キャリアアップ助成金の様式は、まず「取組を行った日」で選びます。2026年7月8日時点で、令和8年4月8日以降の取組なら厚生労働省の「令和8年4月8日以降の取組に係る様式」ページを使うのが基本です。正社員化コースの支給申請では、全コース共通の様式第3号・様式第4号に加えて、別添様式1-1、1-2、該当時の1-3、1-4、1-5、1-6などを組み合わせます。
- 計画段階では、取組日の前日までにキャリアアップ計画書(様式第1号)を提出します。
- 支給申請段階では、キャリアアップ助成金支給申請書(様式第3号)と事業所確認票(様式第4号)が全コース共通です。
- 添付書類は、就業規則、雇用契約書、賃金台帳、出勤簿、登記事項証明書などの「事実を確認する書類」が中心です。
- 郵送・窓口・電子申請のいずれでも、様式の年度違い、添付漏れ、支給申請期間の徒過が不受理の原因になります。
正直、キャリアアップ助成金は「制度内容」より「様式の選び間違い」でつまずくケースが目立ちます。この記事では、正社員化コースを軸に、どの様式を見ればよいか、添付書類をどこまでそろえるかを一覧で整理します。
本記事は、厚生労働省が公開しているキャリアアップ助成金ページ、令和8年度版パンフレット、令和8年4月8日以降の申請様式ページ、令和8年度版Q&Aをもとに、2026年7月8日時点で確認した内容です。助成金は年度途中でも様式や確認書類が変わることがあります。申請前には、管轄労働局・ハローワークまたは社労士等の専門家に確認してください。
最初に開く公式ページはこの3つ
キャリアアップ助成金の様式探しで迷ったら、検索結果の古いPDFや社労士事務所の解説から入るより、厚生労働省の公式ページを起点にした方が確実です。特に様式は年度・取組日で変わります。古いファイルを使うと、内容が正しくても受理前に差し戻される可能性があります。
| 用途 | 見るページ | 確認すること |
|---|---|---|
| 制度全体の確認 | 厚生労働省「キャリアアップ助成金」 | 対象コース、電子申請入口、パンフレット、支給要領、申請様式ダウンロードへの導線 |
| 様式のダウンロード | 令和8年4月8日以降の取組に係る様式 | キャリアアップ計画書、支給申請書、事業所確認票、各コースの別添様式 |
| 添付書類の考え方 | キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版) | 支給申請の流れ、正社員化コースの支給申請書類、賃金比較、該当時の追加書類 |
もう1つ、判断に迷ったときはキャリアアップ助成金Q&A(令和8年度版)も見ます。たとえば郵送提出については、支給申請期間内に申請先へ到着していることや、必要事項・添付書類の不足があると不受理になり得ることが説明されています。郵送派の会社はここを軽く見ない方がいいです。
様式は「年度」ではなく取組日で分ける
キャリアアップ助成金の様式選びで最初に見るべきなのは、「令和8年度だから令和8年度様式」ではありません。厚生労働省は、制度の見直し等により支給申請様式の改定を行うため、支給申請様式や支給金額は各コースの取組を行った日で変化すると案内しています。
令和8年4月8日以降の取組
この記事のメインは、令和8年4月8日以降に取組を行った場合です。厚生労働省の様式ページでは、キャリアアップ計画書、変更届、様式第3号、様式第4号、正社員化コースの別添様式、処遇改善系コースの別添様式などがまとまっています。
令和8年4月1日から4月7日までの取組
同じ令和8年度でも、令和8年4月1日から4月7日までの取組については、別の様式ページが用意されています。4月上旬に転換・賃金改定・制度導入をした会社は、4月8日以降の様式をそのまま使わず、取組日に対応するページを確認してください。
令和7年度以前の取組
令和7年7月1日以降、令和7年4月1日以降、令和6年度など、過去の取組日に対応する様式も厚生労働省ページに残っています。古い取組の支給申請や、過年度の資料整理をしている場合は、最新様式に寄せるのではなく、取組日に合った様式を選ぶのが基本です。
全コース共通で使う様式
