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新事業進出・ものづくり補助金 第1回|9/30からの申請手順【2026年】

新事業進出・ものづくり補助金 第1回|9/30からの申請手順【2026年】

この記事の結論

新事業進出・ものづくり補助金の第1回は2026年9月30日(水)受付開始、10月30日(金)18:00締切。公募要領1.3版(9/28改訂)の変更点、3枠の上限額・補助率、受付前に終える準備と電子申請の手順を整理しました。

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新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(新事業進出・ものづくり補助金)第1回の申請受付は2026年9月30日(水)から10月30日(金)18:00までで、申請は電子申請システムだけで受け付けます(公募要領 第1回 1.3版 37ページ)。2026年9月29日時点の最新は9月28日改訂の公募要領1.3版で、補助上限額は枠と従業員数に応じて750万円〜7,000万円(賃上げ特例の適用時は最大9,000万円)、補助率は1/2または2/3です。

受付開始の前日にあたる2026年9月29日時点で事務局サイトを確認すると、電子申請システム操作マニュアルは「後日公開」のままで、事業計画を申請画面へ取り込む「応募申請画面インポート用フォーマット」も「受付開始に合わせて掲載予定」とされています。この記事は、9月30日から10月30日までの1か月で何をどの順に進めるかに絞って、公募要領1.3版のページ番号つきで整理しました。

要点(2026年9月29日時点・公募要領1.3版)

  • 受付は9月30日(水)開始、締切は10月30日(金)18:00厳守。採択発表は令和9年1月頃(予定)
  • 1.3版(9月28日改訂)は賃上げ要件の文言補記、賃上げ特例の返還要件の追記、添付書類⑦⑪とファイル名確認シートの修正など。補助上限額・補助率・締切は変わっていません
  • 枠は「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3つ。1社1申請です
  • GビズIDプライムの発行に1週間程度、一般事業主行動計画の公表に1〜2週間程度かかり、どちらも遅れを理由にした期限延長は認められません
  • 口頭審査の日時予約は、電子申請を完了した事業者から先着順で案内されます

対象読者:第1回に申請する中小企業・小規模事業者の経営者と担当者

今日やること:GビズIDプライムでログインできるかと、「両立支援のひろば」に一般事業主行動計画が公表済みかの2点を確かめる

第1回の受付期間と締切|9月30日(水)から10月30日(金)18:00まで

公募要領1.3版の「2-2.申請の方法(1)公募期間」(37ページ)に書かれている日程は次のとおりです。公募自体は6月29日に始まっていますが、電子申請システムで申請を出せるのは9月30日からです。

公募開始6月29日から申請受付9月30日(水)、申請締切10月30日(金)18:00、採択発表令和9年1月頃(予定)、交付申請は採択発表日から2か月以内へ進む日程の図。7月17日に日程を変更、電子申請システムのみで受付の注記つき
第1回の受付は9月30日から10月30日まで
項目 日付(公募要領1.3版)
公募開始 令和8年6月29日(月)
申請受付 令和8年9月30日(水)
申請締切 令和8年10月30日(金)18:00
補助金交付候補者の採択発表 令和9年1月頃(予定)
交付申請の期限 原則、採択発表日から2か月以内(53ページ)

この日程は最初から決まっていたわけではありません。公募開始時の案内は「申請受付8月31日(月)・締切9月30日(水)18:00」でしたが、事務局サイトのお知らせで2026年7月17日に「第1回公募のスケジュールを変更しました」と告知され、同日の公募要領1.1版で表紙の公募期間も改められました(事務局サイト お知らせ)。採択発表の予定も「令和8年12月」から「令和9年1月」に変わっています(公募スケジュール)。6月時点の記事やチラシで「8月31日受付」と覚えている方は、ここで読み替えてください。

時刻にも注意が要ります。公募要領は「一般的に、電子申請の入力には数時間程度を要します」「締切間際には非常に多くの申請が予想されます」と書いており、締切は18:00で「厳守」です。コールバック予約システムの相談も、締切日に予約すると相談中に締切時刻を過ぎる可能性があると注意書きがあります(4ページ)。

