「子の看護休暇の助成金」をお探しの方へ:令和8年4月8日以降に子の看護等休暇を法を上回る有給制度(年10労働日以上・時間単位で取得可)として就業規則等に規定し、雇用保険被保険者が10時間以上利用すると、両立支援等助成金の柔軟な働き方選択制度等支援コースから30万円(1事業主1回限り・中小企業事業主のみ)が支給されます。申請は利用時間が10時間に達した日の翌日から2か月以内です。支給要件4条件・10時間の利用実績・申請期限の起算日は 子の看護等休暇の助成金30万円|有給化の要件 に、コース全体の改正点と障害児等加算は 柔軟な働き方選択制度等支援コース 令和8年度改正点|子の看護休暇の有給化支援 にまとめています。
「育児休業を取る社員が増えてきたのに、制度整備が追いついていない」「介護離職を防ぎたいが、何から手をつければいいかわからない」——そんな声を中小企業の人事担当者からよく聞く。
仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主を対象にした両立支援等助成金は、育児・介護・不妊治療など多岐にわたる両立支援制度の導入・活用を後押しする厚生労働省の助成金制度だ。ただ、6コースがそれぞれ複数の区分に分かれ、区分ごとに支給額も対象事業主も申請期限の起算日も違う。「いくらもらえるか」だけを調べて動くと、そもそも自社が対象外だった、あるいは期限の起算日を勘違いしていたという形でつまずく。
そこでこの記事では、両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)と令和8年度のご案内リーフレット(2026年4月作成・リーフレットNo.14)を2026年9月24日に取得し直したうえで、まず「コース一覧 × いくら × 誰が対象 × いつまでに出すか」を1枚の表にまとめる。そのあとで、中小企業が1本目に取りやすい2コースの流れと必要書類、令和8年4月8日改正の変更点、よくある質問の順に解説する。
令和8年度の全6コース|いくら・誰が対象・いつまでに出すか
まず結論の表から。金額・対象事業主・申請期限の起算は、すべて支給申請の手引き(2026(令和8)年度版・6月29日差替)の記載にそろえている。
| コース/区分 | 支給額 | 誰が対象か | 回数の上限 | 申請期限の起算 |
|---|---|---|---|---|
| 1 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金) 男性労働者の育児休業取得 |
1人目20万円(雇用環境整備措置を4つ以上実施した場合は30万円) 2人目・3人目 各10万円 |
中小企業事業主 | 1事業主あたり3人目まで | 育児休業の終了日の翌日から2か月以内 |
| 1 出生時両立支援コース 男性労働者の育児休業取得率の上昇等 |
60万円 (申請時にプラチナくるみん認定事業主なら15万円加算) |
特定事業主 | 1事業主1回限り | 取得率が上昇等した事業年度の翌事業年度の開始日から6か月以内 |
| 2 介護離職防止支援コース 介護休業 |
40万円(連続15日以上の休業は60万円) | 中小企業事業主 | 1事業主5人まで | 介護休業終了日の翌日から3か月を経過する日の翌日から2か月以内 |
| 2 介護離職防止支援コース 介護両立支援制度 |
制度1つ導入+利用 20万円(合計60日以上の利用は30万円) 制度2つ以上導入+利用 25万円(同40万円) |
中小企業事業主 | 1事業主5人まで | 利用実績が合計20日または60日を経過する日の翌日を起算日とし、1か月経過後から2か月以内 |
| 2 介護離職防止支援コース 業務代替支援 |
新規雇用 20万円(連続15日以上の休業は30万円) 手当支給等(介護休業)5万円(同10万円) 手当支給等(短時間勤務)3万円 |
中小企業事業主 | 1事業主5人まで | 介護休業終了日/短時間勤務制度終了日の翌日から2か月以内 |
| 2 介護離職防止支援コース 介護休暇制度有給化支援 |
30万円(10日以上の有給休暇を付与する場合は50万円) | 中小企業事業主 | 1事業主1回限り | 利用時間数が10時間に達した日の翌日から2か月以内 |
| 3 育児休業等支援コース 育休取得時 |
30万円 | 中小企業事業主 | 1事業主2回まで(無期雇用・有期雇用 各1人) | 育児休業開始日から3か月を経過する日の翌日から2か月以内 |
| 3 育児休業等支援コース 職場復帰時 |
30万円 | 中小企業事業主 | 1事業主2回まで | 育児休業終了日の翌日から6か月を経過する日の翌日から2か月以内 |
| 4 育休中等業務代替支援コース 手当支給等(育児休業) |
業務体制整備経費6万円(育休1か月未満は2万円/労務コンサルを外部委託した場合は20万円)+業務代替手当=手当総額の3/4(プラチナくるみん認定は4/5・月10万円上限・代替期間24か月分まで) | 企業規模要件なし | 区分あわせて1年度10人まで・初回から5年間 | 育児休業期間の長短により異なる |
