2026年9月20日現在の要点
厚生労働省の最新の答申状況表では、令和8年度の地域別最低賃金は全国加重平均1,177円です。東京都は1,280円(10月1日発効予定)、大阪府は1,231円(10月1日発効予定)など、答申額と発効日(予定)は都道府県ごとに異なります。
業務改善助成金は令和8年9月1日から受付中で、申請期限は対象地域の最低賃金発効日の前日または11月30日のいずれか早い日です。助成率区分は1,050円未満が4/5、1,050円以上が3/4、申請コースは50円・70円・90円に再編されています。
厚生労働省の中央最低賃金審議会は2026年7月28日、令和8年度(2026年度)の地域別最低賃金改定の目安を、全国加重平均で55円引き上げの1,176円とする答申を取りまとめました。各都道府県の地方最低賃金審議会の答申を受け、厚生労働省は都道府県別の答申額と発効日(予定)を公表しています。
この目安の確定は、賃金引き上げと設備投資をセットで支援する「業務改善助成金」にも直結します。令和8年度は助成率区分の基準額が1,000円から1,050円へ見直されており、対象事業者の要件(事業場内最低賃金が地域別最低賃金未満であること)とあわせて、今のうちに確認しておきたいポイントが複数あります。本記事では目安の内容と、業務改善助成金への影響を整理します。
令和8年度 最低賃金目安の変更点まとめ
まず前年度(令和7年度)との比較で、今回の目安の位置づけを確認します。
| 項目 | 令和7年度(実績) | 令和8年度(目安) |
|---|---|---|
| 全国加重平均額 | 1,121円 | 1,176円 |
| 引き上げ額 | 66円 | 55円 |
| 上昇率 | 6.3% | 4.9% |
| Aランク引き上げ額 | 63円 | 54円 |
| B・Cランク引き上げ額 | 64円 | 56円 |
引き上げ額そのものは前年度の66円から55円へと6年ぶりに縮小しましたが、それでも過去2番目の大きさです。加えて今回は、地方(B・Cランク)の56円が大都市圏(Aランク)の54円を上回るという、地域間格差の是正を意識した配分になっている点が特徴です。(出典: 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」、2026年7月28日発表)
【2026年9月20日 続報】
令和8年度の業務改善助成金は9月1日から受付中です。申請期間は、申請事業場の都道府県に適用される地域別最低賃金の発効日の前日または11月30日のいずれか早い日まで。厚生労働省の最新の答申状況表では、都道府県別の答申額と発効日(予定)が公表されています。全47都道府県の改定額・発効日・申請期限は 最低賃金47都道府県の改定額・発効日・助成金期限一覧【2026年9月】で整理しています。
ランク別・都道府県別の目安額
都道府県は経済実態に応じてA〜Cの3ランクに分けられ、ランクごとに引き上げ額の目安が示されます。
| ランク | 引き上げ額目安 | 対象都道府県 |
|---|---|---|
| Aランク | 54円 | 埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・大阪(6都府県) |
| Bランク | 56円 | 北海道・宮城・福島・茨城・栃木・群馬・新潟・富山・石川・福井・山梨・長野・岐阜・静岡・三重・滋賀・京都・兵庫・奈良・和歌山・島根・岡山・広島・山口・徳島・香川・愛媛・福岡(28道府県) |
| Cランク | 56円 | 青森・岩手・秋田・山形・鳥取・高知・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄(13県) |
この金額はあくまで中央最低賃金審議会が示した「目安」であり、実際の額は各都道府県の地方最低賃金審議会の答申を経て決まります。2026年9月時点の厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」では、全国加重平均は1,177円、東京都は1,280円(10月1日発効予定)、神奈川県は1,279円(10月1日発効予定)、大阪府は1,231円(10月1日発効予定)です。発効日は答申公示後の異議申出の状況などにより変更される可能性があるため、自社所在地の都道府県の最新情報を確認してください(出典: 厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」)。
各種補助金の全体像を国のポータルサイトで確認したい場合は、ミラサポplus(中小企業庁)の制度一覧も参考になります。AI導入に使える補助金の比較はAI導入に使える補助金5選 徹底比較でまとめています。
業務改善助成金の助成率区分も1,050円に引き上げ
今回の最低賃金改定と並行して、業務改善助成金では助成率区分の基準額そのものが見直されました。正直なところ、この改定は見落としやすいポイントです。
| 区分 | 令和7年度 | 令和8年度 |
|---|---|---|
| 助成率4/5の基準 | 引上げ前の事業場内最低賃金が1,000円未満 | 引上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満 |
| 助成率3/4の基準 | 引上げ前の事業場内最低賃金が1,000円以上 | 引上げ前の事業場内最低賃金が1,050円以上 |