公募要領1.3版(9月28日改訂)で変わった6か所

1.3版は2026年9月28日に事務局サイトで「重要なお知らせ:第1回 公募要領PDFを更新しました」として公開されました。改訂履歴(60ページ)と、1.2版(8月14日改訂)の本文を突き合わせた結果、変わったのは次の6か所です。補助上限額・補助率・締切日は1.2版と同じです。

公募要領1.2版(8月14日)から1.3版(9月28日)への変更点として、賃上げ要件の補記、賃上げ特例の未達は基本要件部分も返還、小規模・NPO・農事組合法人に減額を補記、添付書類⑦⑪の修正、ファイル名確認シート⑧の修正を並べ、補助上限額・補助率・締切は変更なしと示した図
公募要領1.3版で変わった6か所
箇所(1.3版のページ) 1.2版 1.3版
賃上げ要件(11ページ) 「一人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%…」 「従業員の一人当たり給与支給総額…」と主語を補記。比較の起点となる事業年度を「基準年度」と定義
賃上げ特例の返還要件(15ページ) 未達なら引上げ分の全額返還 加えて「賃上げ特例要件で目標未達となった場合は、基本要件の賃上げ要件も目標未達となり」、基本要件部分も未達成率に応じて返還と追記
小規模企業者・小規模事業者(18ページ) 定義から外れた場合は補助率1/2 「補助率が1/2となった場合は、それに伴って補助金額の減額となります」と補記
特定非営利活動法人(NPO法人)・農事組合法人(20ページ) 従業員21人以上になった場合は補助率1/2 同じく「補助金額の減額となります」と補記
添付書類⑦・⑪(40ページ) ⑦の見出しは「再生事業者加点を希望する事業者のみ」。⑪の「別表六(十)」の写しに注記なし ⑦は「再生事業者として申請する事業者のみ」に修正。⑪の「別表六(十)」の写しに「欄外に確認税理士の署名が必要です」を追記
ファイル名確認シート⑧(41ページ) 賃金台帳は「事業場内の全従業員の台帳」 「全従業員の台帳」に修正

実務で効いてくるのは2つです。1つは研究開発費・試験研究費の加点を狙う場合で、税務申告の「別表六(十)」を出すなら欄外に確認税理士の署名が要ります。9月30日以降に顧問税理士へ頼むと間に合わないこともあるので、先に連絡しておきましょう。もう1つは賃上げ特例で、達成できなかったときの返還が「上乗せ分だけ」では済まない書き方になりました。上限額を引き上げるかどうかは、この返還要件を読んだうえで決めるのが安全です。

3枠の補助上限額・補助率(公募要領1.3版の表)

枠は「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3つで、同じ事業者が1回の公募で出せるのは1申請だけです(10ページ)。上限額は常勤従業員数で決まり、括弧内は賃上げ特例を適用した場合の上限額です(6〜9ページ)。

革新的新製品・サービス枠は補助率1/2(2/3)・最大2,500万円(3,500万円)、新事業進出枠は補助率1/2(2/3)・最大7,000万円(9,000万円)、グローバル枠は補助率2/3・最大7,000万円(9,000万円)を3枚のカードで比べた図
3枠の補助率と補助上限額
常勤従業員数 革新的新製品・サービス枠 新事業進出枠 グローバル枠
1〜5人 750万円(850万円) 2,500万円(3,000万円) 2,500万円(3,000万円)
6〜20人 1,000万円(1,250万円)
21〜50人 1,500万円(2,500万円) 4,000万円(5,000万円) 4,000万円(5,000万円)
51〜100人 2,500万円(3,500万円) 5,500万円(7,000万円) 5,500万円(7,000万円)
101人以上 7,000万円(9,000万円) 7,000万円(9,000万円)
補助下限額 100万円 750万円 750万円
補助率 中小企業者1/2(2/3)
小規模企業・小規模事業者、再生事業者2/3
1/2(2/3) 2/3
補助事業実施期間 交付決定日から10か月以内(採択発表日から12か月以内) 交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内) 交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)

