デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金。2026年から名称変更)の通常枠には、公募要領に明記された15の加点項目があります。クラウド製品の選定、賃上げ計画の表明、「IT戦略ナビwith」や「省力化ナビ」の実施、くるみん・えるぼし認定などが対象で、交付申請の審査で有利に働きます。このうち申請前の1〜2時間の作業で取れるものが複数ある一方、賃上げ系の加点は未達時のペナルティがあるため、取りに行くかどうかの見極めが重要です。
この記事では、事務局公表の加点項目一覧(2026年6月3日更新版)と通常枠公募要領(2026年5月15日改訂版)をもとに、加点項目の全体像と、申請までに実際に何をすればよいかを手順で整理します。「多くの方が迷うポイントですが、どれから手を付けるべきか」も優先順位を付けて解説します。
加点の前に押さえる制度の基本(2026年版)
まず前提として、デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠の基本情報を確認しておきましょう。加点の話は、この土台の上に乗るものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) |
| 所管・運営 | 中小企業庁/独立行政法人中小企業基盤整備機構(事務局運営: TOPPAN株式会社) |
| 補助率 | 1/2以内(賃金水準に関する特例に該当する場合は2/3以内 ※後述) |
| 補助額 | 5万円〜150万円未満(プロセス数1以上)/150万円〜450万円以下(プロセス数4以上) |
| 対象者 | 中小企業・小規模事業者等 |
| 対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入コンサルティング、導入設定・保守サポート等 |
| 直近の締切 | 第4次締切: 2026年8月25日(火)17:00(交付決定日: 2026年10月7日予定) |
| 申請方法 | IT導入支援事業者と共同で電子申請(GビズIDプライム必須) |
| 公式サイト | デジタル化・AI導入補助金2026(事務局) |
※ 上記は2026年7月26日時点の公表情報です。第5次以降のスケジュールは事務局サイトで随時更新されます。
2026年から旧「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。申請枠は通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型/電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠・複数者連携デジタル化・AI導入枠の5つです。本記事は最も申請の多い通常枠を中心に解説し、他の枠との違いは加点対応表で示します。
申請手続きの全体像は関連記事「デジタル化・AI導入補助金 4次締切8/25の申請手順」で詳しく解説しています。
そもそも加点項目とは何か — 審査のどこに効くのか
デジタル化・AI導入補助金の審査は、提出書類に基づく「事業面からの審査」「計画目標値の審査」「政策面からの審査」で行われます。公募要領では、政策面の審査事項として「生産性向上及び働き方改革を視野に入れ、国の推進する関連事業に取り組んでいるか」「賃金引上げに取り組んでいるか」などが明記されており、加点項目はここに直結します。
誤解されがちですが、加点は「取らないと落ちる」ものではありません。事業計画の中身(課題分析とITツールのマッチング、労働生産性の向上率)が審査の本体です。ただし、同水準の申請が並んだとき、加点の有無が結果を分けうる。だからこそ、低コストで取れる加点は確実に拾い、リスクのある加点は条件を理解したうえで判断するのが基本戦略になります。
注意が必要なのは、加点を受けて採択された後に加点要件を達成できなかった場合のペナルティです。公募要領には、効果報告で未達が報告されてから18カ月の間、中小企業庁が所管する補助金(ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金など)への申請で大幅に減点すると明記されています。また、賃金引上げ計画を従業員に表明したと申告したのに実際には表明していなかった場合は、交付決定の取消し対象です。加点は「盛れるだけ盛る」ものではない、という点は最初に押さえておきましょう。
加点項目の全体像 — 枠別対応表(公式一覧ベース)
事務局が公表している「加点項目一覧」(2026年6月3日更新)では、どの申請枠でどの加点が使えるかが整理されています。通常枠を中心にまとめると次のとおりです。
| 加点項目 | 通常枠 | インボイス枠 (インボイス対応類型) |
インボイス枠 (電子取引類型) |
セキュリティ対策 推進枠 |
|---|---|---|---|---|
