2026年10月1日時点のキャリアアップ助成金の申請は、取組日の前日までにキャリアアップ計画書を労働局へ出し、正社員転換などの取組をして、取組後6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内に支給申請する、という流れです(厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」2ページ)。補助金のような公募期間はなく、期限は会社ごとの取組日から決まります。
たとえば令和8年(2026年)4月1日に正社員へ転換し、月末締め・翌月15日払いの会社なら、6か月目の賃金を10月15日に支払い、支給申請期間は10月16日から12月15日までです(キャリアアップ助成金Q&A 29ページ Q-18)。4月に転換した会社は、この10月から申請の時期に入ります。
この記事の要点(2026年10月1日時点)
- 流れは「キャリアアップ計画書の提出 → 就業規則等の整備 → 取組の実施 → 6か月分の賃金の支払い → 支給申請 → 支給審査・支給決定」の6段階です
- 計画書はコース実施日の前日までに管轄の労働局へ出します。計画期間の開始日は提出日の翌日以降で、取組日が計画期間に入っていないと助成対象になりません
- 支給申請は、取組後6か月分の賃金を実際に支払った日の翌日から2か月以内です。郵送は到着日で判断され、期間を過ぎた申請は受け付けられません
- どのコースも、支給申請書(様式第3号)・コース別の内訳・支給要件確認申立書が基本で、就業規則・雇用契約書・賃金台帳の写しを付けます。賃金台帳の期間はコースで違います
- 電子申請は雇用関係助成金ポータルから行い、GビズIDが必要です。計画書を紙で出した取組は、支給申請も紙になります
最終更新:2026年10月1日。この記事は、厚生労働省の「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」(令和8年4月8日現在。以下、パンフレット)、「キャリアアップ助成金支給要領」(令和8年4月8日付け。以下、支給要領)、「キャリアアップ助成金Q&A(令和8年度版)」(令和8年7月29日。以下、Q&A)、「雇用関係助成金共通要領」と同Q&A(令和8年9月14日)を読み、申請の順番と期限に関わる記載を整理したものです。ページ番号は各資料に印刷された番号です。
キャリアアップ助成金の申請の流れ|計画書の提出から支給決定までの6段階
パンフレットの「申請までの流れ」は、事業主の手続きを次の6段階で示しています。順番が大事なのは1段階目だけと思われがちですが、2段階目と4段階目の「いつ」も申請期間を左右します。

| 段階 | やること | 期限・タイミング | 主な書類 |
|---|---|---|---|
| 1. キャリアアップ計画書の提出 | キャリアアップ管理者を決め、労働者代表の意見を聴いて計画書を作り、管轄の労働局へ出す | コース実施日の前日まで(1か月前など余裕を持って) | キャリアアップ計画書(様式第1号) |
| 2. 就業規則等の整備 | 転換制度・賃金規定・賞与や退職金の制度などを就業規則等に定め、従業員に周知する | 取組日まで。労働基準監督署への届出は遅くとも支給申請まで | 改定後の就業規則・労働協約 |
| 3. 取組の実施 | 正社員転換、賃金規定等の改定・共通化、賞与・退職金制度の導入、労働時間の延長と社会保険の適用など | 計画期間の中で行う | 取組前後の雇用契約書・労働条件通知書 |
| 4. 6か月分の賃金の支払い | 取組後の6か月分の賃金を支払う。正社員化コースは転換前6か月と比べて3%以上の増額が必要 | 勤務をした日数が11日未満の月は数えない | 賃金台帳・出勤簿 |
| 5. 支給申請 | 支給申請書と添付書類を管轄の労働局へ出す(窓口・郵送・電子申請) | 6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内 | 支給申請書(様式第3号)ほか |