全国加重平均が1,121円から1,176円へ上がっていく中で、基準額が1,000円のままだと4/5(高い方の助成率)を受けられる事業者が年々減っていくことになります。今回、基準額を1,050円に引き上げたことで、賃金水準がまだ低い地域・業種の事業者が4/5適用の対象に残りやすくなったと見ることができます。(出典: 厚生労働省「令和8年度業務改善助成金の一部変更のお知らせ」PDF)
あわせて、申請コースも令和7年度の「30円・45円・60円・90円」の4コースから、令和8年度は「50円・70円・90円」の3コースへ再編されています。30円コースが廃止された点は、既存の制度概要を調べる際に混同しやすいので注意してください。
業務改善助成金の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 業務改善助成金(令和8年度) |
| 所管 | 厚生労働省(各都道府県労働局) |
| コース区分 | 50円コース/70円コース/90円コース(事業場内最低賃金の引上げ額別) |
| 助成率 | 4/5(引上げ前の事業場内最低賃金1,050円未満)/3/4(1,050円以上) |
| 助成上限額 | 30万円〜600万円(コース区分・引き上げる労働者数による) |
| 対象者 | 中小企業・小規模事業者で、事業場内最低賃金が令和8年度地域別最低賃金未満であること |
| 対象経費 | 生産性向上に資する設備投資等(POSレジ、AI-OCR、券売機、自動発注システム等の機器・システム導入費用) |
| 申請期間 | 令和8年9月1日〜「地域別最低賃金の発効日の前日」または「令和8年11月30日」のいずれか早い日 |
| 事業完了期限 | 交付決定年度の1月31日 |
| 公式情報 | 業務改善助成金|厚生労働省 |
制度の全体像や助成上限額の詳しい早見表は【令和8年度】業務改善助成金とは|最大600万円・助成率4/5の活用ガイドで整理しています。AI・DX関連の設備投資(AI-OCRによる帳票読み取り、AIチャットボットによる顧客対応の一部自動化、券売機・自動釣銭機によるレジ業務の省力化など)は、生産性向上に資する投資として対象経費に含まれ得ます。ただし個別案件が対象になるかどうかは、計画書の内容と労働局の審査で判断されるため、申請前に管轄労働局へ確認することをおすすめします。
「事業場内最低賃金」と「地域別最低賃金」の関係を整理
業務改善助成金を検討する上で混同しやすいのが、この2つの言葉の違いです。
- 地域別最低賃金:都道府県ごとに国が決める最低ライン。今回の目安(1,176円)は、この地域別最低賃金の全国平均見込みを指します。
- 事業場内最低賃金:自社の事業場で実際に最も低い時給。業務改善助成金は、この事業場内最低賃金を一定額(50円・70円・90円)以上引き上げることが要件です。
対象者の要件には「事業場内最低賃金が、令和8年度地域別最低賃金未満であること」という条件があります。つまり、自社の事業場内最低賃金が、これから決まる地域別最低賃金をすでに上回っている場合は対象外になります。目安が固まった今の段階で、自社の現在の賃金水準と、今後発効する地域別最低賃金の見込み額を突き合わせておくと、9月以降の判断がスムーズになります。
申請スケジュール — 目安から発効・申請期限までの流れ
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2026年7月28日 | 中央最低賃金審議会が目安を答申(全国加重平均1,176円・引き上げ額55円) |
| 2026年9月1日 | 令和8年度業務改善助成金の申請受付開始 |
| 2026年9月時点 | 厚生労働省が都道府県別の答申額と発効日(予定)を公表(東京都は1,280円・10月1日発効予定) |
| 2026年10月1日以降 | 地域別最低賃金が都道府県ごとに順次発効(答申状況表では10月1日〜12月2日予定) |
| 発効日の前日、または2026年11月30日のいずれか早い日 | 業務改善助成金の申請期限 |
| 交付決定年度の2027年1月31日 | 業務改善助成金の事業完了期限(やむを得ない理由による延長は別途要件あり) |
ここで実務上の注意点があります。業務改善助成金の申請期限は「地域別最低賃金の発効日の前日」または「2026年11月30日」の早い方です。たとえば東京都の発効日(予定)が10月1日なら申請期限は9月30日です。交付申請前に、事業場内最低賃金・引上げ対象者・設備投資等の計画を確認し、交付決定前に発注や購入を行わないよう注意してください。
【要注意】このタイミングでよくある誤解
目安の発表直後は、以下のような誤解や思い込みが起こりやすいタイミングです。
❌ 「目安の1,176円が、そのまま自社の都道府県の最低賃金になる」
⭕ 目安はあくまで全国加重平均の見込み。実際の額はランク(A/B/C)と地方審議会の答申によって都道府県ごとに異なる。
❌ 「令和7年度の資料(30円・45円・60円・90円コース、基準額1,000円)をそのまま使って申請準備を進める」
⭕ 令和8年度はコースが50円・70円・90円の3区分に再編され、助成率区分の基準額も1,050円に変更されている。古い資料を流用すると申請書の数字がずれる。
❌ 「地域別最低賃金が発効してから申請準備を始めれば間に合う」
⭕ 申請期限は発効日の前日(または11月30日)。発効後に慌てて準備を始めると、事業計画書・見積書の作成が間に合わない可能性がある。
❌ 「特例事業者の要件は昔と同じ(920円未満など)」
⭕ 特例事業者の賃金要件も、令和8年度は事業場内最低賃金1,050円未満に統一されている。物価高騰等要件(利益率3%ポイント以上低下)との併用も可能。
よくある質問
Q1. 令和8年度の最低賃金はいつ決まりますか?
