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【2026年最新】両立支援等助成金の申請方法と全コース完全解説

【2026年最新】両立支援等助成金の申請方法と全コース完全解説

この記事の結論

育児・介護と仕事の両立を支援する両立支援等助成金の全コース(出生時両立支援・育児休業等支援・介護離職防止支援など)の助成額・要件・申請の流れを2026年度版で解説。就業規則整備のポイントも詳説します。

「育児休業を取る社員が増えてきたのに、制度整備が追いついていない」「介護離職を防ぎたいが、何から手をつければいいかわからない」——そんな声を中小企業の人事担当者からよく聞く。

仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主を対象にした両立支援等助成金は、育児・介護・不妊治療など多岐にわたる両立支援制度の導入・活用を後押しする厚生労働省の助成金制度だ。支給額は1コースあたり20万円〜140万円(コース・区分による)と幅があり、複数コースを組み合わせて受給することも可能だ。

この記事では、両立支援等助成金の主な6コースの概要から、就業規則整備など申請の前提要件、申請の流れ、よくある不支給理由、くるみん認定との関係まで、2026年度(令和8年度)時点の情報をもとに解説する。制度内容は年度ごとに改正されることがあるため、最新の公式情報は必ず厚生労働省や管轄労働局で確認していただきたい。

両立支援等助成金の主なコース早見と申請フロー概念図
両立支援等助成金の主なコースと共通申請フロー(就業規則の整備→制度利用・実績づくり→労働局へ支給申請)。コース構成・助成額は2026年度時点、最新は厚生労働省で確認

まずここを確認——両立支援等助成金の前提条件

申請の手順を見る前に、この助成金を受け取れる事業主かどうかを確認しよう。以下の要件を満たさない場合、いくらコースの条件を揃えても支給されない。

  • 雇用保険適用事業主であること。パート・アルバイトを含む雇用保険被保険者を1人以上雇用していれば対象になる
  • 対象労働者が雇用保険被保険者であること。育休・介護休業等の制度を利用する本人が雇用保険の被保険者である必要がある
  • 就業規則・労働協約に必要な制度が規定されていること。「育児・介護休業法に準ずる」という委任規定だけでは不十分で、具体的な内容を自社の就業規則に落とし込む必要がある
  • 各コースの特定の措置(雇用環境整備措置など)を実施済みであること
  • 法令違反がないこと。申請時点で労働基準法・育児・介護休業法等の重大な違反がある事業主は支給対象外になる場合がある

正直なところ、「就業規則を整備して初めてスタートラインに立てる」という性格が強い助成金だ。後述する各コースの申請を検討するなら、まず自社の就業規則の現状を社労士に確認してもらうことを強く勧める。

両立支援等助成金の主な6コース早見

2026年度(令和8年度)時点で、両立支援等助成金には以下の6コースがある。助成額は規模・条件によって異なる。詳細な金額・要件は必ず厚生労働省の公式ページおよび最新の支給申請の手引きで確認してほしい。

コース 主な対象・目的 助成額の目安(2026年度)
出生時両立支援コース
(子育てパパ支援助成金)
男性労働者の育児休業取得促進 第1種:1人目20万円・2〜3人目10万円
第2種:60万円
育児休業等支援コース 育休取得・職場復帰支援プラン策定 育休取得時30万円+職場復帰時30万円
育休中等業務代替支援コース 育休中の業務代替要員確保・手当支給 手当支給等:最大140万円(育児休業)
新規雇用:最大81万円(1年以上の場合)
柔軟な働き方選択制度等支援コース テレワーク・短時間勤務等の柔軟な制度導入 制度2つ導入:20万円
制度3つ以上:25万円
介護離職防止支援コース 介護休業取得・職場復帰・両立支援制度整備 介護休業40万円
両立支援制度利用20〜25万円
有給介護休暇制度(新設)30〜50万円
不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース 不妊治療・月経・更年期対応制度の整備 各制度の活用で30万円程度

※上記は2026年度(令和8年度)時点の概算です。コース・規模・認定状況によって異なります。最新の確定金額は必ず厚生労働省公式サイトでご確認ください。

また、各コースの申請や両立支援の取り組みについての情報は、厚生労働省運営の情報提供サービス「中小企業育児・介護休業等推進支援事業(いくぷら)」でも確認できる。

申請の全体像をつかんだうえで、どのコースが自社に向いているかを考えたい。あわせて、補助金・助成金申請書の書き方ガイドも参考にしてほしい。

Step 1: 自社で使えるコースを絞り込む(所要1〜2週間)

