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資格取得の補助金・給付金6制度|個人と会社で比較【2026年9月】

資格取得の補助金・給付金6制度|個人と会社で比較【2026年9月】

この記事の結論

資格取得に使える補助金・給付金を個人と会社の両方から比較。教育訓練給付金は受講費用の20〜80%、人材開発支援助成金は経費の45〜85%。2026年9月28日時点の公式情報で給付率・上限・対象資格・申請先を整理します。

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資格を取りたいのですが、費用を補助してくれる制度はありますか。

あります。本人が申請するなら雇用保険の教育訓練給付金で受講費用の20〜80%、会社が従業員に取らせるなら人材開発支援助成金で訓練経費の45〜85%が助成対象です(いずれも2026年9月28日時点、要件を満たした場合の率)。

ただ、この2つを並べて「どっちが得か」と考えるのは一番の遠回りです。資格取得の支援制度は金額で分かれているのではなく、誰が申請者になるかで別系統に分かれています。本人ならハローワーク、会社なら都道府県労働局。窓口だけでなく、申請期限も、対象になる費用の範囲も、受験料が見てもらえるかどうかまで入れ替わります。以下、2026年9月28日時点で公表されている国の制度6つと自治体の実例3つを、同じ軸で並べていきます。

支給額の上限は、制度ごとにここまで違う

支給額の上限は、制度ごとにここまで違う
支給額の上限は、制度ごとにここまで違う

まず全体像です。国の制度は6つあり、そのうち5つは本人が申請し、1つは会社が申請します。給付率だけ見ると専門実践教育訓練給付金の80%が目立ちますが、これは「資格を取って就職して、さらに賃金が5%以上上がった」ところまで到達した場合の合計値です。素の給付率は50%です。

図1|資格取得に使える国の制度6つを同じ軸で比較(2026年9月28日時点)
制度名 申請するのは 給付率・助成率 上限額 対象となる資格・講座の例 申請先
一般教育訓練給付金 本人 20% 10万円 宅地建物取引士、社会保険労務士、税理士、簿記検定、大型自動車、建設機械運転、介護福祉士実務者養成研修、介護職員初任者研修、Webクリエイター、CAD利用技術者試験、TOEIC など 住居所を管轄するハローワーク
特定一般教育訓練給付金 本人 40%(資格等を取得し訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は50%) 20万円(50%適用時は25万円) 介護支援専門員実務研修、介護職員初任者研修、特定行為研修、大型自動車第一種・第二種免許、ITSSレベル2の情報通信技術関係資格 など 住居所を管轄するハローワーク
専門実践教育訓練給付金 本人 50%/資格等を取得し1年以内に被保険者として雇用されると70%/さらに賃金が5%以上上昇すると80% 年40万円/年56万円/年64万円 介護福祉士、看護師・准看護師、美容師、社会福祉士、歯科衛生士、保育士、調理師、精神保健福祉士、はり師、第四次産業革命スキル習得講座、ITSSレベル3以上の資格、専門職大学院(MBA・法科大学院・教職大学院など) 住居所を管轄するハローワーク
教育訓練休暇給付金 本人 失業給付(基本手当)に相当する給付として賃金の一定割合 金額はハローワークで確認 就業規則等に基づき連続した30日以上の無給の教育訓練休暇を取得して受ける訓練 住居所を管轄するハローワーク
求職者支援制度(求職者支援訓練+職業訓練受講給付金) 本人 受講料は原則無料(テキスト代等は自己負担)。生活支援として月10万円+通所手当+寄宿手当 訓練期間は2〜6か月 厚生労働大臣の認定を受けた基礎コース・実践コース ハローワーク
人材開発支援助成金(人材育成支援コース・人材育成訓練) 会社(事業主) 経費助成45%(大企業30%)、有期契約労働者等は70%。賃金要件または資格等手当要件を満たすと+15%。賃金助成は1人1時間あたり800円(大企業400円)、要件充足で+200円(大企業+100円) 1労働者1訓練あたり10時間以上100時間未満15万円/100時間以上200時間未満30万円/200時間以上50万円(大企業は10万円・20万円・30万円)。1事業所あたり一の年度1,000万円 職務に関連した専門的な知識・技能を習得させる10時間以上のOFF-JT。専門実践教育訓練の指定講座は一律「200時間以上」の区分 各都道府県労働局