| 6. 支給審査・支給決定 | 労働局が審査し、支給か不支給かを決めて通知する | 審査期間の目安は公式資料に記載なし | 支給決定通知書(様式第5号)など |
出典:パンフレット2・10・11ページ、支給要領0801(18ページ)。
正社員化コースは、転換規定がなければ転換の前に就業規則へ定めておく必要があり、これが2段階目にあたります。賃金規定等改定などの処遇改善のコースは、就業規則等を改定して適用することそのものが3段階目の取組です。
公募期間はなく、期限は会社ごとの取組日から決まる
雇用関係助成金共通要領Q&Aは「雇用関係助成金には、いわゆる補助金のような公募期間はありません」と答え、支給申請はコースごとに定める日の翌日から起算して2か月以内に行うとしています(共通要領Q&A Q6・Q7)。カレンダーに入れるのは、制度の締切日ではなく、自社の取組日と賃金の支払日から数えた日です。
6コースの取組日と申請の回数|同じ流れでも起点の日が違う
キャリアアップ助成金は、正社員化支援の2コースと処遇改善支援の4コースに分かれています。流れはほぼ共通ですが、「取組日」がどの日を指すかと、支給申請の回数がコースで違います。取組日は、計画書を出す期限と、使う様式の版を決める日でもあります(Q&A 10ページ 共通Q-5)。
| コース | 取組日 | 支給申請の回数 | 支給額(中小企業/大企業) |
|---|---|---|---|
| 正社員化コース | 正規雇用労働者への転換日(派遣労働者は直接雇用日) | 1回。重点支援対象者は第1期・第2期の2回 | 1人当たり、有期→正規400,000円/300,000円。重点支援対象者は2期分で800,000円/600,000円。無期→正規はそれぞれ半額 |
| 障害者正社員化コース | 転換日 | 第1期・第2期の2回 | 障害の区分と転換の種類で異なる(支給要領2005の表) |
| 賃金規定等改定コース | 賃金規定等を改定した日(施行日ではなく適用日) | 1回 | 1人当たり40,000〜70,000円/26,000〜46,000円(引き上げ率3%以上〜6%以上) |
| 賃金規定等共通化コース | 賃金規定等を共通化した日(適用日) | 1回(1事業所1回のみ) | 1事業所600,000円/450,000円 |
| 賞与・退職金制度導入コース | 賞与・退職金の制度を就業規則等に規定した日 | 1回(1事業所1回のみ) | 1事業所400,000円/300,000円。両方を同時に導入すると568,000円/426,000円 |
| 短時間労働者労働時間延長支援コース | 社会保険に適用させた日 | 1年目の取組(第1期)と2年目の取組(第2期) | 1人当たり1年目400,000円/300,000円、2年目200,000円/150,000円(小規模企業は500,000円・250,000円) |
出典:支給額はパンフレット6・7・14・36・44・50・54ページ、障害者正社員化コースは支給要領2004〜2006(50〜51ページ)(パンフレットには掲載なし)。1年度1事業所当たりの支給申請上限人数は、正社員化コース20名、賃金規定等改定コース100人です。
正社員化コースで2回申請できるのは、雇入れから3年以上の有期雇用労働者などの重点支援対象者だけです。対象者の範囲や加算は正社員化コースの解説で、障害者正社員化コースは障害者正社員化コースの解説で整理しています。
取組日で使う様式が変わる(令和8年4月8日の区切り)
厚生労働省のキャリアアップ助成金のページは、支給申請様式や支給金額が取組を行った日で変わるため、該当する様式をダウンロードするよう案内しています。令和8年度は、4月8日に正社員化コースへ情報公表加算(1事業所200,000円、大企業150,000円)が新設され、対象は4月8日以降の転換等です(Q&A 1ページ)。4月1日に転換した人の申請には4月1日〜4月7日の取組用の様式を、4月8日以降の転換なら4月8日以降の取組用の様式を使います。加算の要件は情報公表加算の解説にまとめています。
