採用候補者の履歴書を前に、人事担当者が「年齢は該当するが、この人は助成対象なのか」と手を止める。
非正規雇用の期間や離職理由、紹介経路まで確認し始めると、年齢だけでは判断できないことに気づきます。
その場面で確認したいのが、令和8年度の特定求職者雇用開発助成金「中高年層安定雇用支援コース」です。
2026年8月27日現在、対象となるのは、雇入日時点で35歳以上60歳未満、つまり35〜59歳で、過去の正規雇用歴、紹介時点の就業状態、個別支援の利用など所定の要件をすべて満たす方です。ハローワーク等から本コースの対象者として紹介を受け、正規雇用労働者として雇い入れることが前提になります。
1人当たりの支給総額は中小企業60万円、大企業50万円です。助成対象期間1年を6か月ずつの2期に分け、中小企業は各期30万円、大企業は各期25万円が基準となります。週20時間以上30時間未満の「短時間労働者」は本コースから除かれるため、短時間労働者向けの別額はありません。
令和8年4月以降の支給申請では、賃金台帳の提出が確認できない場合は不支給となります。年齢や助成額だけを見るのではなく、紹介前の選考状況、雇用契約、就業規則、解雇等の履歴、申請期限まで一体で管理することが重要です。
以下は、厚生労働省が掲載する令和8年度の制度ページ、R8.4.1版の事業主向けリーフレットと支給要領、各労働局の案内に基づく整理です。支給の可否は個別審査で決まるため、候補者を紹介したハローワークと事業所を管轄する労働局の案内もあわせて確認してください。
中高年層安定雇用支援コースは「35〜59歳の正規雇用」を支える制度

中高年層安定雇用支援コースは、いわゆる就職氷河期世代を含む中高年層のうち、正規雇用の機会を逃したことなどにより十分なキャリア形成がなされず、正規雇用での就職が困難な方の安定雇用を促す制度です。令和7年4月に、旧「就職氷河期世代安定雇用実現コース」の対象を広げる形で新設されました。
| 確認項目 | 令和8年度の内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 特定求職者雇用開発助成金(中高年層安定雇用支援コース) |
| 所管 | 厚生労働省。支給申請は管轄労働局長宛てに行い、ハローワークを経由できる場合があります |
| 対象となる雇入れ | 対象要件を満たす35歳以上60歳未満の方を、ハローワーク等の紹介で正規雇用労働者として雇い入れること |
| 支給総額 | 中小企業60万円、大企業50万円。ただし、各支給対象期に支払った対象賃金額が上限です |
| 助成対象期間 | 1年。6か月の支給対象期を2期設定 |
| 申請期限 | 各支給対象期の末日の翌日から起算して2か月以内 |
| 申請方法 | 管轄労働局への提出。e-Govによる電子申請も利用できます |
| 令和8年度の重要点 | 令和8年4月以降の申請では賃金台帳が必須添付書類です |
この制度は、公募回に応募して他社と順位を競う補助金ではありません。対象労働者、雇入れ方法、事業主、雇用管理、申請書類などの支給要件を満たしているかが審査されます。雇用関係助成金の全体像や他コースとの位置づけは、特定求職者雇用開発助成金とは|支給額と申請の流れも参考になります。
求職者側の5要件は、年齢だけで判定しない

「35〜59歳なら対象」と理解すると、入口で判断を誤ります。厚生労働省の中高年層安定雇用支援コース公式ページでは、雇入れ日に次の条件をすべて満たす方を対象としています。
1.雇入日時点で35歳以上60歳未満である
年齢の基準日は応募日や紹介日ではなく、実際の雇入れ日です。59歳は対象年齢に含まれますが、雇入日時点で60歳に達している方は本コースの対象年齢から外れます。60歳以上の方については、特定就職困難者コースなど別制度の対象となる可能性があるため、制度を混同しないようにしましょう。