| 4 育休中等業務代替支援コース 手当支給等(短時間勤務) |
業務体制整備経費3万円(労務コンサルを外部委託した場合は20万円)+業務代替手当=手当総額の3/4(月3万円上限・子が3歳になるまで・支給申請は1年ごと) | 企業規模要件なし | 同上 | 短時間勤務の利用期間の長短により異なる |
| 4 育休中等業務代替支援コース 新規雇用(育児休業) |
7日以上14日未満 9万円/14日以上1か月未満 13.5万円/1か月以上3か月未満 27万円/3か月以上6か月未満 45万円/6か月以上1年未満 67.5万円/1年以上 81万円 (プラチナくるみん認定事業主は順に11万円・16.5万円・33万円・55万円・82.5万円・99万円) |
特定事業主 | 同上 | 育児休業期間の長短により異なる |
| 5 柔軟な働き方選択制度等支援コース 柔軟な働き方選択制度 |
制度を3つ導入+利用 20万円 制度を4つ以上導入+利用 25万円 |
中小企業事業主 | 1事業主5人まで | 6か月間の制度利用期間の翌日から2か月以内 |
| 5 柔軟な働き方選択制度等支援コース 子の看護等休暇制度有給化支援 |
30万円 | 中小企業事業主 | 1事業主1回限り | 利用時間数が10時間に達した日の翌日から2か月以内 |
| 6 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース | 不妊治療 30万円/女性の健康課題対応(月経)30万円/女性の健康課題対応(更年期)30万円 | 中小企業事業主 | それぞれ1事業主1回限り | 各制度の利用が合計5日(回)を経過する日の翌日から2か月以内 |
※出典はいずれも両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)(P.2・P.28・P.78・P.94・P.138・P.165/参照日: 2026-09-24)。金額はすべて対象労働者1名あたりで、後述の加算は含んでいない。
表を眺めて最初に気づいてほしいのが、右から2列目の「誰が対象か」だ。この助成金は「中小企業事業主のみ」「特定事業主」「企業規模要件なし」の3種類が混在している。

「中小企業事業主」と「特定事業主」は範囲が違う
両者は別物で、手引きP.175に業種別の表がある。
| 業種 | 中小企業事業主(資本金または常時雇用労働者数) | 特定事業主(同左) |
|---|---|---|
| 小売業(飲食店を含む) | 5,000万円以下 または 50人以下 | 5,000万円以下 または 300人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 または 100人以下 | 5,000万円以下 または 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 または 100人以下 | 1億円以下 または 300人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 または 300人以下 | 3億円以下 または 300人以下 |
「または」なので、どちらか一方を満たせば該当する。資本金等のない事業主は常時雇用する労働者の数だけで判定する。ここでいう常時雇用する労働者とは「2か月を超えて使用される者で、週の所定労働時間が通常の労働者と概ね同等である者」を指す(手引きP.176)。小売業でサービス業並みの人数がいる、といったケースでは、中小企業事業主には当たらないのに特定事業主には当たる、という状態が起こりうる。
加算は5種類ある——本体だけ見て見積もると取りこぼす
上の表は本体の支給額だけで、実際にはコースごとに加算が乗る。加算だけを単独で受給することはできない点に注意したい。
| 加算の名称 | 加算額 | 対象のコース・区分 | 回数 |
|---|---|---|---|
| 育児休業等に関する情報公表加算 | 2万円 | 出生時両立支援/育児休業等支援/育休中等業務代替支援/柔軟な働き方選択制度等支援 | 各コース1回限り |
| 環境整備加算 | 10万円 | 介護離職防止支援(介護休業・介護両立支援制度・業務代替支援) | 1事業主1回限り |
| 有期雇用労働者加算 | 10万円 | 介護離職防止支援(介護休業・介護両立支援制度)/育休中等業務代替支援 | 1事業主1回限り |
| 制度利用期間延長加算 | 20万円 | 柔軟な働き方選択制度等支援 | 1事業主1回限り |
| 障害児等要配慮支援加算 | 20万円 | 柔軟な働き方選択制度等支援 | 1事業主1回限り |
| プラチナくるみん認定による加算 | 15万円 | 出生時両立支援(男性労働者の育児休業取得率の上昇等) | 1事業主1回限り |
