判断の分かれ目は、会社が介護休業の期間、全日休業日数、休業中に支払った賃金を確定できるかに尽きます。2026年10月26日時点で使うのは、現行配布中の「介護休業給付金支給申請書(様式第33号の6)」と「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(介護)」です。原則は会社を経由して、1回の介護休業が終わるごとに申請します。
提出時期は、公式案内の表現では「一回の介護休業終了後」、かつ「各介護休業の終了日(介護休業期間が3か月以上にわたるときは介護休業開始年月日から3か月を経過する日)の翌日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日まで」です。根拠はハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」で確認できます。
- 社員が会社へ渡すもの:介護休業申出書、対象家族を確認できる書類、本人名義口座の情報
- 会社が確定するもの:休業開始日・終了日、支給対象期間、全日休業日数、休業期間を対象に支払った賃金
- 会社が作るもの:支給申請書の事業主証明部分と休業開始時賃金月額証明書(介護)
- 93日を3回まで分けて取る場合:各回を別の介護休業として、回数・累計日数・申請期限を管理
ここで扱うのは「介護休業」の給付申請です。通院の付き添いなどに1日または時間単位で使う「介護休暇」とは別制度であり、介護休暇を取っただけで介護休業給付金の対象になるわけではありません。
2026年10月26日時点|会社が先にそろえる提出セット

初めて処理する総務担当者は、申請書だけを先に埋めようとすると止まりやすくなります。先に勤怠と給与を締め、社員から受け取る書類をそろえてから、2種類の雇用保険様式へ転記する順番が安全です。
| 確認項目 | 2026年10月26日時点の扱い |
|---|---|
| 支給申請書 | 介護休業給付金支給申請書(様式第33号の6、帳票種別16601) |
| 賃金の証明 | 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(介護) |
| 提出者 | 原則は事業主。被保険者本人が希望する場合は本人申請も可能 |
| 提出先 | 事業所の所在地を管轄するハローワーク。電子申請も可能 |
| 提出時期 | 1回の介護休業終了後から、所定の期限まで。3か月以上続く場合は開始日から3か月経過日を基準にする |
| 給付の範囲 | 同じ対象家族について通算93日を限度に3回まで |
| 原則の支給額 | 休業開始時賃金日額×支給日数×67%。休業中の賃金により減額または不支給となる場合あり |
| 現行の上限 | 1支給対象期間につき366,222円。2026年8月1日から2027年7月31日までの額で、毎年8月1日に変更される場合あり |
支給率と上限額は、厚生労働省「介護休業給付の内容及び支給申請手続について」(08.08)と、「雇用保険事務手続きの手引き 第3編」令和8年8月版で照合しています。個別の給付額は、提出した賃金月額証明書をもとにハローワークが決定します。会社や本人が手取り額まで断定しないようにしてください。
介護休業と介護休暇を最初に分ける
介護休業は、対象家族1人につき通算93日、3回まで分割できるまとまった休業です。一方、介護休暇は対象家族が1人なら年5日、2人以上なら年10日まで、1日または時間単位で取得する休暇です。違いは厚生労働省「介護休暇」でも確認できます。
今回の申請書は「介護休業給付金」用です。社内の休暇申請だけを見て雇用保険手続きを始めず、社員が申し出た制度名と休業期間を確認しましょう。
社員・会社・ハローワークの役割を分ける
| 担当 | 主な役割 | 申請前に確認するもの |
|---|---|---|
| 社員 | 介護休業を申し出る。対象家族と本人名義口座の情報を会社へ示す | 介護休業申出書、住民票記載事項証明書等、口座情報 |
| 会社 | 勤怠・賃金を確定し、賃金月額証明書を作る。申請内容を証明する | 出勤簿・タイムカード、賃金台帳、労働者名簿、雇用契約書 |
| ハローワーク | 受給資格、支給対象期間、賃金、支給額を審査して決定する | 申請書、証明書、添付書類一式 |
