デジタル化・AI導入補助金 20分で読める

【2026年9月】印刷業のAI補助金5選|設備・研修・締切

【2026年9月】印刷業のAI補助金5選|設備・研修・締切

この記事の結論

印刷業のAI・DX導入に使える補助金5選を2026年9月21日時点の公式情報で整理。省力化投資補助金一般型第8回は10月16日締切、デジタル化・AI導入補助金5次締切は9月29日。

この記事の制度について、AIにその場で質問できます(無料・登録不要)→

印刷会社が2026年9月21日時点で申請できる国の主要制度のうち、締切が最も近いのは中小企業省力化投資補助金(一般型)第8回で、2026年10月16日(金)17:00です。次いでデジタル化・AI導入補助金2026の5次締切が2026年9月29日(火)17:00。どちらも電子申請で、GビズIDプライムのアカウントがないと入口にも立てません。

根拠は各事務局の公表スケジュールです。省力化投資補助金(一般型)第8回は2026年8月18日(火)に公募開始、申請受付が2026年9月18日(金)10:00から10月16日(金)17:00まで、採択発表は2027年2月上旬の予定と中小機構のスケジュールページに明記されています。デジタル化・AI導入補助金2026は通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型/電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠の5次締切が2026年9月29日(火)17:00、複数者連携デジタル化・AI導入枠の3次締切が2026年10月30日(金)17:00です(事業スケジュール)。

印刷業は、見積・入稿データ検査・DTPといったソフト側の省力化と、デジタル印刷機や後加工機といったハード側の投資、そして人の側のスキル更新が同時に走る業種です。使う制度もそこで分かれます。この記事では、その3つの投資先に国の5制度を割り当て、どれがどこに当たるのかを公式情報ベースで整理します。

印刷会社の投資先は3つに割れる——制度はそこに紐づく

印刷会社の投資先は3つに割れる——制度はそこに紐づく
印刷会社の投資先は3つに割れる——制度はそこに紐づく

「AI補助金」という名前の制度は存在しません。実務では、何にお金を使うのかで制度が決まります。印刷業の相談で出てくる投資先は、おおむね次の3つに割れます。

  • ソフト側:見積の自動化、入稿データの不備チェック、DTP工程の補助、受注データの基幹連携
  • ハード側:デジタル印刷機、ラベル印刷機、検査装置、後加工の自動化ライン
  • 人側:DTPオペレーターや営業担当者が、AIツールを自分の職務で使えるようにする訓練

この3つに、2026年9月21日時点で公募・受付が確認できる国の5制度を当てはめると、下の表になります。金額はすべて各制度の公式ページの記載です。

制度名 主な投資先 補助率 補助上限額 2026年9月21日時点の受付状況
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) ソフト・クラウド 1/2以内(要件該当時2/3以内) 450万円(4プロセス以上) 5次締切 2026年9月29日(火)17:00
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型) カタログ掲載の汎用設備 1/2以下 1,000万円(賃上げ要件達成時1,500万円) 交付申請を随時受付
中小企業省力化投資補助金(一般型) オーダーメイドの省力化投資 1/2(小規模企業者・小規模事業者等は2/3) 8,000万円(大幅賃上げ特例時1億円) 第8回 2026年10月16日(金)17:00締切
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) 従業員の訓練 経費助成75%(中小企業) 1事業所1年度あたり1億円 計画届は訓練開始日の6か月前〜1か月前に提出
小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠> 販路開拓(小規模事業者向け) 2/3 50万円(特例併用時250万円) 第20回 2026年11月5日受付開始

表の並びは、印刷会社からの相談の多い順です。正直に言うと、いちばん問い合わせが多いのは「印刷機を買い替えたい」なのですが、そこがいちばん制度選びを間違えやすい。理由は後述します。

なお、複数の制度を横断して比べたい場合は、省力化投資補助金 完全ガイド|一般型第8回対応に一般型とカタログ注文型の違いを詳しくまとめています。同じ設備投資でも、製造業寄りの論点は製造業AI導入で使える補助金5制度比較2026が参考になります。

見積・入稿データ検査・DTP補助のAIは、デジタル化・AI導入補助金2026

見積・入稿データ検査・DTP補助のAIは、デジタル化・AI導入補助金2026
見積・入稿データ検査・DTP補助のAIは、デジタル化・AI導入補助金2026

ソフトウェアやクラウドサービスの導入費用に充てる制度が、デジタル化・AI導入補助金2026です。2025年度までの「IT導入補助金」の後継にあたる名称で、事務局サイトも it-shien.smrj.go.jp のまま運用されています。