出典: 支給申請の手引き(2026(令和8)年度版) P.2・P.28・P.78・P.94・P.138(参照日: 2026-09-24)。なお育休中等業務代替支援コースの新規雇用は、加算ではなくプラチナくるみん認定事業主向けの割増額が金額表そのものに設定されている(1年以上で81万円→99万円)。
まずここを確認——両立支援等助成金の前提条件
申請の手順を見る前に、この助成金を受け取れる事業主かどうかを確認しよう。以下の要件を満たさない場合、いくらコースの条件を揃えても支給されない。
- 雇用保険適用事業主であること。パート・アルバイトを含む雇用保険被保険者を1人以上雇用していれば対象になる
- 対象労働者が雇用保険被保険者であること。育休・介護休業等の制度を利用する本人が雇用保険の被保険者である必要がある。ただし不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースの制度の利用対象者は、雇用保険被保険者以外も含める運用が求められている(手引きP.165)
- 就業規則・労働協約に必要な制度が規定されていること。「育児・介護休業法に準ずる」という委任規定だけでは不十分で、具体的な内容を自社の就業規則に落とし込む必要がある。常時雇用する労働者が10人未満で就業規則の作成・届出をしていない場合は、制度が明文で定められ労働者に周知されていることを確認できる書類でよい
- 各コースの特定の措置(雇用環境整備措置など)を実施済みであること
- 次世代法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局へ届け出ていること。プラチナくるみん認定を受けている事業主は、この策定届の提出が不要になる
- 法令違反がないこと。申請時点で労働基準法・育児・介護休業法等の重大な違反がある事業主は支給対象外になる場合がある
正直なところ、「就業規則を整備して初めてスタートラインに立てる」という性格が強い助成金だ。各コースの申請を検討するなら、まず自社の就業規則の現状を社会保険労務士に確認してもらうことを強く勧める。

各コースの詳しい要件は、厚生労働省運営の情報提供サービス「中小企業育児・介護休業等推進支援事業(いくぷら)」でも確認できる。申請書の書き方そのものに不安がある場合は、補助金・助成金申請書の書き方ガイドも参考にしてほしい。
中小企業が1本目に取りやすいのはこの2コース
6コースあると言われても、全部を同時に走らせるのは現実的ではない。実務上、最初の1本目として動かしやすいのは次の2つだ。
- 育児休業等支援コース(育休取得時)——育休を取る社員が1人いれば成立する。プランの作成と面談という手間はあるが、代替要員の確保や取得率の計算が要らないぶん条件がシンプル
- 出生時両立支援コース(男性労働者の育児休業取得)——男性社員の育休が連続5日以上あれば成立する。ただし雇用環境整備の措置と業務体制の整備を育休開始日の前日までに済ませておく必要があり、後追いが効かない
逆に、介護離職防止支援コースと柔軟な働き方選択制度等支援コースは「プラン作成+制度導入+一定量の利用実績」が重なるため、社内の準備量が多い。育休中等業務代替支援コースは手当の支給実績と賃金台帳の整合が要るので、給与計算の体制が整ってから着手するほうが無理がない。
介護から着手したい事業主は 介護離職防止支援コース|支給額4区分と有給化30万円【令和8年度】、業務代替から入る場合は 育休中等業務代替支援コース|最大81万円の申請ガイド【令和8年度】 をあわせて読むと、区分ごとの要件を取り違えずに済む。
育児休業等支援コースの申請の流れと必要書類13点
1本目に最も多く選ばれるコースなので、手引きP.78〜P.90の内容を実務の順序に並べ直しておく。
Step 1: 方針の周知(育休開始より前)
「育休復帰支援プランにより労働者の育児休業の取得・職場復帰を支援する」という方針を、社内報・イントラネット・実施要領・就業規則などで周知する。周知した日付が確認できる形で残すことが申請書類の要件になる。
Step 2: 面談と育休復帰支援プランの作成
育児休業取得予定者と面談を行い、「面談シート」に記録したうえで育休復帰支援プランを作成する。厚生労働省のページから令和8年4月8日時点の面談シート兼プラン様式(Excel)がダウンロードできる。
面談シートの4回の面談で聞くこと、プランの欄ごとの書き方、支援の方針を社内に知らせる文の例は、育休復帰支援プランの記入例|面談シートと作る手順【2026年度】で整理している。
Step 3: プランに基づく業務の引き継ぎ
プランに沿って業務の棚卸しと引き継ぎを実施する。ここを口頭で済ませると、あとで証憑が作れない。
Step 4: 連続3か月以上の育児休業の取得
対象労働者が連続3か月以上の育児休業を取得する(産後休業から連続して取得する場合は産後休業を含めて通算する)。