対象者の要件は、原則として介護休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上の完全月が12か月以上あることです。11日以上の月が12か月に満たない場合、2020年8月1日以後に始めた介護休業では、賃金支払いの基礎となった時間が80時間以上の完全月も算入できます。退職予定、有期雇用、休業中の就業日数などで扱いが変わるため、境界事例は管轄ハローワークへ確認してください。
介護休業給付金支給申請書は欄を6群に分けると迷わない

ハローワーク「介護休業給付金支給申請書」作成ページでは、様式だけの印刷と、画面入力後の印刷ができます。ただし、このページで申請書を作成しただけでは提出完了になりません。紙で出す場合は第1面・第2面をA4白色用紙へ等倍で印刷し、OCRの基準マークや枠線が欠けていないか確認します。
1〜8欄|被保険者と事業所の情報
- 1欄「介護休業被保険者の個人番号」:被保険者本人のマイナンバーです。個人番号を扱える担当者と保管経路を限定します。
- 2欄「被保険者番号」:雇用保険被保険者証と照合します。古い16桁表示の場合は、現行様式第2面の記載方法に従います。
- 3欄「資格取得年月日」:雇用保険の資格取得日を記入します。入社日と同じとは限らないため、資格取得確認通知書等を見ます。
- 4欄、6・7欄:4欄は被保険者氏名のフリガナ、6欄は姓、7欄は名を漢字で記入します。濁点・半濁点は様式の注意書きに従います。
- 5欄「事業所番号」:雇用保険の事業所番号です。法人番号や労働保険番号ではありません。
- 8欄「介護休業開始年月日」:会社が介護休業として認めた初日です。17欄の支給対象期間その1の初日と同じ日になります。
この段階で、社員の介護休業申出書、会社の介護休業取扱通知書、勤怠システムの開始日が一致しているかを見ます。1日ずれると、後続の支給対象期間、全日休業日数、賃金額の区切りもすべてずれます。
9〜16欄|介護対象家族の情報
- 9欄「介護対象家族の個人番号」:対象家族のマイナンバーです。令和8年8月版手引きの記載例では、住民票記載事項証明書等を添付する場合は記載不要とされています。
- 10・11欄:対象家族の姓・名をカタカナで記入します。
- 12欄「性別」:様式のコードは1が男、2が女です。
- 13欄「続柄」:1配偶者、2父母、3子、4配偶者の父母、5祖父母、6兄弟姉妹、7孫のコードから選びます。
- 14・15欄:対象家族の姓・名を漢字で記入します。
- 16欄「生年月日」:元号コードと年月日を、対象家族の確認書類に合わせます。
対象家族の氏名、本人との続柄、性別、生年月日等は住民票記載事項証明書等で確認します。同一世帯で、本人と対象家族のマイナンバーを届け出る場合には、続柄確認書類を省略できる扱いもあります。9欄を空欄にする場合を含め、個人番号と添付書類の組み合わせは、提出前に管轄ハローワークの案内へ合わせると確実です。
17・20・23欄|支給対象期間その1〜3
1回の介護休業について、介護休業開始日から1か月ごとに区切ります。17欄はその1、20欄はその2、23欄はその3です。
- 17欄の初日に8欄と同じ介護休業開始日を入れます。
- 20欄と23欄の初日は、開始日の翌月・翌々月の同じ日です。同じ日がない月は月末日を使います。
- 各期間の末日は、次の期間の初日の前日です。最後の期間は介護休業終了日までとします。
- その1またはその2で休業が終わったら、以後の支給対象期間は記入しません。
たとえば開始日が月末の場合、翌月に同じ日が存在しないことがあります。厚生労働省の令和8年8月版資料には、5月31日開始なら、支給対象期間その1を5月31日から6月29日、その2を6月30日から7月30日、その3を7月31日から8月30日とする記載例があります。単純に「各月1日から末日」で区切らないことがポイントです。
18・21・24欄|全日休業日数
各支給対象期間に、全日にわたって介護休業した日数を入れます。ここは所定労働日だけを数える欄ではありません。日曜日、祝日、会社休日など、所定労働日ではない日も含めます。
一方で、休業期間中に就業した日は全日休業日ではありません。支給単位期間ごとに就業日数が10日以下であることが要件で、最後の1か月未満の期間は全日休業日が1日以上必要です。勤怠表では「介護休業」「出勤」「有給」「公休」の区分を残し、申請書の数字を再計算できる状態にしておきましょう。
19・22・25欄|支払われた賃金額
各支給対象期間中の賃金支払日に支払われた金額のうち、介護休業期間を対象としていることが明確な賃金だけを記入します。支給対象期間中に振り込まれた給与の総額を、そのまま転記する欄ではありません。
