給与計算を締める直前、人事担当者が「このパート社員を正社員にすれば、キャリアアップ助成金の対象になるのでは」と気づく場面があります。
ところが制度資料を開くと、事業主の要件、労働者の要件、コースごとの条件が別々に書かれており、「結局、誰がもらえるのか」で手が止まりがちです。
そこで、キャリアアップ助成金は誰がもらえるのかを、2026年10月3日時点の厚生労働省資料に沿って、受給者と対象労働者を分けて整理します。
助成金を受給するのは、要件を満たして申請する事業主です。
有期雇用労働者、パート・アルバイト、派遣労働者などは、雇用形態やコース別要件を満たす場合の「取り組みの対象者」です。労働者本人の口座へキャリアアップ助成金が直接支給される制度ではありません。事業主側と労働者側の両方の要件を満たし、所定の期限内に申請して初めて支給審査の対象になります。
この記事でいう「対象」は、支給が約束されるという意味ではありません。厚生労働省のキャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)とキャリアアップ助成金Q&A(令和8年度)を基準に、申請候補になり得る範囲を示します。
受給者・対象事業主・対象労働者は別の言葉

最初に主語を切り分けると、制度の読み違いを減らせます。キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促す取り組みを行った事業主に対する雇用関係助成金です。
| 確認する立場 | 制度上の役割 | 代表的な確認事項 |
|---|---|---|
| 事業主 | 支給申請を行い、審査後に助成金を受給する主体 | 雇用保険適用事業所、計画、規程、記録、期限など |
| 労働者 | 正社員転換、賃金規定改定、制度導入などの対象 | 雇用形態、雇用期間、社会保険、親族関係、在籍状況など |
| 都道府県労働局 | 提出書類と実態を確認し、支給可否を審査 | 計画どおりの実施、賃金台帳、出勤簿、雇用契約書など |
取り組みを実施
支給申請・受給
転換・処遇改善
直接の受給者ではない
書類と実態を確認
支給可否を審査
たとえばパート社員本人が「自分は対象者だから申請したい」と考えても、本人単独では申請できません。雇用する事業主が制度に沿った計画と取り組みを行い、証拠書類をそろえて申請します。反対に、会社が共通要件を満たしていても、対象労働者が選んだコースの要件から外れれば、その労働者分は支給対象になりません。
会社側の5条件を満たさないと対象者がいても進めない

「対象になりそうなパート社員がいる」ことは入口にすぎません。まず事業主側で、次の共通条件を確認します。
| 共通チェック | 確認する内容 |
|---|---|
| 1. 雇用保険 | 雇用保険適用事業所の事業主であること |
| 2. 管理者 | 雇用保険適用事業所ごとにキャリアアップ管理者を置いていること |
| 3. キャリアアップ計画 | 有期雇用労働者等を含む事業所のすべての労働者の代表から意見を聴き、計画対象者の意見が反映されるようにしたうえで、計画期間を3年以上5年以内として作成し、取り組み実施日の前日までに管轄労働局長へ提出していること |
| 4. 記録 | 労働条件、勤務状況、賃金の支払い、賃金計算などを明らかにする書類を整備・保管していること |
| 5. 計画どおりの実施 | 計画期間内に取り組みを行い、申請時点でコース固有の要件を満たしていること |
これらは、厚生労働省の令和8年度版パンフレットに示された全コース共通の要件です。さらに、労働保険料の滞納、一定期間内の労働関係法令違反、不正受給への関与など、支給対象外事業主に該当しないことも必要です。細部はキャリアアップ助成金支給要領(令和8年4月8日付け)で確認します。
会社規模や法人格だけでは対象外にならない