どのコースでも、計画段階と支給申請段階で共通して出てくる様式があります。キャリアアップ助成金は「取組をしてから申請すればよい」制度ではありません。各コースの実施日の前日までにキャリアアップ計画を作成・提出する必要があります。
| タイミング | 様式 | 使う場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 取組前 | 様式第1号 キャリアアップ計画書 | 正社員転換、賃金規定改定、賞与・退職金制度導入などの取組を始める前 | 取組日の前日までに都道府県労働局へ提出。労働組合等の意見を聴いて作成します。 |
| 計画変更時 | 様式第2号 キャリアアップ計画書(変更届) | 計画期間、対象コース、実施内容などに変更がある場合 | 計画にない取組を後から実施する場合、変更届の提出日との関係に注意が必要です。 |
| 支給申請時 | 様式第3号 キャリアアップ助成金支給申請書 | 支給申請の本体書類 | 全コース共通。別添様式と添付書類を組み合わせて提出します。 |
| 支給申請時 | 様式第4号 事業所確認票 | 事業所の雇用保険適用、労働関係法令、雇用管理の状況などの確認 | 記入漏れがあると確認に時間がかかります。事業所単位で整理します。 |
| 該当時 | 賃金台帳等に関する確認書 | 賃金規定等改定コース、賃金規定等共通化コース、賞与・退職金制度導入コースなど | 取組後6か月分の賃金が支払われていることを確認する趣旨のひな形です。 |
| 該当時 | 常時雇用する労働者数に係る疎明書、申立書 | 企業規模や就業規則の取扱いを補足する場合 | 労働者が10人未満の事業所で就業規則を作成する場合など、添付の要否を確認します。 |
ここで大事なのは、様式第1号と様式第3号を混同しないことです。様式第1号は「これからこういう取組をします」という計画書。様式第3号は「取組を実施し、要件確認に必要な期間を経たので支給申請します」という申請書です。
正社員化コースの別添様式一覧
「キャリアアップ助成金 様式」で検索する人の多くは、正社員化コースの支給申請書類を探しています。正社員化コースでは、様式第3号に加えて、正社員化コース専用の別添様式を使います。令和8年4月8日以降の取組に係る様式ページでは、別添様式1-1、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6などが掲載されています。
| 様式 | 名称 | 主な用途 | 提出の考え方 |
|---|---|---|---|
| 別添様式1-1 | 正社員化コース内訳 | 正社員化コースの申請内容、支給申請額、転換区分などを整理 | 正社員化コースの支給申請で中心になる様式です。 |
| 別添様式1-1 継紙 | 正社員化コース内訳 継紙 | 対象労働者数が多い場合などの追加記載 | 本紙に収まらない場合に使います。 |
| 別添様式1-2 | 正社員化コース対象労働者詳細 | 対象労働者ごとの雇用保険被保険者番号、転換日、賃金、雇用区分などを整理 | 対象者ごとに確認されるため、雇用契約書・賃金台帳・出勤簿と整合させます。 |
| 別添様式1-2 継紙 | 正社員化コース対象労働者詳細 継紙 | 対象労働者数が多い場合の追加記載 | 複数人をまとめて申請する場合に使うことがあります。 |
| 別添様式1-3-1 | 母子家庭の母等申立書 | 対象労働者が母子家庭の母等に該当する場合の確認 | 該当時のみ。住民票等と合わせて確認される場合があります。 |
| 別添様式1-3-2 | 父子家庭の父であること及び児童扶養手当の支給を受けていたことの申立書 | 対象労働者が父子家庭の父に該当する場合の確認 | 該当時のみ。対象者本人の状況確認が必要です。 |
| 別添様式1-4-1 | 実施状況報告書(定額制訓練) | 人材開発支援助成金に係る特定の訓練を修了した者を含む場合 | 第1期に添付する書類として確認される場合があります。 |
| 別添様式1-4-2 | 実施状況報告書(教育訓練休暇等) | 教育訓練休暇等を活用した訓練の実施状況確認 | 該当する訓練を修了した対象者がいる場合に確認します。 |
