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【令和8年度】業務改善助成金は車両購入できる?8ナンバー限定の実態

【令和8年度】業務改善助成金は車両購入できる?8ナンバー限定の実態

この記事の結論

業務改善助成金の令和8年度ルールでは、対象になる車両は原則「8ナンバー」の特種用途自動車のみ。ハイエースや軽トラックが対象外になる理由と、車両導入で対象になる費用を厚労省Q&Aから解説します。

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「業務改善助成金でハイエースを買いたい」「うちは配送業だから軽トラックなら対象になりますよね」——コールセンターや社労士への相談で今も多いのが、この車両に関する質問です。答えは令和8年度の交付要綱で明確になっていて、対象になるのはナンバープレートの車種を表す数字が「8」から始まる特種用途自動車だけです。

制度全体(3コースの区分・助成上限・申請の流れ)は令和8年度 業務改善助成金 完全ガイドで解説しています。

一般的な乗用車、ハイエースのような貨物・乗用兼用車、軽トラックは、どれだけ生産性向上の効果を説明しても原則対象外という扱いになっています。以前は「自動車(特殊用途自動車を除く)」も助成対象経費の特例として認められていた時期がありましたが、この特例は廃止済みで、令和8年度もその扱いが続いています。

令和8年度業務改善助成金の基本データ

項目 内容
制度名 業務改善助成金(令和8年度)
所管 厚生労働省(申請窓口は都道府県労働局 雇用環境・均等部(室))
対象事業者 中小企業・小規模事業者(大企業と密接な関係を有する、いわゆるみなし大企業は除く)
助成率 事業場内最低賃金1,050円未満:4/5/1,050円以上:3/4
コース区分 50円コース・70円コース・90円コース(賃金引上げ額による区分)
助成上限額 最大600万円(90円コース・引上げ対象10人以上・特例事業者の場合)
申請期間 令和8年9月1日〜地域別最低賃金発効日の前日または同年11月30日のいずれか早い日
賃金引上げ期間 令和8年9月1日〜地域別最低賃金発効日の前日
事業完了期限 交付決定年度の1月31日
公式情報 厚生労働省 業務改善助成金

各制度の補助率・上限額の比較は、AI導入に使える補助金5選 徹底比較でも整理しています。業務改善助成金は他の設備投資系補助金と違い、審査で優劣を競う「採択」ではなく、要件を満たしていれば予算の範囲内で交付が決まる仕組みである点も押さえておきたいところです。

「車が買えなくなった」と言われる理由

厚生労働省が公表している令和8年度の案内資料には、「助成対象経費の特例となっていた自動車(特殊用途自動車を除く)は、助成対象外となりました」という一文があります。つまり、かつては一定の条件下で一般的な自動車も対象経費として認められる時期があったものの、現在は特種用途自動車を除いて対象外という扱いに整理されています。この扱いは令和7年度からの変更として案内されており、令和8年度も継続しています。

正直なところ、この「特例だったものが対象外になった」という経緯がわかりにくく、いまだに「業務改善助成金=車も買える助成金」という古い情報のまま止まっているブログや資料が少なくありません。申請直前になって対象外と判明し、事業計画を組み直す事業場も出ています。

対象になるのは「8ナンバー」の特種用途自動車だけ

厚生労働省の業務改善助成金Q&A(令和8年7月版)では、特種用途自動車として助成対象となるのは「原則、車両に対して付与されるナンバープレートの車種を表す数字が8で始まるもの」と定義されています。加えて、「使用の本拠の位置」が申請事業場の住所であることも条件です。つまり、本社所在地以外に登録された車両を持ち込んでも対象になりません。

案内資料に掲載されている対象経費の例では、「リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮」が機器・設備の導入の一例として挙げられています。福祉送迎や利用者送迎を行う事業場で、リフト付きの特殊車両(8ナンバー登録)を導入し、送迎にかかる時間や人員配置を短縮できることを示す——という組み立てが、公式に紹介されている数少ない具体例です。