2.過去5年間の正規雇用期間が通算1年以下である
雇入れ日の前日から起算した過去5年間について、正規雇用労働者として雇用された期間の合計が1年以下である必要があります。ここでいう期間には、雇用保険の加入有無だけでなく、自営業者やフリーランス、業務独占資格を使う仕事など、正規雇用と同等以上の職業能力が必要と考えられる職業に従事した期間が含まれる場合があります。
履歴書の「正社員歴」欄だけで機械的に集計するのは危険です。個人事業、委任、資格職などの経歴がある場合は、本人の申告と職歴資料を基に、紹介機関へ対象者性を確認してもらう必要があります。
3.直近1年間に正規雇用された期間がない
原則として、雇入れ日の前日から起算した過去1年間に、正規雇用労働者として雇用された期間がない方が対象です。ただし、直近1年間に正規雇用期間があっても、事業主都合の解雇など本人の責めに帰さない理由で離職した方は対象となり得ます。離職理由の扱いは支給判断に直結するため、本人の説明だけで決めず、ハローワーク等の判定に沿って進めてください。
4.紹介時点で安定した職業に就かず、個別支援を受けている
対象者は完全な無業状態に限られません。非正規雇用など安定した職業に就いていない方も含まれ得ます。一方で、紹介時点で安定した職業に就いていないことに加え、ハローワーク等で担当者による個別支援を受け、履歴書作成、求人情報の提供、面接指導など複数の就労支援を受けていることが求められます。
つまり、企業が面接の場で「この候補者は不安定就労だろう」と独自に認定する制度ではありません。紹介機関が対象者の属性と支援状況を把握し、本コースの対象者として職業紹介を行う流れが重要です。
5.正規雇用労働者として働くことを希望している
本人が正規雇用を希望していることも要件です。さらに、企業側が提示する雇用条件も制度上の正規雇用労働者に該当しなければなりません。期間の定めのない労働契約であること、所定労働時間や待遇が通常の正規雇用労働者と整合していること、長期雇用を前提とする賃金、賞与、退職金、休日、昇給・昇格などの扱いが就業規則等で定められていることが確認されます。
事業主側の支給要件は「紹介前」と「雇入れ前後」に分けて見る

求職者が5要件を満たしていても、事業主側の要件に該当しなければ支給対象になりません。採用決定後に修正できない条件があるため、求人を出す段階で整理しておくことが肝心です。
紹介前に選考を始めない
対象者は、ハローワーク、地方運輸局、または所定の基準に同意した有料・無料職業紹介事業者等から紹介を受ける必要があります。一般の求人媒体を見て直接応募した方や、紹介前から採用に向けた選考を始めていた方を、後からハローワーク紹介に切り替える方法は認められません。
民間紹介会社であれば、どこでも対象になるわけではありません。厚生労働省の雇用関係助成金を取り扱う職業紹介事業者等の案内に沿った取扱事業者であるかを確認し、同意職業紹介事業者等から紹介を受けた場合は職業紹介証明書を準備します。
雇入れ前後の解雇等が支給判断に影響する
対象労働者の雇入れ日の前後6か月間に当たる基準期間で、事業主都合による従業員の解雇や退職勧奨を行っていないことが求められます。また、基準期間に特定受給資格者となる離職理由による離職者の割合が、雇入日時点の被保険者数の6%を超えていないことも要件です。ただし、その離職者が3人以下の場合は、この割合要件の例外があります。
さらに、過去に本コースの支給決定対象となった労働者を助成対象期間中に事業主都合で離職させた場合、その事実が支給申請日前の3年間に含まれる間は、新たな支給申請に影響します。愛知労働局は、助成対象期間中に対象労働者を解雇等した場合、以後3年間は当該事業所に本助成金を支給しないと案内しています。例外に当たる離職理由もあるため、離職が発生した時点で管轄労働局へ相談するのが安全です。
雇用保険と法定帳簿を整える