通常枠の金額の決まり方

通常枠の補助額は、導入するITツールが持つ業務プロセスの数で2段階に分かれます。通常枠の公式ページの記載は次のとおりです。

区分 補助額 補助率
1プロセス以上 5万円以上150万円未満 1/2以内、2/3以内
4プロセス以上 150万円以上450万円以下 1/2以内、2/3以内

補助率が「1/2以内、2/3以内」と併記されているのは、特例があるためです。公式ページには、令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上である場合に補助率が2/3以内になる旨が記載されています。自社が該当するかどうかは賃金台帳を見ないと判断がつかないので、先に確認しておきましょう。

印刷業で対象になりやすい経費

対象経費は、ソフトウェア購入費とクラウド利用料(最大2年分)が中心です。これにオプションとして機能拡張・データ連携ツール・セキュリティが、役務として導入コンサルティング、活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポートが加わります。

印刷会社の現場に引き寄せると、次のような使い方になります。

  • 見積の自動化:紙種・サイズ・部数・加工の組み合わせから見積を生成する仕組み。ベテラン任せだった積算を標準化できる
  • 入稿データの事前検査:塗り足し不足、フォント未埋め込み、解像度不足、特色残りといった不備を受付段階で検出する
  • DTP工程の補助:文字校正、表記ゆれのチェック、定型物のレイアウト生成
  • 受注・生産管理との連携:入稿から面付け、進行管理までを1本の流れにする

ここでひとつ注意点があります。通常枠の要件は「1種類以上の業務プロセスを保有するソフトウェアを申請すること(汎用プロセスのみは不可)」です。つまり、汎用的な生成AIサービスを単体で契約しただけでは、要件を満たす申請にはなりません。顧客対応・販売支援、決済・債権債務管理といった業務プロセス、あるいは業種特化型プロセスを含むツールである必要があります。「ChatGPTの法人契約を補助金で」という相談はよく受けますが、この要件でつまずきます。

入稿データを預かる会社ならセキュリティ対策推進枠も

印刷会社は、顧客の未発表の製品情報や個人情報を入稿データとして預かる立場です。ここに手当てをするなら、セキュリティ対策推進枠という選択肢があります。補助額は5万円から150万円、補助率は小規模事業者が2/3以内、中小企業が1/2以内。対象は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載され、IT導入支援事業者により登録されたサービスで、サービス利用料は最大2年分が対象です。

申請手順そのものはデジタル化・AI導入補助金 5次締切9/29の申請手順で工程ごとに解説しています。締切が近いので、支援事業者の選定から逆算してください。

デジタル印刷機・ラベル機は、カタログ注文型が最短ルートになりうる

デジタル印刷機・ラベル機は、カタログ注文型が最短ルートになりうる
デジタル印刷機・ラベル機は、カタログ注文型が最短ルートになりうる

設備を入れ替えたい印刷会社が最初に見るべきなのは、中小企業省力化投資補助金のカタログ注文型です。あらかじめ事務局に登録された汎用製品のカタログから選ぶ方式で、事業計画をゼロから書き起こす一般型より手続きが軽い。

補助率と上限額

カタログ注文型の公式ページによれば、補助率は1/2以下、補助上限額は従業員数で3段階です(2026年3月19日以降の制度)。

従業員数 補助上限額 賃上げ要件を達成した場合
5名以下 200万円 300万円
6〜20名 500万円 750万円
21名以上 1,000万円 1,500万円

対象になるのは「人手不足の状態にある中小企業等」です。人手不足の状態であることの説明は申請の前提なので、求人を出し続けている、特定工程が特定の従業員に依存している、といった実態を整理しておきましょう。

印刷関連の製品カテゴリは実在する

「カタログ型は飲食店の配膳ロボット向けでしょう」と言われることがありますが、印刷関連の製品カテゴリは順次追加されています。製品カタログのページの更新履歴には、次の追加が記録されています。

追加日 製品カテゴリ名
2026年6月25日 包装フィルム・包装容器用UVレーザプリンタ
2026年4月30日 感熱フィルム向けラベルレス印字装置
2026年2月12日 段ボール用デジタルインクジェット印刷機
2025年12月4日 DTFプリンターシステム
2025年6月19日 平面・曲面印刷機(パッド印刷機/ホットスタンプ印刷機)
2025年4月24日 産業用小ロット印刷対応デジタル印刷機(フラットベッドタイプ/ロールタイプ)
2025年2月27日 産業用デジタルラベル印刷機

