研修やコンプライアンス研修はDX関連とみなされない。申請前に事務局に確認するのが安全だ。

Step 1: 対象研修の選定と費用見積もり(研修開始6週間前を目安に)

助成金の申請は「研修開始の1か月前まで」が締切。余裕を持って動くなら6週間前には研修を決定し、費用見積もりを取得しておきたい。

確認すべき事項は以下だ。

  • 研修プログラムの総時間が3時間以上か(2時間台の研修は対象外)
  • 研修費用を全額会社が負担するか(自己負担分は助成対象外)
  • 研修内容がDX関連と説明できるか
  • 研修機関から「受講証明書」「修了証」等を発行してもらえるか

計算例:受講料1人あたり8万円の研修に5名を参加させる場合、総費用40万円の75%=30万円が助成される(1人あたりの上限75,000円×5名=375,000円、かつ総額の75%=300,000円、低い方を適用)。

Step 2: 交付申請書の準備(研修開始1か月前が絶対的な締切)

DXリスキリング助成金で最も重要なのが、この「事前申請」のタイミングだ。研修を始めてから申請しても受理されない。絶対に逆算してスケジュールを組むこと。

申請に必要な書類:

  • 交付申請書(財団所定の様式)
  • 研修実施計画書または研修カリキュラム
  • 研修費用の見積書(発行日が申請日以前のもの)
  • 研修機関の会社概要または研修紹介資料
  • 受講者名簿(氏名・生年月日・雇用形態)
  • 法人の場合は商業登記簿謄本(発行3か月以内)

令和8年度からJグランツ(電子申請)での提出を推奨している。郵送でも可能だが、郵送の場合は配達記録が残る方法(簡易書留等)を使うこと。

Step 3: 研修の実施と記録(研修中に絶対やっておくこと)

交付決定通知を受け取ってから研修を開始する。通知前に研修を始めると、その分は助成対象外になる。採択後すぐ開始したくなる気持ちはわかるが、焦らないこと。

研修中に準備する書類:

  • 出席記録(氏名・日時・受講時間がわかるもの)
  • 研修の内容が確認できる資料(テキスト、スライド等)
  • 写真(集合研修の場合。eラーニングは不要)
  • 修了証・受講証明書(研修機関から発行してもらう)

eラーニング形式の研修は写真不要だが、受講ログ(ログイン記録等)を研修機関から取得しておくと後の確認がスムーズだ。

Step 4: 支給申請の提出(研修終了後2か月以内)

研修が終わったら、すみやかに支給申請書を提出する。期限は「研修終了の翌日から2か月以内」。ここを過ぎると助成金がもらえなくなるので注意。

支給申請で必要な書類:

  • 支給申請書(財団所定の様式)
  • 研修費用の請求書・領収書(会社宛)
  • 受講者の出席記録・修了証
  • 賃金台帳(助成対象期間の賃金支払いを証明)
  • 振込先の通帳コピー(初回申請のみ)

Step 5: 助成金の受取(申請から2〜3か月後)

支給申請書の受理から審査・振込まで、おおむね2〜3か月かかる。確定申告への影響があるため、助成金の入金時期を経理担当者に共有しておこう。助成金は雑収入として課税対象になる。

申請書類でよくある不備 4選

不備1: 見積書の日付が申請日より後になっている

❌ 申請書を提出した後に見積書を取り寄せ、日付を後日にした
⭕ 申請書と同日以前の日付の見積書を添付する

申請書類の整合性は厳しくチェックされる。書類間の日付の前後関係で「事後の作成では?」と疑われると差し戻しになる。

不備2: 受講者の雇用保険加入が確認できない

❌ 役員や個人事業主本人を対象受講者として申請する
⭕ 雇用保険の被保険者(従業員)のみを対象受講者にする

経営者自身が受講する場合でも、雇用保険に加入している役員以外は助成対象にならない。

不備3: 研修時間が「1研修あたり」ではなく「合計」で計算している

❌ 2時間の研修を3回実施し「計6時間なので対象」と考える
⭕ 1つのプログラムとして3時間以上の研修を実施する

単発の短時間研修を複数回合算しても、1研修ごとに3時間以上が要件になる。複数回に分かれる場合は「同一プログラムの分割実施」であることをカリキュラムで示す必要がある。