事業主は雇用保険の適用事業主であり、対象者を一般被保険者として雇い入れる必要があります。対象者の日々の出勤状況が分かる出勤簿やタイムカード、基本賃金と諸手当を区分した賃金台帳、離職年月日と離職理由が分かる労働者名簿などを整備・保管し、審査に必要な資料を提出できる状態にしておきます。
このほか、労働保険料、労働関係法令、不正受給歴など、雇用関係助成金に共通する要件も適用されます。個別コースのリーフレットだけで完結させず、厚生労働省の雇用関係助成金の共通要領・共通様式も確認してください。
支給額は中小企業60万円・大企業50万円、上限は2期

支給額は企業規模で決まり、対象者の年齢帯による増減はありません。公式ページが示す1人当たりの基準額は次のとおりです。
| 企業規模 | 第1期 | 第2期 | 支給総額 | 助成対象期間・回数 |
|---|---|---|---|---|
| 中小企業 | 30万円 | 30万円 | 60万円 | 1年・2回 |
| 大企業 | 25万円 | 25万円 | 50万円 | 1年・2回 |
表の金額が無条件で固定支給されるわけではありません。各支給対象期に対象労働者が行った労働に対して支払った賃金総額が上限です。実労働時間が支給要領の基準に満たない月がある場合は、月単位で支給額が算定されることがあります。欠勤、休業、労働時間の変更があったときは、契約上の所定労働時間だけで見積もらないようにしましょう。
短時間労働者向けの40万円枠はない
ここは、特定就職困難者コースと混同されやすい点です。中高年層安定雇用支援コースでは、週20時間以上30時間未満の制度上の「短時間労働者」は対象から除外されます。そのため、短時間労働者向けの支給額は設定されていません。他コースにある短時間労働者の金額を、そのまま本コースへ当てはめないでください。
一方、令和8年度の事業主向けリーフレットには、短時間正社員等でも正規雇用労働者に該当し得る旨が示されています。「短時間正社員」という社内名称だけで判断せず、週所定労働時間、通常の労働者との関係、就業規則上の定義、待遇を紹介機関と管轄労働局へ示し、本コースの対象となる雇用条件かを採用前に確認してください。
令和8年4月の変更点は、賃金台帳を「保管」から「提出」へ進めたこと

令和8年度の実務で最も注意したいのが賃金台帳です。厚生労働省は、令和8年4月以降の申請分について、添付書類として賃金台帳の提出が確認できない場合は不支給と案内しています。雇入日が令和7年度中であっても、支給申請が令和8年4月以降なら、この取扱いを前提に準備する必要があります。
給与明細だけではなく、賃金台帳を提出する
給与明細、銀行振込記録、総勘定元帳がそろっていても、賃金台帳そのものの提出に代えることはできません。厚生労働省の賃金台帳の様式例を参考に、少なくとも次の情報が読み取れる状態にします。
- 氏名、賃金計算期間、労働日数、労働時間数
- 時間外、休日、深夜の労働時間
- 基本賃金と各種手当の内訳
- 社会保険料、税などの控除と差引支払額
- 支給申請の対象期間における賃金支払いの状況
助成金の支給要領では、労働時間と賃金が手当ごとに区分された賃金台帳、日ごとの出勤状況が分かる出勤簿の提出を求めています。勤怠システムと給与システムで氏名、締日、労働時間、手当名が食い違っていないかも確認しておきましょう。
雇入日によって使う様式を取り違えない
公式ページでは、現行の第1期共通申請書、第2期以降の申請書、対象労働者雇用状況等申立書、対象者確認票を掲載しています。あわせて、令和8年3月31日までの雇入れに使用する旧様式も掲載されています。ファイル名が似ているため、以前保存した様式を複製するのではなく、雇入日と申請期に対応する現行ファイルを公式ページから取得してください。
旧・就職氷河期世代安定雇用実現コースとの境界