補助率の括弧は、後述の「地域別最低賃金引上げ特例」を適用した場合の率です。グローバル枠と、革新的新製品・サービス枠の小規模企業・小規模事業者と再生事業者はもともと2/3なので、この特例は使えません(16ページ)。

枠の違いを一言でいうと、新しい製品・サービスを開発するなら革新的新製品・サービス枠、既存事業と異なる顧客層・市場へ出るなら新事業進出枠、新たな国・地域への輸出に向けた国内体制の強化ならグローバル枠です。新事業進出枠は「既存の製品等の製造量を増やす」「単に商圏が異なる」といったケースを対象外と明記しています(7ページ)。革新的新製品・サービス枠も、機械装置やシステムを入れるだけで新製品・新サービスの開発を伴わない事業は対象外です(6ページ)。

ほかの補助金との違いや選び方は、AI導入に使える補助金7制度の比較や中小企業向け補助金5制度の早見表も参考にしてください。

全枠に共通する6つの基本要件と2つの特例

どの枠でも、補助事業終了後3〜5年の事業計画で次の要件を満たす必要があります(11〜14ページ)。事務局サイトのトップページも、目標未達の場合は補助金の一部または全額の返還義務が生じる場合があると注意しています。

基本要件 内容 未達のとき
(1)付加価値額要件 付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)の年平均成長率4.0%以上 返還義務の記載なし
(2)賃上げ要件 従業員の一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上。自社で決めた目標値を交付申請時までに従業員等へ表明 未達成率に応じて返還。表明していなければ交付決定取消・全額返還
(3)事業場内最賃水準要件 毎年、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高い 満たさない年ごとに、補助金交付額を事業計画期間の年数で割った額を返還
(4)ワークライフバランス要件 次世代法に基づく一般事業主行動計画を「両立支援のひろば」に公表(申請締切日時点で有効なもの) 満たさなければ申請要件を欠く
(5)子育て等に関する職場環境整備 ライフデザインサービスの活用など(ア)〜(ウ)から1つ実施。くるみん系の認定があれば免除 実績報告時に証憑を提出
(6)金融機関要件 金融機関から資金提供を受ける場合だけ、「金融機関による確認書」を提出 自己資金のみなら提出不要

賃上げ要件の返還額は「補助金交付額×(1−最終年度の年平均成長率÷目標値)」で計算し、成長率がゼロかマイナスなら全額返還です(12ページ)。付加価値額が増えておらず、かつ事業計画期間の過半数が営業赤字の場合や天災などの場合は、一部返還を求めないとされています。

任意の特例は2つあります。賃上げ特例は、給与の伸びを年平均6.0%以上(基準値3.5%に+2.5%)、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上にする計画で、上限額が表の括弧内に上がります(15ページ)。ただし各枠の補助上限額に届かない申請額では適用できず、1.3版では未達時に基本要件部分の返還も求めると明記されました。地域別最低賃金引上げ特例は、2024年10月から2025年9月の間に「その時点の地域別最低賃金以上、2025年度改定後の地域別最低賃金未満」で雇っていた従業員が全従業員の30%以上の月が3か月以上ある場合に、補助率が1/2から2/3に上がる仕組みです(16ページ)。

対象外になる事業者も先に確かめてください。申請締切日を起点に16か月以内に事業再構築補助金・新事業進出補助金・ものづくり補助金・本補助金の交付候補者に採択された事業者、応募申請日から過去3年間にこれらの交付決定を合計2回以上受けた事業者、応募申請時点で従業員0名の事業者、新事業進出枠で創業1年未満の事業者は対象外です(21〜24ページ)。