| 別添様式1-5 | 対象者確認票 | 重点支援対象者など、対象者の属性を確認 | 厚労省パンフレットでは原本提出が必要とされる場面があります。 |
| 別添様式1-6 | 情報公表加算詳細 | 情報公表加算を申請する場合の詳細記載 | 令和8年4月8日更新の正社員化コース様式に含まれています。 |
別添様式1-3や1-4は、全員が使う様式ではありません。該当しないのに添付する必要はありませんが、該当するのに添付しないと確認が止まります。ここがややこしい。正社員化コースでは、まず1-1と1-2を軸にし、対象労働者の属性や加算の有無で1-3以降を足す、と考えると整理しやすくなります。
正社員化コースの添付書類は「転換前後の事実」を証明するもの
正社員化コースの添付書類は、ひと言でいうと「本当に非正規雇用から正社員等へ転換し、転換後6か月分の賃金が支払われ、賃金が要件を満たしているか」を確認するための資料です。様式をきれいに書いても、添付書類と数字が合わなければ進みません。
基本の添付書類
| 書類 | 確認される内容 | 準備のポイント |
|---|---|---|
| キャリアアップ計画書の写し | 取組前に計画を提出しているか、計画期間内の取組か | 変更届を出している場合は、変更後の内容も確認します。 |
| 就業規則または労働協約等 | 正社員転換制度、雇用区分、賃金規定など | 転換規定が取組日までに整備されているかが重要です。 |
| 転換前後の雇用契約書または労働条件通知書 | 有期・無期・正規雇用の区分、労働時間、賃金、職務内容など | 転換前と転換後の差分が分かるように並べて確認します。 |
| 賃金台帳 | 転換前後の賃金額、支払日、手当、固定残業代など | 転換前6か月と転換後6か月の比較に使います。名称だけでなく手当の趣旨も確認されます。 |
| 出勤簿、タイムカード、勤怠記録 | 実労働日数、労働時間、賃金計算の根拠 | 賃金台帳の支給額と勤怠記録がつながる状態にします。 |
| 雇用保険被保険者資格に関する書類 | 対象労働者が雇用保険被保険者であるか | 雇用保険被保険者番号の記載ミスに注意します。 |
| 登記事項証明書など事業主情報を確認できる書類 | 事業主の実在、所在地、代表者など | 法人・個人事業主で必要書類が変わることがあります。 |
パンフレットでは、正社員転換後6か月分の賃金の支払いを経て、支給申請を行う流れが示されています。支給申請期間は、取組後6か月の賃金を支払った日の翌日から起算して2か月以内と説明されています。ここはカレンダー管理が必要です。締切日を勘違いしていると、書類がそろっていても申請期間の問題になります。
賃金3%以上増額の確認
正社員化コースでは、正社員転換前6か月と転換後6か月を比較し、賃金が3%以上増額していることが重要な確認ポイントです。厚生労働省パンフレットでは、月給比較だけでなく、所定労働時間や給与支給形態が変わる場合には1時間当たりの賃金で比較する考え方も示されています。
なお、通勤手当、住宅手当、食事手当、歩合給、休日手当、時間外労働手当、賞与など、賃金比較に含めることができない手当の例もあります。名称だけで判断せず、その手当が何のために支払われているかまで確認される点に注意してください。
該当時だけ追加する書類
正社員化コースの申請書類で混乱しやすいのは、全員共通の書類と、該当時だけ追加する書類が同じ一覧に並んで見えることです。全部を出せば安心、というものではありません。必要なものを過不足なく出すのが一番です。
| 該当するケース | 追加書類の例 | 確認の焦点 |
|---|---|---|
| 対象労働者が母子家庭の母等・父子家庭の父に該当 | 別添様式1-3-1、別添様式1-3-2、住民票等 | 対象者の属性を確認できるか。申立書の原本要否にも注意します。 |
| 人材開発支援助成金に係る特定の訓練を修了した者を含む | 人材開発支援助成金の支給決定通知書の写し、修了証等、実施状況報告書 | 対象労働者が所定の訓練を修了しているか。第1期に添付する扱いがあります。 |
