初回の申請期限は、最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から起算して4か月以内です。2回目以降は原則2か月に一度、ハローワークが指定した支給申請月に手続きします。2026年10月26日時点では、令和7年4月1日以降に60歳に達した人などの最大給付率は10%です。従来の最大15%と取り違えないよう、社員ごとに「60歳に達した日」または被保険者期間が5年に達した日を確認してください。
会社で初めて申請する総務担当者は、受給資格だけを先に確認するのか、受給資格の確認と初回の支給申請を同時に行うのかを最初に決めます。同じ「高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書」を使いますが、記入する欄が変わるためです。
最初に確認する期限・様式・提出先

高年齢雇用継続給付は、60歳到達時等と比べて賃金が75%未満に下がった状態で働き続ける、60歳以上65歳未満の一定の一般被保険者を対象とする雇用保険の給付です。会社が受け取る助成金ではなく、原則として事業主を経由して申請し、給付金は被保険者本人が指定した口座へ振り込まれます。
| 確認項目 | 2026年10月26日時点の扱い |
|---|---|
| 正式な初回様式 | 高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書(様式第33号の3) |
| 初回の提出時期 | 最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から起算して4か月以内 |
| 2回目以降 | 原則2か月に一度。次回支給申請日指定通知書に印字された支給申請月中に提出 |
| 提出者 | 原則は事業主。被保険者本人が自ら手続きすることを希望する場合は本人申請も可能 |
| 提出先 | 事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク) |
| 提出方法 | 窓口等のほか電子申請も可能。現在の手続はe-Govの手続検索から正式名称で探す |
| 主な確認資料 | 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿またはタイムカード、年齢確認書類など |
初回期限と提出先は、ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」に明記されています。「60歳になってから4か月以内」ではありません。起算点は、最初に支給を受けようとする支給対象月の初日です。
雇用保険の別給付でも、受給資格の確認と初回支給申請を一緒に行う様式があります。社内の申請管理を整える際は、育児休業給付金の初回申請書と会社手続きも参考になります。ただし、提出期限や添付書類は給付ごとに異なるため、そのまま流用はできません。
同じ申請書を2通りに使う
様式名が長いのは、1枚の様式に「受給資格確認票」と「初回支給申請書」の役割が入っているためです。ここを理解すると、7欄以降を埋めるべきか迷いにくくなります。
受給資格だけを先に確認する場合
同じ様式を「高年齢雇用継続給付受給資格確認票」として使います。公式様式の注意書きでは、1欄から6欄までを記載し、7欄から31欄は記載不要です。雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書も、できるだけ一緒に提出します。
受給資格が確認されると、ハローワークから受給資格確認通知書などが交付されます。その後、交付された支給申請書で初回申請を行います。賃金が下がるかまだ確定していない場合でも、60歳時点で賃金登録を済ませておくと、対象になった際の申請漏れを防ぎやすくなります。
受給資格確認と初回申請を同時に行う場合
1欄から6欄に加え、支給対象年月、各月に実際に支払われた賃金額、賃金の減額があった日数、賃金に関する特記事項などを記載します。初回期限は、前述の「最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から起算して4か月以内」です。