キャリアアップ助成金は中小企業だけに限った制度ではありません。大企業も共通要件とコース別要件を満たせば対象候補になりますが、企業規模によって支給内容が異なります。また、法人格の種類だけで対象外になる制度でもありません。従業員を雇用し、雇用保険適用事業所として要件を満たすなら、個人事業主、NPO法人、医療法人、社会福祉法人なども申請主体になり得ます。一方、従業員を雇っていない個人事業主本人は、対象労働者にはなりません。
対象判定には二つの鍵がある
雇用保険・管理者・計画・記録・計画内実施
労働者の雇用区分・期間・処遇・在籍状況など
「雇用保険に入っている会社だから対象」「有期契約社員だから対象」と、一方だけで判断するのは危険です。支給申請までの手順は、キャリアアップ助成金の申請の流れと必要書類でも詳しく確認できます。
6コースを対象労働者から逆引き

2026年10月3日時点のキャリアアップ助成金は、正社員化支援の2コースと処遇改善支援の4コースで構成されています。対象になり得る人と取り組みの軸を先に並べると、コースを絞りやすくなります。
| コース | 主な対象労働者 | 取り組みの軸 |
|---|---|---|
| 正社員化コース | 有期雇用労働者等、一定の派遣労働者など | 正規雇用労働者等への転換・直接雇用 |
| 障害者正社員化コース | 一定の障害がある有期・無期雇用労働者 | 正規雇用または無期雇用への転換 |
| 賃金規定等改定コース | 賃金規定等の適用を受ける有期雇用労働者等 | 基本給を定める賃金規定等の増額改定 |
| 賃金規定等共通化コース | 正規雇用労働者と共通の賃金規定等を新たに適用する有期雇用労働者等 | 職務に応じた共通の賃金区分を整備・適用 |
| 賞与・退職金制度導入コース | 新設する賞与または退職金制度を適用する有期雇用労働者等 | 制度の新設と実際の支給・積み立て |
| 短時間労働者労働時間延長支援コース | 労働時間の延長などにより新たに社会保険の被保険者となる短時間労働者 | 週所定労働時間の延長と社会保険加入 |
- 正社員化コース
- 障害者正社員化コース
- 賃金規定等改定コース
- 賃金規定等共通化コース
- 賞与・退職金制度導入コース
- 短時間労働者労働時間延長支援コース
同じパート社員でも、「正社員へ転換する」のか、「非正規のまま賃金規定を改定する」のか、「労働時間を延ばして新たに社会保険へ加入する」のかで候補コースが変わります。名称が近くても要件は代替できないため、実施する前にコースを特定してください。
正社員化支援2コースは転換前の身分で分ける
正社員化コース:有期・無期の非正規雇用労働者など
正社員化コースの中心となる対象者は、原則として、賃金の額または計算方法が正規雇用労働者と異なる雇用区分の就業規則等の適用を通算6か月以上受けている有期・無期雇用労働者です。派遣先の同一組織単位で6か月以上継続して就業した派遣労働者を、派遣先が正規雇用労働者として直接雇用する場合なども対象になり得ます。厚生労働省が定める有期実習型訓練の修了者には別の扱いがあります。
ただし、「契約社員」「パート」という名称だけでは決まりません。正規雇用労働者として雇用することを約して雇い入れられた有期雇用労働者等は対象外です。これとは別に、新規学卒者で、申請事業主に雇い入れられた日から1年を経過していない人も対象外です。卒業前から学生アルバイト等として雇用していた場合は、卒業後から1年を経過しているかを確認します。事業主または取締役の3親等以内の親族、就労継続支援A型事業所の利用者なども対象になりません。定年までの期間や過去の雇用関係も確認が必要です。
各コースでは、支給申請日に所定の雇用区分が継続し、支給要領上の「離職」をしていないことが要件です。ただし、ここでいう「離職」からは、本人都合の離職、天災等により事業継続が困難となった場合、本人の責めに帰すべき理由による解雇が除かれます。申請前に退職している場合も一律に対象外とせず、退職時期と離職理由を確認してください。