Step 5: 申請期限を逆算する
ここが一番の落とし穴だ。育休取得時の申請期限は育児休業終了日ではなく、育児休業開始日から3か月を経過する日の翌日から2か月以内である(産後休業から連続して育児休業を取得する場合は産後休業開始日から起算)。手引きには「育児休業の終了を待たずに申請期限が終了することもありますので、ご注意ください」と明記されている。1年の育休なら、復帰を待っていると期限を過ぎる。

Step 6: 職場復帰時をもう一度申請する
育休取得時の対象となった同じ労働者について、育休中に職務・業務の情報や資料を提供し、育休終了前に上司または人事労務担当者が面談して結果を記録し、原則として原職等に復帰させて6か月以上継続雇用すると、職場復帰時の30万円を追加で申請できる。こちらの期限は育児休業終了日の翌日から6か月を経過する日の翌日から2か月以内で、起算のしかたが育休取得時とは違う。
必要書類(育休取得時・13点)
手引きP.84の一覧をそのまま挙げる。3〜13は写しを提出する。
- 両立支援等助成金(育児休業等支援コース)支給申請書(【育】様式第1〜5号)
- 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号・厚生労働省HPの最新版を使うこと)
- 育休復帰支援面談シート
- 育休復帰支援プラン
- 支援方針をあらかじめ周知したことと、その日付が確認できる書類
- 労働協約または就業規則、関連する労使協定(育児休業制度・育児のための短時間勤務制度が確認できる部分)
- 対象労働者のプラン策定日における雇用期間の定めが確認できる書類
- 対象労働者の育児休業申出書
- 育児休業3か月分の休業状況が確認できる書類(出勤簿またはタイムカード、賃金台帳など)
- 子がいることや子の出生日が確認できる書類(母子手帳の出生を証明する部分、住民票など)
- 次世代法に基づく一般事業主行動計画策定届
- 提出を省略する書類についての確認書
- 支払方法・受取人住所届および支払口座が確認できる通帳等の写し
住民票の写しを出す場合、個人番号(マイナンバー)の記載は不要で、記載があるときはあらかじめマスキングして提出する。また11の策定届は、プラチナくるみん認定を受けている事業主は提出不要だ。
様式の版に注意:令和8年(2026年)4月8日以降に育児休業(産後休業から連続する場合は産後休業)が開始している場合は、様式第2号のR8.4.8版で申請する。旧版のまま出すと受け付けられないことがある。
出生時両立支援コースの申請の流れと必要書類12点
男性育休の助成はこちらが本体だ。2026年度は、旧「第1種」が男性労働者の育児休業取得、旧「第2種」が男性労働者の育児休業取得率の上昇等という名称になっている(支給要領 令和8年4月8日時点 0300a/0300b)。当サイトでも旧・第2種側は 出生時両立支援コース第二種の令和8年度改正点|300人以下に拡大 で個別に扱っている。
育休開始日の前日までに終えておくこと
手引きP.3の注記が実務上いちばん重要だ。雇用環境整備の措置(①)、育児休業制度等の就業規則への規定(④)、業務見直しに係る規定の策定(②のうち規定部分)は、育児休業の開始日の前日までに行っている必要がある。子どもが生まれてから慌てても間に合わない。
雇用環境整備の措置は次の5項目から必要数を実施する。4つ以上を実施すると1人目の支給額が20万円から30万円に上がるので、実務上は4つを狙うのが定石だ。
- 雇用する労働者に対する育児休業に係る研修の実施(少なくとも管理職は受講済みの状態にする。管理職がいない小規模な職場は原則全員が対象)
- 育児休業に関する相談体制の整備(窓口の設置だけでなく、実質的に対応できる体制と周知が必要)
- 自社の育児休業の取得事例の収集・提供(原則として男女双方の事例を集める)
- 育児休業に関する制度および取得促進に関する方針の周知
- 育児休業の取得が円滑に行われるようにするための業務の配分・人員配置に係る必要な措置
取得日数の要件は人数で変わる
対象の男性労働者は、子の出生後8週間以内に開始する育児休業を取得する必要がある。助成対象となる日数は1人目は連続5日以上、2人目は連続10日以上、3人目は連続14日以上と段階的に上がる。分割取得した場合でも、初回の休業で要件を満たすならその休業の終了日の翌日から申請期間が始まる。全部の休業が終わってからではない。
必要書類(男性労働者の育児休業取得・12点)
手引きP.10〜P.11の一覧。3〜10は写しを提出する。
- 両立支援等助成金(出生時両立支援コース)支給申請書(【出】様式第1〜4号)
- 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
- 労働協約または就業規則、関連する労使協定(育児休業・産後パパ育休・育児のための短時間勤務制度が確認できる部分)