ハローワークの現行様式ページでは、様式だけを印刷する方法と、内容を入力してから印刷する方法が案内されています。ただし、Web画面で入力して印刷しても申請は完了しません。紙で提出する場合は、印刷した書類を所管のハローワークへ提出します。
1欄から6欄は社員と事業所の基本情報

ここからは、受給資格確認票・(初回)支給申請書を欄ごとに見ていきます。説明は、厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き 第3編(令和8年8月版)」の記載例と、現行様式第2面の注意書きに合わせています。
1欄「個人番号」
被保険者本人のマイナンバーを記載します。会社は番号確認と身元確認を行い、社内で取り扱う際も個人番号を含む書類として管理します。記事や社内共有チャットへ番号を書き写す運用は避けましょう。
2欄「被保険者番号」
雇用保険被保険者証に記載された番号を転記します。16桁が上下2段で表示されている場合は、下段の10桁だけを所定の区切りで記載するのが公式の案内です。社員番号や健康保険の記号番号ではありません。
3欄「資格取得年月日」
現在の事業所で雇用保険の被保険者となった年月日を、元号コードと年月日で記載します。年月日が1桁の場合は10の位に0を付け、各2桁にします。入社日と資格取得日が同じとは限らないため、雇用保険の資格取得記録で合わせてください。
4欄「被保険者氏名」
被保険者本人の氏名とフリガナを記載します。フリガナ欄はカタカナです。被保険者番号にひもづく登録情報と相違がないか確認します。
5欄「事業所番号」
申請を行う事業所の雇用保険事業所番号を記載します。連続する10桁で管理している場合は、最初の4桁、続く6桁の順で所定欄へ分け、最後の枠は空欄にします。法人番号ではありません。
6欄「給付金の種類」
継続雇用で基本手当等を受給していない人は「1 基本給付金」、基本手当を受給した後に60歳以後再就職した人は要件を確認して「2 再就職給付金」を選びます。名前が似ていますが、比較する賃金と支給期間が異なります。違いは後段で整理します。
7欄から31欄は初回支給申請の賃金情報

受給資格だけを先に照会する場合、この範囲は記載しません。受給資格確認と初回支給申請を同時に行う場合は、給与台帳と出勤記録を横に置き、支給対象月ごとに同じ順序で確認します。
7・11・15欄「支給対象年月」
給付を受けようとする月を、元号コードと年月で記載します。賃金の締め月ではなく、給付の判定対象となる暦月です。支給対象月は、その月の初日から末日まで被保険者である月が基本となります。
8・12・16欄「支給対象年月に支払われた賃金額」
対応する支給対象月に実際に支払われた賃金額を記載します。何月分の給与かではなく、実際の支払日が属する月で判断する点が重要です。臨時に支払われる賃金と、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除きます。
数か月分の通勤手当をまとめて支給した場合は、支払月以後の対象月に1か月分ずつ割り振り、端数は最後の月分に加えます。出向元と出向先の双方から賃金が支払われる場合は合計額を記載し、賃金台帳で確認できない側の賃金は備考にも記載します。
9・13・17欄「賃金の減額のあった日数」
非行、疾病、負傷、事業所の休業、私事などにより、賃金の全部または一部を受けられなかった日数を記載します。紙の様式第2面は、該当日がない場合に0を記載する案内です。一方、Web入力ページは該当日がなければ入力しない案内のため、紙かWeb入力かに応じて画面・様式の指示に従ってください。
減額があった場合は、日数だけで終わりません。その日に受けられなかった賃金額を、対応する29・30・31欄にも記載します。
10・14・18欄「みなし賃金額」と19欄から28欄
これらは※印の付いたハローワーク処理・登録欄です。申請者側では記載しません。みなし賃金額は、本人都合の欠勤、疾病や負傷、事業所の休業などによる減額がある場合に、給付の判定上加算して扱うことがある金額です。会社が独自に推計して10・14・18欄を埋めるのではなく、減額日数と減額対象額を指定欄へ正確に記載します。
29・30・31欄「その他賃金に関する特記事項」
各支給対象月について、賃金に含めるか判断しにくい支給の名称と金額、または減額日に受けられなかった賃金額を記載します。3つの欄は、それぞれ7・11・15欄の支給対象年月に対応します。複数月の情報を1つの欄へまとめないことがポイントです。