同じ厚生労働省の制度なのに、本人申請はすべてハローワーク、会社申請は都道府県労働局と窓口が分かれています。本人側の3つ(一般・特定一般・専門実践)は、どれも「厚生労働大臣が指定した講座を受講・修了すること」が前提です。対象講座は約17,000講座あり、オンラインや夜間・土日に受講できるものも含まれます。

制度の全体地図をもう少し広く押さえたい方は、リスキリング助成金・補助金とは?企業と個人の全体地図も合わせて読んでみてください。資格取得に限らない学び直し支援の見取り図になっています。

金額の前に決まるのは「誰が申請者になるか」

金額の前に決まるのは「誰が申請者になるか」
金額の前に決まるのは「誰が申請者になるか」

分岐はシンプルです。受講費用を自分の財布から出すなら本人ルート、会社が出すなら会社ルート。両方から同じ費用を取ることはできません。人材開発支援助成金は、対象労働者に訓練経費を一部でも負担させている場合、賃金助成を含めて不支給になると明記されています(育児休業中訓練を除く)。「会社が半分出して、残り半分で本人が教育訓練給付金を申請する」という折衷案は成立しない、ということです。

図2|申請者の立場から見た、使う制度と最初の一手
あなたの状況 使う制度 窓口 最初にやること
会社員で、自分の意思・自分の費用で資格を取る 教育訓練給付金(一般/特定一般/専門実践) 住居所を管轄するハローワーク 受けたい講座が厚生労働大臣の指定講座かを教育訓練給付制度の検索システムで確認する
会社の計画と費用負担で、従業員に資格を取らせる 人材開発支援助成金(人材育成支援コース) 各都道府県労働局 社内の職業能力開発推進者を選任し、事業内職業能力開発計画を策定する
離職して1年以内で、雇用保険の加入期間が足りている 教育訓練給付金 住居所を管轄するハローワーク 離職日の翌日から受講開始日までが1年以内に収まるかを確認する
雇用保険を受給できない、または加入期間が足りない 求職者支援制度(求職者支援訓練+職業訓練受講給付金) ハローワーク ハローワークで職業相談を受け、受講申込用紙の交付を受ける
就業規則等に基づき連続30日以上の無給の教育訓練休暇を取る 教育訓練休暇給付金 住居所を管轄するハローワーク 勤務先の就業規則に教育訓練休暇の規定があるかを確認する
運送業・建設業・製造業などで、市区町村の制度も併せて探したい 自治体の資格取得助成(例:千葉市資格取得支援補助金) 自治体の担当課(千葉市の場合は経済農政局経済部雇用推進課) 事業所が所在する自治体の産業・雇用担当課のページを確認する

自分の行がひとつに絞れたら、あとは読む場所が決まります。以降のセクションはこの分岐に沿って並べています。

本人が申請するルート:教育訓練給付金の3区分と対象資格

本人が申請するルート:教育訓練給付金の3区分と対象資格
本人が申請するルート:教育訓練給付金の3区分と対象資格

教育訓練給付金は、雇用保険法第10条第5項で「教育訓練給付」として定められた失業等給付のひとつです。訓練のレベルに応じて3種類に分かれ、それぞれ給付率が違います。

一般教育訓練:20%・上限10万円。士業や運転免許系が中心

もっとも間口が広い区分です。受講費用の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給されます。対象講座には宅地建物取引士、社会保険労務士、税理士、簿記検定、TOEIC、Webクリエイター、CAD利用技術者試験、大型自動車、建設機械運転、介護福祉士実務者養成研修、介護職員初任者研修などが挙げられ、修士・博士の学位取得を目標とする大学院の課程も含まれます。

注意点がひとつ。支給額が4千円を超えない場合は支給されません。給付率20%から逆算すると、受講費用が2万円ほどに届かない講座は対象外という計算です。数千円のオンライン講座をこの制度で拾うことはできません。