不備4: 研修費用を従業員個人が立て替えている

❌ 従業員が個人のクレジットカードで研修費を支払い、後日会社が精算する
⭕ 会社名義で請求書・領収書を受け取る

助成対象は「事業主(会社)が負担した経費」。立替払い精算では請求書・領収書が個人名義になるケースが多く、審査で弾かれやすい。研修機関に必ず法人名義での請求を依頼すること。

国の助成金との組み合わせで費用をさらに圧縮

DXリスキリング助成金と、国の制度を組み合わせることで実質負担をさらに下げられる。

特に相性が良いのが人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)だ。

  • 助成率: 中小企業で最大75%(賃金助成含む)
  • 1事業所あたりの年間上限: 1億円
  • 対象: 合計10時間以上のOFF-JT研修

東京都のDXリスキリング助成金は「3時間以上10時間未満」の短い研修に特化しており、国の人材開発支援助成金(10時間以上が対象)との棲み分けができる。短期研修は東京都、長期研修は厚生労働省の制度という使い分けが実務上有効だ。ただし、同一経費の二重申請は不可なので注意。

国の人材開発支援助成金については 人材開発支援助成金リスキリングコース 最終年度ガイド で詳しく解説している。

東京都DXリスキリング助成金と国の制度 — 時間数で使い分け、同一経費の二重計上は厳禁

東京都DXリスキリング助成金と国(厚生労働省)の人材開発支援助成金はどちらもAI・DX研修に使えます。「両方使えるのか」「どっちを使えばいいのか」という質問は現場でよく出ます。結論を先に言うと、別々の研修に振り分ければ併用は可能、同じ研修経費に両方を申請すると不正受給になります。

制度の構造がそもそも違うので、まずその違いを表で整理しましょう。

比較項目 東京都DXリスキリング助成金 人材開発支援助成金(国・厚労省)
所管 東京都(東京しごと財団) 厚生労働省
対象地域 都内に事業所がある中小企業のみ 全国(都内企業も対象)
助成率 3/4(75%) 最大3/4(中小企業・年度により変動。最新は公式確認)
1研修あたりの上限 75,000円/人(令和8年度) コース・人数により異なる(年度により変動。最新は公式確認)
対象研修時間 3時間以上10時間未満(1研修ごと) 10時間以上のOFF-JT研修
事前手続きの期限 研修開始の1ヶ月前までに交付申請 研修開始の6ヶ月〜1ヶ月前に訓練実施計画届を提出
賃金助成 なし(研修費用のみ) あり(中小企業:1時間あたり一定額。年度により変動)
申請窓口 東京しごと財団 管轄の都道府県労働局

※ 助成率・上限額・賃金助成額は年度により変動します。申請前に各公式サイトで最新の公募要項を確認してください。

「対象研修時間」の違いが使い分けの核心

上の表で最も重要なのが対象研修時間の違いです。東京都制度は「3時間以上10時間未満」の短い研修専用、国の制度は「10時間以上」のOFF-JTが対象です。

つまり研修の長さで自然に役割が分かれます。

  • 半日〜1日完結のAI活用入門研修(3〜9時間):東京都DXリスキリング助成金が使いやすい
  • 複数日にまたがる本格DX実装研修(10時間以上):人材開発支援助成金が対象になりやすい

「短期の意識醸成を東京都制度で、長期の実践研修を国の制度で」という組み合わせは、対象経費さえ重複しなければ成立します。ただし以下のルールは絶対に守る必要があります。

同一経費への二重計上は絶対NG

補助金・助成金に共通するルールとして、同一の研修費用(経費)に対して複数の制度から助成を受けることは禁止されています。たとえば1回のAI研修で講師料10万円が発生した場合、その10万円を東京都制度と国の制度の両方に申請することはできません。二重受給が後から発覚した場合は返還命令の対象になります。

「別々の研修」であれば問題ありません。同じ年度内に以下のように研修を分けて実施するのが正しい使い方です。

  • 例:ChatGPT業務活用研修(5時間)→ 東京都DXリスキリング助成金で申請
  • 例:DX実装・業務フロー設計研修(15時間)→ 人材開発支援助成金で申請

どちらを使うか判断に迷う場合は、TOKYOはたらくネット(DXリスキリング助成金)または管轄の都道府県労働局に事前相談するのが安全です。申請後の発覚は避けられません。