申請書裏面の「備考」
賃金締切日、賃金支払日、賃金形態、通勤手当について記載します。日給または時間給の場合は、支給対象月ごとの所定労働日数も記載します。空白期間なく転職した場合は前事業所から当月に支払われた賃金額を、出向元・出向先の双方から支給がある場合は、被保険者資格を有さない雇用関係側の賃金額と事業主名を記載します。
事業主証明・申請者氏名・振込口座
事業所名、所在地、電話番号、事業主氏名の欄では、事業主が記載事実に誤りがないことを証明します。申請者氏名は被保険者本人が記載するのが原則です。ただし、本人へ申請内容を確認し、合意のうえ「記載内容に関する確認書・申請等に関する同意書」を作成・保存する場合は、申請者氏名欄に「申請について同意済み」と記載できます。
払渡希望金融機関指定届には、振込を希望する金融機関名・店舗名と、被保険者本人名義の口座番号またはゆうちょ銀行の記号番号を記載します。基本手当の受給時に口座を届け出ており、同じ口座を使う場合は記載不要です。新たに口座指定する場合は、本人名義の通帳やキャッシュカードなど、口座情報を確認できるものも用意します。
初回申請でそろえる書類

申請書を埋めても、賃金と雇用の事実を確認する資料が欠けると手続きは進みません。初回は次の資料を一組として確認します。
- 雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書:60歳到達時等の賃金月額を登録するための書類
- 高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書:受給資格確認と初回申請に使う様式
- 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿またはタイムカード:雇用の事実、賃金の支払状況、記載額を確認できる資料
- 年齢確認書類:運転免許証や住民票の写しなど。あらかじめマイナンバーを届け出ている人は省略可能
- 口座確認資料:新たに振込口座を指定する場合の本人名義の通帳、キャッシュカードなど
初回に必要な資料は、厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」でも確認できます。個別事情により追加資料を求められることがあるため、初めての事業所や転職・出向を伴うケースは、提出前に管轄ハローワークへ相談してください。
総務が進める6段階の申請フロー

1.対象になり得る社員を抽出する
60歳以上65歳未満、雇用保険の一般被保険者、被保険者であった期間が通算5年以上という入口を確認します。60歳時点で5年に足りない人は、後に5年へ到達した日が給付率の新旧判定にも関係します。
2.60歳到達時等の賃金月額を登録する
六十歳到達時等賃金証明書を作成し、原則として60歳到達時点直前の完全賃金月6か月の賃金から賃金月額を登録します。賃金支払基礎日数や通勤手当の配分を、賃金台帳と出勤簿で突き合わせます。完全賃金月の数え方は勤務日数・時間数により扱いが分かれるため、手引きの記載例で確認してください。
3.支給対象月と実際の支払額を確定する
給与の対象期間ではなく、支給対象月に実際に支払われた額を拾います。欠勤控除、休業、まとめ払いの通勤手当、出向元からの支給など、単純な総支給額の転記で済まない項目を分けます。
4.初回様式と確認資料を照合する
被保険者番号、資格取得年月日、事業所番号、支給対象年月、賃金額、減額日数、特記事項を、資料ごとに一対一で照合します。賃金台帳の整え方自体を見直す場合は、申請時に確認される賃金台帳の整え方と不備例も参考にしてください。高年齢雇用継続給付の必要書類は、本記事の公式資料を優先します。
5.本人確認・同意と事業主証明をそろえる
マイナンバー、氏名、振込口座は本人情報です。申請内容を本人に示し、同意書を使う場合は会社で保存します。事業主証明の前に、給与担当と雇用保険担当で金額の不一致がないか確認します。
6.期限内に提出し、通知を次回管理へつなぐ
初回は4か月以内に提出します。交付された受給資格確認・否認通知書、支給決定通知書、次回支給申請日指定通知書を社員へ渡すものと会社保管分に分け、次の申請月を管理表へ登録します。
2回目以降は指定月を起点に管理する