中央最低賃金審議会の目安(全国加重平均1,176円)は2026年7月28日に答申済みです。厚生労働省が9月時点で公表している答申状況表では、全国加重平均は1,177円、東京都は1,280円(10月1日発効予定)など、都道府県別の答申額と発効日(予定)を確認できます。発効日は答申公示後の異議申出の状況などにより変更される可能性があります。
Q2. 目安の55円は、前年度より引き上げ幅が小さいのですか?
はい。令和7年度の引き上げ額66円と比べると、令和8年度の目安55円は前年度比で6年ぶりの縮小です。ただし、過去の推移で見れば依然として大幅な引き上げ幅にあたります。
Q3. 業務改善助成金の助成率区分は最低賃金と連動して変わるのですか?
制度上、助成率区分の基準額(現在1,050円)は毎年の要綱改定で見直される仕組みです。今回の令和8年度の改定は、最低賃金水準の上昇を踏まえた見直しとみられますが、翌年度以降も自動的に連動する規定として明記されているわけではないため、年度ごとに最新のリーフレットで基準額を確認してください。
Q4. 事業場内最低賃金が、地域別最低賃金の目安(1,176円)をすでに上回っている場合はどうなりますか?
業務改善助成金の対象要件は「事業場内最低賃金が、令和8年度地域別最低賃金未満であること」です。全国平均の目安1,176円ではなく、自社所在地の都道府県について厚生労働省が公表している答申額・発効日(予定)を確認し、自社の事業場内最低賃金と比較してください。事業場内最低賃金が確定した地域別最低賃金以上の場合は、この助成金の対象外となります。
Q5. 業務改善助成金の対象経費にAIツールの導入費用は含まれますか?
生産性向上に資する設備投資等として、POSレジ、AI-OCR、券売機、自動発注システムなどのAI・IT関連の機器・システムが対象経費に含まれる場合があります。ただし個別の経費が対象になるかは計画内容と労働局の審査によるため、申請前に管轄の労働局へ確認することをおすすめします。
Q6. 「令和8年度地域別最低賃金の発効日」が分からない場合、いつまでに準備すればよいですか?
厚生労働省の「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」で、自社所在地の答申額と発効日(予定)を確認してください。申請期限は発効日の前日または2026年11月30日のいずれか早い日です。交付申請前に事業計画書・見積書を準備し、交付決定前に賃金引上げや設備投資を実施しないことが重要です。
今すぐ確認しておきたいこと
- 2026年9月中:厚生労働省の答申状況表で、自社所在地の地域別最低賃金の答申額と発効日(予定)を確認する。
- 交付申請前:自社の事業場内最低賃金、引上げ対象労働者、50円・70円・90円のコース区分を確認し、設備投資等の見積書を準備する。
- 申請後:交付決定を受けてから賃金引上げと設備投資等を実施する。発注・購入を先行しない。
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この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。
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免責事項
本記事の情報は2026年8月8日時点の厚生労働省の公表資料および報道に基づく参考情報です。地域別最低賃金の確定額・発効日は都道府県ごとに今後決定されるため、必ず厚生労働省の最低賃金特設サイトおよび管轄の都道府県労働局で最新情報をご確認ください。業務改善助成金の申請にあたっては、必ず公式サイトで最新の交付要綱・リーフレットをご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。
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参考・出典
- 令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について — 厚生労働省(発表日: 2026年7月28日、参照日:2026-08-08)
- 令和8年度業務改善助成金のご案内 — 厚生労働省(PDF、参照日:2026-08-08)
- 令和8年度業務改善助成金の一部変更のお知らせ — 厚生労働省(PDF、参照日:2026-08-08)
- 業務改善助成金|厚生労働省(参照日:2026-08-08)
- 東京都の最低賃金が1280円に 10月から、目安通り54円引き上げ — 日本経済新聞(2026年8月5日、参照日:2026-08-08)
- ミラサポplus 補助金・助成金一覧 — 中小企業庁(参照日:2026-08-08)
【2026年8月17日更新】中央最低賃金審議会の目安(全国加重平均1,176円)を受けた各都道府県の答申状況は、【2026年9月】最低賃金47都道府県の改定額・発効日・助成金期限一覧で最新の確定額(東京都1,280円など)と補助金への影響をまとめている。