- 介護休業期間外の勤務を対象とする基本給や手当は含めない
- 臨時に支払われた賃金、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除く
- 複数月分を一括支給した通勤手当は、対象月へ割り振る
- 判断しにくい手当は、名称・金額・どの支給対象期間に支払ったかを備考欄へ書く
賃金締切日と支払日が支給対象期間とずれる会社ほど、誤記が起きやすい欄です。賃金台帳だけでなく、給与明細の算定対象期間と就業規則・賃金規程も照合してください。休業中の賃金額によって給付が減額される場合があるため、手取りの増減を会社が推測して案内するのは避けます。
26・27欄|介護休業終了年月日と終了事由
26欄は、介護休業開始日から3か月を経過する前に休業が終わった場合だけ記入します。27欄は終了理由のコードで、1は職場復帰、2は休業事由の消滅です。
対象家族の死亡等で介護しないことになった場合や、別の介護休業、産前産後休業、育児休業が始まって当初の介護休業が終わる場合は、終了事由の扱いと備考欄への記載が必要です。事実関係が複雑なときは、コードを推測せず、資料をそろえてハローワークへ確認します。
事業主証明・申請者・振込口座・備考
会社は、事業所名、所在地、電話番号、事業主氏名を記載し、申請内容に誤りがないことを証明します。申請者住所と氏名は本人記載が原則ですが、会社が申請内容を本人へ確認し、「記載内容に関する確認書・申請等に関する同意書」を作成・保存する場合、申請者氏名欄へ「申請について同意済み」と記載できる扱いがあります。
払渡希望金融機関指定届には、本人名義の普通預貯金口座を記入します。通帳、キャッシュカードなど口座情報を確認できるものを用意します。マイナポータルへ公金受取口座を登録し、ハローワークへ個人番号を届け出ている場合は、その口座を指定する方法もあります。
28〜35欄は公共職業安定所の記載欄です。会社や本人は記入しません。備考欄には賃金締切日、賃金支払日、通勤手当の有無を記入し、賃金の説明が必要なら追記します。
休業開始時賃金月額証明書(介護)は会社が作成する

支給申請書が「休業中の実績」を示す書類なら、休業開始時賃金月額証明書は「休業前の賃金と被保険者期間」を証明する書類です。正式な現行様式は雇用保険被保険者 休業開始時賃金月額証明書(安定所提出用)(介護・育児)で確認できます。
1〜6欄|本人・事業所・休業開始日
1欄は被保険者番号、2欄は事業所番号、3欄はフリガナと氏名、4欄は休業を開始した日です。5欄に事業所の名称・所在地・電話番号、6欄に本人の住所または居所と電話番号を記入します。4欄の日付は、支給申請書8欄、介護休業申出書、勤怠記録と一致させます。
7・8欄|被保険者期間を確認する
7欄は、休業開始日の前日に離職したとみなした場合の被保険者期間算定対象期間です。休業開始日から2年間さかのぼって記入します。ただし、賃金支払基礎日数が11日以上、または賃金支払いの基礎となった時間が80時間以上の期間を、直近から12か月以上記入できれば、それより前は省略できます。
8欄は7欄の各期間における賃金支払基礎日数です。有給休暇の対象日、休業手当の対象日も含めます。単に出勤日だけを数えないでください。
9〜11欄|賃金支払対象期間と賃金額
9欄の最上段には、休業開始日の直前の賃金締切日の翌日から、休業開始日の前日までを記入し、以後は賃金締切期間ごとにさかのぼります。10欄へ各期間の賃金支払基礎日数を入れ、完全月で基礎日数11日以上の月を6か月以上記載します。6か月に満たない場合は、80時間以上の月も確認します。
11欄の賃金額は、月給者をA欄、日給者をB欄に記入します。日給者でも月単位で支給する家族手当・通勤手当等はA欄です。通勤手当を複数月分まとめて支給している場合は、対象月数で割って各月へ算入します。
12〜14欄|例外事情を残す
- 12欄「備考」:賃金未払い、30日以上賃金の支払いがない期間、休業手当、基礎時間数など、7〜11欄の説明を書く
- 13欄「賃金に関する特記事項」:3か月以内の期間ごとに支払われる特別の賃金を書く。該当しなければ斜線
- 14欄「休業開始時における雇用期間」:期間の定めの有無と、定めがある場合の満了日等を書く
この証明書の提出期限は、被保険者が介護休業給付金支給申請書を出す日までです。会社経由で申請するなら、支給申請書と同時に提出できます。確認資料として、賃金台帳、出勤簿・タイムカード、労働者名簿、雇用契約書等を用意します。
添付書類は「誰の事実を証明するか」で分ける