キャリアアップ助成金との関係

「キャリアアップ助成金も使えるか?」という質問も出ます。キャリアアップ助成金は非正規労働者の正社員転換や賃上げを支援する制度であり、AI研修費そのものへの助成ではありません。研修費への人材開発支援助成金と、同じ従業員の正社員転換へのキャリアアップ助成金は、支援の目的が異なるため別経費として扱われるケースがあります。ただし要件・申請タイミングが複雑なため、社会保険労務士への相談をお勧めします。

AI・DX研修として「審査を通りやすくする」カリキュラム設計と申請書の書き方

東京都DXリスキリング助成金には「対象研修」の要件があります。どんなAI研修でも通るわけではなく、カリキュラムの設計と申請書の書き方次第で結果が変わるのが実態です。AI研修支援の現場で見えてきたポイントをまとめます。

審査を通りやすい研修テーマと通りにくい研修テーマ

東京しごと財団が示す要件では、対象研修は「デジタル技術に関する知識・技能の習得を目的とする」ものとされています(最新の要件は公式ページで確認してください)。この定義は幅があり、以下のように整理できます。

研修テーマ 通りやすさの目安 判断のポイント
ChatGPT・生成AIの業務活用 通りやすい DXツール活用として制度趣旨に合致しやすい
ExcelマクロやRPAの実務スキル 通りやすい デジタル自動化の知識・技能習得として明確
クラウドサービス(Microsoft 365等)の活用 通りやすい 業務デジタル化の直接支援として評価されやすい
データ分析・BI活用研修 通りやすい DX人材育成として認められるケースが多い
AI倫理・リスク管理研修 要事前確認 技術習得より意識啓発が主目的の場合はグレーゾーン
コンプライアンス研修(DX内容なし) 対象外になりやすい デジタル技術の習得に該当しない
語学研修(英語・中国語等) 対象外になりやすい デジタル技術の習得ではない

表の「通りやすさ」はあくまで傾向であり、個々の研修内容・カリキュラムの書き方によって変わります。判断がつかない場合は申請前に東京しごと財団に直接確認するのが確実です。

申請書の「目的」欄でよく見る失敗と書き方の例

交付申請書には研修目的を記載する欄があります。ここが曖昧だと審査で止まりやすいです。

NGの書き方:

「ChatGPTの使い方を学ぶ」「AI研修を実施する」「生成AIに関するスキルを習得する」

目的が抽象的で、どの業務にどう活用するのかが伝わりません。

OKの書き方:

「生成AI(ChatGPT)を活用した顧客対応文書の作成・編集業務のデジタル化により、対応工数を月○時間削減することを目的とする」

「ExcelマクロおよびRPAの実務スキルを習得し、受発注データ集計業務の自動化を推進することを目的とする」

ポイントは2つです。具体的な業務名を入れること、そしてBefore/Afterのイメージが読み手に伝わるようにすることです。「生産性向上」だけでは採点しようがないので、審査側が判断できる粒度まで落とし込みましょう。

時間数設計の3つの落とし穴

東京都制度の「1研修あたり3時間以上10時間未満」という要件は、設計を誤ると後から問題になります。

  • 複数回に分けて実施する場合:単発開催ではなく複数セッションで構成する場合は「同一プログラムの分割実施」としてカリキュラムに明記する必要があります。別々の研修として扱われると時間の合算ができません
  • 休憩時間を含めない:昼食休憩・小休憩は研修時間に含まれません。実質の学習時間で3時間以上を確保してください
  • 10時間以上になってしまうプログラム:1研修が10時間以上になる場合は東京都制度の対象外です。プログラムを分割するか、国の人材開発支援助成金(10時間以上が対象)に切り替えることを検討してください

研修費の支払い方法も必ず確認を

研修費用は必ず会社名義の請求書・領収書で受領する必要があります。従業員が個人のクレジットカードで立て替え、後で会社が経費精算する方法では請求書・領収書が個人名義になるため、審査を通りません。研修の申込段階から法人カードまたは会社口座振込で手続きを進めてください。これは「よくある不備」として窓口でも頻繁に指摘されています。

