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納税証明書「その3の3」は必要?補助金5制度を検証【2026】

納税証明書「その3の3」は必要?補助金5制度を検証【2026】

この記事の結論

補助金の添付書類「納税証明書その3の3」は本当に必要?デジタル化AI導入・新事業進出ものづくり等5制度の公募要領を確認すると、実際はその1・その2中心でした。

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補助金の必要書類リストを検索すると、ほぼ必ず「納税証明書(その3の3)を用意してください」という説明に行き当たります。ただ、実際に2026年度の主要な国の補助金の公募要領を1本ずつ確認していくと、指定されている証明書の種類は制度によってかなり違いました。

正直なところ、「その3の3」という言葉だけが独り歩きしている印象があります。この記事では、デジタル化・AI導入補助金2026、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、中小企業省力化投資補助事業、小規模事業者持続化補助金、事業承継・M&A補助金という主要5制度の公募要領を実際に確認し、それぞれで何が求められているかを比較しました。あわせて、納税証明書そのものの種類・取得方法・手数料も国税庁の公式情報にもとづいて整理しています。

結論から先に — 5制度で実際に確認した必要書類の早見表

先に一覧を出します。いずれも2026年度・直近の公募回の公募要領を確認した結果です。

制度 公募要領で指定されている書類 「その3の3」の指定
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠) 法人税・所得税の納税証明書「その1」または「その2」 指定なし
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回) 原則は確定申告書の控え(受付印または受付番号)。個人事業主でこれが確認できない場合のみ「その2 所得金額用」 指定なし
中小企業省力化投資補助事業(一般型) 直近3期分の「その2」(税目:法人税) 指定なし
小規模事業者持続化補助金(第18回) 原則不要。課税所得の年平均額が15億円を超えていないかの確認が必要な場合のみ「納税証明書等」 指定なし
事業承継・M&A補助金(第15次・専門家活用枠) 廃業から5年経過等の要件確認で、確定申告書控え/受信通知がない場合に「その2 所得金額用」または課税証明書 指定なし

今回確認した5制度に関しては、いずれも中心となるのは「その1」か「その2」で、「その3の3」を必須書類として明記している公募要領は見当たりませんでした。この点は本記事執筆時点(2026年7月)に各事務局の公式サイトで公開されている公募要領・様式にもとづく確認結果であり、今後の公募回で書式が変更される可能性はあります。申請の際は、必ずご自身が申請する回の最新の公募要領で確認してください。

詳しい制度別の補助率・上限額の比較は、AI導入に使える補助金5選 徹底比較でまとめています。

納税証明書、そもそも何種類あるのか

まず前提として、税務署が発行する納税証明書には6つの種類があります。国税庁のタックスアンサーによると、それぞれの証明内容は次のとおりです。

種類 証明する内容 対象
その1 納付すべき税額・納付した税額・未納税額等の証明 法人・個人共通
その2 「申告所得税及び復興特別所得税」または「法人税」の所得金額の証明 法人・個人共通
その3 未納の税額がないことの証明(税目を自分で選べる) 法人・個人共通
その3の2 「申告所得税及び復興特別所得税」と「消費税及地方消費税」に未納の税額がないことの証明 個人用
その3の3 「法人税」と「消費税及地方消費税」に未納の税額がないことの証明 法人用
その4 滞納処分を受けたことがないことの証明 法人・個人共通

その1・その2は「いくら納めたか」「所得はいくらか」を示す書類で、補助金の審査では主に事業実態・収入規模の確認に使われます。一方その3・その3の2・その3の3・その4は「未納税額がないこと」の証明で、どちらかというと入札参加資格審査や許認可申請など、税の滞納がないことそのものを厳格にチェックする手続きで使われる傾向があります。

デジタル化・AI導入補助金2026で比べると

デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)の公募要領を確認すると、事業実態を確認する書類として「税務署で発行された直近分の法人税の納税証明書(『その1』若しくは『その2』)」が明記されています。個人事業主の場合は所得税の納税証明書(その1またはその2)です。

さらに、確定申告書の控えに電子申告の受付番号や税務署の収受日付印がある場合は、それをもって事業実態の確認書類とすることができ、その場合は改めて納税証明書を取得する必要はありません。受付印も受信通知もない場合の代替書類として、「その2(所得金額用)」の提出が求められる、という位置づけです。「まず確定申告書控えで足りるかどうかを確認し、足りない場合だけ税務署に行く」という順番で考えると、無駄な往復を減らせます。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金で比べると