| 派遣労働者を直接雇用した | 直接雇用前の労働者派遣契約書、派遣先管理台帳、直接雇用前の賃金確認書類 | 同一の組織単位で6か月以上継続していたか、直接雇用前の賃金が確認できるか。 |
| 対象労働者が新規学卒者 | 応募書類、本人署名入り申立書等 | 雇入れ日から1年を経過しているか、卒業年月日や就労経験の有無が分かるか。 |
| 重点支援対象者に該当 | 対象者確認票(別添様式1-5) | 記入漏れがなく、対象者の該当性を確認できるか。原本提出が求められる場面があります。 |
| 情報公表加算を申請 | 情報公表加算詳細(別添様式1-6) | 加算申請に必要な公表内容と、申請内容が一致しているか。 |
情報公表加算について詳しく整理したい場合は、補助金ナビのキャリアアップ助成金の情報公表加算ガイドもあわせて確認してください。加算を申請するかどうかで、見るべき様式と添付資料が変わります。
処遇改善系コースの様式も押さえる
キャリアアップ助成金は、正社員化コースだけではありません。厚生労働省の令和8年度ページでは、処遇改善支援として、賃金規定等改定コース、賃金規定等共通化コース、賞与・退職金制度導入コース、短時間労働者労働時間延長支援コースが案内されています。
| コース | 見るべき様式 | 添付書類の方向性 |
|---|---|---|
| 賃金規定等改定コース | 様式第3号、様式第4号、賃金規定等改定コースの別添様式 | 改定前後の賃金規定、賃金台帳、対象労働者への賃金支払確認が中心です。 |
| 賃金規定等共通化コース | 様式第3号、様式第4号、賃金規定等共通化コースの別添様式 | 非正規雇用労働者と正規雇用労働者に共通の賃金規定を新たに規定・適用したことを確認します。 |
| 賞与・退職金制度導入コース | 様式第3号、様式第4号、賞与・退職金制度導入コースの別添様式 | 賞与または退職金制度の導入、支給または積立ての実施を確認します。 |
| 短時間労働者労働時間延長支援コース | 様式第3号、様式第4号、短時間労働者労働時間延長支援コースの別添様式 | 社会保険適用、労働時間延長、基本給増額、制度適用などを確認します。 |
| 障害者正社員化コース | 様式第3号、様式第4号、障害者正社員化コースの別添様式 | 障害のある有期雇用労働者等の転換に関する確認書類が必要です。令和8年度パンフレット本体では扱いが別になっている点に注意します。 |
短時間労働者労働時間延長支援コースについては、補助金ナビの短時間労働者労働時間延長支援コースの申請ガイドでも実務上の見方を整理しています。正社員化コースとは確認ポイントがかなり違います。
電子申請・郵送・窓口で変わる注意点
厚生労働省のキャリアアップ助成金ページには、各コースの電子申請入口が掲載されています。電子申請を使う場合でも、様式の選び方や添付書類の内容が軽くなるわけではありません。むしろ、PDF化・ファイル名・添付漏れの管理が必要です。
電子申請の場合
電子申請は、雇用関係助成金ポータルから行います。コースごとに入口が分かれているため、正社員化コース、賃金規定等改定コース、賃金規定等共通化コース、賞与・退職金制度導入コース、短時間労働者労働時間延長支援コースのどれで申請するかを先に決めます。
ファイル名は、後で見返しても分かるように「対象労働者名」「転換前後」「賃金台帳」「出勤簿」などを含めておくと管理しやすくなります。助成金の審査は、様式と証拠書類の整合性を見る作業です。電子申請でも、整合性の確認は省略されません。
郵送の場合
Q&Aでは、支給申請書類を郵送で提出することも可能とされています。ただし、支給申請期間内に申請先へ到着している必要があります。また、必要事項の記載漏れや添付書類不足がある場合、不受理になる場合があります。郵送後に不受理となると、申請期間の徒過につながるおそれがあるため、余裕を持った準備が必要です。
窓口の場合
窓口提出は、書類の抜けをその場で確認しやすい一方で、労働局やハローワークの受付時間、予約要否、混雑状況の影響を受けます。事業所所在地を管轄する窓口がどこかも、事前に確認しておきましょう。