制度の詳細や個別のケースについては、TOKYOはたらくネット(DXリスキリング助成金)の公式ページを参照するか、東京しごと財団に直接確認することをお勧めします。

令和8年度 申請スケジュールのまとめ

マイルストーン 時期 備考
交付申請受付開始 令和8年3月1日 現在受付中
交付申請締切 研修開始の1か月前まで 日曜・祝日を考慮して余裕を持つこと
対象研修の実施期間 令和8年4月1日〜令和9年3月31日開始分 令和9年8月31日までに修了
支給申請締切 研修終了の翌日から2か月以内 過ぎると受付不可
交付申請受付終了 令和9年2月28日 予算上限に達した場合は早期終了あり

「予算上限に達した場合は早期終了あり」という条件がある点に注意したい。昨年度も受付終了が早まった実績があるため、今年度の予算が残っているうちに動いた方がいい。4月の研修を使う場合、3月15日(4月1日〜14日開始分の締切)が最初の山場になる。

DXリスキリング助成金と「DX実践人材リスキリング支援事業」の違い

検索キーワードの中に「DX人材リスキリング支援事業」というクエリが多く、両制度を混同して情報収集している方が目立つ。この2つはまったく別の制度であり、主管も内容も対象も異なる。

比較項目 DXリスキリング助成金
(中小企業人材スキルアップ支援事業)
DX実践人材リスキリング支援事業
主管 公益財団法人東京しごと財団 東京都産業労働局(都直営)
支援の形 研修費用を助成金として支給(現金支給) DXコンサル+オンライン講習をセットで無償提供
費用 1人1研修:受講料の75%(上限75,000円)
1社年間上限100万円
完全無料(都が費用を負担)
対象 都内中小企業の雇用保険加入従業員 都内中小企業(応募多数で選抜あり)
研修内容 企業が選んだ外部研修(レディメイド・オーダーメイド) 都が提供する個別最適化プログラム(フルオンライン)
2026年度申請 令和8年3月1日〜令和9年2月28日(随時受付) 1次:2026年5月11日〜6月8日(応募多数のため2次は中止)
公式URL 東京しごと財団 dx-reskilling.metro.tokyo.lg.jp

どちらを使うべきか? の判断基準はシンプルだ。

  • 自社で選んだ研修会社に費用を払って、その費用を後から補填してほしい → DXリスキリング助成金
  • 都が用意したプログラムを無料で受けることで十分 → DX実践人材リスキリング支援事業(ただし2026年度1次は受付終了)

なお、DX実践人材リスキリング支援事業は「DX人材リスキリング支援事業」という名称で令和6年度(2024年度)に開始し、令和7年度(2025年度)から「DX実践人材リスキリング支援事業」に改称した制度だ。名前が似ているが、DXリスキリング助成金(東京しごと財団)とは別系統の制度である。詳細はTOKYOはたらくネット 人材育成支援ページでも制度一覧を確認できる。

2026年度 支給額シミュレーション早見表

「実際にいくらもらえるのか」がイメージしにくいという声が多い。以下は、令和8年度の制度条件(助成率75%・1人1研修上限75,000円・1社年間上限100万円)に基づくシミュレーションだ。数値は公式募集要項(東京しごと財団)に基づく。

受講人数 1人あたり受講料(税抜) 受講料合計 助成金額(75%) 自己負担(25%) 備考
1名 50,000円 50,000円 37,500円 12,500円
1名 100,000円 100,000円 75,000円 25,000円 1人上限75,000円でキャップ
5名 50,000円 250,000円 187,500円 62,500円
10名 50,000円 500,000円 375,000円 125,000円
14名 50,000円 700,000円 525,000円 175,000円
20名 50,000円 1,000,000円 上限100万円 250,000円 年間上限100万円に達する場合はその金額が上限

上限の注意点: 1人あたりの上限(75,000円)と、1社年間の上限(100万円)の両方が適用される。複数回の申請が可能なため、年間上限の100万円に達するまで別の研修で繰り返し申請できる点も使い勝手が良い。詳細な計算は申請前にTOKYOはたらくネットの制度説明も併せて確認してほしい。

令和8年度の改定ポイントと、申請前に見落としがちな5つの落とし穴

「令和8年度から変わった点は何か」「どこで審査に引っかかるのか」という問い合わせが実務でよく寄せられる。この章では、令和8年度の改定で新たに対象外となった研修形態と、現場で頻出する落とし穴を整理する。事前に知っておくだけで申請の成功率は大きく変わる。