2回目以降の支給申請は、原則として2か月ごとです。事業所ごとに奇数月型または偶数月型が指定され、ハローワークから交付される「高年齢雇用継続給付次回支給申請日指定通知書」に次回の申請月が印字されます。
必要書類の基本は、ハローワークから交付された高年齢雇用継続給付支給申請書と、対象月の賃金額・支払状況を確認できる賃金台帳、出勤簿またはタイムカードです。退職日が月末か月途中か、退職後に空白なく別の事業所で資格取得したかによって対象月の扱いが変わるため、異動や退職の情報を給与担当だけで止めない運用が必要です。
同じ雇用保険給付でも、育児時短就業給付金の支給申請書とは対象者・判定基準が異なります。様式名が似ているため、申請書ファイルの保存名には給付名と対象社員を明記しておくと取り違えを防げます。
給付率は令和7年4月1日を境に変わった
給付率の判定は、支給対象月の年ではなく、原則として「60歳に達した日」で分かれます。ただし、その時点で被保険者であった期間が5年以上ない人は、5年を満たした日で判定します。厚生労働省の高年齢雇用継続給付の支給率変更案内で、この分岐が明示されています。
| 受給資格要件を満たす基準日 | 賃金の低下率 | 支給率の扱い |
|---|---|---|
| 令和7年4月1日以降 | 64%以下 | 各月に支払われた賃金額の10% |
| 64%超75%未満 | 低下率に応じて10%から0%の間で逓減 | |
| 75%以上 | 支給されない | |
| 令和7年3月31日以前 | 61%以下 | 各月に支払われた賃金額の15% |
| 61%超75%未満 | 低下率に応じて15%から0%の間で逓減 | |
| 75%以上 | 支給されない |
低下率は「支給対象月に支払われた賃金額(みなし賃金額を含む)÷60歳到達時等賃金月額×100」で計算します。逓減部分は公式の早見表を使い、個別の支給額はハローワークの決定通知で確認してください。この記事では、個人ごとの税額、社会保険料、手取りの増減は断定しません。
令和8年8月1日からの現行上限・下限
厚生労働省「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」と令和8年8月版の手引きでは、2026年10月26日時点の額が次のとおり示されています。いずれも令和9年7月31日までの額で、毎年8月1日に変更される場合があります。
| 項目 | 現行額 | 実務上の意味 |
|---|---|---|
| 支給限度額 | 397,369円 | 当月賃金がこの額以上なら支給されない。賃金と算定給付額の合計が超える場合は給付額を調整 |
| 最低限度額 | 2,562円 | 算定された給付額がこの額以下なら支給されない |
| 60歳到達時等賃金月額の上限 | 522,000円 | 算定額が上回る場合はこの上限で登録 |
| 60歳到達時等賃金月額の下限 | 96,090円 | 算定額が下回る場合はこの下限で登録 |
「廃止はいつから」ではなく給付率縮小が決定事項
2026年10月26日時点で、高年齢雇用継続給付の廃止時期を定めた厚生労働省・ハローワークの公式案内は確認できていません。公式に確認できる変更は、令和7年4月1日以降に受給資格要件を満たす人について、最大給付率が15%から10%へ縮小されたことです。
「給付率が下がった」と「制度が廃止された」は別です。2026年8月には支給限度額なども改定され、現行の申請案内と様式が公開されています。報道や解説サイトだけを根拠に廃止年を社内説明資料へ書かず、厚生労働省とハローワークの現行資料で更新を確認してください。
高年齢再就職給付金との違い
高年齢雇用継続給付には、高年齢雇用継続基本給付金と高年齢再就職給付金があります。両方を同じ「60歳以後に賃金が下がった人」とだけ整理すると、6欄の給付種類を誤りやすくなります。
| 比較点 | 高年齢雇用継続基本給付金 | 高年齢再就職給付金 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 基本手当等を受給せず、60歳以後も雇用を継続する人 | 基本手当を受給した後、60歳以後に再就職した人 |
| 賃金比較の基準 | 60歳到達時等の賃金月額 | 基本手当の基準となった賃金日額の30日分 |