- 雇用環境整備の措置を実施したことと実施日が分かる書類(研修の開催案内、相談窓口の周知資料、事例掲載資料、方針の周知資料、代替業務リストなど)
- 育児休業取得者の業務を代替する労働者の業務見直しにかかる規定等
- 対象の男性労働者の育児休業申出書(申出日が明記されているもの)
- 出勤簿またはタイムカード、および賃金台帳など
- 雇用契約期間・育休期間の所定労働時間・所定労働日が確認できる書類
- 子がいることと出生日(出生前からの取得なら出産予定日)が確認できる書類
- 次世代法に基づく一般事業主行動計画策定届
- 提出を省略する書類についての確認書(【出】様式第4号)
- 支払方法・受取人住所届および支払口座が確認できる通帳等の写し
なお、同一労働者の同一の育児休業について、出生時両立支援コース(男性労働者の育児休業取得)と育児休業等支援コース(育休取得時・職場復帰時)を併給することはできない。どちらで申請するかは、金額と手間を見て先に決めておきたい。
令和8年4月8日改正で何が変わったか——4コースの変更点
令和8年度の改正は、令和8年4月8日付の職発0408第3号・雇均発0408第1号・開発0408第9号「雇用安定事業の実施等について」によるもので、同日から施行されている(支給要領 0701 施行期日)。労働局が公表している改正内容の要約が分かりやすいので、それを軸に整理する。
| コース | 令和8年度の変更点 |
|---|---|
| 出生時両立支援コース | ・男性育休取得率の上昇等(旧・第2種)の支給対象事業主を、業種にかかわらず常時雇用労働者300人以下の事業主(特定事業主)に拡充 ・男性育休取得率の算定にあたり、事実婚状態の男性労働者の育児休業も対象に |
| 介護離職防止支援コース | ・介護両立支援制度のメニューから「所定外労働の制限制度」「深夜業の制限制度」を削除 ・介護休暇制度の有給化を独立した助成金とし、要件を満たす事業主に1回限り30万円を支給 ・介護休業と介護両立支援制度で、取得者・利用者が有期雇用労働者の場合に10万円を加算 |
| 育休中等業務代替支援コース | ・手当支給等(育児休業・短時間勤務)の支給対象事業主から労働者数の要件を撤廃 ・新規雇用(育児休業)の支給対象を特定事業主に拡充 ・手当支給等(育児休業)の業務代替手当について、助成金の算定対象となる手当支給期間を2年間に延長 ・新規雇用(育児休業)に「1年以上」の区分を新設し81万円(プラチナくるみん認定事業主は99万円)を支給 |
| 柔軟な働き方選択制度等支援コース | ・障害児や医療的ケア児を養育する労働者が制度を利用できる期間を18歳になる年度末まで引き上げた場合に20万円を加算(障害児等要配慮支援加算) ・子の看護等休暇制度の有給化について、対象労働者が実際に制度を利用したことを支給要件に追加 |
出典: 令和8年度 両立支援等助成金改正内容について — 愛媛労働局(参照日: 2026-09-24)

リーフレット同士を並べると分かる金額の動き
2025年4月作成のリーフレットNo.8と2026年4月作成のリーフレットNo.14を突き合わせると、次の差が出る。
| 項目 | 令和7年度のリーフレット(2025年4月・No.8) | 令和8年度のリーフレット(2026年4月・No.14) |
|---|---|---|
| 育休中等業務代替支援・手当支給等(育児休業)の業務代替手当 | 最大120万円 | 最大240万円 |
| 育休中等業務代替支援・新規雇用(育児休業)の最長区分 | 6か月以上 67.5万円 | 1年以上 81万円 |
| 柔軟な働き方選択制度等支援・導入する制度の数 | 2つで20万円/3つ以上で25万円 | 3つで20万円/4つ以上で25万円 |
| 介護離職防止支援・介護休暇制度有給化支援 | 記載なし | 30万円(10日以上の有給付与は50万円) |
| 介護両立支援制度のメニュー数 | 8種類(所定外労働の制限制度・深夜業の制限制度・法を上回る介護休暇制度を含む) | 5種類(時差出勤・短時間勤務・在宅勤務・フレックスタイム・介護サービス費用補助) |
| 出生時両立支援コースの種別名 | 第1種/第2種 | 男性労働者の育児休業取得/男性労働者の育児休業取得率の上昇等 |
柔軟な働き方選択制度等支援コースの「導入する制度の数」の引き上げは見落とされやすい。これまで2つでよかった事業主が、令和8年度のリーフレットの基準では3つ導入して初めて20万円になる。なお各コースの支給要領には経過措置があり、要件を満たした日によっては令和7年度以前の支給要領が適用される場合がある。制度導入日・利用開始日を必ず控えたうえで、管轄の労働局に適用される版を確認してほしい。
両立支援等助成金でよくある不支給理由
申請を準備したのに支給されなかったというケースを類型別に見ると、だいたい以下のパターンに収まる。
不支給理由1: 申請期限の起算日を取り違えた