9月30日の受付開始までに終えておくこと

受付が始まってから準備を始めると、公式が示す所要期間だけで締切に届かない項目があります。事務局の「申請をお考えの方」ページが挙げる事前確認は3点で、そこに公募要領の準備物を足すと次の5つです。

GビズIDプライム(原則1週間程度)、一般事業主行動計画の公表(1〜2週間程度)、事業計画の下書き(検討用フォーマット)、必須の添付書類(決算書3期分など)、加点の書類(申請締切日時点で有効)の5つが申請受付9月30日(水)につながる準備の図
受付開始までに終えておく5つの準備
準備すること 公式が示す所要期間・注意 出典
GビズIDプライムアカウント 発行に原則1週間程度。GビズIDメンバー・エントリーではログインできない。取得の遅れによる期限延長は一切認められない 電子申請システムの申請ステップ/公募要領2ページ
一般事業主行動計画の公表 「両立支援のひろば」への掲載に1〜2週間程度。問合せで早めることはできず、2週間以上の余裕をもった公表申請を求めている 公募要領13ページ/両立支援のひろば
事業計画の下書き 「補助事業計画検討用フォーマット」4種(8月31日公開)で内容を固め、受付開始に合わせて掲載される「応募申請画面インポート用フォーマット」に転記してアップロードする。検討用フォーマットはそのままアップロードできない 申請をお考えの方
必須の添付書類 直近3期分の決算書、労働者名簿の写し(申請時点)、収益事業を行っていることを示す確定申告書の控え 公募要領39ページ
加点の書類 加点項目は申請締切日時点で満たしている必要がある。別表六(十)は確認税理士の署名入り 公募要領40・46ページ

GビズIDプライムは法人代表者か個人事業主本人しか作成できず、すでに持っている場合は再発行不要です(よくあるご質問)。登録の手順はGビズIDプライムの登録・ログイン手順にまとめています。

見積書は応募申請の時点では提出不要で、経費の内訳の見込みを記載すれば足ります。採択後の交付申請で、発注先1件あたり税抜50万円以上なら3者以上の同一条件の見積もりが必要になるので、依頼先の候補だけは早めに当たっておくと交付申請が速く進みます(よくあるご質問/公募要領54ページ)。

認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の確認は任意です。事務局は相談を推奨していますが、事業計画は必ず申請者自身で作成し、支援を受けた場合は支援者名・支援内容・報酬(予定)額・契約期間を電子申請システムに入力する決まりです(公募要領37ページ)。支援機関の探し方は認定経営革新等支援機関の選び方で解説しています。

電子申請の手順|GビズIDでログインしてから提出まで

事務局の「電子申請システムの申請ステップ」が示す流れは4段階です。各ステップの操作手順は電子申請システム操作マニュアルで確認するよう案内されていますが、このマニュアルは2026年9月29日時点で「本資料は後日公開いたします」となっています。

STEP1 GビズIDアカウント作成、STEP2 電子申請システムにログイン、STEP3 申請の作成・提出、STEP4 採択結果の確認の4段階を示し、インポート用フォーマットのアップロード、ファイル名確認シートどおりの添付、口頭審査の予約は先着順、操作マニュアルは後日公開の注記を添えた図
電子申請の4ステップ
  1. GビズIDアカウント作成:本補助金の申請にはGビズIDプライムが必要です。
  2. 電子申請システムにログイン:GビズIDプライムでログインすると、補助金申請画面とマイページが使えるようになります。
  3. 申請の作成・提出:応募申請情報の入力から提出までを電子申請システム上で行います。事業計画はインポート用フォーマットに入力してアップロードし、添付書類はファイル名確認シートのとおりの名前で添付します(公募要領37・41ページ)。
  4. 採択結果の確認:提出後はステータスが「審査中」になり、審査状況と結果はマイページで確認します。採択された場合は、その後に交付申請が必要です。

申請は申請者自身が内容を理解して行う必要があり、電子申請システムには代理申請のための委任機能がありません。同じパソコンから大量の申請がある場合は個別に事情を確認するとされ、申請者自身による申請と認められなければ不採択になります(37ページ)。GビズIDのパスワードを外部支援者に教えることも、GビズID利用規約第10条に反する行為として注意されています。