| 追加要件 | 被保険者期間が通算5年以上など | 再就職前日の基本手当支給残日数が100日以上、1年を超えて雇用される見込み、同一就職で再就職手当を受けていないことなど |
| 支給期間 | 原則として60歳到達月から65歳到達月まで | 残日数200日以上なら最大2年、100日以上200日未満なら最大1年。いずれも65歳到達月まで |
| 再就職手当との関係 | 通常は比較対象外 | 同一の就職について併給不可。どちらか一方を選択 |
再就職手当との選択は、社員本人の受給履歴や残日数に関わります。会社側だけで有利不利を断定せず、本人がハローワークへ相談できるよう案内してください。
e-Gov電子申請は正式名称から探す
高年齢雇用継続給付は電子申請できます。初回と2回目以降、さらに基本給付金と再就職給付金で手続名称が異なるため、深いリンクをブックマークして使い続けるより、e-Gov電子申請の手続検索で現行の手続を検索する方法が安全です。
- 初回:「雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書の提出及び高年齢雇用継続給付受給資格確認・高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金・高年齢再就職給付金)の申請(初回申請)(令和4年6月以降手続き)」
- 2回目以降の基本給付金:「雇用保険高年齢雇用継続給付(高年齢雇用継続基本給付金)の申請(令和4年6月以降手続き)」
- 2回目以降の再就職給付金:「雇用保険高年齢雇用継続給付(高年齢再就職給付金)の申請(令和4年6月以降手続き)」
初回の公式手続情報では、手続対象者は事業主または被保険者とされています。添付資料を電子ファイルで用意できない場合の扱いもあるため、申請開始前にe-Govの利用準備と手続画面の添付情報を確認してください。個人番号を含む申請データの保存先も、会社の情報管理ルールに合わせます。
65歳超雇用推進助成金は会社向けの別制度
高年齢雇用継続給付は、賃金が低下した一定の60歳以上65歳未満の被保険者に対する雇用保険給付です。一方、65歳超雇用推進助成金は、65歳以上への定年引上げ、定年制の廃止、継続雇用制度の導入、雇用管理制度の整備、有期契約労働者の無期雇用への転換などを行う事業主向けの助成金です。
申請先も違います。高年齢雇用継続給付は事業所所在地を管轄するハローワーク、65歳超雇用推進助成金は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の都道府県支部です。会社向け助成金の要件や3コースは、令和8年度の65歳超雇用推進助成金3コース比較で確認してください。この記事では同助成金の内容を重ねて説明しません。
制度の公式概要は、高齢・障害・求職者雇用支援機構「65歳超雇用推進助成金」でも確認できます。「社員本人への給付」と「会社の制度整備に対する助成」を分けて管理することが、混同を防ぐ一番短い整理です。
申請書で起こりやすい4つの不備
支給対象月ではなく給与の対象月を書く
❌ 9月分給与を10月に支払ったため、9月の賃金として記載する
⭕ 10月の支給対象月に実際に支払われた賃金として記載する
高年齢雇用継続給付は支払日を基準に各月の賃金額を見ます。賃金台帳の「対象月」と「支払日」を分けて確認してください。
まとめ払いの通勤手当を支払月に全額入れる
❌ 数か月分の通勤手当を、支払った月の賃金へ全額加える
⭕ 支払月以後の各対象月へ1か月分ずつ割り振り、端数は最後の月へ加える
公式記載例にも割り振り方法が示されています。給与システムの総支給額をそのまま転記せず、内訳を確認しましょう。
欠勤控除の日数だけを書き、減額額を書かない
❌ 9・13・17欄へ日数だけを記載して終える
⭕ 日数に加え、対応する29・30・31欄へ受けられなかった賃金額も記載する
減額理由はみなし賃金の判断に関わります。欠勤、休業、私事などの区分と給与控除額を、出勤簿と賃金台帳で照合します。
給付率を年だけで一律判定する
❌ 2026年の申請だから全員10%とする
⭕ 60歳到達日、または被保険者期間5年到達日が令和7年4月1日の前後どちらかを社員ごとに確認する
令和7年3月31日以前に受給資格要件を満たした人は、支給対象月が2026年でも従来の最大15%が適用されます。
よくある質問
高年齢雇用継続給付の初回申請はいつまでですか?