特定一般教育訓練:40%、就職まで進めば50%

一般よりも労働市場での効果が高いと位置づけられた区分で、受講費用の40%(上限20万円)が支給されます。さらに、資格等を取得し、訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は50%(上限25万円)まで上がります。

対象講座は、介護支援専門員実務研修、介護職員初任者研修、特定行為研修、大型自動車第一種・第二種免許、ITSSレベル2の情報通信技術関係資格の取得を目標とする講座などです。大型免許を取って運送会社に転職する、という進み方はこの追加給付と相性が良い形になっています。

専門実践教育訓練:50%、条件を積み上げて最大80%

もっとも手厚い区分です。基本は受講費用の50%(年間上限40万円)。ここに2段階の上乗せがあります。

  • 資格等を取得し、訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合 → 70%(年間上限56万円)
  • 上記に加えて、訓練前後で賃金が5%以上上昇した場合 → 80%(年間上限64万円)

対象は業務独占資格などの取得を目標とする講座が中心で、介護福祉士、看護師・准看護師、美容師、社会福祉士、歯科衛生士、保育士、調理師、精神保健福祉士、はり師。デジタル関係では第四次産業革命スキル習得講座(経済産業大臣認定)とITSSレベル3以上の情報通信技術関係資格。大学院・大学の課程では専門職大学院(法科大学院、教職大学院、MBAなど)や職業実践力育成プログラム(文部科学大臣認定)が含まれます。厚生労働省が令和8年8月6日に公表した指定講座情報では、令和8年10月1日時点の給付対象講座は3,485講座(うち新規指定138講座、再指定483講座)です。自分が受けたい講座が入っているかは、講座名ではなく指定講座の一覧で確かめてください。

AI・DX系のスキル習得に教育訓練給付金を使う場合の講座の探し方は、教育訓練給付金でAI・DXスキルを習得する完全ガイドで第四次産業革命スキル習得講座まで踏み込んで整理しています。

どの区分でも共通する、雇用保険の加入期間

3区分に共通する前提が雇用保険の加入期間です。初めて教育訓練給付金を受ける場合、加入期間が1年以上(専門実践教育訓練は2年以上)必要です。2回目以降は、前回の受講開始日以降の加入期間が3年以上あり、かつ前回の支給日から今回の受講開始日までに3年以上経過していることの両方を満たす必要があります。

離職者の場合は、雇用保険の資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内。妊娠、出産、育児、疾病、負傷などの理由で適用対象期間の延長を行った場合は最大20年以内まで延びます。パート・アルバイトや派遣労働者も対象です。

雇用保険の加入期間が足りないときの受け皿

「加入期間1年以上」に届かない人、あるいは雇用保険を受給できない人には別の入口があります。

求職者支援制度は、再就職・転職・スキルアップを目指す人が無料の職業訓練を受けられる制度です。受講料は原則無料で、テキスト代等は自己負担。厚生労働大臣の認定を受けた民間訓練機関が実施する基礎コース・実践コースがあり、訓練期間は2〜6か月です。一定の要件を満たすと、訓練期間中に月10万円の職業訓練受講給付金に加えて通所手当・寄宿手当が支給されます。

もうひとつ、教育訓練休暇給付金という制度もあります。一定の条件を満たす雇用保険の一般被保険者が、就業規則等に基づき連続した30日以上の無給の教育訓練休暇を取得する場合に、失業給付(基本手当)に相当する給付として賃金の一定割合が支給されるものです。手続きは住居所を管轄するハローワークで行います。働きながら長期の講座に通うのは難しい、でも辞めるわけにもいかない、という状況を想定した制度ですね。金額の詳細は厚生労働省のページでは示されていないため、ハローワークで自分の条件をもとに確認してください。

会社が申請するルート:人材開発支援助成金(人材育成支援コース)

会社が申請するルート:人材開発支援助成金(人材育成支援コース)
会社が申請するルート:人材開発支援助成金(人材育成支援コース)

ここから会社側です。人材開発支援助成金は、事業主が雇用する労働者に職務に関連した専門的な知識・技能を習得させる職業訓練等を、計画に沿って実施した場合に訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。7つのコースがあり、資格取得のための研修でまず検討するのは人材育成支援コースの「人材育成訓練」です。