並べてみると傾向が見えます。追加されているのは、ラベル・パッケージ・段ボール・フィルムといった産業印刷/軟包装の領域と、小ロット・多品種に対応するデジタル印刷機です。商業印刷の枚葉オフセット機そのものを指すカテゴリは、この更新履歴には出てきません。

ここは正直に書きます。自社が入れたい機種がカタログに載っているかどうかは、製品カテゴリ一覧と製品カタログを実際に開いて確認する以外に方法がありません。製品カテゴリPDFは2026年9月17日に更新されています。メーカーの営業担当が「補助金対象です」と言っても、カタログ登録済みの製品番号が示されなければ、それはカタログ注文型の対象ではない可能性があります。

業種別の使われ方は省力化補助金カタログ型|業種別活用事例にまとめています。

オーダーメイドの省力化ラインなら一般型(第8回は10月16日締切)

オーダーメイドの省力化ラインなら一般型(第8回は10月16日締切)
オーダーメイドの省力化ラインなら一般型(第8回は10月16日締切)

カタログに載っていない、あるいは複数の設備とシステムを組み合わせて工程全体を作り替えたい——このときが一般型の出番です。公式ページでは対象経費を「個別現場の設備や事業内容に合わせた設備導入・システム構築」と説明しており、ハードとソフトを自由に組み合わせられます。

補助率と上限額は従業員数で5段階

一般型の公式ページに記載されている金額は次のとおりです。

従業員数 補助上限額 大幅賃上げ特例を満たす場合
5人以下 750万円 1,000万円
6〜20人 1,500万円 2,000万円
21〜50人 3,000万円 4,000万円
51〜100人 5,000万円 6,500万円
101人以上 8,000万円 1億円

補助率は中小企業が1/2(最低賃金引き上げ特例の適用時は2/3)、小規模企業者・小規模事業者および再生事業者が2/3です。対象事業者は中小企業者、小規模企業者・小規模事業者、特定事業者の一部、特定非営利活動法人、社会福祉法人とされています。

第8回のスケジュール

工程 日付
公募開始 2026年8月18日(火)
申請受付開始 2026年9月18日(金)10:00
申請締切 2026年10月16日(金)17:00
採択発表 2027年2月上旬(予定)

第9回については、公式スケジュールページに「詳細が確定次第更新いたします」とあり、2026年9月21日時点で日程は公表されていません。第8回に間に合わせるか、第9回の公表を待って準備するかの二択になります。

印刷業で一般型を使う典型は、印刷機単体の入れ替えではなく、前後工程を含めた省力化です。たとえば入稿受付から面付け、刷版、断裁・折り・製本までのどこにボトルネックがあるのかを工数で示し、そこに設備とシステムをまとめて投入する形。審査で見られるのは機械のスペックではなく、労働時間がどれだけ減るのかという説明です。

DTPオペレーターのAI研修は、人材開発支援助成金——ただし8月3日の改正に注意

DTPオペレーターのAI研修は、人材開発支援助成金——ただし8月3日の改正に注意
DTPオペレーターのAI研修は、人材開発支援助成金——ただし8月3日の改正に注意

設備を入れても、使う人が育たなければ動きません。従業員の訓練費用と訓練中の賃金の一部を支援するのが、厚生労働省の人材開発支援助成金です。AI・DX関連の訓練では、事業展開等リスキリング支援コースが中心になります。

助成率と助成額

令和8年8月3日版の支給要領に記載された金額は次のとおりです。

企業規模 経費助成率(1人1コースあたり) 賃金助成額(1人1コース1時間あたり) 設備投資加算
中小企業 75% 1,000円 50%
大企業 60% 500円 —

経費助成には1人あたりの限度額があります。通学制または同時双方向型の通信訓練の場合、中小企業は実訓練時間数10時間以上100時間未満で30万円、100時間以上200時間未満で40万円、200時間以上で50万円。eラーニングによる訓練等および通信制による訓練等は、中小企業で15万円(この場合は賃金助成の対象になりません)。1事業所1年度あたりの支給額の合計は1億円が限度です。

対象になる訓練は、1コースあたりの実訓練時間数が10時間以上であることが前提です。10時間に満たないセミナーは、内容が良くても対象になりません。

令和8年8月3日の改正で「プロンプト研修」の扱いが変わった

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい点です。厚生労働省が公表した令和8年8月3日からの変更点についてのリーフレットでは、DX化・GX化に関する訓練のうち、次の実施目的のものが助成対象外になると明記されました。