6つのコースがあるからといって、全部申請できるわけでも、全部必要なわけでもない。まずは自社の状況と照らし合わせて優先コースを絞ることが大切だ。

育児系コースが向いているケース

  • 男性育休を取得した社員が出た、あるいは取得させたいと思っている → 出生時両立支援コース
  • 女性・男性を問わず育休取得後の職場復帰を体系的に支援したい → 育児休業等支援コース
  • 育休中に残業が増えていて、代替要員を確保したい → 育休中等業務代替支援コース
  • 時短勤務・テレワーク等の選択肢を育児中の社員に提供したい → 柔軟な働き方選択制度等支援コース

介護・その他コースが向いているケース

  • 40〜50代社員の介護離職が心配、または実際に介護休業を申し出た社員がいる → 介護離職防止支援コース
  • 不妊治療中の社員が通院と仕事の両立に悩んでいる、または女性特有の健康課題への対応を制度化したい → 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース

ポイント: 複数コースは原則として併用可能だが、同じ労働者について複数コースが重複適用されるケースは要件に注意が必要だ。コースごとに対象労働者・取得した制度・申請期限が異なるため、まず1コースで確実に申請を完了させ、慣れたら複数コースを並行して進める方法が現実的だ。

Step 2: 就業規則・社内制度を整備する(所要2〜8週間)

両立支援等助成金の申請で最もつまずきやすいのが、この「事前の就業規則整備」のステップだ。

なぜ就業規則整備が必要か

育児・介護休業法は最低限の義務を定めているが、助成金を受けるには法律に準拠するだけでなく、自社の就業規則に具体的な制度内容を規定しなければならない。「法律に従います」という委任規定はNGだ。

例えば出生時両立支援コースでは、以下5つの「雇用環境整備措置」のうち4つ以上を実施していることが求められる(2026年度時点)。

  1. 育児休業に関する研修の実施
  2. 育児休業に関する相談体制の整備(相談窓口設置等)
  3. 自社社員による育児休業取得事例の収集・提供
  4. 社員への育児休業制度・育休取得促進方針の周知
  5. 育児休業取得に関する管理職向けの研修実施

これらを書面(社内規程・通知文等)で証明できるよう整備する必要がある。

就業規則整備のチェックポイント

確認事項 OK/NG
育児休業・産後パパ育休の取得要件が就業規則に具体的に記載されている OK → そのまま/NG → 規定を追加
介護休業制度の取得要件・期間が明記されている OK → そのまま/NG → 規定を追加
短時間勤務・時差出勤・テレワーク等を利用できる旨の規定がある コースに応じて確認
「育児・介護休業法に準じる」という委任規定のみになっていない 委任のみ → 必ず修正

就業規則の改訂は社労士に依頼するのが確実だ。誤った内容で申請すると不支給になるだけでなく、法令違反のリスクにもつながる。

Step 3: 一般事業主行動計画を策定・届出する(所要1〜2週間)

多くのコースで前提となるのが、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく一般事業主行動計画の策定と労働局への届出だ。従業員101人以上の企業は義務、100人以下でも任意で届け出ることで助成金の対象になれる。

行動計画の作成手順

  1. 育児・介護支援に関する自社の現状分析
  2. 計画期間・目標・取組内容を決定(例:「男性の育休取得率○%以上」「育休復帰支援プラン策定件数○件」など)
  3. 行動計画を社内で周知(掲示・メール配信等)
  4. 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)へ届出
  5. 「両立支援のひろば」(厚生労働省サービス)への情報公表

なお、届出後に「一般事業主行動計画策定・届出済み」の証明書類が発行される。これが申請書類の一つになる。

Step 4: 対象となる制度を社員が実際に利用する(実績づくり)

就業規則を整備し、行動計画を届け出ても、実際に対象の制度を社員が使わないと助成金は申請できない。育休取得者・介護休業取得者が出るのを待つというより、制度が整備されたことを全社員に周知し、必要な人が使いやすい環境を整えることが先決だ。