このほか、正社員化コースの3%増額の計算で、企業型確定拠出年金(選択型)の掛金運用額を賃金に含めない扱いが、令和8年10月1日以降の転換等から適用されています(Q&A 44ページ)。社会保険適用時処遇改善コースは令和7年度末で廃止されています(Q&A 2ページ)。
キャリアアップ計画書はコース実施日の前日までに出す
最初の手続きは、キャリアアップ計画書(様式第1号)の提出です。期限はコース実施日の前日までで、パンフレットは1か月前など余裕を持って出すよう求めています(パンフレット10ページ)。前日が土日祝日や年末年始にあたる場合の扱いも定められていますが(支給要領0401)、次の決まりがあるので、休日の扱いを当てにしないほうが安全です。

計画期間の開始日は提出日の翌日以降
労働局は受理のとき、計画期間(3年以上5年以内)の開始日が提出日の翌日以降になっているかを確かめます(支給要領0404(10ページ))。そのうえで、取組日は計画期間の中に入っていなければなりません。Q&Aには、令和8年5月1日から5年間を計画期間とする計画書を4月1日に出し、4月18日付けで正社員転換した例があり、転換日が計画期間の外なので助成対象にならないと答えています(Q&A 7ページ Q-10)。
出す前に決めておく人と項目
- キャリアアップ管理者:雇用保険適用事業所ごとに置き、複数の事業所や労働者代表との兼任はできません(パンフレット4・10ページ)。計画書の提出日以前に選任しておきます(支給要領0303)
- 計画期間(3年以上5年以内)、取り組むコース、対象者・目標・措置。計画書は事業所の単位で作り、労働者ごとの作成は不要です
- 労働者代表の意見:有期雇用労働者等を含む、事業所の全ての労働者の代表から聴きます(パンフレット10ページ)
紙の計画書は、労働局の確認印と受理番号が入った写しが返送されます(支給要領0404)。紙で支給申請するときの添付書類になるので保管しておきます。
計画を変えたら変更届を出す
表紙・共通事項・キャリアアップ管理者情報・計画のいずれかが変わったら、キャリアアップ計画書(変更届)(様式第2号)を出します。コースを追加した場合は、変更届を出した日の翌日以降の取組だけが対象です(パンフレット10ページ、Q&A 7ページ Q-12)。計画期間は、満了前に変更届を出せば、当初の開始日から最大5年まで延ばせます(Q&A 6ページ Q-8)。
人材開発支援助成金の特定の訓練を修了した人を正社員化コースで転換する予定なら、紙で出す訓練実施計画届の追加項目を書くことで、キャリアアップ計画書の提出に代えられます。訓練を修了した非正規雇用労働者を正社員転換すると、重点支援対象者として2期分の申請ができます(パンフレット16・23ページ)。訓練のコースは人材開発支援助成金のコース一覧で整理しています。
取組の前に就業規則を整え、取組後6か月分の賃金を支払う
キャリアアップ助成金は、労働者が確認できる客観的な規定に基づいて取組をすることが前提です。就業規則の作成義務がない10人未満の事業所でも、規定が必要なコースでは就業規則か労働協約を作ります(Q&A 9ページ 共通Q-2)。
就業規則は周知した日に効力を持つ
- 就業規則は従業員に周知した日付で効力を持つため、原則として発効日と施行日を同じ日にします(パンフレット11ページ)
- 労働基準監督署への届出は、発効後すみやかに、少なくとも支給申請までに済ませます。届出義務のある変更を申請日までに届け出ていないと、原則として不支給です(同11ページ)
- 10人未満の事業所は、取組日までに周知したうえで、支給申請前に監督署へ届け出るか、事業主と労働者代表の氏名等を書いた申立書を付けます(Q&A 9ページ)
正社員化コースでは、転換前に「賃金の額または計算方法が正規雇用労働者と異なる雇用区分の就業規則等」の適用を通算6か月以上受けていること、転換後に「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」が適用されることが要件です(パンフレット17・18ページ)。規定の書き方は正社員化コースの就業規則の転換規定で解説しています。