  • 職業、または職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させる内容のもの
  • 職業、または職務の種類を問わず、職業人として共通して必要となるもの

リーフレットには生成AIを使った具体例が載っています。

訓練の例 取扱い 理由(リーフレットの説明)
生成AIを活用して商品提案書の構成案作成、文章生成、修正方法を学ぶ営業担当者向けの訓練 助成対象 営業担当者の具体的な業務に直結しており、そのまま活用可能な内容であるため
生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練 助成対象外 特定の業務への具体的適用を伴わない汎用的内容であるため
DXの概念、デジタル技術の概要、データ活用の考え方を学ぶ訓練 助成対象外 DX化を進める上での共通知識の習得にとどまり、具体的作業として業務に直接適用される内容ではないため

印刷業に置き換えると、こうなります。「全社員向けAIリテラシー講座」は通りにくい。一方、「DTPオペレーターが入稿データの不備チェックにAI校正ツールを使う手順を学ぶ訓練」「営業担当者が見積根拠の下書きと提案書構成の作成にAIを使う訓練」のように、受講者の職務と訓練内容を一対一で結んだ設計であれば、リーフレットの整理に沿った形になります。リーフレットには「訓練内容に沿って対象労働者を選定しているか」という観点も示されており、内容は職務直結でも受講者の選び方が合っていない場合は対象外とされる例が挙げられています。

もうひとつ、受講回数の上限も変わりました。助成が受けられる訓練の受講回数は同一の労働者に対して一の年度で3回までですが、このうちeラーニングによる訓練は一の年度で1回までになりました(令和8年8月3日以降に提出された計画届に基づく訓練が算入対象)。eラーニングを年度内に何本も積む前提の研修計画は、組み直しが要ります。なお、この変更には経過措置が設けられています。

改正の詳細は事業展開等リスキリング支援コース改正|AI研修が対象外になる条件で個別に扱っています。コースの選び方全体は人材開発支援助成金とは?コース一覧・助成率・申請の流れをご覧ください。

計画届の提出期間を外すと申請できない

人材開発支援助成金は、補助金と違って「先に計画を出す」制度です。職業訓練実施計画届の提出期間は、訓練開始日の6か月前から1か月前まで。計画届を提出するより前に開始された訓練は助成の対象になりません。研修会社から「来週から始められます」と言われても、そのスケジュールでは間に合わないということです。

助成金の支給は要件審査を経たうえで決まるもので、支給を保証するものではありません。要件の当てはめに迷う場合は、管轄の労働局または社会保険労務士にご相談ください。

従業員20人以下の印刷所なら、持続化補助金という別ルート

従業員規模が小さい印刷所・シール印刷店・企画印刷の事業者には、小規模事業者持続化補助金という選択肢があります。中小企業庁の解説(ミラサポplus)によれば、令和8年度の一般型・通常枠は補助率2/3、補助上限額50万円。インボイス特例の適用で50万円が上乗せされて100万円、賃金引上げ特例の適用で150万円が上乗せされて200万円、両方を併用した場合は最高250万円とされています。

対象になるのは、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)で従業員5人以下、それ以外(製造業等)で20人以下の事業者です。印刷業は製造業等に区分されるため、常時使用する従業員が20人以下であれば要件に入ります。

第20回の申請受付期間は2026年11月5日から12月15日まで。申請には商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書が必要で、その発行受付は申請締切より早く締め切られるのが通例です。相談枠は締切間際に埋まるため、地域の商工会議所には早めに連絡を入れておきましょう。

金額は他の制度より小さいものの、Webサイトのリニューアル、印刷見本のカタログ制作、展示会出展といった販路開拓に充てられる点が違います。「設備は先送りだが、デジタル印刷で作れる小ロット商品を売りに行きたい」という段階の事業者には噛み合います。

ものづくり補助金は、2026年9月21日時点で次回公募が未公表

印刷業の設備投資でよく名前が挙がるものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)についても触れておきます。総合サイトによれば、直近の公募は第23次締切で、公募開始が令和8年2月6日(金)、申請受付が令和8年4月3日(金)17時から令和8年5月8日(金)17時まででした。第23次締切分の採択結果は2026年8月7日に公表されています。

2026年9月21日時点で、第24次以降の公募スケジュールは公表されていません。したがって、いま動かしたい設備投資案件をものづくり補助金の次回公募に当て込むのは、日程が読めないという意味でリスクがあります。省力化投資補助金の一般型第8回(10月16日締切)と比べたうえで判断するのが現実的です。