各コースの「実績」として認められる主な例

  • 出生時両立支援コース(第1種): 男性労働者が子の出生後8週間以内に連続14日以上(中小企業は連続5日以上)の育児休業を取得
  • 育児休業等支援コース: 育休復帰支援プランを作成し、それに基づき育休を取得・職場復帰した労働者が出た
  • 介護離職防止支援コース: 介護支援プランを作成し、対象労働者が介護休業を取得または両立支援制度を利用した
  • 柔軟な働き方選択制度等支援コース: 育児中の労働者が制度(テレワーク・時差出勤・短時間勤務など)を一定期間以上利用した

利用実績が生まれたら、出勤簿・賃金台帳・休業申出書・復職後の在籍証明などを5年間保存する義務がある。申請後の調査でこれらの書類が確認できない場合は不支給になる。

Step 5: 支給申請書類を準備して労働局に提出する(申請期限厳守)

実績ができたら、申請期限内に管轄の都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)へ申請書類を提出する。期限を1日でも過ぎると原則として受け付けてもらえない——これが最も多い不支給理由の一つだ。

主な申請書類(コースによって異なる)

  • 支給申請書(様式は厚生労働省ウェブサイトからダウンロード)
  • 就業規則・労働協約の写し(関連条文が記載されたページ)
  • 一般事業主行動計画の写し・届出受理通知書の写し
  • 雇用環境整備措置の実施証明(研修記録・社内通知文など)
  • 育休復帰支援プラン/介護支援プランの写し
  • 対象労働者の休業申出書・休業期間がわかる書類
  • 賃金台帳・出勤簿・雇用保険加入の確認書類

申請の提出方法

窓口持参・郵送のほか、令和5年6月から雇用関係助成金ポータル経由の電子申請にも対応している。電子申請は24時間受け付けており、特に東京・大阪など窓口が混雑しやすい地域では利用を検討したい。

申請先は東京労働局 両立支援等助成金支給申請のご案内(全国共通の申請案内ページとしても参考になる)で確認できる。

Step 6: 審査・支給決定を待つ(目安2〜4か月)

申請書類を提出してから支給決定まで、一般的に2〜4か月程度かかる。書類に不備があると補正依頼が来るが、補正期限は通常1週間程度と短い。期限内に補正できない場合は不支給になるため、提出前に書類の完全性を確認しておくことが重要だ。

支給決定後、指定口座に振り込まれる。支給決定通知書は5年間保存する必要がある。

両立支援等助成金でよくある不支給理由

申請を準備したのに支給されなかったというケースを類型別に見ると、だいたい以下のパターンに収まる。

不支給理由1: 申請期限の超過

❌ 「採択されたと思って後回しにしていたら期限が過ぎていた」
⭕ 制度利用の実績が生まれた時点で、その日から申請期限(コースごとに異なる)を手帳にメモし、1か月前にリマインドをセットする

不支給理由2: 就業規則の委任規定だけで具体的規定がない

❌ 「育児・介護休業法に準じて取り扱う」という1行だけ就業規則に書いてあった
⭕ 取得要件・申出方法・期間・賃金・職場復帰方法等を自社の就業規則に具体的に規定する

不支給理由3: 育休復帰支援プラン・介護支援プランの作成時期が違う

❌ 育休開始後にプランを作成した
⭕ 育休開始日の前日までにプランを作成し、書面で本人に交付しておく必要がある。事後作成は要件を満たさない

不支給理由4: 対象労働者が継続在籍していない

❌ 育休からの職場復帰を支援したが、復帰後すぐに退職してしまった
⭕ コースによっては、復帰後に一定期間(6か月等)継続して雇用されていることが支給要件になっている。在籍確認用書類を保存しておく

不支給理由5: 書類の保存・提出漏れ

❌ 研修を実施したが記録を残していなかったため、雇用環境整備措置の証明ができなかった
⭕ 研修は参加者名簿・資料、相談窓口設置は社内周知文書など、実施の証拠をその都度保存する習慣をつける

くるみん認定・プラチナくるみん認定との関係

「くるみん認定」「プラチナくるみん認定」は、次世代育成支援対策推進法に基づき、子育て支援に積極的に取り組む企業が厚生労働大臣から受ける認定制度だ。両立支援等助成金とは直接つながっているわけではないが、以下の点で関係がある。

  • 出生時両立支援コース(第2種): くるみん認定を受けた事業主や、男性育休取得率の高い事業主が対象。プラチナくるみん認定企業は加算額がある
  • 育休中等業務代替支援コース(新規雇用): プラチナくるみん認定企業は上限が通常の81万円から99万円に引き上げられる
  • くるみん認定の取得自体は両立支援等助成金の前提要件ではないが、取得によって助成金の上限が上がったり、対象になるコースが増えたりするメリットがある