新コースは旧制度と目的や基本要件が近いため、古い資料を読むと対象年齢を取り違えやすくなります。両制度の大きな違いは、対象者を固定した生年月日で切るか、雇入日時点の年齢で切るかです。
| 比較点 | 中高年層安定雇用支援コース | 旧・就職氷河期世代安定雇用実現コース |
|---|---|---|
| 制度の扱い | 令和7年4月から新設 | 令和7年3月31日で廃止。経過措置あり |
| 年齢・世代の基準 | 雇入日時点で35歳以上60歳未満 | 1968年4月2日から1988年4月1日までに生まれた方 |
| 制度の入口 | 35〜59歳の中高年層へ対象を拡大 | 就職氷河期世代を生年月日で特定 |
| 支給総額 | 中小企業60万円、大企業50万円 | 中小企業60万円、大企業50万円 |
| どちらの要件を使うか | 令和7年4月1日以降の対象となる雇入れ | 令和7年3月31日までに旧コース対象者として紹介され、雇い入れた場合 |
支給額が同じだからといって、旧様式や旧対象者確認票を流用することはできません。制度名称、雇入日、紹介日、対象者確認票の種類を一組として管理しましょう。旧制度の経過措置は、厚生労働省の就職氷河期世代安定雇用実現コース公式ページに掲載されています。
求人申込みから第2期申請までの実務フロー
このコースでは「採用してから対象者か調べる」という順序が通用しません。紹介前の選考が不支給要件になるため、求人段階から支給申請までを一つの案件として管理します。
- 求人条件と就業規則を点検する
期間の定めのない契約、所定労働時間、賃金、賞与、退職金、休日、昇給・昇格など、正規雇用労働者としての条件を求人票、労働条件通知書、就業規則で整合させます。自社の企業規模と解雇等の履歴も確認します。 - ハローワーク等へ求人を申し込む
本コースの活用を検討していることを伝え、対象者として明示された職業紹介を受けられる手順を確認します。民間の紹介事業者を使う場合は、雇用関係助成金を取り扱える事業者かを確認します。 - 紹介を受けた後に選考する
紹介日より前に面接、採用内定、雇用予約などを進めないようにします。年齢だけでなく、過去5年と直近1年の正規雇用歴、個別支援、正規雇用希望が対象者確認票等で扱われているかを紹介機関と確認します。 - 正規雇用労働者として雇い入れる
紹介時の求人条件と一致する内容で雇用契約を締結し、雇用保険の一般被保険者として手続きを行います。労働条件の不利益変更や、紹介時と異なる条件での雇入れは避けてください。 - 第1期の勤怠・賃金資料を月ごとに整える
起算日から最初の6か月が第1期です。出勤簿、賃金台帳、雇用契約書、就業規則、年齢確認書類などを申請直前に集めるのではなく、給与締めごとに照合します。 - 第1期終了後2か月以内に申請する
第1期支給申請書、対象労働者雇用状況等申立書、賃金台帳、出勤簿、雇用条件を確認できる書類などをそろえ、管轄労働局長へ提出します。支給対象期の起算日は賃金締切日との関係で変わるため、労働局から示された申請期間を基準にします。 - 第2期も独立して期限管理する
次の6か月が第2期です。第2期終了後も、末日の翌日から2か月以内に申請します。第1期の申請が済んでも第2期が自動支給されるわけではありません。
電子申請を利用する場合はe-Govを使います。特定求職者雇用開発助成金の電子申請には電子証明書が必要と案内されているため、利用準備も申請期限から逆算してください。詳細は厚生労働省の特定求職者雇用開発助成金の電子申請案内で確認できます。
申請書類は「雇入れの証拠」と「6か月の実績」を分ける
書類名を暗記するより、何を証明する資料かで分けると漏れを見つけやすくなります。R8.4.1版支給要領で示される主な資料は次のとおりです。
雇入れ時点の要件を示す資料
- 氏名と年齢を確認できる住民票や運転免許証等の写し
- 週所定労働時間と正規雇用を確認できる雇用契約書、労働条件通知書