助成率と、1人あたりの経費助成限度額

人材育成訓練の経費助成率は、正規雇用労働者等が45%(大企業30%)、有期契約労働者等が70%。賃金助成は1人1時間あたり800円(大企業400円)です。

そして、1労働者1訓練あたりの経費助成限度額は訓練時間数で3段階に分かれます。

  • 10時間以上100時間未満:中小企業15万円(大企業10万円)
  • 100時間以上200時間未満:中小企業30万円(大企業20万円)
  • 200時間以上:中小企業50万円(大企業30万円)

eラーニングおよび通信制による訓練等(標準学習時間が定められているものを除く)は一律「10時間以上100時間未満」の区分、逆に専門実践教育訓練の指定講座の訓練は一律「200時間以上」の区分です。つまり会社が費用を負担して従業員に専門実践教育訓練の指定講座を受けさせると、時間数の実績にかかわらず上限50万円の区分で扱われます。知らないと取りこぼしやすいポイントです。

1事業所あたりの支給限度額は一の年度1,000万円、1労働者の一の年度あたりの支給申請回数は3回まで。賃金助成の対象時間数の上限は1労働者1訓練あたり1,200時間(専門実践教育訓練は1,600時間)です。

資格取得と直結する「資格等手当要件」

この助成金には、率を上げる加算の仕組みがふたつあります。資格取得を進める会社にとって効くのは後者です。

  • 賃金要件:訓練修了後に行う訓練受講者の賃金改定前後を比較して5%以上上昇している場合
  • 資格等手当要件:資格等手当の支払を就業規則等に規定した上で、訓練修了後に訓練受講者へ当該手当を支払い、かつ手当の支払い前後の賃金を比較して3%以上上昇している場合

どちらかを満たすと経費助成率に+15%、賃金助成額に1人1時間あたり+200円(大企業+100円)が加算されます。正規雇用労働者等なら45%+15%で60%、有期契約労働者等なら70%+15%で85%です。

読み替えると、「資格手当の規定を就業規則に入れて、取得者に実際に払う」ことが助成率の上積みにつながる設計です。ただし賃金の上昇幅(3%)まで条件になっているので、手当の額を形だけ小さく置くと要件に届かない可能性があります。

手続きの順番と期限

会社ルートでもっとも事故が多いのが順番です。

  1. 申請の前提:社内の職業能力開発推進者の選任と、事業内職業能力開発計画の策定
  2. 訓練計画の提出:職業訓練実施計画届(様式第1-1号)などを、訓練開始日から起算して6か月前から1か月前までの間に各都道府県労働局へ提出(申請手続きは雇用保険適用事業所単位)
  3. 訓練の実施:訓練に係る費用は支給申請までに支払い終えている必要があります
  4. 支給申請:訓練終了日の翌日から起算して2か月以内に支給申請書(様式第4-1号)と必要書類を労働局へ提出
  5. 支給決定または不支給決定:審査を経て決定(審査には時間を要します)

計画届を提出したことをもって助成金が確実に支給されるものではない、とパンフレットにも明記されています。令和7年度以降は、支給または不支給の決定に係る審査が支給申請後に一括して行われる運用です。

コースの選び方や他コースとの比較は、人材開発支援助成金とは?コース一覧・助成率・申請の流れで7コースを横に並べて整理しています。定額制のサブスク型研修や自発的職業能力開発訓練なら、人材育成支援コース以外が向いていることもあります。

受験料は対象になるのか — 個人と会社で線が違う

受験料は対象になるのか — 個人と会社で線が違う
受験料は対象になるのか — 個人と会社で線が違う

「資格取得の補助金」と検索する人が本当に知りたいのは、たぶんここです。講座の受講料ではなく、試験そのものの受験料が見てもらえるのかどうか。制度によって答えが違います。