「6か月分の賃金」の数え方
取組の後は、6か月分の賃金を支払い終えるまで申請できません。数え方の決まりは次のとおりです(パンフレット22ページ、Q&A 30ページ Q-19)。
- 勤務をした日数が11日未満の月は数えない(有給休暇など、労働の対価が全額支払われた日は出勤日とみなす)
- 取組日が賃金締切日の翌日でない場合は、取組日以降の最初の賃金締切日の後から6か月分を数える
- 時間外手当を翌月に別に払う会社は、6か月分の時間外手当を支払う日が「6か月分の賃金を支給した日」になる
- 転換後に試用期間を設けた場合は、試用期間が終わった日の翌日を転換日とみなす
- 休職や育児・介護休業、会社都合の休業で出勤がない月は、給与が満額支払われていない限り数えない
正社員化コースは、転換後6か月の賃金を転換前6か月より3%以上増やしていることも要件で、基本給と定額で支給される諸手当を含めた総額を、原則として1時間当たりの額で比べます(パンフレット19ページ)。賃金台帳の整え方は助成金の支給申請で見られる賃金台帳も参考になります。
支給申請の期限|6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内
支給申請期間は、取組後6か月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内です。正社員化コースの重点支援対象者は、第2期として、転換後12か月分の賃金を支給した日の翌日から2か月以内にもう一度申請します(パンフレット22ページ)。公式資料の例は次のとおりです(年の記載がないため、そのまま書き写しています)。

| ケース | 取組日 | 6か月分の賃金を支給した日 | 支給申請期間 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 正社員化コース 第1期(月末締め・翌月15日払い) | 4月1日に転換 | 10月15日 | 10月16日〜12月15日 | パンフレット22ページ、Q&A 29ページ |
| 同じ会社の第2期(12か月分) | 4月1日に転換 | 翌年4月15日 | 翌年4月16日〜6月15日 | パンフレット22ページ |
| 同じ会社で、10月15日が日曜日のため13日(金)に前倒しで支払った | 4月1日に転換 | 10月13日 | 10月14日〜12月13日 | Q&A 29ページ |
| 同じ会社で、時間外手当だけ翌月15日に支払う | 4月1日に転換 | 11月15日 | 11月16日〜翌年1月15日 | Q&A 29ページ |
| 賞与・退職金制度導入コース(毎月20日締め・翌月10日払い) | 4月1日に賞与制度を規定し、6月30日に初回の賞与を支給 | 12月10日 | 12月11日〜翌年2月10日 | Q&A 59ページ |
賃金規定等改定コース(パンフレット38ページ)と短時間労働者労働時間延長支援コースの第1期(同57ページ)も、4月1日の取組なら1行目と同じ日付の例が載っています。令和8年(2026年)の暦では10月15日が木曜日、12月15日が火曜日なので、1行目のとおりです。一方、2026年の11月15日は日曜日です。時間外手当を前倒しで払った場合は、実際に払った日の翌日から数え直します。
起算日は実際に支払った日。遅れて払った場合は規定の日
起算は、就業規則に書いた支払日ではなく、実際に賃金を支給した日の翌日です。金融機関の休日などで前倒しして払えば、申請期間も前にずれます(Q&A 11ページ 共通Q-7)。逆に、事業主の都合で規定の支払日より遅れて払った場合は、就業規則に規定された支払日が起算日です(Q&A 29ページ Q-18)。どちらの場合も、遅いほうの日から数えることはできません。
末日が休日なら翌開庁日。郵送は到着日で判断