逆に言えば、単に「業務で使うから」「移動が楽になるから」という理由だけでは、8ナンバー登録の車両であっても生産性向上の説明が不十分と判断される可能性があります。ナンバーの種別だけでなく、その車両がどう生産性を上げるのかという計画書の記載が問われます。

コース区分別の助成上限額

コース区分 引き上げる労働者数 上限額(30人未満の事業場) 上限額(右記以外の事業者)
50円コース 1人 40万円 30万円
8人以上 110万円 110万円
70円コース 1人 50万円 40万円
8人以上 230万円 230万円
90円コース 1人 100万円 90万円
8人以上 450万円 450万円
90円コース 10人以上(特例事業者のみ) 600万円 600万円

助成される金額は「設備投資等の費用×助成率」と「上限額」のいずれか低い方です。600万円という最大額に注目しがちですが、実際に受け取れる金額は引き上げる労働者数とコース区分の組み合わせで大きく変わります。中間の人数区分(2〜7人)については、厚生労働省の案内資料で細かく設定されているため、自社の該当区分は必ず一次資料で確認してください。

特例事業者になると何が変わるか

令和8年度の制度では、特例事業者に該当すると助成対象経費が拡充されます。特例事業者になる条件は次の2つのいずれかです。

  • 賃金要件:申請事業場の事業場内最低賃金が1,050円未満であること
  • 物価高騰等要件:原材料費の高騰など外的要因により、申請前6か月間平均の利益率が前年度と比べ3%ポイント以上低下していること

このうち物価高騰等要件に該当する事業者だけは、通常は対象外のパソコン・スマートフォン・タブレット等の端末と周辺機器の新規導入も助成対象に加わります。ただし新規導入に限られ、既存端末の買い替えや台数の水増しは想定されていません。車両とは別枠の話ですが、「うちはPCも一緒に更新したい」という相談が多いポイントなので、あわせて押さえておく価値があります。

車両を導入する場合の対象経費・対象外経費

8ナンバーの特種用途自動車を導入する場合でも、車両本体以外の費用がすべて対象になるわけではありません。厚生労働省Q&Aの回答をもとに整理すると、次のようになります。

区分 費用の例
対象になる 車両の通常装備、検査登録(届出)手続の代行費、車庫証明手続の代行費、納車費用 等
対象外 検査登録手続の預かり法定費用、車庫証明手続の預かり法定費用、販売車両リサイクル料金、自動車取得税、自動車重量税、自動車賠償責任保険等、希望ナンバー交付手数料、オーディオ等のオプション装備

また、自動車のリース契約・ローン契約・保守契約についても対象外と明記されています。業務改善助成金はあくまで設備投資等への一括の費用助成であり、分割払いの仕組みとは相性が悪い制度だと理解しておくとよいでしょう。

福祉送迎の車両を導入するケースで考える

事例区分: 想定シナリオ(厚生労働省の公表資料をもとに構成)

訪問介護・デイサービスを行う事業場を例に考えてみます。利用者の送迎に人手と時間がかかっており、事業場内最低賃金の引き上げと並行して、送迎業務の効率化を目指すケースです。

この場合、リフト付きの特種用途自動車(8ナンバー登録の福祉車両)を導入し、乗降にかかる時間の短縮や、送迎に割く人員配置の見直しを事業計画に落とし込みます。厚生労働省の案内資料が「リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮」を対象経費の例として明示しているのは、まさにこうした場面を想定しているとみられます。

一方、同じ「送迎」でも、単なる乗用車や一般的なワゴン車を導入するだけでは、8ナンバー登録でない限り対象になりません。生産性向上の効果を数字で説明できるかどうかと、車両区分の両方をクリアする必要がある、という点がこのシナリオのポイントです。

申請でよくある失敗パターン

失敗1: ハイエースや軽トラックを「業務用だから」という理由で計画に入れてしまう
❌ 貨物登録・乗用登録の一般車両を設備投資費として計上する
⭕ 車両を導入するなら、まず8ナンバー(特種用途自動車)として登録できるかを販売店・陸運局に確認してから計画に入れる