公募が始まってから準備を始めると、事業計画の作成が間に合いません。次回公募を狙う場合でも、原価データの整理と設備の見積取得は先に進めておきましょう。

印刷業が踏みやすい4つの落とし穴

落とし穴1:展示会で印刷機を即決してしまう

❌ 展示会で条件の良い提案を受け、その場で発注書にサインする
⭕ 交付決定通知を受け取ってから発注・契約する

補助金は、交付決定前に発注・契約した経費を対象にしません。採択と交付決定は別の手続きで、採択通知が届いても交付決定前の発注は対象外になります。印刷機は金額が大きいぶん、ここを外したときの影響も大きい。展示会シーズンと公募期間が重なる年は特に注意してください。

落とし穴2:汎用的なAI研修で助成金を見込む

❌ 「全社員向け生成AI入門講座」を事業展開等リスキリング支援コースで申請する
⭕ 「DTPオペレーター向け・入稿データ検査へのAI活用」のように職務と受講者を特定して設計する

令和8年8月3日の改正で、職務に間接的にしか関係しない訓練や、職業人として共通して必要な内容にとどまる訓練は助成対象外と整理されました。研修会社のパッケージをそのまま申請すると、内容が汎用的で対象外と判断される可能性があります。カリキュラムの段階で、誰のどの作業が変わるのかを書き込んでおきましょう。

落とし穴3:数値目標が「効率化」で止まっている

❌ 「AI導入により業務を効率化し、生産性を向上させる」
⭕ 「入稿データの不備差し戻しを月48件から12件に削減し、前工程の確認工数を月80時間から25時間へ」

印刷業には、数字で語れる指標がそろっています。刷版枚数、ヤレ率、面付け工数、校了までの往復回数、入稿不備の差し戻し件数、段取り替え時間。自社の日報や工程管理システムから拾える数字を使えば、説得力のある計画になります。抽象的な言葉を並べるより、既にある数字を出すほうが早い。

落とし穴4:カタログ注文型と一般型を取り違える

❌ カタログに載っていない機種を前提に、カタログ注文型で申請しようとする
⭕ 製品カタログで製品の登録を確認し、載っていなければ一般型を検討する

同じ「中小企業省力化投資補助金」という名前でも、カタログ注文型と一般型は手続きも上限額もまったく別です。カタログ注文型はカタログ掲載の汎用製品を選ぶ方式、一般型は個別の設備導入・システム構築を計画として提出する方式。メーカーの提案書を鵜呑みにせず、製品カタログで自分の目で確認してください。

申請から入金までに何が起きるか

どの制度も共通して、電子申請と後払いが原則です。工程はおおむね次のように進みます。

  1. GビズIDプライムの取得:省力化投資補助金もデジタル化・AI導入補助金も、申請にはGビズIDプライムのアカウントが必要です。取得には一定の期間を要するため、制度を決める前に着手しておくのが安全です
  2. 制度の選定と要件確認:投資先(ソフト/設備/訓練/販路開拓)から制度を絞り、従業員数区分と補助率を確認します
  3. 見積の取得と支援者の選定:デジタル化・AI導入補助金はIT導入支援事業者と共同で申請します。設備は複数社から見積を取っておくと、金額の妥当性を説明しやすくなります
  4. 申請書類の作成・電子申請:締切当日は申請システムへのアクセスが集中します。事務局も締切時間を過ぎた受付は行わないと明記しているため、前日までの提出を前提に逆算してください
  5. 採択・交付決定:交付決定の通知を受けてから発注・契約に進みます
  6. 事業実施・実績報告:デジタル化・AI導入補助金2026の5次締切分は、事業実施期間が交付決定から2027年4月30日(金)17:00まで、実績報告期限も同日(いずれも予定)とされています
  7. 補助金の受け取り:実績報告の審査を経て支払われます。設備代金は先に自社から支払うため、資金繰りの手当てが必要です

人材開発支援助成金だけは流れが逆で、訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を提出し、訓練を実施し、訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請を行います。順序を間違えると受け付けてもらえません。

よくある質問

印刷業でも国の補助金は使えますか

使えます。制度側が業種を「印刷業」と限定して募集しているわけではなく、中小企業・小規模事業者であることや、人手不足の状態にあることといった要件で対象が決まります。省力化投資補助金のカタログ注文型では、産業用デジタルラベル印刷機や段ボール用デジタルインクジェット印刷機といった印刷関連の製品カテゴリが実際に追加されています。