| クラウドを利用したITツール導入の検討 | ○ | |||
| インボイス対応ITツール導入の検討 | ○ | |||
| 賃上げの事業計画の策定・従業員への表明・達成 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 最低賃金に関する状況 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 国の推進するセキュリティサービスの選定 | ○ | ○ | ||
| SECURITY ACTION「★★二つ星」宣言 | ○ | |||
| 「IT戦略ナビwith」の実施(デジwith) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 健康経営優良法人2026 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| くるみん・えるぼし認定 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 成長加速マッチングサービスへの登録 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 省力化ナビの活用 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| デジタル化セカンドオピニオンの取り組み(第3回公募〜) | ○ |
※ 事務局「加点項目一覧」(2026年6月3日更新版)をもとに作成。このほかインボイス枠(インボイス対応類型)には「実績報告日までのインボイス登録」「決済機能を有するクラウド製品の選定」「スマートレジの選定」の固有加点があります。複数者連携デジタル化・AI導入枠には、地域の生産性向上・データのオープン化・自治体等との連携といった取り組み内容ベースの加点が別途設定されています。
ここからは、通常枠の公募要領(3-3「交付申請の審査」)に列挙された15の加点項目を、性質ごとに分けて中身を見ていきます。
通常枠15の加点項目を分解する
ITツールの選び方で決まる加点(項目1〜3)
公募要領の加点項目1)〜3)は、導入するITツールそのものの性質に関するものです。
- 1) クラウド製品の選定 — 導入するITツールとしてクラウド製品を選定していること
- 2) 「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の選定 — 国が推進するセキュリティサービスを選定していること
- 3) インボイス制度対応製品の選定 — インボイス対応のITツールを選定していること
これらは追加の手続きが不要で、ツール選定の段階でIT導入支援事業者と相談すれば取れる加点です。オンプレミス型とクラウド型で迷っているなら、加点の観点ではクラウド型が有利になります。もっとも、加点のために業務に合わないツールを選ぶのは本末転倒です。あくまで「同等の候補が複数あるならクラウド・インボイス対応を優先する」という使い方をしましょう。
賃上げ関連の加点(項目5〜8・14・15)— 効果が大きい分、条件が細かい
賃上げ関連は加点の中でも中心的な位置付けですが、申請額とこれまでの交付決定歴によって「必須要件」になるか「加点項目」になるかが変わります。ここが通常枠で一番ややこしいところです。整理すると次のようになります。
| 申請パターン | 賃上げ目標の扱い | 求められる水準 |
|---|---|---|
| 150万円未満・初めての申請 (IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けていない) |
加点項目(任意) | 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上/1人当たり給与支給総額の年平均成長率3%以上/賃金引上げ計画の従業員への表明 |
| 150万円未満・過去に交付決定あり (IT導入補助金2022〜2025) |
必須要件 | 同+30円以上/年平均成長率3.5%以上/従業員への表明 |
| 150万円以上・初めての申請 | +30円・3%水準は必須要件。加点はさらに上の水準 | 加点を得るには事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上に |
| 150万円以上・過去に交付決定あり | +30円・3.5%水準は必須要件。加点はさらに上の水準 | 加点を得るには同+50円以上に |
※ 通常枠公募要領(2026年5月15日改訂版)の申請要件(テ)(ト)(ナ)および加点項目5)〜8)をもとに作成。いずれも「交付申請時点の翌事業年度以降3年間の事業計画」を策定・実行することが前提です。年平均成長率の3%は「日本銀行が定める物価安定の目標+1%」、3.5%は「同+1.5%」という位置付けが公募要領に明記されています。