図3|受験料・教材費・交通費は対象になるか(2026年9月28日時点)
費用の種類 教育訓練給付金(本人申請) 人材開発支援助成金(会社申請) 千葉市中小企業人材育成・能力開発推進支援補助金(会社申請)
入学料・受講料 対象(最大1年分) 対象(あらかじめ受講案内等で定めているものに限る) 対象(研修受講料)
教科書代・教材費 受講に当たって必ずしも必要とされない補助教材費は対象外 教科書代等は対象 対象(テキスト代・教材費)
検定試験・資格試験の受験料 対象外 職業能力検定に要した経費は対象。ただし職業訓練実施計画届にあらかじめ位置づけ、訓練と関連させて実施する場合に限る 対象(資格試験受験料、資格試験対策講座受験料。消費税を除く)
受講のための交通費 対象外 受講生の旅費・宿泊費は対象外 外部講師の旅費は対象
パソコンなどの器材の費用 対象外 汎用的に使用するパソコン・周辺機器等は対象外 ページに記載なし

教育訓練給付金の教育訓練経費は、入学料と受講料(最大1年分)の合計のみが対象です。検定試験の受験料、受講に当たって必ずしも必要とされない補助教材費、受講のための交通費、パソコンなどの器材の費用は含まれません。割引が適用された場合は割引後の金額が対象です。つまり本人ルートで受験料は出ません。

一方、人材開発支援助成金には「その他対象となる経費」という項目があり、消費税、職業能力検定(職業能力開発促進法第44条の技能検定、技能審査認定規程により認定された技能審査、同法施行規則第71条の2第1項に基づく認定を受けた職業能力検定=団体等検定)に要した経費、同法第30条の3のキャリアコンサルタントが実施するキャリアコンサルティングに要した経費が挙げられています。ただし職業訓練実施計画届にあらかじめ位置づけ、訓練と関連させて実施する場合に限るという条件つきで、支給申請時には特定職業能力検定の実施者・内容・受験料が分かるものと領収書または振込通知書等の写しが必要になります。

誤解しやすいのは、「会社ルートならどんな資格試験の受験料も対象になる」わけではない点です。対象は職業能力検定であり、技能検定や認定された技能審査・団体等検定に該当しない民間資格の受験料はこの枠組みには乗りません。自社が取らせたい資格がどれに当たるかは、計画届を出す前に労働局へ確認してください。

そして自治体制度。千葉市中小企業人材育成・能力開発推進支援補助金は、対象経費に「研修受講料、テキスト代・教材費、外部講師謝金及び旅費、資格試験対策講座受験料、資格試験受験料(消費税を除く)」と明記しています。受験料そのものを正面から対象にしている制度は、国より自治体に見つかりやすいというのが実感です。

自治体の資格取得助成は、国の制度の外側にある

自治体の制度は国とは別建てで、業種を絞っているものが多いです。2026年9月28日時点で公表されている3つを実例として挙げます。

千葉市資格取得支援補助金(個人でも事業者でも申請できる)

珍しい形の制度です。同じ補助金を、資格を取った本人も、従業員が取った事業者も申請できます。

項目 内容
補助率 資格取得費用の2分の1
上限額 15万円。事業者は1事業者につき同一年度内50万円
対象者(個人) 補助対象資格を取得した後に、支援対象事業者に正社員として雇用されている個人
対象者(事業者) 雇用する正社員が補助対象資格を取得した支援対象事業者
対象業種 市内の運送事業者、建設業者、製造業者、自動車整備業者
申請期間 個人は対象資格を取得した日から1年以内、事業者は取得した日から6か月以内
申請先 千葉市経済農政局経済部雇用推進課(郵送)

個人と事業者で申請期間が倍違い、事業者側のほうが短いのが要注意です。従業員が資格を取ったのを人事が把握しないまま半年過ぎると、会社としては申請できなくなります。

千葉市中小企業人材育成・能力開発推進支援補助金(受験料が対象)

前のセクションで触れた制度です。補助率は対象経費の2分の1(フランチャイズ加盟店は4分の1)。上限は研修計画を策定している場合が1社あたり10万円、策定していない場合が5万円。研修計画の有無で倍変わります。令和8年度は令和8年4月1日から受付が始まり、研修修了後、3月31日までに申請します。

東京しごと財団 令和8年度資格取得サポート助成金

東京都の中小企業向けです。助成対象経費の2分の1、1申請企業等あたり100万円が上限で、上限額に達するまで複数回の申請ができます。対象は建設・建築・運輸分野の国家資格または法律に基づく免許、および法令に基づく講習の取得のために実施する研修です。