- 正規雇用労働者の待遇を確認できる就業規則、賃金規程、労働協約等
- 同意職業紹介事業者等を利用した場合の職業紹介証明書
- 支給要件確認申立書、対象労働者雇用状況等申立書
支給対象期の雇用実績を示す資料
- 対象期間の賃金台帳またはその写し
- 雇入月と支給対象期の日ごとの出勤状況が分かる出勤簿等
- 必要に応じて、離職者の氏名、離職日、離職理由が分かる労働者名簿
- 中小企業に該当することを示す資料
- 労働局が審査上必要とする追加資料
賃金支払日がまだ到来していない部分がある場合の扱いも支給要領に定められていますが、自己判断で空欄の資料を出すのは避けましょう。支給申請期間と給与支払日の位置関係を管轄労働局へ伝え、提出時点と追加提出の方法について案内を受けてください。
不支給リスクを高める4つの行き違い
紹介前に面接を済ませてしまう
❌ 求人サイトから応募した方の採用を内定し、その後にハローワークの紹介状を受け取る。
⭕ ハローワーク等へ求人を申し込み、本コース対象者としての紹介を受けた後に選考を始める。
紹介状を後付けしても、紹介前に選考を始めていた事実は変わりません。採用担当者、現場責任者、経営者の間で「面談」と「選考」の扱いを統一しておく必要があります。
35〜59歳なら対象だと決めつける
❌ 年齢だけを見て助成額を採用予算に織り込む。
⭕ 過去5年と直近1年の正規雇用歴、紹介時の就業状態、個別支援、正規雇用希望まで対象者確認票等で確認する。
年齢は5要件の一つにすぎません。本人の職歴に自営業や資格職が含まれる場合も、紹介機関の判定を受けてください。
「無期契約なら正社員」と考える
❌ 契約期間だけを無期にし、所定労働時間や待遇はパート区分のままにする。
⭕ 通常の正規雇用労働者との所定労働時間、賃金体系、賞与、退職金、休日、昇給・昇格の扱いを就業規則等と照合する。
無期雇用であることは必要条件の一部です。週20時間以上30時間未満の短時間労働者には本コースの別額がないことも、採用条件を決める前に押さえましょう。
給与明細があるので賃金台帳は不要だと思う
❌ 給与明細と振込記録だけを添付し、賃金台帳を出さない。
⭕ 令和8年4月以降の申請では、賃金台帳、出勤簿、申立書、雇用条件資料を申請期ごとにそろえる。
賃金台帳の提出が確認できない場合は不支給と明示されています。提出期限直前の作成では、勤怠との不一致や手当の区分漏れを直す時間がなくなります。
よくある質問
中高年層安定雇用支援コースとは何ですか?
正規雇用の機会を逃すなどして十分なキャリア形成が難しかった35〜59歳の方を、ハローワーク等の紹介で正規雇用した事業主を支援する、特定求職者雇用開発助成金の一コースです。令和7年4月に新設されました。対象者と事業主の双方に複数の要件があります。
対象年齢は紹介日と雇入日のどちらで判断しますか?
年齢は雇入日時点で判断します。雇入日に35歳以上60歳未満であることが必要です。誕生日が採用時期に近い場合は、雇用開始日を含めて紹介機関へ相談してください。
非正規で働いている人も対象になりますか?
紹介時点で安定した職業に就いていない非正規雇用労働者は対象となり得ます。ただし、過去の正規雇用期間、個別支援の状況、正規雇用の希望など他の要件も満たす必要があります。企業が独自に対象認定するのではなく、ハローワーク等の紹介手続を通じて確認します。
週20時間以上30時間未満の短時間労働者はいくら支給されますか?
本コースでは週20時間以上30時間未満の短時間労働者が除外されるため、短時間労働者向けの支給額はありません。特定就職困難者コースなど他コースの短時間区分と混同しないでください。短時間正社員の扱いは所定労働時間や就業規則により判断が分かれるため、求人を出す前に労働局または社会保険労務士へ相談すると安心です。
民間求人サイトから直接採用した人は対象ですか?