事業主は、規程に定めた手続で転換し、転換後6か月間の賃金を転換前6か月間と比べて3%以上増額して支給するなど、コース固有の条件を満たします。対象者、転換方法、賃金比較の詳しい確認は、キャリアアップ助成金の正社員化コース解説も参照してください。
2026年10月1日以降の転換は賃金比較の扱いに注意
選択制確定拠出年金制度における「掛金運用額」は、正社員化コースの3%以上増額要件を確認する際、転換前後の比較賃金から除いて判定します。該当制度がある事業所は、最新Q&Aの計算例まで確認してください。
障害者正社員化コース:障害特性と転換区分を確認
障害者正社員化コースでは、身体障害者、知的障害者、精神障害者、発達障害者、難病患者、高次脳機能障害者など、パンフレットで定める労働者が対象候補です。有期雇用から正規雇用、有期雇用から無期雇用、無期雇用から正規雇用という転換区分があります。
障害があるという事実だけで決まるのではなく、転換前の雇用期間、転換後の雇用区分、事業主との親族関係、定年までの期間、支給申請日時点の雇用区分と離職理由などを確認します。対象となる障害に該当していても、就労継続支援A型事業所の利用者は対象労働者になりません。必要書類や対象となる障害の確認方法は、厚生労働省の障害者正社員化コース案内と、障害者正社員化コースの対象者・要件解説で確認できます。
賃金・社内制度を改善する3コースは雇用継続を見る

賃金や社内制度を改善する3コースでは、対象労働者が改定・導入の直前だけ雇用されていればよいわけではありません。実施日の前後にわたる継続雇用、実際の規程・制度の適用、支給申請日時点の雇用区分と支給要領上の「離職」該当性を確認します。
賃金規定等改定コース
有期雇用労働者等に適用する基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し、実際に適用した場合のコースです。対象者は、原則として改定日の3か月以上前から改定後6か月以上の期間、継続して雇用され、新しい賃金規定等の適用を受ける人です。改定日以降6か月間は、改定を行った事業所の雇用保険被保険者であることも必要です。基本給を上げる一方で合理的な理由なく定額の手当を減らすなど、処遇改善の実態が確認できない設計は避ける必要があります。
賃金規定等共通化コース
有期雇用労働者等について、正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定等を新たに作成し、適用するコースです。有期雇用労働者等と正規雇用労働者について、それぞれ3区分以上の賃金区分を設け、そのうち2区分以上を共通化します。対象となる有期雇用労働者等は、共通区分にいる正規雇用労働者と同等以上の区分へ格付けし、対応する時間当たりの基本給等も同額以上とする必要があります。対象者については、共通化日の3か月以上前から共通化後6か月以上の継続雇用と、共通化後6か月間の雇用保険加入も確認します。
賞与・退職金制度導入コース
有期雇用労働者等を対象とする賞与または退職金制度を新たに設け、就業規則等に明記し、対象者へ賞与を支給するか退職金の積み立てを行うコースです。規程を作っただけでは足りず、原則として、その事業主が雇用するすべての有期雇用労働者等を対象に制度を新設して実際に適用します。対象者は、新設日の3か月以上前から新設後6か月以上継続して雇用され、初回の賞与支給または退職金積み立て後6か月間、雇用保険被保険者であることが必要です。
3コースとも、対象労働者が事業主または取締役の3親等以内の親族でないこと、支給申請日に支給要領上の「離職」をしていないことなどの条件があります。ここでも本人都合の離職などは制度上の「離職」から除かれるため、退職の有無だけでなく理由まで確認します。コースごとに基準日や必要な雇用期間が異なるため、似た制度をまとめて判断しないでください。
社会保険加入を伴う短時間支援は旧コースと混同しない
現在は短時間労働者労働時間延長支援コースを確認する