受付期間は令和8年4月30日から令和9年2月28日まで。提出期限は研修開始予定日の1か月前までで、申請は電子申請(jGrants推奨)または郵送です。ここも「始める前に出す」タイプなので、研修日程が決まった時点で逆算が必要になります。

自治体制度の当たりやすさは業種で大きく変わります。運送・建設・製造・自動車整備のように資格が業務に直結する業種は制度が見つかりやすく、サービス業・小売業向けの資格取得助成は数が少ないのが実情です。自社の所在地の産業振興課・雇用対策課のページを、年度が切り替わる4月前後に一度見ておくのが現実的です。

制度を選ぶ順番 — 4つの質問に答えるだけ

ここまでの内容を判断の順番に並べ直します。上から順に答えていけば、読むべき制度は1つか2つに絞れます。

順番 確認する質問 答えがYesなら 答えがNoなら
1 受講費用を払うのは本人か(会社が負担しないか) 本人ルートへ。質問2に進む 会社ルートへ。質問4に進む
2 雇用保険の加入期間が1年以上あるか(専門実践教育訓練は2年以上) 教育訓練給付金の対象になり得る。質問3に進む 求職者支援制度をハローワークで相談する
3 受けたい講座は厚生労働大臣の指定講座か 一般・特定一般・専門実践のどの区分かを確認し、受給資格確認の期限を押さえる 指定講座から選び直すか、自治体制度・会社ルートを検討する
4 訓練開始日まで1か月以上あるか 人材開発支援助成金の計画届を出せる。就業規則の資格等手当の規定も併せて確認する 今回の訓練は自費または自治体制度で、次回の訓練から計画届を前倒しする

質問4が最後にあるのがポイントです。会社ルートは「訓練開始日から起算して1か月前まで」に計画届が必要なので、研修日程が先に決まってしまうと制度に乗れません。研修の企画段階で助成金の話を同時に始めたほうが結果的に早いのは、そういう理由です。

申請でつまずく5つのケース

ケース1:講座に申し込んでからハローワークに相談した

❌ 受講を申し込み、開始してからハローワークへ行って手続きを聞く
⭕ 受講開始日の2週間前までに、住居所を管轄するハローワークで受給資格確認を行う

特定一般教育訓練と専門実践教育訓練は、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認を行う必要があります。その前段として訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードの交付を受けることも必要です。訓練前キャリアコンサルティングは、どのハローワークでも、キャリア形成・リスキリング支援センターでも受けられます。ここを飛ばすと、講座を修了しても給付の対象になりません。

ケース2:会社が訓練を始めてから計画届を出した

❌ 研修を実施してから、労働局に職業訓練実施計画届を提出する
⭕ 訓練開始日から起算して6か月前から1か月前までの間に提出する

人材開発支援助成金は事前計画型の制度で、訓練開始日の1か月前を過ぎてからの提出は受け付けられません。申請の前提として社内の職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定が必要なので、初めて使う会社は計画届の締切からさらに前倒しで動くことになります。

ケース3:受講料を会社と従業員で分担した

❌ 受講料の半額を会社が出し、残りを従業員に負担させたうえで助成金を申請する
⭕ 訓練経費は申請事業主が全額負担する

人材開発支援助成金では、対象労働者に訓練経費を一部でも負担させている場合、賃金助成を含めて不支給になります(育児休業中訓練を除く)。申請事業主以外の者(親会社など)が負担している場合は経費助成の対象になりません。申請事業主が負担額の実質的な減額となる金銭の支払い(訓練経費の返金を含む)を受けた場合も経費助成の対象外で、「あとで一部返してもらう」も同じ扱いです。

ケース4:受験料だけを申請しようとした

❌ 資格試験の受験料の領収書だけを持って教育訓練給付金を申請する
⭕ 対象になる費用の範囲を制度ごとに確認してから、申請する制度を選ぶ

教育訓練給付金の教育訓練経費に検定試験の受験料は含まれません。会社ルートでは職業能力検定に要した経費が対象になり得ますが、職業訓練実施計画届にあらかじめ位置づける場合に限られます。受験料を主な目的にするなら、自治体制度のほうが素直に当てはまることがあります。