民間求人サイトからの直接応募だけでは、所定の職業紹介要件を満たしません。ハローワーク、地方運輸局、または本助成金を取り扱える職業紹介事業者等からの紹介が必要です。紹介前に選考を開始している場合も支給対象にならないため、後から紹介状を取得する進め方は避けてください。
助成金はいつ、何回申請しますか?
助成対象期間は1年で、6か月ごとの2期に分かれます。各期の末日の翌日から起算して2か月以内に、その期の支給申請を行います。起算日は雇入日と賃金締切日の関係で変わるため、労働局から案内された申請期間を社内の期限台帳に登録してください。
令和8年4月以降、賃金台帳を出さないとどうなりますか?
厚生労働省は、令和8年4月以降の申請分では、添付書類として賃金台帳の提出が確認できない場合は不支給と案内しています。給与明細や振込記録だけで代替できると考えず、賃金台帳と出勤簿の内容を照合して提出してください。書式や記載内容に迷う場合は、申請期限前に管轄労働局または社会保険労務士へ相談してください。
電子申請は利用できますか?
利用できます。厚生労働省はe-Govによる電子申請を案内しており、申請には電子証明書が必要です。電子ファイル化した添付書類の準備や署名環境の設定があるため、紙申請と電子申請のどちらを使うかを事前に決めておくと混乱を減らせます。
支給要件の判断は誰に相談すればよいですか?
制度の窓口は都道府県労働局やハローワークです。求人・紹介前の段階で候補者の対象者性と雇用条件を相談してください。就業規則、解雇履歴、労務管理、申請手続を含む判断は社会保険労務士にも相談できます。支給は個別審査で決まるため、ウェブ記事だけで最終判断しないことが大切です。
参考・公式情報
- 特定求職者雇用開発助成金(中高年層安定雇用支援コース) — 厚生労働省(参照日:2026年8月27日)
- 中高年層安定雇用支援コースのご案内・事業主向け(R8.4.1版) — 厚生労働省(参照日:2026年8月27日)
- 中高年層安定雇用支援コース支給要領(R8.4.1版) — 厚生労働省(参照日:2026年8月27日)
- 支給申請時の賃金台帳提出に関するリーフレット — 厚生労働省(参照日:2026年8月27日)
- 中高年層安定雇用支援コースの申請案内・注意事項 — 愛知労働局(参照日:2026年8月27日)
- 特定求職者雇用開発助成金の令和8年4月変更案内 — 厚生労働省(参照日:2026年8月27日)
- 旧・就職氷河期世代安定雇用実現コース — 厚生労働省(参照日:2026年8月27日)
結論:対象者・紹介経路・正規雇用を採用前に固め、賃金台帳を申請期ごとに提出する
中高年層安定雇用支援コースは、35〜59歳なら自動的に対象になる制度ではありません。過去5年間と直近1年間の正規雇用歴、紹介時点の就業状態、個別支援、正規雇用希望を満たす方を、所定の紹介機関から紹介を受けた後に正規雇用することが出発点です。
- 求人を出す前に、ハローワーク等へ本コースの紹介手順と対象者確認の方法を相談する
- 雇用契約、所定労働時間、就業規則、企業規模、解雇等の履歴を採用決定前に点検する
- 雇入れ後は、6か月ごとの出勤簿と賃金台帳を照合し、各期終了後2か月以内に申請する
関連制度まで含めて比べたい場合は、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)完全ガイドと、採用・雇用で使える助成金まとめ完全ガイド|目的別4制度を比較もご覧ください。
支給要件や申請書類は、管轄労働局、ハローワーク、社会保険労務士へご相談ください。採用後の人材育成やAI・DX活用の計画整理について相談したい場合は、株式会社Uravationのお問い合わせフォームをご利用いただけます。当社は助成金申請書の作成代行を行うものではなく、支給を保証するものでもありません。
この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。