支給申請期間の末日が土日祝日や年末年始(12月29日〜1月3日)にあたる場合は、翌開庁日が末日とみなされ、これは電子申請・郵送・窓口で共通です(共通要領Q&A Q8、支給要領0601(16ページ))。郵送は消印ではなく、申請先への到着日が期間内である必要があります(パンフレット11ページ)。
期限を過ぎたときの扱い
- 期間を過ぎた申請は不受理です。期間を誤って認識していた場合や、経営上の不測の事態で申請できなかった場合も同じです(Q&A 72ページ「助成金の支給を受けられない例」2)
- 天災その他やむを得ない理由で申請できなかったときは、理由がやんだ後1か月以内に、理由を書いた書面を添えて申請できます(支給要領0601・0602)。地震や台風などが例で、風邪で窓口に行けなかった場合は認められません(共通要領Q&A Q11・Q12)
- 期限間近に郵送して書類の不足で不受理になると、そのまま期間が過ぎて受けられなくなります(Q&A 8ページ Q-13)
正社員化コースの第1期を逃した・不支給になった場合
重点支援対象者の第1期を期限内に出せなかった場合も、第2期の申請期間内に第1期分の書類一式を付けて申請すれば、第1期が支給要件を満たしていた場合に限り、第2期分は受けられます(Q&A 37ページ Q-32)。ただし、第1期で不支給決定を受けた対象労働者は、第2期を申請できません(支給要領1006)。
必要書類の一覧|全コース共通の書類とコース別の添付書類
支給申請の書類は、全コース共通の「申請書類」と、取組の事実を示す「添付書類」に分かれます。主な確認事項は、取組日に合った支給申請チェックリスト(令和8年4月8日以降に取組を行った場合)などにまとめられています。

全コース共通の申請書類
| 書類 | 様式 | 確認されること |
|---|---|---|
| キャリアアップ助成金支給申請書 | 様式第3号 | 記入漏れがなく、記載事項が適切か |
| コース別の内訳 | 様式第3号の別添様式(正社員化コース1-1・1-2、障害者正社員化コース2-1・2-2、賃金規定等改定コース3、賃金規定等共通化コース4、賞与・退職金制度導入コース5、短時間労働者労働時間延長支援コース6) | 正社員化コースは、6か月分の賃金支払日が正しく書かれているか(締切日と支給日が基本給と残業代で分かれていないか) |
| 支給要件確認申立書 | 共通要領様式第1号 | 問4〜16に「いいえ」がある場合は、助成金を受けられない |
| 支払方法・受取人住所届 | 共通要領様式第1号の別添 | 口座が未登録か変更する場合、初めて雇用関係助成金ポータルで申請する場合に出す。通帳の写しなど口座番号が分かる書類を付ける |
出典:パンフレット24・39・47・52・58ページ、雇用関係助成金共通要領0402(11ページ)。共通要領0402は、雇用関係助成金ポータルで申請する場合を支給要件確認申立書の提出から除いています。
コースごとの添付書類と賃金台帳の期間
| コース | 賃金台帳の期間 | そのコースで付ける主な書類 |
|---|---|---|
| 正社員化コース | 転換前6か月と転換後6か月(第2期は第2期分) | 転換前後の就業規則等と雇用契約書、雇用された日付が分かる雇用契約書、3%以上の増額に係る計算書(賃金上昇要件確認ツール等) |
| 賃金規定等改定コース | 改定前3か月と改定後6か月 | 改定前後の就業規則等と雇用契約書、賃金台帳等に関する確認書 |
| 賃金規定等共通化コース | 共通化前3か月と共通化後6か月(正規雇用労働者1人と対象労働者1人) | 共通化前後の就業規則等、労働者名簿または賃金区分一覧表、賃金台帳等に関する確認書 |
| 賞与・退職金制度導入コース | 初回の支給・積立ての前3か月と後6か月、賞与の支給月 | 制度新設前後の就業規則等、対象労働者全員の雇用契約書、賃金台帳等に関する確認書、退職金は積立金等が確認できる書類 |
| 短時間労働者労働時間延長支援コース | 第1期は社会保険の適用(労働時間の延長)の前後6か月、第2期は第2期支給対象期の6か月 | 各時点の雇用契約書、特定適用事業所該当通知書(該当する場合) |