❌ 育休取得時の申請を「復帰してから出せばいい」と考え、1年の育休が明けるのを待っていた
⭕ 育休取得時は育児休業開始日から3か月経過が起算。職場復帰時は育児休業終了日の翌日から6か月経過が起算。起算日が区分ごとに違うので、実績が生まれた日にカレンダーへ両方の期限を入れる
不支給理由2: 郵送したが到達が期限後だった
❌ 締切当日に簡易書留で投函した
⭕ 手引きは「消印の日付が申請期間内であっても、労働局への到達日が申請期限を徒過していた場合は申請を受け付けられません(期限内必着)」と明記している。消印有効ではなく必着だ
不支給理由3: 就業規則の委任規定だけで具体的規定がない
❌ 「育児・介護休業法に準じて取り扱う」という1行だけ就業規則に書いてあった
⭕ 取得要件・申出方法・期間・賃金・職場復帰方法等を自社の就業規則に具体的に規定する
不支給理由4: プランの作成時期が制度利用の開始より後になった
❌ 育休開始後にプランを作成した
⭕ 育休復帰支援プランは育児休業の開始日の前日までに作成し、書面で本人に交付しておく。介護の場合の「仕事と介護の両立支援プラン」は、原則として介護休業等の開始前に作成するが、開始と同時並行で作成することも認められている(手引きP.29)
不支給理由5: 旧様式で申請した
❌ 前年度にダウンロードした様式をそのまま使った
⭕ 令和8年4月8日以降に育児休業が開始している事案はR8.4.8版の様式で申請する。支給要件確認申立書も「雇用関係助成金に共通の要件等」に掲載の最新版を使う
不支給理由6: 書類の保存・提出漏れ
❌ 研修を実施したが記録を残していなかったため、雇用環境整備の措置を証明できなかった
⭕ 研修は参加者名簿・資料、相談窓口の設置は社内周知文書など、実施の証拠をその都度保存する習慣をつける。虚偽の書類を作成・添付した場合は不支給(故意の場合は不正受給)になる
なお、労働局に提出した支給申請書と添付資料の写しは、支給決定されたときから5年間保存しなければならない(手引きP.178)。不正受給と判断された場合は返還額に加えて、不正受給の日の翌日から納付日まで年3%の延滞金と、返還額の20%に相当する額が請求される。
くるみん認定・プラチナくるみん認定との関係
「くるみん認定」「プラチナくるみん認定」は、次世代育成支援対策推進法に基づき、子育て支援に積極的に取り組む企業が厚生労働大臣から受ける認定制度だ。両立支援等助成金の前提要件ではないが、金額と手続きの両面で効いてくる。
- 出生時両立支援コース(男性労働者の育児休業取得率の上昇等): 申請時にプラチナくるみん認定事業主であれば15万円が加算される
- 育休中等業務代替支援コース(新規雇用): プラチナくるみん認定事業主は割増額が適用され、1年以上の区分で81万円が99万円になる
- 手当支給等(育児休業)の業務代替手当: 通常3/4のところ、プラチナくるみん認定事業主は4/5になる
- 書類が1点減る: プラチナくるみん認定を受けている事業主は、次世代法に基づく一般事業主行動計画策定届の提出が不要
- 支給人数の上限が延びる: くるみん認定を受けた事業主は、育休中等業務代替支援コースについて令和12年度まで延べ50人を限度に支給される
認定の基準・申請手順は くるみん認定とは?基準・申請方法と助成金への効果【2026年版】 にまとめている。助成金の申請と並行して認定取得を進めると、同じ資料が両方に使える場面が多い。
申請前後のチェックリスト
以下を自社で確認してから申請に進もう。
| チェック項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 雇用保険適用事業所である | ハローワークの適用通知書で確認 |
| 自社が「中小企業事業主」「特定事業主」のどちらに当たるか判定した | 手引きP.175の業種別表に資本金・常時雇用労働者数を当てる |
| 対象コースの就業規則規定が整備されている | 社会保険労務士に就業規則を確認してもらう |
| 一般事業主行動計画を策定・届出済み | 労働局への届出受理通知書(プラチナくるみん認定事業主は不要) |
| 雇用環境整備の措置を何個実施したか数えた | 出生時両立支援コースは4つ以上で1人目が30万円になる |
| プランを制度利用の開始前に作成し、本人に交付した | 面談シートとプランの日付 |
| 区分ごとの申請期限の起算日を2つとも書き出した | 育休取得時=開始日から3か月、職場復帰時=終了日の翌日から6か月 |
| 最新版の様式(R8.4.8版)を厚労省サイトから取り直した | 旧様式での申請は受理されない場合がある |
| 郵送は期限内必着で届く日程になっている | 配達記録が残る方法(簡易書留など)で余裕をもって発送 |
| 対象労働者の申出書・休業期間の書類を保存している | 支給申請書と添付資料の写しは支給決定時から5年間保存する |
よくある質問
Q1. 両立支援等助成金は誰がもらえるのですか?