短時間労働者労働時間延長支援コースは、週所定労働時間を延長するなどして、短時間労働者を新たに社会保険の被保険者とした事業主を支援するコースです。労働時間の延長が2時間以上5時間未満の場合は、延長時間に応じた基本給の増額も組み合わせます。
対象労働者については、週所定労働時間の延長等をした日と、新たに社会保険の被保険者とした日のいずれか早い日の6か月前から、継続して雇用されていることが必要です。さらに、新たに社会保険へ加入する日の前6か月間は社会保険の適用要件を満たしておらず、申請事業主の事業所で過去2年以内に社会保険へ加入していないこと、支給申請日に支給要領上の「離職」をしていないことなどを確認します。原則として、労働時間の延長等は、社会保険適用日の1か月前から適用後3か月が経過するまでの間に行います。単に社会保険へ加入しただけ、または契約時間だけを変更して実態が伴わない場合は判断できません。
社会保険適用時処遇改善コースは2026年3月31日で廃止
検索結果や過年度の記事には「社会保険適用時処遇改善コース」が残っていますが、このコースは2026年3月31日で廃止されました。2026年4月1日以降に新たな取り組みを始める場合は、旧コース名で計画しないでください。廃止前に取り組みを行った案件の経過措置に関する申請は別扱いなので、厚生労働省の社会保険適用時処遇改善コースの廃止案内を確認します。
旧コースの取り組み
経過措置の申請は個別確認
短時間労働者
労働時間延長支援コース
雇用形態別に見る「対象になり得る・確認が必要」

雇用形態の呼び名は入口の情報です。最終的には、雇用契約、就業規則、実際の勤務、賃金、社会保険の状況を突き合わせます。
| 人・雇用形態 | 考え方 | 主な確認点 |
|---|---|---|
| パート・アルバイト | 対象になり得る | 有期・無期の区分、適用規程、雇用期間、選ぶコース |
| 契約社員 | 対象になり得る | 正社員との雇用区分の違い、転換前の期間、事前の約束 |
| 派遣労働者 | 正社員化コースで対象になり得る | 同一組織単位で6か月以上の派遣就業、派遣先での直接雇用、転換後の条件 |
| 無期契約の非正規社員 | 対象になり得る | 無期契約でも正社員と異なる区分・処遇であるか |
| 新卒採用者 | 採用経緯と期間の確認が必要 | 当初から正社員採用を前提としていないか、雇入れからの期間 |
| 事業主・代表者本人 | 対象労働者にはならない | 労働者ではなく事業経営の主体であるため |
| 取締役 | 原則として慎重な確認が必要 | 労働者性、雇用保険の被保険者性、実際の指揮命令関係 |
| 事業主・取締役の親族 | コースの除外要件を確認 | 3親等以内か、対象労働者要件に抵触しないか |
| フリーランス・業務委託 | 対象労働者にはならない | 雇用契約ではなく、事業主に雇用される労働者ではないため |
特に「無期契約だから正社員」という思い込みには注意が必要です。期間の定めがないことと、正規雇用労働者としての雇用区分は同じ意味ではありません。反対に、肩書が契約社員でも、実態や社内規程が正社員と同一なら、転換前の対象区分を立証できないことがあります。
対象者判定を確定するための6つの照合
- 取り組み日を決める前に適用資料を確認する:最新Q&Aを確認するとともに、パンフレット、支給要領、申請様式は、原則として各コースの取り組み日に対応する版を選びます。申請が翌年度になる場合も、取り組み日と様式の対象期間を照合します。
- 事業主の共通要件を点検する:雇用保険適用、キャリアアップ管理者、労働関係帳簿、対象外事業主への該当有無を確認します。
- 実施する施策からコースを決める:正社員転換、賃金規定の改定、制度導入、労働時間延長など、実際の変更内容とコースを一致させます。
- 対象労働者を一人ずつ確認する:雇用契約書、労働条件通知書、就業規則、賃金台帳、出勤簿、雇用保険・社会保険の記録を照合します。