提出後、一定の審査基準を満たした事業者の中から必要に応じて口頭審査が行われます。オンラインで1事業者15分程度、対応できるのは代表者や労働者名簿に記載された担当者など申請事業者自身だけで、支援者の同席は認められません。予約案内は電子申請が完了した事業者から随時送られる先着順なので、締切間際の提出だと選べる日時が限られる場合があります(51ページ)。

なお、申請の入口は事務局サイトにある「電子申請システム」です。以前に使った別の補助金の申請画面とは異なるので、事務局サイトのリンクから入ってください。

補助対象になる経費・ならない経費

補助対象経費の区分を「何が対象・対象外か」、按分・相見積りの実務まで詳しく知りたい方は、新事業進出・ものづくり補助金 第1回|経費9区分と按分・相見積り実務をご覧ください。

公募要領が定める補助対象経費は全部で12区分です(27〜31ページ)。革新的新製品・サービス枠は機械装置・システム構築費が必須、新事業進出枠とグローバル枠は機械装置・システム構築費か建物費のどちらかが必須です。

経費区分 革新的新製品・サービス枠 新事業進出枠 グローバル枠 区分ごとの上限など
機械装置・システム構築費 ○(必須) ○ ○ 単価10万円(税抜き)以上
建物費 × ○ ○ 入札または相見積もりが必要
運搬費 ○ ○ ○ —
技術導入費 ○ ○ ○ 補助対象経費総額(税抜き)の1/3
知的財産権等関連経費 ○ ○ ○ 補助対象経費総額(税抜き)の1/3
外注費 ○ ○ ○ 補助対象経費総額(税抜き)の1/4
専門家経費 ○ ○ ○ 補助対象経費総額(税抜き)の1/5
クラウドサービス利用費 ○ ○ ○ 専ら補助事業に使うものだけ
原材料費 ○ ○ ○ 試作品の開発用
広告宣伝・販売促進費 ○ ○ ○ 事業計画期間1年あたりの売上見込み額(税抜き)の5%
海外旅費 × × ○ 補助対象経費総額(税抜き)の1/5
通訳・翻訳費 × × ○ 30万円(税抜き)

対象外の代表例は、既存事業と共用する経費、事務所の家賃・水道光熱費、事務用のパソコン・プリンタ・タブレット・スマートフォンなど汎用性のあるもの、車両・船舶・航空機、自社の人件費、事業計画書など事務局へ出す書類の作成費用、消費税等です(32〜33ページ)。AI・DXの案件でいえば、補助事業専用のシステム構築やクラウド利用は対象になり得ますが、社内の他業務と共有するクラウドや汎用PCは対象外、と覚えておくと判断がぶれません。

加点項目と、審査に進まない不備

加点項目は17あり、いずれも申請締切日時点で満たしている必要があります(46〜49ページ)。受付開始後に取りに行っても、10月30日までに認定・登録が済まなければ加点になりません。

加点項目(公募要領の番号) 条件の要点
①パートナーシップ構築宣言 令和8年1月1日に更新されたひな形で宣言を公表
②くるみん/③えるぼし トライくるみん・くるみん・プラチナくるみん/えるぼし1〜3段階・プラチナえるぼしの認定
④健康経営優良法人 健康経営優良法人2026に認定
⑤再生事業者 中小企業活性化協議会等の支援を受けている等
⑥経営革新計画/⑦(連携)事業継続力強化計画/⑧DX認定 申請締切日時点で有効な承認・認定
⑨J-Startup・J-Startup地域版 選定された事業者
⑩新規輸出1万者支援プログラム/⑪日本の食輸出1万者支援プログラム グローバル枠のみ。ポータルサイトで登録完了
⑫研究開発費・試験研究費計上 申請締切の前期までに計上。書類は⑪の添付書類
⑬技術情報管理認証制度/⑭成長加速マッチングサービス/⑮アトツギ甲子園 認証取得/会員登録と挑戦課題の登録/ピッチ大会出場
⑯地域別最低賃金引上げ/⑰事業場内最低賃金引上げ 特例と同じ30%・3か月の条件/2025年7月と応募申請直近月を比べて63円以上の引上げ