さらに、賃金の「現状」に関する加点が2つあります。
- 14) 最低賃金近傍で雇用している事業者への加点 — 令和6年10月から令和7年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜令和7年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上あること。この条件は補助率が1/2から2/3に引き上がる特例の条件と同じです。最低賃金引上げの影響を強く受ける事業者を支援する趣旨で、該当するなら加点と補助率アップの両方が得られます。
- 15) 事業場内最低賃金の引上げ実績 — 交付申請の直近月における事業場内最低賃金を、令和7年7月の事業場内最低賃金+63円以上の水準にしていること。すでに賃上げを実行済みの事業者への加点です。
正直に言うと、賃上げ加点は「取れれば強いが、軽い気持ちで書くと危ない」項目です。未達時のペナルティ(18カ月の他補助金減点)と表明虚偽の交付決定取消しがあるため、3年間の給与計画として実行できる場合にだけ選択してください。1人当たり給与支給総額の算定には非常勤を含む全従業員が対象になる(役員報酬・退職金等は除く)など計算ルールも細かいので、公募要領の該当箇所を必ず読み込みましょう。
申請前の「行動」で取れる加点(項目9・12・13)— まずここから
意外と知られていませんが、通常枠の加点には「申請前に特定のサービスを使った事実」で取れるものが3つあります。費用はかからず、いずれもGビズIDプライムがあれば進められます。
- 9) 「IT戦略ナビwith」の実施 — 中小機構のデジタル化支援ポータルサイト「デジwith」内の診断ツール「IT戦略ナビwith」を交付申請前に実施していること。実施時に本事業の申請に用いるGビズIDプライムを入力し、実施結果(IT戦略マップ)が表示されたものを交付申請時に添付する必要があります。
- 12) 成長加速マッチングサービスへの登録 — 交付申請締切日時点で、中小企業庁「成長加速マッチングサービス」に会員登録し、挑戦課題を登録していること。登録した課題のステータスが「掲載中」になっていることが確認できた場合のみ加点されます。下書き保存のままでは対象外なので注意しましょう。
- 13) 省力化ナビの活用 — 交付申請締切日時点で、中小機構「省力化ナビ」を活用し、「解決策」のPDFをダウンロードすることにより生産性向上の知見を確認していること。こちらも活用時に申請に用いるGビズIDプライムの入力が必要です。2026年5月15日の公募要領改訂で「解決策PDFのダウンロード」まで要件として明確化されました。単にサイトを閲覧しただけでは足りません。
この3つは、要するに「国の支援ツールを実際に使って自社のデジタル化を考えた」ことを評価する加点です。診断の過程で自社の課題が整理されるため、事業計画の記述にもそのまま活きます。加点のためというより、申請準備の一環としてやっておいて損がありません。
認定・表彰で取れる加点(項目10・11)— 今からでは間に合わない場合も
- 10) 健康経営優良法人2026 — 令和7年度に「健康経営優良法人2026」に認定された事業者であること。
- 11) くるみん・えるぼし認定 — 交付申請時点で、女性活躍推進法に基づく認定(えるぼし1段階目〜3段階目またはプラチナえるぼし)、あるいは次世代育成支援対策推進法に基づく認定(くるみん、トライくるみんまたはプラチナくるみん)のいずれかを受けていること。
これらは既に認定を持っている企業がそのまま使える加点です。一方、認定の申請から取得までには数カ月単位の期間がかかるため、直近の締切(第4次: 2026年8月25日)に向けて今から新規取得するのは現実的ではありません。持っていれば申請書類に反映し、持っていなければ他の加点に注力する、という判断になります。中長期的には、これらの認定は他の補助金・助成金でも加点や要件として登場するため、来年度以降を見据えて取得を検討する価値はあります。
デジタル化セカンドオピニオン(項目4)— 第3回公募から新設
2026年5月15日の公募要領改訂で追加された最も新しい加点が「デジタル化セカンドオピニオン」です。公募要領には次のように書かれています。
- 交付申請時点までに、デジタル化セカンドオピニオンの取組みを実施していること(第3回公募回より加点措置を実施)
- 確認者との面談が完了したうえで交付申請を提出すること
- 詳細は事務局が公開するデジタル化セカンドオピニオンに関するマニュアルを参照すること
IT導入支援事業者(=ツールの売り手)とは別の第三者から、導入計画について客観的な確認を受ける仕組みです。面談の予約から完了までに時間を要する可能性があるため、狙う場合は締切から逆算して早めに動く必要があります。実施手順や確認者の詳細は事務局公開のマニュアルで最新情報を確認してください。
申請までの加点取得ロードマップ — 何をどの順でやるか