- 実施前に計画を提出する:キャリアアップ管理者を定め、労働者代表の意見を聴いた計画を、取り組み実施日の前日までに管轄労働局へ提出します。
- 規程どおりに実施し、期限内に申請する:転換や制度変更後の雇用・賃金支払いを証拠書類に残します。多くのコースでは6か月分の賃金支払い後、所定の申請期間内に支給申請します。
提出先や様式はキャリアアップ助成金の申請様式ページで確認できます。計画提出前に転換や規程改定を済ませると、後から書類を整えても要件を満たせない可能性があります。
対象に見えても止まる4つの落とし穴
労働者本人への給付だと思っている
誤解:正社員になった本人が国へ申請し、本人が受給する。
正しい整理:取り組みを行った事業主が申請・受給し、労働者は処遇改善の対象です。
転換後にキャリアアップ計画を出す
誤解:正社員への転換が終わってから計画を提出してもよい。
正しい整理:計画は取り組み実施日の前日までの提出が必要です。社内決裁や労働者代表からの意見聴取を含め、実施前に進めます。
契約書だけ書き換え、就業規則と運用が合っていない
誤解:雇用契約書に「正社員」と記載すれば正社員化コースを使える。
正しい整理:就業規則等に転換制度を定め、その手続に沿って転換し、転換後の処遇と勤務実態を証明できる必要があります。
古いコース名や様式を使い続ける
誤解:前年に保存した資料のまま手続きを進められる。
正しい整理:年度改正、Q&A更新、様式変更があるため、取り組み時点と申請時点の最新情報を公式ページで確認します。
よくある質問
Q1. キャリアアップ助成金は労働者本人がもらえますか?
いいえ。申請して受給するのは、要件を満たす事業主です。労働者本人は正社員転換や処遇改善の対象であり、助成金が本人へ直接振り込まれる制度ではありません。個別案件は管轄労働局または社会保険労務士へ確認してください。
Q2. パートやアルバイトは対象になりますか?
対象になり得ます。ただし、呼び名だけでは決まりません。有期・無期の雇用区分、雇用期間、適用される就業規則、選択するコースの固有要件を一人ずつ確認します。判断が難しい場合は管轄労働局または社会保険労務士へ相談してください。
Q3. 契約期間の定めがないパートは対象外ですか?
無期契約であることだけを理由に対象外とはいえません。正規雇用労働者とは異なる雇用区分で働く無期雇用労働者が対象になり得るコースがあります。社内規程と実態をそろえて、管轄労働局または社会保険労務士へ確認してください。
Q4. 派遣社員を直接雇用する場合も対象ですか?
派遣先が、同一組織単位で6か月以上継続して就業した派遣労働者を正規雇用労働者として直接雇用する場合は、正社員化コースの対象になり得ます。派遣期間や直接雇用後の条件を含め、事前に管轄労働局または社会保険労務士へ確認してください。
Q5. 個人事業主でも申請できますか?
従業員を雇用する雇用保険適用事業所の事業主で、共通要件とコース別要件を満たせば、個人事業主も申請主体になり得ます。ただし、個人事業主本人は対象労働者ではありません。事業所の適用状況は管轄労働局または社会保険労務士へ確認してください。
Q6. 社長の家族を正社員にした場合は対象ですか?
正社員化コースなどでは、事業主または取締役の3親等以内の親族が対象労働者から除かれる要件があります。名義上の関係だけでなく、対象者と役員の関係を確認し、管轄労働局または社会保険労務士へ相談してください。
Q7. 新卒で有期契約にした社員をすぐ正社員にすれば対象ですか?
新規学卒者で、申請事業主に雇い入れられた日から1年を経過していない人は、原則として正社員化コースの対象外です。当初から正規雇用労働者として雇用することを約して雇い入れた人も、これとは別の要件により対象外です。卒業前から雇用していた場合を含め、雇入れ日、卒業日、募集条件、採用時の約束を確認し、管轄労働局または社会保険労務士へ相談してください。
Q8. 会社が雇用保険に加入していれば申請できますか?