加点の選び方は新事業進出・ものづくり補助金の加点6制度の比較、宣言の出し方はパートナーシップ構築宣言の手順で詳しく扱っています。

反対に、減点もあります。過去3年間にものづくり補助金か新事業進出補助金で交付決定を1回受けている事業者、過去の補助事業の事業化段階が3段階以下の事業者、特定の期間に類似テーマの申請が集中した場合の過剰投資と判断された申請などです(49〜50ページ)。

審査に入る前に止まる不備もまとめておきます。公募要領は、要件に当てはまらない場合や提出書類に不備・不足がある場合は審査対象とならず不採択、と書いています(38ページ)。

不備1:加点の書類が申請締切日時点で有効でない

❌ 経営革新計画の承認書を付けたが、計画期間が書かれていない
⭕ 承認書に計画期間がなければ、計画期間が記載された経営革新計画書の写しを付ける(40ページ)

不備2:添付書類のファイル名が指定と違う

❌ 決算書を「2025決算.pdf」などの独自名で添付する
⭕ ファイル名確認シートどおり「決算書等(申請者名)」のように付ける。1期分の決算書類は1ファイルにまとめる(39・41ページ)

不備3:事業計画作成支援者を入力していない

❌ 支援を受けたのに支援者名や報酬(予定)額を空欄で出す
⭕ 支援者ごとに4項目を入力する。入力漏れは不採択・採択取消・交付決定取消の対象です(37ページ)

不備4:これまでの補助金の実績を書いていない

❌ 過去に交付決定を受けた補助金や申請中の補助金を入力しない
⭕ 応募申請時にすべて入力する。記載がなければ虚偽申請として不採択になります(26ページ)

10月30日18:00に間に合わせる逆算表

ここに並べるのは公式に書かれている日付と所要期間だけです。自社の状況に当てはめて、どこから手を付けるかを決めてください。

時点 公式に示されていること このタイミングでやること
9月29日(火)まで 公募要領1.3版(9月28日改訂)が最新。検討用フォーマット4種は8月31日公開 1.3版で変わった6か所を読み、事業計画の下書きを検討用フォーマットで仕上げる
9月30日(水) 申請受付開始。応募申請画面インポート用フォーマットは受付開始に合わせて掲載予定 インポート用フォーマットを取得し、検討用フォーマットから転記する
受付期間中 GビズIDプライムの発行は原則1週間程度。一般事業主行動計画の掲載は1〜2週間程度(2週間以上の余裕を推奨) 未取得・未公表ならすぐ手続きし、発行と掲載を待つ間に添付書類をそろえる
提出の直前 電子申請の入力には数時間程度を要する 入力と添付に使う時間を、締切日より前にまとめて確保する
提出後 口頭審査の予約案内は申請完了順・先着 案内メールを見落とさない。審査対応は申請事業者自身が行う
10月30日(金)18:00 申請締切(厳守) —

正直にいうと、GビズIDプライムと一般事業主行動計画の2つが未着手のまま受付開始を迎えた場合は、所要期間の分だけ提出が後ろにずれます。事業計画の中身を詰めるのと並行して、この2つを最初に動かしてください。

採択されたあとの流れと5年間の事業化状況報告

採択はゴールではありません。採択された事業者は事務局のオンライン説明会に参加する必要があり、参加しないと採択は無効になります。交付申請は原則として採択発表日から2か月以内で、交付決定前に発注・契約した経費は補助対象になりません(53〜55ページ)。