事業主が受け取る助成金です。労働者本人が受け取るものではありません。令和8年度の6コースのうち、介護離職防止支援・育児休業等支援・柔軟な働き方選択制度等支援・不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援の4コースと、出生時両立支援コースの「男性労働者の育児休業取得」は中小企業事業主のみが対象です。出生時両立支援コースの「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」と育休中等業務代替支援コースの「新規雇用」は特定事業主(業種にかかわらず常時雇用労働者300人以下など)、育休中等業務代替支援コースの「手当支給等」は企業規模の要件がありません。
Q2. 何回まで申請できますか?
区分ごとに上限が決まっています。育児休業等支援コースは育休取得時・職場復帰時とも1事業主2回まで(無期雇用労働者・有期雇用労働者 各1人)、出生時両立支援コースの男性労働者の育児休業取得は3人目まで、介護離職防止支援コースの介護休業・介護両立支援制度・業務代替支援は各1事業主5人まで、柔軟な働き方選択制度は1事業主5人まで。介護休暇制度有給化支援・子の看護等休暇制度有給化支援・不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースの各区分は1事業主1回限りです。
Q3. 育児休業等支援コースはいくらもらえますか?
育休取得時30万円、職場復帰時30万円です。同じ労働者について両方申請できるため、1人あたり最大60万円になります。ここに育児休業等に関する情報公表加算2万円が1回だけ上乗せできます(加算のみの受給はできません)。
Q4. 複数のコースを併用できますか?
コースが違えば併用できます。ただし同一労働者の同一の育児休業について、出生時両立支援コース(男性労働者の育児休業取得)と育児休業等支援コース(育休取得時・職場復帰時)の併給はできません。また、出生時両立支援コースでは、男性労働者の育児休業取得率の上昇等を受給した後に男性労働者の育児休業取得を申請することはできず、同一年度内に両方を申請することもできません。
Q5. いつ入金されますか?
支給決定後に指定口座へ振り込まれます。提出から支給決定までの期間は労働局の審査状況によって変わるため、一律の日数は公表されていません。書類に不備があると補正依頼が入り、そのぶん時間が延びます。振込予定の目安が必要な場合は、申請先の都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)に直接確認してください。
Q6. 令和8年度の変更点は何ですか?
令和8年4月8日施行の改正で、出生時両立支援コース・介護離職防止支援コース・育休中等業務代替支援コース・柔軟な働き方選択制度等支援コースの4コースが変わりました。主なものは、介護休暇制度の有給化を独立した助成(30万円・10日以上の有給付与は50万円)にしたこと、育休中等業務代替支援コースの業務代替手当の算定対象期間を2年間に延ばし新規雇用に「1年以上=81万円」の区分を新設したこと、出生時両立支援コースの取得率上昇等を特定事業主に拡充したことです。詳細は本文の変更点の表をご覧ください。
Q7. 申請はどこに出しますか。電子申請はできますか?
申請先は、申請事業主の本社等(人事労務管理の機能を有する部署が属する事業所)の所在地にある都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)です。登記上の本店とは異なることがあります。窓口持参・郵送のほか、雇用関係助成金ポータル経由の電子申請にも対応しています。郵送する場合は配達記録が残る方法で、期限内必着で届くように送ってください。
Q8. 就業規則がない小さな会社でも申請できますか?
常時雇用する労働者が10人未満で就業規則の作成・届出をしていない場合は、制度の措置が明文により定められており、労働者に周知されていることを確認できる書類を提出すれば足ります。ただし「育児・介護休業法に準じる」という委任規定だけでは要件を満たしません。
Q9. 事業所内保育施設コースはまだありますか?