様式番号だけで管理すると失敗しやすい
「様式第3号を出せばいいんですよね」と聞かれることがあります。半分は合っています。でも、半分は危ない。キャリアアップ助成金の支給申請では、様式第3号は入口にすぎません。コース別の別添、継紙、確認票、申立書、添付資料まで合わせて1セットです。
不備1:古い取組日の様式を使う
令和8年4月8日以降の取組なのに、令和7年度の様式を使う。逆に、令和7年度の取組なのに令和8年度の様式で作る。どちらも起こりがちです。厚生労働省ページでは、取組日に応じた様式ページが分けられています。まず取組日を確認しましょう。
不備2:計画書の提出日と取組日の順序が逆
キャリアアップ計画は、各コースの実施日の前日までに提出する必要があります。正社員化コースなら、正社員転換日より前に計画が出ているかが重要です。Q&Aでも、計画期間外の正社員転換は助成対象にならない旨が説明されています。
不備3:転換前後の雇用契約書がつながらない
転換前の有期雇用契約書、転換後の正規雇用の労働条件通知書、就業規則上の転換規定。この3つが別々のことを言っていると、確認が止まります。職務、勤務地、所定労働時間、賃金形態、基本給、手当をそろえて見ます。
不備4:賃金台帳と出勤簿の数字が合わない
賃金3%以上増額を満たしているつもりでも、勤怠記録と賃金台帳の対応が分からないと説明が難しくなります。固定残業代や変動手当がある会社は、算定に含めるもの・含めないものを分けておく必要があります。
不備5:該当時の追加書類を見落とす
派遣労働者の直接雇用、人材開発支援助成金に係る訓練修了者、新規学卒者、重点支援対象者、情報公表加算。これらは、該当すれば追加書類が必要になります。担当者が「通常の正社員化」と思い込むと、ここで漏れます。
実務ではこの順番でそろえる
様式を先に埋め始めるより、証拠書類を先に並べた方が早いことがあります。特に正社員化コースは、対象労働者ごとの転換前後の資料が中心です。以下の順番でそろえると、様式との突合がしやすくなります。
- 対象コースと取組日を確定する。
- 取組日に対応する厚生労働省の様式ページを開く。
- キャリアアップ計画書と変更届の有無を確認する。
- 様式第3号、様式第4号、コース別別添様式をダウンロードする。
- 対象労働者ごとに、転換前後の雇用契約書、賃金台帳、出勤簿を並べる。
- 就業規則、賃金規定、転換規定、労働基準監督署への届出状況を確認する。
- 加算や対象者属性に応じて、別添様式1-3から1-6などを追加する。
- 支給申請チェックリストで、添付漏れと記入漏れを確認する。
- 電子申請、郵送、窓口のどれで提出するかを決め、控えを保存する。
助成金の申請書類は、きれいな文章を書く作業ではありません。事実関係を、様式と添付書類で矛盾なく示す作業です。ここを押さえると、書類準備の見通しがかなり良くなります。
AI・DX研修と組み合わせるときの見方
キャリアアップ助成金そのものは、AIツール導入費を直接補助する制度ではありません。一方で、非正規雇用労働者の正社員転換、賃金制度の整備、短時間労働者の労働時間延長など、人材面の処遇改善には関係します。AI・DX研修を進める会社では、人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金を別制度として整理する必要があります。
たとえば、AI研修の費用助成を検討するなら、まず人材開発支援助成金の対象コースを確認します。その後、研修を受けた非正規雇用労働者を正社員化する場合に、キャリアアップ助成金の正社員化コースの要件に該当するかを別途確認します。制度の目的が違うため、様式も添付書類も分かれます。
人材開発支援助成金の様式整理は、人材開発支援助成金の様式一覧とチェックリストで扱っています。GビズIDや電子申請全体の流れを確認したい場合は、GビズID・J-Grants申請フローの解説も参考になります。ただし、キャリアアップ助成金の電子申請は雇用関係助成金ポータルを使うため、経産省系補助金のJ-Grantsとは入口が異なります。
よくある質問
キャリアアップ助成金の様式はどこでダウンロードできますか?