最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から起算して4か月以内です。60歳の誕生日から一律4か月ではありません。対象月と起算点に迷う場合は、事業所所在地を管轄するハローワークへ確認してください。
2回目以降も毎月申請しますか?
原則として2か月ごとです。事業所ごとの奇数月型または偶数月型に従い、次回支給申請日指定通知書に印字された支給申請月中に提出します。
申請は会社と社員のどちらが行いますか?
原則は事業主を経由して申請します。ただし、被保険者本人が自ら申請手続きを行うことを希望する場合は、本人申請も可能です。
初回申請書はどこから入手できますか?
ハローワークインターネットサービスの様式ページから「高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書」を印刷できます。第1面と第2面をA4白色用紙へ等倍で印刷し、OCR基準マークや文字・枠線に欠損、かすれ、二重印刷がないか確認します。
書き間違えた場合は二重線で直せばよいですか?
全国共通の公式4資料には、すべての訂正に共通する一律の方法は示されていません。自己判断で修正方法を決めず、提出前または返戻後に管轄ハローワークへ確認してください。提出後の誤りは、訂正理由を示す書類等を求められる場合があります。
高年齢雇用継続給付はいつ廃止されますか?
2026年10月26日時点で、廃止時期を定めた厚生労働省・ハローワークの公式案内は確認できていません。決まっているのは、令和7年4月1日以降に受給資格要件を満たす人の最大給付率が10%へ縮小されたことです。労務・給付に関する将来の扱いは、厚生労働省の公表と管轄ハローワークで確認してください。
申請書の作成を外部へ任せられますか?
この記事は会社が公式様式を確認するための一般的な情報です。個別企業の申請書作成・提出を当サイトが代行するものではありません。手続きの代理や個別判断が必要な場合は、管轄ハローワークまたは社会保険労務士へ相談してください。
運営元 Uravation より助成金を使ってAI研修を進める場合に、対象者の選び方・カリキュラム・効果測定・申請準備で確認しておく項目を、無料のチェックリストにまとめています。 AI研修導入40項目チェックリストを受け取る(無料)
参考・公式情報
- ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」(参照日:2026年10月26日)
- ハローワークインターネットサービス「高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書」(参照日:2026年10月26日)
- 厚生労働省「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」(参照日:2026年10月26日)
- 厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き 第3編(令和8年8月版)」(参照日:2026年10月26日)
- 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」(参照日:2026年10月26日)
- 厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」(参照日:2026年10月26日)
- e-Gov電子申請「手続検索」(参照日:2026年10月26日)
- 高齢・障害・求職者雇用支援機構「65歳超雇用推進助成金」(参照日:2026年10月26日)
要点の整理
- 対象社員の基準日を確認する:60歳到達日または被保険者期間5年到達日を確認し、最大10%か従来の最大15%かを分けます。
- 初回の資料を一組にする:初回様式、六十歳到達時等賃金証明書、賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、年齢・口座の確認資料をそろえます。
- 4か月以内に提出し、次回申請月を登録する:初回期限を守り、交付された指定通知書から原則2か月ごとの申請管理へつなげます。
高年齢者の雇用制度そのものを見直す場合は、社員本人への給付と会社向け助成金を分けて検討してください。AI導入や業務フロー整理とあわせた制度選定でお悩みの場合は、株式会社Uravationのお問い合わせフォームからご相談いただけます。申請書の作成・提出代行は行っていません。
この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。
免責事項
本記事は2026年10月26日時点の厚生労働省、ハローワーク、e-Govおよび高齢・障害・求職者雇用支援機構の公表資料に基づく一般的な参考情報です。制度、様式、金額、提出方法は改定される場合があります。実際の申請では、最新の公式様式・案内を確認し、個別の事情は管轄ハローワークまたは社会保険労務士へご相談ください。本記事は受給や支給額を保証するものではなく、申請書の作成・提出代行を引き受けるものでもありません。