令和8年度から対象外になった「サブスクリプション型研修」

令和8年度の大きな変更点として、サブスクリプション(定額制)形式の研修が明示的に対象外となった。月額定額で利用できるオンライン学習プラットフォーム(Udemy Business、LinkedIn Learningなどの法人向けプランがこれに該当する可能性がある)は、令和8年度は助成対象として認められない。

定額制サービスの場合は、国の人材開発支援助成金(1人1月あたり上限2万円)で対応するかたちになる。都の助成金と国の制度の役割分担が整理された改定といえる。

申請前に見落としがちな5つの落とし穴

落とし穴1: 受講率が8割を下回ると助成対象から外れる

助成対象受講者の要件として「総研修時間数の8割以上を受講した者」という条件がある。10時間の研修なら8時間以上の出席が必須だ。研修途中でのキャンセルや欠席が多いと、その受講者分の助成金がゼロになる。特にオーダーメイド研修では出席簿に受講者本人の自署が求められるため、当日の出欠管理を徹底しなければならない。

対策: 研修前に受講者に「途中欠席は助成金ゼロになる」ことを周知し、出席率の高い研修日程に設定する。

落とし穴2: 電子申請に必要なgBizIDの取得に時間がかかる

電子申請(Jグランツ)にはgBizID(法人向けの行政手続き共通ID)が必要だ。このID発行には申請から審査・発行まで数日〜2週間かかる場合がある。「研修開始1か月前」というタイムリミットの中でgBizID取得を後回しにすると、電子申請間に合わず紙申請に切り替える事態になりかねない。

対策: 助成金の申請を検討し始めた段階で、まずgBizID申請を先行させる。研修の決定前でもIDは取得できる。

落とし穴3: 過去に同じ研修を受けた受講者は対象外

「過去に同一研修を受講していない」という要件がある。社員研修の記録が整備されていない企業で、数年前に受けた研修と同一プログラムを申請すると審査で弾かれる。特に、定期的に実施する研修を繰り返し申請しようとするケースで起きやすい。

対策: 申請前に各受講者の過去の研修履歴を確認する。研修プログラムが「同一」かどうかは、カリキュラムの内容・時間・提供機関の3点で判断される。内容が一部でも異なれば別研修と認められる余地がある。不明な場合は事前に東京しごと財団(03-5211-0391)に問い合わせるのが安全だ。

落とし穴4: 都税に未納付があると申請不可

都税(法人都民税、法人事業税など)に未納付がある場合、申請が受理されない。申請書には「都税の未納付がない」ことの誓約が含まれており、虚偽申告は後日助成金の返還命令につながる。決算後に申告・納付が完了しているか、経理担当者と確認してから申請に入ること。

落とし穴5: 交付決定前に発注・研修開始すると全額対象外

これは補助金・助成金全般に共通する最重要ルールだ。財団から交付決定通知が届いた日以降に研修機関への正式発注・支払い・研修開始をしなければならない。「申請書を出したからOK」ではなく、「交付決定通知が届いてから動く」が鉄則だ。

ありがちなミス: 交付申請を出した後、先方研修機関から「早めに日程確定してほしい」と言われ、交付決定前に契約書にサインして費用を支払ってしまうケース。この場合、全額自己負担になる。

申請スムーズに進めるためのチェックリスト

タイミング 確認事項 備考
研修決定の6〜8週間前 gBizID申請(電子申請を使う場合) 発行に最大2週間かかる場合あり
研修決定後・申請書作成前 受講者全員の研修履歴を確認(同一研修の重複受講がないか) 過去に同一研修を受けた者は対象外
研修形態の確認(サブスクリプション型でないか) 定額制は令和8年度から対象外
都税の未納付がないか経理に確認 未納付があると申請不可
研修開始の1か月前(絶対的な締切) 交付申請書の提出(Jグランツまたは郵送) 4月1〜14日開始の場合は3月15日が締切
交付決定通知の受取後 研修機関と正式契約・費用支払い 通知前の契約・支払い・研修開始は対象外
研修中(当日) 出席簿の整備(受講者の自署を当日取得) 受講率8割未満の受講者は助成対象から除外
研修終了後2か月以内 支給申請書の提出 期限超過で助成金全額不支給になる