ケース5:支給申請の期限を過ぎた

❌ 修了証が届いてから、落ち着いたタイミングで申請する
⭕ 制度ごとの申請期限をカレンダーに入れておく

期限は制度で違います。一般教育訓練と特定一般教育訓練は訓練修了日の翌日から起算して1か月以内。専門実践教育訓練は受講開始日から6か月ごとの期間の末日、または修了日の翌日から起算して1か月以内で、半期ごとに申請します。人材開発支援助成金は訓練終了日の翌日から起算して2か月以内です。教育訓練給付金の支給申請はe-Gov電子申請からも行えます。

よくある質問

資格取得の補助金はいくらですか?

本人が申請する教育訓練給付金なら、一般教育訓練が20%(上限10万円)、特定一般教育訓練が40%(上限20万円、要件を満たすと50%・上限25万円)、専門実践教育訓練が50%(年間上限40万円、要件を積み上げて最大80%・年間上限64万円)。会社が申請する人材開発支援助成金(人材育成訓練)なら経費助成45%(大企業30%、有期契約労働者等は70%)で、賃金要件または資格等手当要件を満たすと+15%です。いずれも2026年9月28日時点の値です。

従業員の資格取得費用の補助金はいくらですか?

人材開発支援助成金の人材育成訓練では、1労働者1訓練あたりの経費助成限度額が訓練時間で分かれます。10時間以上100時間未満で中小企業15万円、100時間以上200時間未満で30万円、200時間以上で50万円(大企業は10万円・20万円・30万円)。1事業所あたりの支給限度額は一の年度1,000万円、支給申請回数は1労働者につき一の年度3回までです。自治体制度では千葉市中小企業人材育成・能力開発推進支援補助金(上限10万円または5万円)、東京しごと財団の資格取得サポート助成金(1申請企業等あたり100万円上限)といった例があります。

ハローワークで資格取得の補助金はいくらですか?

ハローワークが窓口になるのは、教育訓練給付金、教育訓練休暇給付金、求職者支援制度です。教育訓練給付金の額は前述の3区分によります。求職者支援制度は受講料が原則無料(テキスト代等は自己負担)で、一定の要件を満たすと訓練期間中に月10万円の職業訓練受講給付金と通所手当・寄宿手当が支給されます。自分の加入期間で何が使えるかは、ハローワークの支給要件照会で詳しく調べられます。

資格取得補助金はいつまで申請できますか?

制度ごとに違います。教育訓練給付金は、一般・特定一般が訓練修了日の翌日から1か月以内、専門実践が受講開始日から6か月ごとの期間の末日または修了日の翌日から1か月以内です。加えて、特定一般・専門実践は受講開始日の2週間前までに受給資格確認を済ませておく必要があります。人材開発支援助成金は、計画届が訓練開始日から6か月前から1か月前まで、支給申請が訓練終了日の翌日から2か月以内。自治体制度では、千葉市資格取得支援補助金が個人は資格取得日から1年以内・事業者は6か月以内、東京しごと財団の資格取得サポート助成金は令和9年2月28日までの受付で提出期限が研修開始予定日の1か月前までとなっています。

資格取得補助金は所得税の対象ですか? 非課税ですか?

立場によって根拠が変わります。本人が受け取る教育訓練給付金は、雇用保険法第10条第5項で「教育訓練給付」として定められた失業等給付です。同法第12条は「租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない」と定めています。

会社が従業員の資格取得費用を負担した場合は別の話です。国税庁のタックスアンサーNo.2601は、役員または使用人としての職務に直接必要な技術や知識を習得させ、または免許や資格を取得させるための研修会・講習会等の出席費用、大学等の聴講費用に充てるための費用として適正なものに限り、給与として課税しなくてもよいとしています(所得税基本通達36-29の2、令和8年4月1日現在法令等)。会社が受け取る助成金・補助金の税務上の取扱いは補助金の確定申告|個人は一時所得・事業者は圧縮記帳で整理しています。個別の判断は顧問税理士または管轄の税務署にご確認ください。

会社が払った資格取得費用は、どの勘定科目に計上しますか?

