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パートナーシップ構築宣言とは?補助金加点とひな形2026年版

パートナーシップ構築宣言とは?補助金加点とひな形2026年版

この記事の結論

パートナーシップ構築宣言は発注側企業が代表者名で公表する取組。2026年7月に宣言企業10万社突破。新事業進出・ものづくり補助金の加点項目に採用される一方、対象外の制度もあり公募要領での確認が必須。

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「パートナーシップ構築宣言」は、発注側企業が代表者の名前でサプライチェーン全体の共存共栄を宣言し、ポータルサイトで公表する取組だ。経済産業省の発表によれば、2026年7月6日時点で宣言企業数は10万社に到達した。無料・オンライン完結で取り組める一方、「補助金の加点になる」という話だけが独り歩きしていて、どの制度で・どう加点されるのかを正確に把握している経営者は意外と少ない。

結論から言うと、パートナーシップ構築宣言はすべての補助金で自動的に加点になるわけではない。2026年度は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の加点項目に明記されている一方、デジタル化・AI導入補助金2026の加点項目一覧には含まれていない。制度ごとの違いを踏まえたうえで、宣言の作り方と登録の実務を見ていく。


そもそも「パートナーシップ構築宣言」とは何か

パートナーシップ構築宣言は、事業者が「発注者」側の立場から、サプライチェーン全体の付加価値向上と大企業・中小企業の共存共栄を目指すことを、代表権のある者の名前で宣言する取組だ。2020年5月18日に開催された「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」(内閣府特命担当大臣・経済産業大臣共催)で導入が決定し、同年7月10日から宣言企業の掲載が始まった。

宣言する主体はあくまで発注側の企業である点に注意したい。下請け側の中小企業が「宣言される」対象ではなく、取引先に対して自社の取引方針を約束する仕組みだ。運営はポータルサイト上で行われ、内閣府・中小企業庁と連携しながら、公益財団法人全国中小企業振興機関協会が実務を担っている。

宣言の基本データ

項目 内容
制度名 パートナーシップ構築宣言
宣言する主体 発注側企業(代表権を有する者の氏名で宣言。企業規模の大小は問わない)
運営 公益財団法人全国中小企業振興機関協会(内閣府・中小企業庁と連携)
制度開始 2020年7月10日(ポータルサイト開設・宣言企業掲載開始)
宣言企業数 10万社(2026年7月6日時点、経済産業省発表)
費用 無料
宣言の柱 ①サプライチェーン全体の共存共栄と新たな連携 ②振興基準の遵守
公表の場 パートナーシップ構築宣言ポータルサイトの登録企業リスト
最新ひな形 2026年1月版

制度全体の位置づけは、補助金の比較検討をする段階でも押さえておきたい。加点項目の全体像は補助金の加点項目を確実に押さえる6ステップでも整理している。

補助金の審査でどう加点されるのか — 制度ごとに異なる

ここが最も誤解されやすいポイントだ。「パートナーシップ構築宣言=どの補助金でも加点」ではない。2026年8月時点で確認できた範囲では、以下のように制度ごとに扱いが分かれている。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(加点あり)

2026年度に「ものづくり補助金」の後継として実施されている新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募要領(1.1版、令和8年7月公表、応募期間: 令和8年6月29日〜10月30日18:00まで厳守)には、加点項目の1番目として次のとおり明記されている。

①パートナーシップ構築宣言加点
「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトにおいて、令和8年1月1日に更新されたひな形を利用して宣言を公表している事業者

同公募要領には全14項目の加点項目(パートナーシップ構築宣言、くるみん、えるぼし、健康経営優良法人、DX認定など)が並んでおり、パートナーシップ構築宣言はその1つ目にあたる。注意したいのは「加点項目は申請締切日時点で満たしている必要がある」という一文だ。つまり、申請締切の直前に慌てて宣言しても、ポータルサイトでの公表が締切に間に合わなければ加点対象にならない。

デジタル化・AI導入補助金2026(加点なし)

一方、旧IT導入補助金にあたるデジタル化・AI導入補助金2026については、事務局が公表している加点項目一覧(2026年6月3日更新版)を確認したところ、通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型/電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠のいずれにも「パートナーシップ構築宣言」は加点項目として記載されていなかった。同一覧に並ぶのは、クラウド利用ITツール導入の検討、賃上げの事業計画策定、くるみん・えるぼし認定、健康経営優良法人などで、パートナーシップ構築宣言は対象外という扱いになる。