出典:パンフレット24・25・39・47・48・52・58・59ページ。
出勤簿やタイムカードは、賃金台帳で出勤日数や労働時間数が確認できない場合に限って付けます。代理人が申請する場合は委任状(原本)、常時雇用する労働者の数で中小企業であることを示す場合は事業所確認票(様式第4号)が加わります。紙で申請する場合は、労働局が受理した計画書の写し(変更届を含む)を付けますが、電子申請では不要です(支給要領1007(39ページ)など各コースの添付書類の項)。
書類は原本の写しで出し、出した後は差し替えられない
出勤簿や賃金台帳は、事業場で作っている原本か、原本を複写機などでコピーしたものに限られます。転記したり作り直したりした書類だと分かれば、不支給決定になります(パンフレット5ページ、Q&A 9ページ 共通Q-1)。出した書類は事業主の都合で差し替えや訂正ができず、申請後に賃金の不足に気づいて追給しても、その申請は対象になりません(Q&A 72ページ「助成金の支給を受けられない例」3)。
電子申請・郵送・窓口|提出方法で変わる点
計画書も支給申請書も、窓口への持参・郵送・電子申請のどれでも出せます。出し先は事業所の所在地を管轄する都道府県労働局で、ハローワークを通じて出せる場合もあります(パンフレット2・11ページ)。

| 方法 | 期限の判定 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 電子申請(雇用関係助成金ポータル) | 期間内に到達している必要がある | GビズIDが必要。計画書を電子で届け出ていないと、ポータルに支給申請の画面が出ない。計画書はコースごとに作る |
| 郵送 | 申請先への到着日(消印は無効) | 簡易書留など記録が残る方法で送る。記載漏れや添付書類の不足があると、郵送後に不受理になることがある |
| 窓口 | 開庁時間内に手渡しする | 閉庁時間に庁舎外のポストへ入れるのは、規定された届出方法にあたらない |
出典:パンフレット11・13ページ、Q&A 8ページ Q-13、共通要領Q&A Q8、雇用関係助成金の申請にあたって。
電子申請の手順
- GビズIDを取得します。代理人に電子申請を頼む場合も、GビズIDの申請・取得が必要です(雇用関係助成金の電子申請|厚生労働省)
- 雇用関係助成金ポータルにログインして事業所情報を入力し、「助成金を探す」から支払方法・受取人住所届を出します(ここまで初回だけ)
- 「キャリアアップ助成金」を検索し、取り組むコースの計画書を電子申請で届け出ます
- 受理を確認してから取組を行い、6か月分の賃金を支給したら、マイページの「申請一覧」から該当コースの「支給状況詳細へ」を開きます
- 「支給申請書の新規作成」から入力し、添付書類をアップロードして申請します
電子申請では、登録した事業所情報が反映されて一部の項目を書かずに済み、2回目以降は前回の内容を引用できます(パンフレット60・61ページ)。原本の提出を求められている添付書類は、原本の写しを出します(共通要領0402)。令和8年4月9日以降は、雇用保険の手続きで届け出た労働者の情報から対象労働者一覧の様式を作る機能も使えますが、社会保険労務士などの代理人による申請では使えません(「令和8年4月から、雇用関係助成金ポータルの機能を拡充します」)。GビズIDの取り方はGビズID取得ガイドが参考になります。
紙の計画書を出している会社が電子申請に切り替えるとき
紙の計画書で取組を終えた分は、取組の後に電子で計画書を出しても電子申請はできないため、紙で支給申請します。まだ取組をしていないなら、取組日の前日までに電子で新しい計画書を出せば、支給申請も電子で行えます。新しい計画期間は、紙の計画期間の始期にさかのぼらず、提出日の翌日以降で設定します(パンフレット13ページ、Q&A 3・4ページ)。
支給申請の後の流れ|審査・支給決定・書類の保存