勘定科目の設定は各社の会計方針に属するため、一律の正解を示すことはできません。分かれ目になるのは税務上の扱いで、そこは上記の国税庁タックスアンサーNo.2601が基準です。給与として課税しなくてよい範囲に収まるか、それを超えて給与課税が必要になるかで処理が変わるため、顧問税理士に実際の支出内容を見てもらうのが確実です。

独学でも補助金は出ますか?

教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定した教育訓練を受講・修了した方に費用の一部が支給される制度です。市販のテキストを買って独学で試験を受ける形は、指定された教育訓練の受講に当たりません。独学中心で進めたい場合は、受験料そのものを対象にしている自治体制度(会社申請が前提のものが多い)を探すか、指定講座のうち通信制のものを選ぶことになります。

学生・大学生は対象になりますか?

教育訓練給付金は雇用保険の加入期間が前提です。初回受講なら1年以上(専門実践教育訓練は2年以上)必要なので、雇用保険に加入していない学生は支給要件を満たしません。アルバイトで雇用保険に加入している場合は、加入期間の長さで判定されます。自分の加入期間が分からないときは、ハローワークの支給要件照会で確認できます。

働きながらでも受講できますか?

できます。厚生労働省の案内では、対象講座のなかにオンラインで受講できる講座や夜間・土日に受講できる講座もあり、働きながら受講できると説明されています。対象講座は約17,000講座で、教育訓練給付制度の検索システムから条件を絞って探せます。連続30日以上の無給の教育訓練休暇を取って集中的に学ぶ場合は、教育訓練休暇給付金の対象になるかをハローワークで相談してみてください。

個人事業主・フリーランスは使えますか?

教育訓練給付金は雇用保険の被保険者であることが前提の制度です。受講開始日時点で在職中で雇用保険に加入しているか、離職してから1年以内であることが条件として示されているため、雇用保険に加入していない自営業者は支給要件を満たしません。ただし従業員を雇用して雇用保険の適用事業所になっている場合は、従業員に訓練を受けさせる立場として人材開発支援助成金を申請する道があります。個人事業主が使える制度全体は個人事業主の補助金・助成金一覧|使える制度と順番にまとめています。

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参考・出典

結論と次の一歩

資格取得に使える制度は、金額の大小ではなく申請者の立場で分かれます。本人が払うならハローワークで教育訓練給付金、会社が払うなら都道府県労働局で人材開発支援助成金。どちらも「始める前に窓口へ行く」ことが条件になっている点は共通です。次にやることを3つに絞ります。

  1. 受講費用を払うのが本人か会社かを確定させる。ここが決まらないと窓口も期限も決まりません
  2. 本人ルートなら、受けたい講座が厚生労働大臣の指定講座かを厚生労働省の教育訓練給付金のページから検索システムで確認し、受講開始日の2週間前までの受給資格確認を逆算する
  3. 会社ルートなら、職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定に着手し、訓練開始日の1か月前までに計画届を出せる日程を組む。就業規則に資格等手当の規定があるかも併せて確認する

資格取得を社内の育成計画にどう組み込むか、AI・DX系のスキル習得をどの講座で押さえるかといった設計の部分でお困りなら、お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。申請書類の作成代行は行っておらず、研修・AI導入の計画づくりのご相談を承っています。制度の要件確認や申請手続きそのものは、ハローワーク・都道府県労働局、または社会保険労務士にご相談ください。

この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。


免責事項

本記事の情報は2026年9月28日時点の厚生労働省・国税庁・e-Gov法令検索・各自治体および公益財団法人東京しごと財団の公表資料に基づく参考情報です。給付率・上限額・対象講座・受付期間・対象経費の範囲は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず各制度の公式サイトで最新の内容をご確認いただき、個別の適用可否はハローワーク・都道府県労働局・各自治体の担当課へお問い合わせください。税務上の取扱いについては顧問税理士または管轄の税務署にご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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AIの回答は参考情報です。申請判断は公式情報・専門家にご確認ください。入力内容は保存されません(1人1日10問まで)。

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