申請に不安がある場合は、提出前に東京しごと財団の事前相談(03-5211-0391、平日9〜17時)を活用するのが確実だ。特にオーダーメイド研修の場合、カリキュラムの内容がDX関連として認められるかどうかは事前相談で確認しておくと安心できる。詳細は令和8年度 DXリスキリング助成金 募集要項(東京しごと財団)も参照してほしい。

東京都のリスキリング研修費に使える助成金は「DXリスキリング」だけではない

「東京都 リスキリング」「リスキリング研修 東京」で情報を探していると、DXリスキリング助成金にたどり着く人が多い。ただ、東京しごと財団のスキルアップ支援事業には、研修費を補填してくれる助成金がこのほかにも複数ある。DXに直結しないテーマの研修や、定額制サービスを使いたい場合は、別の助成金のほうが向くこともある。ここでは令和8年度に都内中小企業が研修費に使える助成金を横並びで整理し、どれを選べばいいかを示す。

東京しごと財団のスキルアップ支援事業(助成金一覧)には、令和8年度時点で次の4つの助成金が並んでいる。DXリスキリング助成金は、そのうち「DX・AI関連の研修に特化した1本」という位置づけだ。

令和8年度 東京しごと財団スキルアップ支援事業の助成金マップ

助成金 助成率 上限額 主な対象研修 こんな企業向き
DXリスキリング助成金 3/4(75%) 1人1研修 75,000円
1社年間 100万円
DX・AI関連の外部研修(3時間以上10時間未満) 生成AI・データ分析など、DXテーマの研修を受けさせたい
事業外スキルアップ助成金 中小企業 1/2
小規模企業者 2/3
1人1研修 25,000円
事業内と合算で1社 150万円
教育機関の公開研修(集合・eラーニング) テーマを問わず外部の公開講座に通わせたい
事業内スキルアップ助成金 募集要項で確認 事業外と合算で1社 150万円 自社で計画するOFF-JT研修 社内講師・カスタム研修を整備したい
資格取得サポート助成金 募集要項で確認 募集要項で確認 資格取得に向けた講座・受験費用 従業員の資格取得を後押ししたい

※ 助成率・上限額は令和8年度 事業外スキルアップ助成金令和8年度 事業内スキルアップ助成金の各公式ページに基づく(参照日: 2026年6月14日)。「資格取得サポート助成金」は令和8年度の新設枠で、詳細は個別の募集要項で確認してほしい。

DX・AI研修ならDXリスキリング助成金が有利な理由

生成AIやデータ分析など、テーマがDXに寄っている研修なら、迷わずDXリスキリング助成金を選びたい。理由は単純で、助成率と1人あたり上限がいちばん手厚いからだ。

  • 助成率は3/4(75%)で、事業外スキルアップ助成金の中小企業1/2より高い
  • 1人1研修あたりの上限が75,000円で、事業外の25,000円の3倍
  • 研修時間の要件が「3時間以上10時間未満」と短め(事業外・事業内より着手しやすい)

たとえば受講料5万円のAI活用研修を1名に受けさせる場合、DXリスキリング助成金なら37,500円(75%)が戻るが、事業外スキルアップ助成金(中小企業)だと25,000円(50%)にとどまる。同じ研修でも戻ってくる額が1万円以上変わる計算だ。具体的な金額は記事内の支給額シミュレーションも参考にしてほしい。

逆に、語学やマナーなどDXと結びつかないテーマの公開研修、あるいは1社で年間150万円規模まで使いたいケースでは、事業外・事業内スキルアップ助成金のほうが選択肢になる。「DXに当てはまるかどうか」で最初の振り分けを考えるとわかりやすい。

「東京都の無料リスキリング」を探している場合の選択肢

そもそも研修費の持ち出しをゼロにしたい、という相談も多い。その場合は、助成金(費用を立て替えてから一部が戻る方式)ではなく、東京都が費用を負担するDX実践人材リスキリング支援事業という別ルートがある。こちらは株式会社ベネッセコーポレーションが都の委託で運営し、Udemy Businessを使ったオンライン講習やラーニングパートナーによる伴走を完全無料で受けられる。