雇用保険適用事業所であることは共通要件の一つですが、それだけでは足りません。キャリアアップ管理者、計画の事前提出、帳簿の整備、計画期間内の実施、コース固有要件なども必要です。全条件を管轄労働局または社会保険労務士へ確認してください。
Q9. キャリアアップ計画は正社員転換後でも提出できますか?
対象となる取り組みの実施日の前日までに提出する必要があります。実施後の提出では要件を満たせません。転換日や規程改定日を決める前に、管轄労働局または社会保険労務士へ提出時期を確認してください。
Q10. 社会保険に加入させれば旧コースを使えますか?
社会保険適用時処遇改善コースは2026年3月31日で廃止されました。2026年4月1日以降の新たな取り組みは、短時間労働者労働時間延長支援コースなど現行制度の要件を確認します。経過措置を含む個別判断は管轄労働局または社会保険労務士へ相談してください。
Q11. 対象要件を満たせば支給は確定しますか?
確定しません。申請後、労働局が提出書類と実態を審査して支給可否を決定します。計画時点で候補に見えても、実施方法、賃金支払い、在籍状況、書類の不一致などで支給に至らない場合があります。実施前から管轄労働局または社会保険労務士へ確認してください。
運営元 Uravation より助成金を使ってAI研修を進める場合に、対象者の選び方・カリキュラム・効果測定・申請準備で確認しておく項目を、無料のチェックリストにまとめています。 AI研修導入40項目チェックリストを受け取る(無料)
参考・公式情報
- 厚生労働省「キャリアアップ助成金」(2026年10月3日参照)
- 厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和8年度版)」(2026年10月3日参照)
- 厚生労働省「キャリアアップ助成金Q&A(令和8年度)」(2026年10月3日参照)
- 厚生労働省「キャリアアップ助成金支給要領(令和8年4月8日付け)」(2026年10月3日参照)
- 厚生労働省「キャリアアップ助成金の申請様式」(2026年10月3日参照)
- 厚生労働省「障害者正社員化コース」(2026年10月3日参照)
- 厚生労働省「障害者正社員化コースのご案内(令和8年度版)」(2026年10月3日参照)
ここまでの要点
- キャリアアップ助成金を申請・受給するのは事業主であり、労働者本人への直接給付ではありません。
- 雇用保険適用事業所、キャリアアップ管理者、計画の事前提出、帳簿整備、計画内実施という事業主側の共通要件を先に確認します。
- 対象労働者は、パート・アルバイト・契約社員・一定の派遣労働者などですが、雇用形態の名称だけでは決まりません。
- 2026年度は正社員化支援2コース、処遇改善支援4コースの計6コースです。
- 社会保険適用時処遇改善コースは2026年3月31日で廃止され、現在の新規取り組みでは短時間労働者労働時間延長支援コースを確認します。
- 実施前に最新版の資料と様式をそろえ、対象者ごとに契約・規程・賃金・勤怠・保険記録を照合することが重要です。
対象者の整理が終わったら、申請準備は申請の流れと必要書類へ進んでください。ほかの補助金・助成金も含めて制度を比較したい場合は、中小企業向け補助金・助成金の比較も参考になります。
社内の対象者整理と人材育成計画を先に可視化
制度申請の前段となる雇用区分、育成対象、配置方針を整理したい企業には、補助金DXのAI・DX人材育成支援をご案内しています。助成金の支給可否の判断や申請手続を請け負うサービスではなく、研修設計と社内運用の整理をご相談いただけます。詳しくはUravationへのお問い合わせをご利用ください。
この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。
制度利用に関する注意
この記事は2026年10月3日時点の公表資料を基にした一般的な情報です。制度要件、様式、提出期限は改正されることがあり、個別事情によって判断も異なります。実施前に厚生労働省の最新資料を確認し、管轄の都道府県労働局または社会保険労務士へご相談ください。