補助事業を終えたら、完了日から30日を経過した日か補助事業完了期限日のいずれか早い日までに実績報告を出し、確定検査を経て補助金が支払われます。その後も、補助事業を完了した年度の終了後を初回として5年間にわたり計6回、事業化状況・知的財産権等報告書を提出します。報告しない場合や虚偽の数値を報告した場合は、交付決定の取消・補助金返還の対象です(56〜57ページ)。支払いは銀行振込の実績で確認され、現金払いや相殺、PayPayやPayPalなどの決済サービスは対象外なので、経理担当者にも早めに共有しておきましょう。

提出書類のうち事業計画書の作成については「統合補助金の事業計画書はここで差がつく」で詳しく扱っています。

よくある質問

Q. 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは何ですか?

中小企業等の新製品・新サービスの開発、既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出、輸出に向けた国内体制の強化を支援する補助金です。公募要領の発行者は独立行政法人中小企業基盤整備機構です。事務局サイトは、この補助金が「中小企業新事業進出補助金」や「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは異なる補助金であると明記しています。

Q. ものづくり補助金や新事業進出補助金と併用できますか?

国の他の補助金と補助対象経費が重複する事業は対象外です。さらに、申請締切日を起点に16か月以内にものづくり補助金・新事業進出補助金・事業再構築補助金で採択された事業者や、申請締切日時点でそれらの補助事業を実施中の事業者は申請できません。複数の補助金に同時に応募すること自体は可能ですが、複数採択された場合は交付を受ける補助金を1つだけ選びます(公募要領21ページ・26ページ)。

Q. 9月30日より前に申請書を出せますか?

出せません。電子申請の受付開始は9月30日(水)です。それまでは、事務局が公開している「補助事業計画検討用フォーマット」で事業計画を固め、受付開始に合わせて掲載されるインポート用フォーマットに転記する流れです。

Q. 応募申請の時点で見積書は必要ですか?

不要です。応募時は経費の内訳の見込みを記載し、採択後の交付申請で見積書を提出します。発注先1件あたりの見積額の合計が税抜50万円以上の場合は、3者以上の同一条件による見積もりが必要です。金融機関確認書を発行した金融機関や事業計画作成支援者への発注・見積もりは認められません(公募要領54ページ)。

Q. 認定支援機関の確認書は必須ですか?

認定支援機関の確認は任意です。必要になるのは、金融機関から資金提供を受けて補助事業を行う場合の「金融機関による確認書」で、自己資金だけで行う場合は提出不要です(よくあるご質問)。

Q. 賃上げの目標を達成できなかったらどうなりますか?

賃上げ要件は、事業計画期間の最終年度に自社で設定した目標値を達成しているかで判定されます。未達の場合は補助金交付額に未達成率を掛けた額の返還を求められ、成長率がゼロかマイナスなら全額返還です。賃上げ特例を適用していた場合は、1.3版で上限額引上げ分の全額に加えて基本要件部分も返還対象になると明記されました。判断に迷う場合は、税理士・社会保険労務士など専門家にもご相談ください。

まとめ|9月30日からの1か月で押さえる3つのこと

1. 日程は9月30日(水)受付開始・10月30日(金)18:00締切。7月17日に変更される前の「8月31日受付」の情報は使わないでください。最新の公募要領は9月28日改訂の1.3版です。

2. 時間がかかる準備を先に動かす。GビズIDプライムは1週間程度、一般事業主行動計画の公表は1〜2週間程度。加点は申請締切日時点で満たしている必要があり、別表六(十)には確認税理士の署名が要ります。

3. 賃上げ特例は返還要件を読んでから決める。1.3版で、特例の目標未達時は基本要件部分も未達成率に応じて返還と追記されました。上限額だけを見て特例を選ばないことが大切です。

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参考・出典


この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

免責事項: 本記事の情報は2026年9月29日時点の中小企業基盤整備機構(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金事務局)・中小企業庁の公表資料に基づく参考情報です。公募要領は必要に応じて改訂されることがあります。申請にあたっては、必ず公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事は採択を保証するものではなく、本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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