デジタル化・AI導入補助金の加点項目を丸ごと押さえたい場合はデジタル化・AI導入補助金の加点項目一覧【2026】で個別に確認してほしい。

その他の補助金は必ず公募要領で個別確認を

持続化補助金や省力化投資補助金など、他の主要制度についても加点項目の構成は公募回ごとに見直されている。「ものづくり補助金で加点になったから、うちが使う制度でも当然加点になるはず」という思い込みは危険だ。申請を検討している補助金の最新の公募要領(加点項目一覧のページ)を、そのつど確認することをおすすめする。

宣言文の作り方 — ひな形2026年1月版の3つの柱

ひな形は、公式ポータルサイトの「記載要領・ひな形」ページからWord形式(docx)でダウンロードできる。2026年1月版の記載要領を確認すると、宣言文は次の3つのブロックで構成されている。

柱1: サプライチェーン全体の共存共栄と新たな連携

直接の取引先だけでなく、サプライチェーンの深い層の取引先にも働きかけ、既存の取引関係や企業規模を超えた連携を目指す部分だ。ひな形には、次の6つの個別項目が例示されており、自社が積極的に取り組む項目を選んで具体的な内容を記載する。

  • a. 企業間の連携 — オープンイノベーション、M&A等の事業承継支援、取引先のテレワーク導入支援など
  • b. IT実装支援 — 共通EDIの構築、データの相互利用、IT人材の育成支援、サイバーセキュリティ対策の助言・支援など
  • c. 専門人材マッチング
  • d. グリーン化の取組 — 脱・低炭素化技術の共同開発、省エネ診断の助言・支援、グリーン調達など
  • e. 健康経営に関する取組 — 健康経営のノウハウ提供、健康増進施策の共同実施など
  • f. BCP/事業継続 — 取引先の災害時等の事業継続計画策定の助言など

柱2: 「振興基準」の遵守

発注方法の改善、対価の決定方法の改善、代金の支払方法の改善、型等に係る取引条件の改善、知的財産の保護及び取引の適正化などを含む、委託事業者と中小受託事業者との望ましい取引慣行(受託中小企業振興法第3条に基づく「振興基準」)を遵守し、取引慣行や商慣行の是正に取り組むことを宣言する。ここが振興基準そのものと直結する部分であり、実質的にこの宣言の核になる。

柱3: その他(任意記載)

価格転嫁の情報発信、取引先満足度調査の実施、成果配分のフィフティ・フィフティ化、「ホワイト物流」自主行動宣言の表明、約束手形の利用廃止など、企業が独自に取り組む内容を任意で追記できる欄だ。「ホワイト物流」について記載する場合は、実際に自主行動宣言を表明しホームページに掲載されている必要がある、という注記もある。

最後に、企業名と代表権を有する者の役職・氏名、宣言日を記入して完成となる。個人事業主の場合は屋号と役職名を必ず記載する必要がある。

登録から公表までの3ステップ

登録の流れは公式ポータルサイトの案内では次の3ステップに整理されている。補助金の加点に使う場合は、公表までのタイムラグを見込んで逆算するのがポイントだ。

STEP1: 宣言文の準備

ひな形(2026年1月版、docx形式)をダウンロードし、記載要領を参考に宣言文を作成する。社内での意思決定・承認手続きを経たうえで、宣言文をPDF化する。

STEP2: ポータルサイトでの登録

ポータルサイトのメニューから「登録」を選び、登録フォームに企業名・業種などの必須項目を入力する。PDF化した宣言文をアップロードし、入力内容を確認して登録を完了させる。登録が完了すると、担当者のメールアドレスに受領通知が届く。

STEP3: 登録企業リストへの公開

登録内容に修正依頼事項がなければ、通常、登録した日から約10日後にポータルサイトの「登録企業リスト」に公開される。公式サイトでは「補助金申請の時期によっては、数日程度公開まで期間を要する場合がある」旨も案内されている。加点を狙う申請では、この10日前後のタイムラグを見込んで、申請締切の2〜3週間前には登録を済ませておくのが安全だ。