労働局は、支給申請期間内か・必要事項が書かれているか・必要な添付書類が付いているかを確かめて受理し、支給要件を審査します(支給要領0603・0604)。申請後に起きることは次のとおりです(パンフレット5・13ページ)。
- 追加の書類や補正を求められたら、労働局長が指定した期日までに出します。出さないと不支給決定になります
- 帳簿の確認や予告のない実地調査が行われることがあり、協力しない場合は不支給決定になります
- 電子申請では、書類の確認や追加書類の依頼がメールで届きます
- 審査期間の目安は、パンフレット・支給要領・Q&Aのいずれにも書かれていません。パンフレットは「支給申請書等の内容によっては、審査に時間がかかることがあります」としています
支給決定と不支給決定の通知
支給が適当と認められると、支給額を確定して支給決定が行われ、紙の申請は「キャリアアップ助成金支給決定通知書」(様式第5号)、電子申請は雇用関係助成金ポータル上で通知されます。不支給の場合は不支給決定通知書(様式第6号)かポータル上の通知です(支給要領0801)。代理人が申請しても、通知は事業主宛てに届きます(共通要領Q&A Q22)。助成金は、支払方法・受取人住所届で登録した事業用の口座へ振り込まれます(共通要領0402)。
書類は支給決定日の翌日から5年間保存する
提出した書類の写しなどは、支給決定日の翌日から起算して5年間保存します(パンフレット77ページ、共通要領Q&A Q19)。支給決定後に会計検査院の検査や労働局の調査を受けることがあり、書類がないと支給決定の取消しや返還を求められることがあります。社会保険労務士などに頼んだ場合も、申請した書類の写しを受け取って保存してください。
【要注意】キャリアアップ助成金の申請で読み違えやすい4つの点
❌「計画書は取組日の前日までに出せば、計画期間はいつからでもよい」
⭕ 取組日が計画期間の中に入っている必要があります。5月1日開始の計画書を4月1日に出していても、4月18日の転換は助成対象になりません(Q&A 7ページ Q-10)。
❌「計画書に不備があっても、直して出し直せば最初の提出日で扱われる」
⭕ 9月30日に計画書を出して10月1日に社会保険へ加入させたものの、10月2日に不備(キャリアアップ管理者が労働者代表と同じ人など)の連絡を受けて出し直した例では、10月1日の取組は助成の対象になりません(Q&A 72ページ「助成金の支給を受けられない例」1)。
❌「郵送なら、期限の日の消印で間に合う」
⭕ 申請先に期間内に到着している必要があります。期限間近の郵送で書類が足りず不受理になると、そのまま期間が過ぎます(共通要領Q&A Q8、Q&A 8ページ Q-13)。
❌「足りなかった賃金は後から追給し、書類を差し替えればよい」
⭕ 審査は申請時に出した書類で行われ、差し替えはできません。申請後に追給して要件を満たしても、その申請は対象になりません(パンフレット5ページ、Q&A 72ページ「助成金の支給を受けられない例」3)。
よくある質問
キャリアアップ助成金の申請先はどこですか?
事業所の所在地を管轄する都道府県労働局です。ハローワークを通じて出せる場合もあります(パンフレット11ページ)。電子申請は雇用関係助成金ポータルから出します。窓口と郵送で提出先が異なる場合があるため、事前に管轄の労働局で確かめてください(共通要領Q&A Q5)。
すでに正社員にした人の分を、後から申請できますか?
転換日の前日までに計画書を出していて、転換日が計画期間に入っていれば、6か月分の賃金を支払った後に申請できます。計画書を出す前に転換した人の分は、後から計画書を出しても対象になりません(パンフレット10ページ、Q&A 7ページ Q-10)。
正社員化コースは2回に分けて申請するのですか?
2回に分けるのは重点支援対象者だけです。転換後6か月分の賃金を支払った後に第1期を、12か月分を支払った後に第2期を申請します。それ以外の人は第1期の1回です(パンフレット14・22ページ)。
申請から入金まで、どのくらいかかりますか?