事業所内保育施設コースは、平成28年(2016年)4月から新規計画の認定申請受付を停止しています。令和8年度のリーフレットにも同じ注記があります。
Q10. 支給申請書の様式はどこで入手しますか?
厚生労働省の両立支援等助成金のページで、コースごとにExcel/Word版・PDF版・記載例が公開されています。2026年9月24日時点で公開されている様式は令和8年4月8日時点のものです。支給要件確認申立書だけは「雇用関係助成金に共通の要件等」のページに掲載された最新版を使います。
Q11. 申請書の作成を代行してもらえますか?
手引きP.178は「社会保険労務士以外の方(弁護士等を除く)が他人の求めに応じ報酬を得て支給申請等に係る手続きを業として行うことは、社会保険労務士法に違反します」と明記しています。書類作成そのものは社会保険労務士にご相談ください。当サイトを運営するUravationが提供しているのはAI導入・DX推進の研修とコンサルティングであり、申請代行は行っていません。
申請までにやる3つのこと
両立支援等助成金は「取りやすい助成金」とよく言われるが、それは「要件さえ満たせばほぼ確実に支給される」という意味だ。裏返すと、準備の甘さがそのまま不支給に直結するという性格でもある。
- 自社の区分を先に決める。手引きP.175の業種別表で中小企業事業主か特定事業主かを判定し、上のコース表の「誰が対象か」列と突き合わせる。ここが合っていないと、どれだけ準備しても支給されない
- 就業規則と雇用環境整備を、実績が出る前に整える。出生時両立支援コースは育休開始日の前日までに規定と措置が揃っている必要があり、後追いが効かない。育児休業等支援コースもプランは育休開始前に作成する
- 区分ごとの申請期限の起算日を2つ書き出す。育休取得時は開始日から3か月、職場復帰時は終了日の翌日から6か月というように起算が違う。実績が生まれた日にカレンダーへ入れて、郵送は必着で間に合う日程を逆算する
制度内容は年度改正で変わる部分がある。本記事の情報を参考にしつつ、申請前には必ず厚生労働省の最新の手引きや、管轄の労働局雇用環境・均等部(室)、または社会保険労務士に確認してほしい。
人事労務担当者が一人で全てこなすのは正直しんどい。社会保険労務士を活用する、あるいは外部の相談窓口(各都道府県の労働局・両立支援関係の窓口)を積極的に使うことが、結果として確実な受給につながる。
助成金の種類が多くて選びきれない場合は、補助金・助成金の申請計画書の作り方ガイドも参考にしてほしい。AI導入と組み合わせた業務効率化の計画づくりでお悩みなら、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください(申請代行は行っていません)。
あわせて読みたい:会社が受け取るこの助成金とは別に、育休を取る従業員本人が雇用保険から受け取る「育児休業給付金」の金額計算は、育休手当はいくらもらえる?人事の計算ガイドで解説しています。
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参考・出典
- 両立支援等助成金 — 厚生労働省(参照日: 2026-09-24)
- 両立支援等助成金支給申請の手引き(2026(令和8)年度版・6月29日差替) — 厚生労働省(参照日: 2026-09-24)
- 2026(令和8)年度 両立支援等助成金のご案内(リーフレット・2026年4月作成 No.14) — 厚生労働省(参照日: 2026-09-24)
- 両立支援等助成金(出生時両立支援コース)支給要領(令和8年4月8日時点) — 厚生労働省(参照日: 2026-09-24)
- 両立支援等助成金(柔軟な働き方選択制度等支援コース)支給要領(令和8年4月8日時点) — 厚生労働省(参照日: 2026-09-24)
- 令和8年度 両立支援等助成金改正内容について — 愛媛労働局(参照日: 2026-09-24)
- 両立支援等助成金支給申請のご案内(全コース共通) — 東京労働局(参照日: 2026-09-24)
- 仕事と家庭の両立に関する助成金(両立支援等助成金) — 東京労働局(参照日: 2026-09-24)
- 中小企業育児・介護休業等推進支援事業(いくぷら) — 厚生労働省(参照日: 2026-09-24)
この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。
免責事項
本記事の情報は2026年9月24日時点の厚生労働省・都道府県労働局の公表資料に基づく参考情報です。両立支援等助成金の制度内容・助成額・申請要件は予告なく変更される場合があり、各コースの支給要領には経過措置があるため、要件を満たした日によっては令和7年度以前の支給要領が適用されることがあります。申請にあたっては、必ず厚生労働省公式サイトで最新の支給申請の手引き・支給要領をご確認のうえ、管轄の都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)または社会保険労務士にご相談ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。