よくある不備・注意点

不備1: 締切直前に登録して公開が間に合わない

❌ 申請締切の数日前に慌てて宣言文を登録する
⭕ 登録から公開まで約10日かかることを見込み、締切の2〜3週間前には登録を終える

加点項目は「申請締切日時点で満たしている」ことが条件だ。登録しただけで宣言文がまだポータルサイトに公開されていない状態では、加点の要件を満たしていない可能性がある。

不備2: 古いひな形のまま宣言済みで放置している

❌ 2024年版・2025年版など過去のひな形で宣言した内容をそのまま放置する
⭕ 令和8年1月1日に更新されたひな形の内容で改めて宣言・公表し直す

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の加点要件は「令和8年1月1日に更新されたひな形を利用して宣言を公表している事業者」と明記されている。過去のひな形のままでは、加点対象と認められない可能性がある。

不備3: 宣言内容と実態が伴っていない

❌ とりあえず宣言文を提出し、振興基準の遵守を実行していない
⭕ 振興基準(発注方法・対価決定・支払方法などの改善)を実際の取引慣行に反映させる

主務大臣から振興基準に基づく指導・助言が行われた場合など、宣言内容が履行されていないと認められると、宣言の掲載が取りやめになることがある、と公式ひな形の記載要領にも明記されている。宣言は「出しておしまい」ではない。

不備4: 個人事業主が必須項目を書き漏らす

❌ 企業名・役職・氏名の欄を法人と同じ感覚で空欄にする
⭕ 個人事業主は屋号と役職名を必ず記載する

よくある質問

Q1. パートナーシップ構築宣言とは何ですか?

事業者が「発注者」の立場から、サプライチェーン全体の共存共栄と新たな連携、そして振興基準の遵守を、代表権を有する者の名前で宣言し、ポータルサイトで公表する取組です。2020年7月に開始され、2026年7月6日時点で宣言企業数は10万社に到達しています。

Q2. 費用はかかりますか?

宣言・登録は無料です。ひな形のダウンロードからポータルサイトへの登録まで、費用は発生しません。

Q3. 中小企業でも宣言できますか?

できます。宣言する主体は「発注者」の立場にある企業であり、企業規模の大小は問われません。中小企業であっても、自社が発注側になる取引先を持っていれば宣言の対象になります。

Q4. 登録してからどのくらいで公表されますか?

公式サイトの案内では、修正依頼事項がなければ登録日からおおむね10日後にポータルサイトの登録企業リストに掲載されるとされています。補助金の加点に使う場合は、このタイムラグを見込んで余裕を持った登録が必要です。

Q5. パートナーシップ構築宣言をすれば必ず補助金に採択されますか?

いいえ。パートナーシップ構築宣言は加点項目の1つであり、採択を保証するものではありません。審査は事業計画の内容や実現可能性など複数の観点から総合的に行われます。あくまで審査で一定程度有利になる要素の1つとして位置づけられています。

Q6. デジタル化・AI導入補助金でも加点になりますか?

2026年6月3日更新の加点項目一覧を確認した限り、デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠)にパートナーシップ構築宣言は加点項目として含まれていません。申請を検討している制度ごとに、最新の加点項目一覧を個別に確認してください。

加点項目を含めた事業計画書の全体構成は事業計画書の書き方ガイドも参考になる。パートナーシップ構築宣言と並んで取得しやすい加点項目としては、DX認定もある(DX認定申請ガイド|ものづくり補助金加点取得)。

「うちの会社は宣言の対象になるのか」「振興基準の遵守をどう社内に落とし込めばいいか」など、AI導入と補助金活用をあわせて検討したい場合は、計画策定の段階からお気軽にご相談ください。お問い合わせフォームからどうぞ。

この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。


免責事項:本記事の情報は2026年8月7日時点の経済産業省・中小企業庁・パートナーシップ構築宣言ポータルサイト・新事業進出・ものづくり商業サービス補助金事務局・デジタル化・AI導入補助金2026事務局の公表資料に基づく参考情報です。加点項目・公募要領の内容は公募回ごとに変更される場合があります。申請にあたっては、必ず各制度の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

参考・出典

関連記事:新事業進出・ものづくり補助金|加点6制度を比較【9月受付開始】(パートナーシップ構築宣言・くるみん・えるぼしなど加点6制度を取得しやすさで横並び比較)

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