ここまでの内容を、第4次締切(2026年8月25日17:00)を例にした実務の手順に落とし込みます。筆者がAI導入の計画策定を支援する中でも、加点対応はこの順番で進めるのが最も効率的だと感じています。
Step 1: GビズIDプライムの確認(未取得なら最優先・目安1〜2週間)
加点項目9・12・13はいずれもGビズIDプライムの入力が前提です。申請自体にも必須なので、未取得ならここが最初のボトルネックになります。発行までの期間を考えると、締切1カ月前には申請しておきたいところです。
Step 2: 無料で取れる「行動系」加点を片付ける(目安: 半日)
IT戦略ナビwithの実施(IT戦略マップの保存)、省力化ナビでの「解決策」PDFダウンロード、成長加速マッチングサービスの会員登録と挑戦課題の登録(「掲載中」まで)。この3つは費用ゼロで、着手した日のうちに終わらせることも可能です。それぞれ、GビズIDプライムを入力したか・成果物(IT戦略マップ、PDF)を保存したか・課題が「掲載中」になったかを証跡として確認しておきましょう。
Step 3: ITツール選定で加点を織り込む(IT導入支援事業者と相談)
クラウド製品・インボイス対応製品・サイバーセキュリティお助け隊サービスの選定は、IT導入支援事業者との打ち合わせで決まります。候補ツールが複数あるなら、この段階で「加点対象かどうか」を確認事項に加えてください。デジタル化・AI導入補助金2026ではAI機能を含むITツールの導入が制度の主眼になっているため、AI搭載ツールを軸に据えつつ、クラウド・インボイス対応を満たす構成が定石です。
Step 4: 賃上げ加点を取るかどうかを経営判断する
ここが最大の分岐点です。3年間の事業計画期間で「地域別最低賃金+30円(150万円以上の加点なら+50円)」「1人当たり給与支給総額の年平均成長率3%(リピーターは3.5%)」を実行できるか、資金繰りを含めて検討します。達成できなかった場合は18カ月間の他補助金減点というペナルティがあること、従業員への表明が必要なことを踏まえ、無理のある計画なら賃上げ加点は見送るのが健全です。なお、項目14(最低賃金近傍の従業員が30%以上)に該当する事業者は、申告するだけで加点と補助率2/3特例の両方が得られるため、賃金台帳で該当状況を必ず確認しましょう。
Step 5: セカンドオピニオン・認定系は時間との相談
デジタル化セカンドオピニオンは確認者との面談完了が条件のため、締切2〜3週間前からの着手では間に合わないリスクがあります。くるみん・えるぼし・健康経営優良法人は既得の認定があれば反映し、なければ次年度以降の取得計画に回します。
Step 6: 加点の証跡を揃えて交付申請へ
最後に、選択した加点項目ごとに証跡(IT戦略マップの添付、掲載中ステータス、賃金引上げ計画の表明書面など)を揃えて交付申請に進みます。加点の申告内容と実態がズレていると、採択後に交付決定取消しや返還のリスクになります。提出前にIT導入支援事業者とダブルチェックしてください。
加点で失敗する4つのパターン
加点対応の支援現場でよく見る失敗を、対策とセットで挙げます。
- 失敗1: 達成できない賃上げ計画で加点を取ってしまう
❌ 「加点になるから」と年平均3%の給与成長を深く検討せずに申告する
⭕ 3年分の人件費シミュレーションを作り、実行可能な場合のみ選択する
未達なら18カ月間、ものづくり補助金や持続化補助金など中小企業庁所管の補助金審査で大幅減点されます。目先の加点のために将来の選択肢を失うのは割に合いません。 - 失敗2: 「サイトを見ただけ」で省力化ナビ加点を申告する
❌ 省力化ナビを閲覧しただけで加点要件を満たしたと思い込む
⭕ GビズIDプライムを入力したうえで「解決策」のPDFをダウンロードするところまで完了させる
2026年5月の公募要領改訂で要件が「解決策PDFのダウンロード」と明確化されました。IT戦略ナビwithも同様に、IT戦略マップの表示・添付まで必要です。 - 失敗3: 成長加速マッチングサービスの課題が「掲載中」になっていない
❌ 会員登録だけ済ませて課題登録が下書きのまま締切を迎える
⭕ 交付申請締切日時点で課題ステータスが「掲載中」であることを画面で確認する
公募要領には「掲載中」の課題を確認できた場合のみ加点と明記されています。 - 失敗4: 過去の交付決定歴を見落として要件を取り違える
❌ IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けたことを忘れ、賃上げを「任意の加点」と誤解する
⭕ 過去の交付決定歴を確認し、リピーターは賃上げ(3.5%水準)が必須要件になることを前提に計画する
さらに、過去の交付決定歴自体が減点措置の対象になる点も次の章で説明します。
加点だけでなく「減点措置」も知っておく
通常枠の公募要領には、加点と対になる減点措置も定められています。該当する場合は審査上マイナスからのスタートになるため、事業計画の質でカバーする戦略が必要です。