| 証明する事実 | 主な書類 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 社員が会社へ休業を申し出た | 介護休業申出書 | 対象家族、開始日、終了予定日 |
| 対象家族の情報 | 住民票記載事項証明書等 | 氏名、続柄、性別、生年月日 |
| 休業の開始・終了と実績 | 出勤簿、タイムカード等 | 全日休業日、就業日、会社休日 |
| 休業中に支払った賃金 | 賃金台帳、給与明細の算定資料等 | 支払日と賃金の対象期間を分ける |
| 休業前の賃金と被保険者期間 | 賃金台帳、出勤簿、労働者名簿、雇用契約書等 | 賃金月額証明書の各期間と一致 |
| 振込先 | 本人名義の通帳、キャッシュカード等 | 氏名、金融機関、支店、口座番号 |
対象家族の状態や休業終了の事情によって追加資料を求められる場合があります。たとえば、介護休業中に対象家族が亡くなった場合は、死亡診断書の写し等が必要になることがあります。個別事情があるときは、提出前に管轄ハローワークへ確認してください。
期限は一回の介護休業が終わるたびに計算する

申請期限は「休業を申し出た日」や「給与を締めた日」から数えません。各介護休業の終了日を起点にします。介護休業が3か月以上にわたる場合は、実際の復帰日ではなく、介護休業開始日から3か月を経過する日が起点です。
- 今回の介護休業の終了日を確定する。
- 3か月以上続く場合は、開始日から3か月を経過する日へ置き換える。
- その翌日を申請期間の初日とする。
- 翌日から起算して2か月を経過する日が属する月を確認する。
- その月の末日を社内の法定期限として記録する。
公開日より後の日付で例を挙げます。介護休業が2026年11月10日に終了する場合、申請期間は11月11日から始まり、期限は2027年1月31日です。社内締切は法定期限より前に置き、給与確定、本人確認、電子申請の差し戻し対応に使う時間を確保しましょう。
申請期限の管理表には「休業終了日」「3か月経過日」「申請期間初日」「法定期限」を別の列で持たせます。実際の休業が3か月を超えて続いても、給付申請の起点を復帰日まで待たない点が最大の注意点です。
93日を3回に分けたときは申請も回ごとに分ける
同じ対象家族について受けられる介護休業給付金は、支給日数が通算93日以内、休業回数は3回までです。「3回それぞれ93日」ではありません。対象家族の要介護状態が変わっても、同じ家族について93日を使い切った後に再び93日へ戻るわけではありません。
休業回数と支給対象期間は別に数える
「休業1回」は、社員が開始日と終了日を定めて申し出た一まとまりの介護休業です。その1回の中を、給付計算のために最大3つの支給対象期間へ区切ります。支給対象期間が3つあるからといって、介護休業を3回取ったことにはなりません。
| 管理単位 | 何を数えるか | 総務が残す記録 |
|---|---|---|
| 介護休業の回数 | 社員が申し出た一まとまりの休業。上限3回 | 第何回か、開始日、終了日、対象家族 |
| 支給日数 | 同じ対象家族について通算93日まで | 今回の日数、累計日数、残日数 |
| 支給対象期間 | 各休業を開始日から1か月ごとに区切った給付計算期間 | その1〜3の初日・末日、全日休業日数、賃金額 |
| 申請期限 | 各介護休業の終了日等から個別に計算 | 申請期間初日、法定期限、提出日、受付記録 |
厚生労働省の現行リーフレットには、1回目に61日分を受給した後、同じ家族について2回目以降は通算93日になるまで32日分を受給できる例があります。この場合、1回目が終わった時点と2回目が終わった時点で、それぞれ申請します。会社は社員別だけでなく対象家族別にも履歴を持つと、残日数と残回数の取り違えを防げます。
仕事と介護の両立支援プランそのものの作り方は、既刊の介護支援プランの記入例|仕事と介護の両立支援へ譲ります。この記事では、雇用保険の申請書と会社の証明作業に範囲を絞っています。
事業主経由と本人申請で変わる書類
申請手続きは原則として事業主経由です。ただし、厚生労働省の現行Q&Aは、被保険者本人が希望する場合、本人が申請手続きを行うことも可能と案内しています。本人申請でも、会社の勤怠・賃金証明が不要になるわけではありません。
| 申請経路 | 会社が行うこと | 本人が行うこと |
|---|---|---|
| 事業主経由 | 賃金月額証明書と支給申請書を作成し、確認資料を添えて提出。結果通知を本人へ渡す | 対象家族・口座情報等を提供し、申請内容を確認する |