失敗2: 交付決定前に車両を発注・契約してしまう
❌ 「どうせ通るだろう」と見込みで先に発注する
⭕ 交付決定の通知を受け取ってから発注・契約する。交付決定前の発注は理由を問わず助成対象外になります

失敗3: 車両のリースやローンを設備投資として計上する
❌ 「初期費用を抑えたいから」とリース契約を申請書に記載する
⭕ 車両は一括購入前提で計画する。リース・ローン・保守契約は対象外と明記されている

失敗4: 賃金引上げを複数回に分けて実施する
❌ 資金繰りの都合で、事業場内最低賃金の引き上げを2回に分割する
⭕ 賃金引上げは一度で完了させる。複数回に分けての引上げは認められていません

車両以外で対象になる経費の例

案内資料では、機器・設備の導入としてPOSレジシステムによる在庫管理の効率化、経営コンサルティングとして国家資格者による業務フロー見直し、その他の区分として顧客管理情報のシステム化が例示されています。車両にこだわらなくても、これらの設備投資やシステム導入で生産性向上の計画を組み立てる事業場のほうが、実際には多いはずです。

申請書の作成そのものについては、業務改善助成金の申請書の書き方|事業計画書と賃上げ計画のコツで詳しく解説しています。あわせて必要書類の準備は必要書類チェックリストを確認しておくと、9月1日の申請開始に向けた準備がスムーズになります。

よくある質問

業務改善助成金でハイエースは対象になりますか?

一般的な乗用・貨物登録のハイエースは原則対象外です。架装によって8ナンバー(特種用途自動車)として登録され、生産性向上の効果が説明できる場合に限り対象になり得ますが、単なる移動手段としての用途にとどまる場合は認められません。

軽トラックは購入できますか?

通常の軽トラックは貨物車両に分類されるため対象外です。特種用途自動車として8ナンバー登録されない限り、業務用であっても助成の対象にはなりません。

業務改善助成金でパソコンは購入できますか?

原則対象外です。ただし特例事業者のうち物価高騰等要件に該当する事業者に限り、パソコン・スマートフォン・タブレット等の新規導入が助成対象経費に加わります。既存端末の買い替えは対象外です。

個人事業主でも申請できますか?

中小企業・小規模事業者の要件を満たし、雇用保険に加入する労働者(週所定労働時間20時間以上)を雇用していれば、個人事業主も対象になり得ます。業種ごとの規模要件は交付要領で確認してください。

車両のリース契約は対象になりますか?

対象外です。厚生労働省のQ&Aでは、自動車のリース・ローン契約・保守契約等は助成対象外と明記されています。車両は一括の設備投資としての導入が前提です。

参考・出典


あわせて読みたい:

車両を含めた設備投資の計画は、AI・DXツールと組み合わせて生産性向上を説明する場面も増えています。どの設備投資が自社の計画に合うか判断がつかない場合は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。AI導入の計画策定という切り口からサポートしています。


執筆: 株式会社Uravation 補助金ナビ編集部

監修: 佐藤 傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。早稲田大学法学部在学中に生成AIの可能性に魅了され、100社以上の企業向けAI研修・導入支援を展開。X(@SuguruKun_ai)フォロワー10万人超。AI導入×補助金活用の実務経験をもとに、中小企業のDX推進をサポートしています。

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免責事項

本記事の情報は2026年8月7日時点の厚生労働省の公表資料に基づく参考情報です。業務改善助成金の制度内容・対象経費・上限額は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず厚生労働省公式サイトで最新の交付要綱・要領・Q&Aをご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。


【2026年8月8日更新】 令和8年度の最低賃金改定の目安(全国加重平均1,176円・引き上げ55円)が答申されました。業務改善助成金への影響は【速報】最低賃金2026目安55円・1176円|業務改善助成金の変更点で解説しています。

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