審査期間の目安は、厚生労働省のパンフレット・支給要領・Q&Aに書かれておらず、2026年10月1日時点で公式に確認できていません。申請できるのは取組後6か月分の賃金を支払った後なので、入金は取組日から少なくとも半年より先になります。
申請は社会保険労務士に頼めますか?
頼めます。共通要領Q&Aは、社会保険労務士や弁護士に代理人として依頼できるとし、社会保険労務士法により、社会保険労務士でない者が報酬を得て業として申請を行ってはならないとしています(Q13)。代理人が偽りの申請をした場合も事業主が不正の行為をしたものとみなされ、支給決定通知も事業主宛てに届きます。当サイトを運営する株式会社Uravationは、申請書類の作成や提出の代行は行っていません。
まとめ|申請期間の末日から逆算して準備する
キャリアアップ助成金の申請は、計画書の提出(取組日の前日まで)、就業規則等の整備、取組の実施、6か月分の賃金の支払い、支給申請(翌日から2か月以内)、支給審査・支給決定の順に進みます。期限は自社の取組日と賃金の支払日から決まり、4月1日に転換した月末締め・翌月15日払いの会社なら、10月16日から12月15日が支給申請期間です。手を付ける順番は次の3つです。
- 対象者ごとに、取組日・6か月分の賃金を支払う日・支給申請期間の末日を1行の表にする(前倒し払いと時間外手当の支払日も確かめる)
- 受理された計画書の写し(電子申請なら受付状態)で、取組日が計画期間に入っているかを確かめる
- 取組日に合った支給申請チェックリストと様式をダウンロードし、賃金台帳と出勤簿を原本の写しで集める
コース別の要件は、賃金規定等改定コースの支給申請書の書き方、賞与・退職金制度導入コースの解説、全ての雇用関係助成金にかかる条件は雇用関係助成金の共通要件で整理しています。
契約社員やパートの方も含めた社内の生成AI研修や、業務の見直しを検討している場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。助成金の要件に当てはまるかの判断や申請書類の作成・提出は、管轄の都道府県労働局や社会保険労務士にご相談ください(当社は申請の代行を行っていません)。
運営元 Uravation より助成金を使ってAI研修を進める場合に、対象者の選び方・カリキュラム・効果測定・申請準備で確認しておく項目を、無料のチェックリストにまとめています。 AI研修導入40項目チェックリストを受け取る(無料)
参考・出典
- キャリアアップ助成金 — 厚生労働省(参照日: 2026-10-01)
- キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)(パンフレット・令和8年4月8日現在) — 厚生労働省(参照日: 2026-10-01)
- キャリアアップ助成金Q&A(令和8年度版・令和8年7月29日) — 厚生労働省(参照日: 2026-10-01)
- キャリアアップ助成金支給要領(令和8年4月8日付け) — 厚生労働省(参照日: 2026-10-01)
- 支給申請チェックリスト(令和8年4月8日以降に取組を行った場合) — 厚生労働省(参照日: 2026-10-01)
- 申請様式(キャリアアップ助成金)(令和8年4月8日以降の取組に係る様式) — 厚生労働省(参照日: 2026-10-01)
- 雇用関係助成金支給要領 第1 共通要領(令和8年4月8日現在) — 厚生労働省(参照日: 2026-10-01)
- 雇用関係助成金共通要領Q&A(令和8年9月14日) — 厚生労働省(参照日: 2026-10-01)
- 雇用関係助成金の電子申請 — 厚生労働省(参照日: 2026-10-01)
この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。
免責事項
本記事の情報は2026年10月1日時点の厚生労働省の公表資料に基づく参考情報です。助成金の要件・支給額・様式は、年度の途中でも変わる場合があります。申請にあたっては、厚生労働省のキャリアアップ助成金のページで最新の支給要領・パンフレット・様式をご確認のうえ、管轄の都道府県労働局にご相談ください。助成金は要件審査があり、支給を保証するものではありません。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。