| 本人申請 | 賃金月額証明書、介護休業取扱通知書、勤怠・賃金の確認資料等を本人へ交付する | 会社から受け取った書類と対象家族確認書類等を、事業所所在地を管轄するハローワークへ提出する |
本人申請の提出先も、本人の住所地ではなく、事業所の所在地を管轄するハローワークです。会社は「本人が出すから関係ない」と処理を切らず、証明書の作成、事業主証明、資料交付、申請期限の共有まで行います。
会社で回す7つの手順
1.介護休業申出書を受け取る
対象家族、開始予定日、終了予定日、過去の取得回数と日数を確認します。介護休暇の申出と取り違えていないかも見ます。
2.受給資格の前提を点検する
雇用保険の資格取得日、被保険者期間、有期雇用契約、休業後の復職予定を確認します。会社だけで判断しにくいケースは、この段階でハローワークへ相談します。
3.休業実績と給与を締める
開始日・終了日、就業日、全日休業日、支給対象期間中に支払った賃金を確定します。給与の支払日と対象期間を分けて記録します。
4.休業開始時賃金月額証明書を作る
休業前の被保険者期間、賃金支払基礎日数、賃金支払対象期間、賃金額を記入し、賃金台帳・出勤簿・労働者名簿と照合します。
5.支給申請書を欄番号順に埋める
本人と対象家族の情報を先に入れ、次に支給対象期間、全日休業日数、賃金額、終了事由、振込口座を記入します。公共職業安定所記載欄には触れません。
6.本人確認と事業主証明を完了する
社員へ申請内容を見せ、日付・対象家族・振込口座を確認します。同意書で本人氏名の記載を省略する運用なら、確認書類を保存します。会社は記載事実を証明します。
7.提出後の記録と通知を残す
紙または電子で提出し、提出日、受付記録、申請期限、支給・不支給決定通知書の交付日を記録します。令和8年8月版の雇用保険事務手続きの手引きでは、支給決定された給付金は、支給決定日から約1週間後に本人名義口座へ振り込まれると案内されています。ただし、申請から支給決定までの審査日数は一律ではありません。
差し戻しを防ぐ5つの照合
休業開始日が書類ごとに違う
❌ 介護休業申出書は11月1日、勤怠は11月2日、申請書8欄は11月3日になっている。
⭕ 会社が認めた休業初日を確定し、申出書、取扱通知書、勤怠、支給申請書、賃金月額証明書を同じ日付にそろえる。
全日休業日数を所定労働日だけで数える
❌ 出勤予定だった日だけを18・21・24欄へ入れる。
⭕ 支給対象期間中に全日にわたって介護休業した日を数え、日曜・祝日など所定労働日でない日も含める。
給与振込額をそのまま賃金欄へ入れる
❌ 支給対象期間中に振り込んだ給与総額を19・22・25欄へ転記する。
⭕ その支払額のうち、介護休業期間を対象としていることが明確な賃金だけを抽出し、期間外分を除く。
3か月を超える休業で復帰日まで申請を待つ
❌ 半年間の休業が終わってから、最初の3か月分を申請しようとする。
⭕ 介護休業開始日から3か月を経過する日を基準に申請期限を計算し、期限内に提出する。
分割取得を1件の申請として管理する
❌ 3回分割した介護休業を最後まで待ち、1回の申請にまとめる。
⭕ 1回の介護休業が終わるたびに申請し、対象家族別の累計日数、取得回数、各回の期限を更新する。
介護休業給付金と会社向け助成金は申請主体が違う
介護休業給付金と、両立支援等助成金の介護離職防止支援コースは別制度です。名前が近くても、同じ申請書を使う制度ではありません。
| 比較点 | 介護休業給付金 | 介護離職防止支援コース |
|---|---|---|
| 支給を受ける人 | 要件を満たす雇用保険の被保険者本人 | 要件を満たす中小企業事業主 |
| 目的 | 介護休業中の所得を雇用保険で支える | 会社の仕事と介護の両立支援の取組を支える |
| 中心となる書類 | 介護休業給付金支給申請書、休業開始時賃金月額証明書 | 助成金の支給申請書、仕事と介護の両立支援プラン等 |
| 提出先・審査 | 事業所所在地を管轄するハローワーク | 都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)等 |
会社向け助成金の要件や申請書をここで長く重ねると、社員本人の給付申請と混ざります。2026年度の制度は厚生労働省「両立支援等助成金」を確認し、実務の全体像は介護離職防止支援コースの解説または両立支援等助成金全6コースの案内へ進んでください。
よくある質問
介護休業給付金支給申請書はどこからダウンロードできますか?