オフセット印刷機の更新はカタログ注文型で申請できますか

その機種がカタログに登録されているかどうかで決まります。公式の更新履歴で確認できる印刷関連カテゴリは、ラベル・段ボール・フィルムなどの産業印刷向けと、小ロット対応のデジタル印刷機が中心です。商業印刷の枚葉オフセット機を指すカテゴリは更新履歴には見当たりません。カタログに該当製品がない場合は、一般型で個別の設備導入計画として申請する道を検討することになります。

見積AIや入稿データ検査AIは、どの制度が向いていますか

ソフトウェアやクラウドサービスとして導入するなら、デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠が基本線です。ただし、業務プロセスを持つソフトウェアであることが要件で、汎用プロセスのみのツールは申請できません。設備と一体で省力化ラインを組むなら、省力化投資補助金の一般型でハードとソフトをまとめて計画に入れる形もあります。

DTPオペレーターのAI研修に助成は出ますか

事業展開等リスキリング支援コースの要件を満たせば、中小企業で経費助成75%、賃金助成が1人1コース1時間あたり1,000円です。ただし令和8年8月3日の改正で、汎用的な内容にとどまる訓練は助成対象外と整理されました。受講者の職務と訓練内容を結びつけた設計が必要です。1コースあたりの実訓練時間数が10時間以上であることも条件になります。

補助金は先に受け取れますか

いいえ。補助金は原則として後払いです。設備代金や研修費用はいったん自社で全額を支払い、実績報告の審査を経てから交付されます。「補助金が出るから手元資金は不要」という前提で計画を組むと、支払時期に詰まります。金融機関への相談は、申請と並行して進めておくのが無難です。

ここまでの要点

2026年9月21日時点で、印刷会社が動かせる順に整理すると次のようになります。

  1. 締切が近い順に見る:デジタル化・AI導入補助金2026の5次締切が2026年9月29日(火)17:00、省力化投資補助金(一般型)第8回が2026年10月16日(金)17:00、複数者連携デジタル化・AI導入枠の3次締切が2026年10月30日(金)17:00、持続化補助金<一般型・通常枠>第20回の受付開始が2026年11月5日
  2. 投資先で制度を決める:見積・入稿検査・DTP補助のソフトはデジタル化・AI導入補助金、カタログ掲載の汎用設備はカタログ注文型(随時受付)、個別設計の省力化ラインは一般型、訓練は人材開発支援助成金
  3. 研修は設計から作り直す:令和8年8月3日の改正で、汎用的なプロンプト研修やDX概念研修は助成対象外と整理された。受講者の職務と訓練内容を一対一で結ぶこと
  4. GビズIDプライムを先に取る:取得に期間を要するため、制度選びと並行して着手する

まず今日できるのは、自社の工程のどこに何時間かかっているかを、日報か工程管理システムから拾い出すことです。制度選びも事業計画も、その数字がないと組み立てられません。次に、設備を検討しているなら製品カタログを開いて、候補機種の登録有無を確認してください。

どの制度が自社に合うか判断がつかない、AI導入の計画そのものから整理したいという場合は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。申請書類の作成代行は行っていませんが、AI導入の計画策定と社内の進め方についてはご相談いただけます。申請手続きそのものについては、行政書士・社会保険労務士など有資格の専門家にご確認ください。

運営元 Uravation より助成金を使ってAI研修を進める場合に、対象者の選び方・カリキュラム・効果測定・申請準備で確認しておく項目を、無料のチェックリストにまとめています。 AI研修導入40項目チェックリストを受け取る(無料)

参考・公式情報

この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

免責事項
本記事の情報は2026年9月21日時点の各省庁・事務局の公表資料に基づく参考情報です。補助金・助成金の制度内容、公募スケジュール、補助率・上限額は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず各制度の公式サイトで最新の公募要領・支給要領をご確認ください。助成金・補助金の支給は要件審査を経て決まるものであり、支給を保証するものではありません。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

この制度についてAIに質問する 「【2026年9月】印刷業のA…」について、無料・登録不要でその場で質問できます
0 / 400文字

AIの回答は参考情報です。申請判断は公式情報・専門家にご確認ください。入力内容は保存されません(1人1日10問まで)。

Need help turning subsidy knowledge into action?

補助金を使ったAI導入を検討中の方へ

制度の最終適用可否は公募要領の確認が必要ですが、AI研修・PoC・導入計画の整理はUravationが無料相談でサポートしています。

この記事をシェア

X Facebook LINE