くるみん認定の取得を目指す企業は、助成金の申請と並行して認定取得のプロセスも進めると相乗効果が期待できる。詳細は厚生労働省の「仕事と家庭の両立に関する助成金(両立支援等助成金)」ページを参照してほしい。

自社が始めやすいコースの選び方——3つの状況別推奨パターン

「6コースあると言われても、どこから手をつけていいか」という声は多い。以下、企業の状況別に始めやすいコースを示す。

パターン1: 男性社員に子どもが生まれた(または生まれる予定がある)

出生時両立支援コース(第1種)を最初に狙う。子どもの出生という事実が起きた後、一定期間内に申請を完了させなければならないため、就業規則整備と雇用環境整備措置(4つ以上)を先に済ませておく必要がある。「いずれ子育てする社員が出る」と思ったら、今すぐ準備を始めたい。

パターン2: 女性社員の育休・復職が発生している

育児休業等支援コース柔軟な働き方選択制度等支援コースの組み合わせが有効だ。育休取得時・復帰時のプランを書面で作成する手間はかかるが、30万円×2(取得時+復帰時)を取得できる可能性がある。時短勤務やテレワーク制度を整備することで追加で20〜25万円の加算も見込める。

パターン3: 社員の親の介護問題が出始めている

介護離職防止支援コースから着手する。介護支援プランの作成が要件になるため、プランのひな形を社労士と一緒に作っておき、対象社員が出た時点で速やかに対応できる体制を整えるのがポイントだ。有給介護休暇制度を新設した場合は2026年度から追加で30〜50万円の助成が受けられる(2026年度新設)。

複数コースを並行して進める場合は、書類の管理と申請期限の管理が複雑になる。社労士に一括で委任する事業主も多い。

申請前後のチェックリスト

以下を自社で確認してから申請に進もう。

チェック項目 確認方法
雇用保険適用事業所である ハローワークの適用通知書で確認
対象コースの就業規則規定が整備されている 社労士に就業規則を確認してもらう
一般事業主行動計画を策定・届出済み 労働局への届出受理通知書
対象コースの雇用環境整備措置が実施されている(出生時両立支援の場合は4つ以上) 実施記録書類を準備
対象労働者の育休・介護休業等の申出書・休業期間の書類を保存している 書類綴りで5年保存
支給申請の期限(実績発生後の○か月以内)を把握している 各コースの支給申請の手引きで確認
申請書類一式(最新様式)を厚労省ウェブサイトからダウンロードした 旧様式での申請は受理されない場合がある

まとめ:両立支援等助成金の申請で押さえる3つのポイント

両立支援等助成金は「取りやすい助成金」とよく言われるが、それは「要件さえ満たせばほぼ確実に支給される」という意味だ。裏返すと、準備の甘さがそのまま不支給に直結するという性格でもある。

  1. 就業規則の整備が先。育休・介護休業等の取得実績が出る前に、必ず就業規則と雇用環境整備措置を整えておく。後からでは間に合わない場合が多い
  2. 申請期限を絶対に守る。コースごとに「実績発生後○か月以内」という申請期限がある。1日でも過ぎると不支給になる。実績が生まれた瞬間に期限をカレンダーに書き込む習慣をつける
  3. 書類を5年間保存する。申請後も証拠書類の保存義務があり、不備があると返還を求められる可能性がある。研修記録・プラン・休業申出書・賃金台帳はまとめて5年保存

制度内容は年度改正で変わる部分もある。本記事の情報を参考にしつつ、申請前には必ず厚生労働省の最新の手引きや、管轄の労働局雇用環境・均等部(室)、または社会保険労務士に確認してほしい。

人事労務担当者が一人で全てこなすのは正直しんどい。社労士を活用する、あるいは外部の相談窓口(各都道府県の労働局・両立支援関係の窓口)を積極的に使うことが、結果として確実な受給につながる。


助成金の種類が多くて選びきれない場合は、補助金・助成金の申請計画書の作り方ガイドも参考にしてほしい。

参考・出典


この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

免責事項
本記事の情報は2026年6月8日時点の厚生労働省・労働局等の公表資料に基づく参考情報です。両立支援等助成金の制度内容・助成額・申請要件は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず各コースの最新の厚生労働省公式サイトで最新の支給申請の手引きをご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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