ハローワークインターネットサービスの申請書作成ページから、現行の様式第33号の6を印刷できます。様式だけの印刷と、画面で内容を入力してからの印刷があります。印刷しただけでは申請完了になりません。
申請書は会社と社員のどちらが書きますか?
原則の提出者は事業主です。社員は対象家族、個人番号、本人名義口座などの情報を提供し、会社は勤怠・賃金の実績を確定して事業主証明を行います。本人が申請を希望する場合でも、会社が作る賃金月額証明書や勤怠・賃金資料が必要です。
申請期限はいつまでですか?
各介護休業の終了日、3か月以上にわたる場合は開始日から3か月を経過する日の翌日から起算して、2か月を経過する日の属する月の末日までです。分割取得なら各回で別々に計算します。
介護休業を3回に分けた場合、申請書も3回出しますか?
3回すべて取得するなら、1回の介護休業が終わるたびに申請します。同じ対象家族について支給日数は合計93日以内です。会社は回数と日数に加え、各回の申請期限も別に記録してください。
本人が直接ハローワークへ申請できますか?
できます。厚生労働省Q&Aは、本人が希望する場合に本人申請が可能と案内しています。会社は賃金月額証明書、介護休業取扱通知書、勤怠・賃金を確認できる資料等を本人へ交付します。提出先は事業所所在地を管轄するハローワークです。
介護休業給付金はいつ振り込まれますか?
申請から支給決定までの審査期間は全国一律の固定日数として示されていません。厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き 第3編」令和8年8月版では、支給決定日から約1週間後に本人名義口座へ振り込まれると案内しています。申請後すぐに1週間で入金されるという意味ではありません。
休業中に会社から給与が出ても申請できますか?
申請はできますが、休業期間を対象とした賃金の額によって給付が減額され、賃金が所定の基準以上なら不支給になる場合があります。19・22・25欄へ対象賃金を正確に記載し、個別の支給額はハローワークの決定を確認してください。
介護休暇を取った日も介護休業給付金の対象ですか?
介護休暇と介護休業は別制度です。介護休暇を取ったことだけで介護休業給付金の対象にはなりません。社員の申出書と社内勤怠の区分が「介護休業」になっているかを確認してください。
運営元 Uravation より助成金を使ってAI研修を進める場合に、対象者の選び方・カリキュラム・効果測定・申請準備で確認しておく項目を、無料のチェックリストにまとめています。 AI研修導入40項目チェックリストを受け取る(無料)
参考・公式情報
- ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」(厚生労働省、参照日:2026年10月26日)
- 介護休業給付金支給申請書 作成ページ(ハローワークインターネットサービス、参照日:2026年10月26日)
- 介護休業給付の内容及び支給申請手続について(08.08)(厚生労働省、参照日:2026年10月26日)
- 雇用保険事務手続きの手引き 第3編 令和8年8月版(厚生労働省、参照日:2026年10月26日)
- 雇用保険の手続き一覧表(厚生労働省、参照日:2026年10月26日)
- Q&A〜介護休業給付〜(厚生労働省、参照日:2026年10月26日)
結論
介護休業給付金の申請書は、社員の氏名や対象家族を埋めるだけの書類ではありません。会社が、休業の開始・終了、1か月ごとの支給対象期間、全日休業日数、支給対象期間中に支払った賃金を証拠資料と一致させる作業が中心です。
- 現行の様式第33号の6と令和8年8月版手引きを開く
- 勤怠・給与を締めてから17〜25欄を作る
- 各介護休業の終了ごとに期限を計算し、93日・3回の履歴を更新する
受給資格や賃金の扱いに個別事情がある場合は、事業所所在地を管轄するハローワークまたは社会保険労務士へ相談してください。補助金ナビは、書類の作成・提出代行を行うものではありません。人事・総務の申請管理フローや業務のデジタル化については、株式会社Uravationへのお問い合わせをご利用いただけます。
この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。
免責事項
本稿は2026年10月26日時点の厚生労働省・ハローワークの公表資料に基づく一般的な参考情報です。制度、様式、支給限度額、取扱いは変更される場合があります。申請前に必ず公式情報と管轄ハローワークの案内を確認してください。支給可否や支給額は個別審査で決まり、本稿は給付を保証するものではありません。