厚生労働省の「キャリアアップ助成金」ページ内にある申請様式ダウンロードから取得できます。令和8年4月8日以降の取組であれば、「令和8年4月8日以降の取組に係る様式」ページを確認します。取組日が異なる場合は、該当する取組日の様式ページを選んでください。
正社員化コースで最低限見る様式は何ですか?
計画段階では様式第1号のキャリアアップ計画書、支給申請段階では様式第3号の支給申請書、様式第4号の事業所確認票、正社員化コースの別添様式1-1と1-2をまず確認します。対象者属性や加算の有無に応じて、別添様式1-3から1-6などを追加します。
添付書類はすべて原本が必要ですか?
すべてが原本というわけではありません。写しで確認される書類もあります。一方、申立書や対象者確認票など、原本提出が求められる場面があります。どの書類が原本か写しかは、支給申請チェックリスト、パンフレット、管轄労働局の案内で確認してください。
郵送で提出してもよいですか?
厚生労働省Q&Aでは、支給申請書類を郵送で提出することも可能とされています。ただし、支給申請期間内に申請先へ到着している必要があります。記載漏れや添付不足があると不受理になる場合があるため、期限直前の郵送は避け、管轄労働局・ハローワークに確認してください。
令和8年度版なら、令和8年中の取組は同じ様式でよいですか?
同じ令和8年度でも、令和8年4月1日から4月7日までの取組と、令和8年4月8日以降の取組で様式ページが分かれています。制度改定により様式が変わることがあるため、年度だけで判断せず、取組日で確認します。
キャリアアップ助成金の申請実務は誰に相談すべきですか?
実際の申請手続きについては、社労士などの専門家に相談してください。補助金ナビでは、制度理解やAI・DX研修計画の整理に役立つ情報を提供しています。
書類準備で迷ったら、公式様式と証拠書類を往復する
キャリアアップ助成金の様式は、番号だけを見ると複雑です。ただ、整理の軸はシンプルです。取組日で様式ページを選び、計画書、支給申請書、事業所確認票、コース別別添、添付書類の順にそろえる。正社員化コースなら、転換前後の雇用契約・賃金・勤怠の整合性を確認する。この2点です。
特に正社員化コースは、対象労働者ごとの資料が多くなります。様式に入力した数字と、賃金台帳・出勤簿・雇用契約書の数字が一致しているかを、提出前に一度まとめて見直しましょう。制度の可否判断や申請手続きは、管轄労働局・ハローワークまたは社労士等の専門家に相談するのが安全です。
この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。
参考・出典
- 厚生労働省「キャリアアップ助成金」 — https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html
- 厚生労働省「申請様式ダウンロード(キャリアアップ助成金)(令和8年4月8日以降の取組に係る様式)」 — https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000118801_00022.html
- 厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」 — https://www.mhlw.go.jp/content/11910500/001687992.pdf
- 厚生労働省「キャリアアップ助成金Q&A(令和8年度版)」 — https://www.mhlw.go.jp/content/11910500/001684537.pdf
- 雇用関係助成金ポータル — https://www.esop.mhlw.go.jp/
公式情報リンク集(申請前に最新の支給要領で確認してください)
本記事の制度詳細・様式・添付書類・支給申請期間は改正される場合があります。申請前に以下の公式情報源で最新情報をご確認ください。
- 厚生労働省公式サイト — https://www.mhlw.go.jp/(助成金・人材開発関連)
- 雇用関係助成金ポータル — https://www.esop.mhlw.go.jp/(雇用関係助成金の電子申請)
- e-Gov法令検索 — https://elaws.e-gov.go.jp/(法令確認)
- 中小企業庁公式サイト — https://www.chusho.meti.go.jp/(中小企業施策の総合情報)
- J-Grants(電子申請ポータル) — https://www.jgrants-portal.go.jp/(経済産業省系補助金等の電子申請)
- ミラサポplus — https://mirasapo-plus.go.jp/(中小企業向け支援情報)
注記:本記事は2026年7月8日時点の公開情報をもとに編集しています。制度名・様式・添付書類・スケジュール等は変更される可能性があります。最終的な可否判断や申請手続きは、管轄労働局・ハローワーク、社労士等の専門家にご相談ください。