ただし、令和8年度(2026年度)は1次募集(2026年5月11日〜6月8日)が締め切られ、2次募集(2026年6月12日〜6月23日予定)も応募多数のため実施されていない。次年度以降の募集を待つか、当面は研修費が戻るDXリスキリング助成金で動くかの判断になる。両制度の違いは本記事の比較表でも整理しているので、あわせて確認してほしい。なお、この事業の最新の募集状況はDX実践人材リスキリング支援事業 公式サイトで随時公表される。

東京都の中小企業がリスキリングを始めるなら、まずこの順番で

選択肢が多くて迷う場合は、次の順で確認すると整理しやすい。

順番 確認すること 進む先
1 研修テーマがDX・AI関連か 該当するならDXリスキリング助成金(助成率3/4)が第一候補
2 研修費の持ち出しをゼロにしたいか DX実践人材リスキリング支援事業(無料・ただし募集時期に注意)
3 DX以外のテーマ、または年間150万円規模まで使いたいか 事業外・事業内スキルアップ助成金
4 国の制度と重ねて負担をさらに下げたいか 人材開発支援助成金との併用(同一経費の二重計上は不可)

東京都内のAI補助金・DX補助金は研修以外にも幅広い。研修費だけでなく、AIツール導入やシステム開発の費用まで含めて都内で使える制度を横断的に見たい場合は、【2026年度】東京都で使えるAI導入・DX推進の補助金・助成金まとめで全体像を確認するのが早い。国の制度と組み合わせた費用圧縮の考え方は人材開発支援助成金リスキリングコース 最終年度ガイドでも解説している。

今すぐ始める3つのアクション

  1. 今日やること: 東京しごと財団の公式サイトで令和8年度の募集要項をダウンロードし、自社の受講予定者の雇用保険加入状況を確認する
  2. 今週中: 社内で実施予定のDX研修(または外部で申し込む研修)の費用・時間を確認し、研修開始予定日から逆算して申請期限を手帳に書き込む
  3. 申請前: 研修機関に「法人名義での請求書・領収書の発行」「修了証の発行」を事前に依頼する

AI導入やDXに向けた社員研修を検討中で「助成金を最大限活用したい」「どの研修が対象になるか迷っている」という場合は、Uravationのお問い合わせフォームからご相談ください。AI研修・DX研修の設計支援と、助成金活用のご案内をしています(申請書の作成代行はお受けしていません)。

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この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。


参考・出典


免責事項

本記事の情報は2026年3月15日時点の東京しごと財団・各省庁の公表資料に基づく参考情報です。助成金の制度内容・申請期間は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず公式サイトの最新の募集要項をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

関連記事: 【2026年】東京都DX推進助成金|AI導入・デジタル化支援の都独自補助金まとめ

🏢 業種別の補助金完全ガイド(2026年最新)

東京都DXリスキリング助成金の申請前FAQ

制度内容は年度や地域で変わるため、申請前には必ず公式ページ・公募要領・事務局案内で最新条件を確認してください。

よくある質問

東京都DXリスキリング助成金は誰が対象ですか?

東京都DXリスキリング助成金の対象は、公募要領で定められる業種、所在地、企業規模、事業内容によって決まります。記事の条件に近くても、申請前に公式資料で対象者欄を確認してください。

AIツール費用やDX投資は対象になりますか?

対象になる可能性はありますが、制度ごとに扱いが異なります。SaaS利用料、開発費、研修費、設備費のどれに該当するかを分け、見積書と導入目的をそろえる必要があります。

申請前に最低限そろえる書類は何ですか?

公募要領、GビズID、見積書、会社情報、決算書、事業計画、導入後の効果説明を先に確認します。自治体制度では納税証明や地域内事業所の証明が必要な場合もあります。

締切直前でも申請できますか?

可能な場合もありますが、GビズID、相見積もり、事業計画、添付書類に時間がかかります。締切だけでなく、交付決定後に発注するルールも確認してください。

不採択を避けるために重要な点は?

制度目的との一致、費用対効果、実施体制、証憑の整合性、導入後の成果指標を明確にすることです。AI導入の場合は、単なるツール購入ではなく業務改善の流れで説明します。

最終確認日: 2026年5月19日

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補助金を使ったAI導入を検討中の方へ

制度の最終適用可否は公募要領の確認が必要ですが、AI研修・PoC・導入計画の整理はUravationが無料相談でサポートしています。

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