- IT導入補助金2022〜2025の間に交付決定を受けた事業者
- デジタル化・AI導入補助金2026のインボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)で申請中または交付決定を受けた事業者(同一機能のITツールを導入する場合はさらに減点)
- IT導入補助金2024または2025で交付決定を受けたソフトウェアと、今回導入するソフトウェアのプロセスが重複する事業者(プロセスが完全に一致する場合は不採択)
- IT導入補助金2024以降で賃上げ加点を受けて採択されたのに加点要件を達成できなかった事業者
- 中小企業庁所管の他補助金(ものづくり補助金第17次以降、持続化補助金第15回以降など)で賃上げ加点を受けて採択されたのに未達だった事業者
リピーター申請は「賃上げ必須要件の水準アップ+減点措置」という二重のハンデを背負います。2回目以降の申請では、前回と異なるプロセスのツールを選ぶこと、加点をより厚めに積むことが実務上のポイントになります。不採択後の立て直し方は「デジタル化・AI導入補助金に不採択だったら|原因と再申請の立て直し方」も参考にしてください。
また、加点・減点の先にある「どんな申請が実際に採択されているか」は、第1次締切分の採択発表(中小企業庁・2026年6月18日公表)の分析記事「デジタル化AI補助金 採択事例分析」で扱っています。あわせて読むと、加点をどこまで積むべきかの相場観がつかめるはずです。
よくある質問
Q. 加点項目はいくつ取れば採択されますか?
公募要領には各加点の点数配分や「何個で採択」という基準は公表されていません。採択は事業計画全体の審査で決まるため、加点数だけで結果を保証することはできません。方針としては、無料・低リスクの加点(クラウド選定、IT戦略ナビwith、省力化ナビ、成長加速マッチング)を確実に取り、賃上げ系は実行可能性で判断するのが現実的です。
Q. 賃上げ加点を選んで未達だったら補助金は返還になりますか?
通常枠では、150万円以上の申請で必須要件となる賃上げ目標(事業場内最低賃金・給与支給総額)が未達の場合、公募要領に基づき補助金の全部または一部の返還が求められる場合があります(未達の年度に応じて返還率が変わる仕組みが例示されています)。加点として選択した場合も、未達なら18カ月間の他補助金審査での大幅減点があります。詳細な適用条件は必ず公募要領本文で確認してください。
Q. デジタル化セカンドオピニオンはどの枠で使えますか?
事務局の加点項目一覧(2026年6月3日更新版)では通常枠のみが対象です。第3回公募回から加点措置が始まった新しい項目のため、実施手順は事務局公開のマニュアルで最新情報を確認してください。
Q. 旧IT導入補助金の加点情報を参考にしてもいいですか?
制度の骨格は引き継がれていますが、2026年は省力化ナビの要件明確化やデジタル化セカンドオピニオンの新設など、公募要領の改訂が年度内にも行われています。必ず「デジタル化・AI導入補助金2026」の最新の公募要領・加点項目一覧を一次情報として確認してください。
参考・出典
- デジタル化・AI導入補助金2026 加点項目一覧(2026年6月3日更新) — デジタル化・AI導入補助金2026事務局(参照日: 2026-07-26)
- デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(2026年5月15日改訂版) — デジタル化・AI導入補助金2026事務局(参照日: 2026-07-26)
- 通常枠|デジタル化・AI導入補助金2026 — 事務局公式サイト(参照日: 2026-07-26)
- スケジュール|デジタル化・AI導入補助金2026 — 事務局公式サイト(参照日: 2026-07-26)
- デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領を公開しました — 中小企業庁(参照日: 2026-07-26)
加点の整理はできたものの、「そもそもどのAIツールを入れれば生産性が上がるのか」「事業計画の数値目標をどう組み立てるか」で手が止まる方も多いはずです。AI導入の計画策定やツール選定の考え方についてのご質問は、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。
免責事項
本記事の情報は2026年7月26日時点の中小企業庁・デジタル化・AI導入補助金2026事務局の公表資料(公募要領2026年5月15日改訂版、加点項目一覧2026年6月3日更新版)に基づく参考情報です。補助金の制度内容・加点項目は公募回ごとに変更される場合があります。申請にあたっては、必ず公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。