2026年6月29日に公募要領が公開された新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回)でも、考え方はほぼ同じです。法人の場合は確定申告書別表一及び法人事業概況説明書の控えで足り、そもそも納税証明書には触れられていません。個人事業主の場合は確定申告書第一表の控えが基本で、電子申告の受付番号や紙申告の収受日付印がなければ、「納税証明書(その2所得金額用・事業所得金額の記載のあるもの)」の提出が必要になる、という代替書類の位置づけです。

この制度の詳しい事業計画書の書き方は審査項目から逆算する事業計画書の書き方で解説しています。

省力化投資補助金・持続化補助金で比べると

中小企業省力化投資補助事業(一般型)は、直近3期分の納税証明書「その2」(税目は法人税)が求められます。ここは他の制度と違い、確定申告書控えでの代替という扱いではなく、証明書そのものの提出が前提になっている点に注意してください。

一方、小規模事業者持続化補助金(第18回)の公募要領では、納税証明書の提出は原則として求められていません。確定している直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないかを確認する必要がある場合に限り、「納税証明書等」の提出を求めることがある、という限定的な位置づけです。ほとんどの中小企業・小規模事業者はこの基準に該当しないため、実務上は提出不要のケースが大半になります。

「その3の3」はどこで使われる書式なのか

ここまで見た5制度では出番がなかった「その3の3」ですが、まったく使われない書式というわけではありません。国土交通省が案内する競争参加資格審査(建設工事等の入札参加資格)では、法人向けの証明様式として「その3の3」(国税通則法施行規則別紙第9号書式)を優先的に提出するよう案内されており、証明年月日は送信日の3ヶ月前までのものが求められています。個人事業主向けには「その3の2」が対応します。

つまり「その3の3」は、建設業許可・入札参加資格の文脈で頻繁に登場する書式であり、それが補助金の解説記事にも横滑りして一般化された可能性があります。自社が申請しようとしている制度の公募要領を見て、実際にどの様式が指定されているかを確認するのが確実です。「ネットで見た情報」と「自分が申請する制度の公募要領」がずれていないか、最初に照らし合わせておきましょう。

取得方法で比べると — オンライン・窓口・郵送

どの種類の証明書であっても、取得方法は基本的に3通りです。国税庁の案内にもとづいて整理します。

取得方法 手数料の目安 特徴
e-Taxオンライン請求(電子ファイルで受け取り) その1・その2は税目数×年度数×枚数×370円、その3・その4は枚数×370円 電子証明書が必要。PDF/XMLで即日ダウンロード可能な場合あり
e-Taxオンライン請求(税務署窓口で受け取り) 上記と同額 電子証明書は不要。必要事項を入力・送信するだけで請求できる
書面での請求(窓口・郵送) その1・その2は税目数×年度数×枚数×400円、その3・その4は枚数×400円 マイナンバーカード等の本人確認書類が必要。郵送は返信用封筒を同封

電子納税証明書は自宅やコンビニのプリンターで印刷して提出できますが、提出先が電子ファイルでの受領に対応しているか、事前に確認しておく必要があります。補助金の電子申請システムはPDFアップロードが基本なので、多くの場合は問題ありませんが、念のため公募要領の提出形式の指定を見ておくと安心です。

証明書選びの落とし穴

落とし穴1: 領収証書を納税証明書だと思い込む

❌ 金融機関で税金を払ったときの領収証書を「納税の証明」として提出する

⭕ 税務署が発行する正式な「納税証明書」を取得して提出する

領収証書はあくまで支払いの控えであり、税務署が発行する証明書ではありません。小規模事業者持続化補助金の公募要領でも「納税した領収書ではなく納税証明書とする」と明記されており、実際に取り違えて差し戻しになるケースが指摘されています。

落とし穴2: 発行から時間が経ちすぎたものを提出する

❌ 数ヶ月前に別の用途で取得した納税証明書を使い回す

⭕ 申請直前に取得し直すか、発行日を確認してから提出する

国土交通省の入札参加資格審査では「証明年月日が送信日の3ヶ月前まで」という基準が示されています。補助金でも同様に、直近のものを求める公募要領が多いため、古い証明書を使い回すのは避けたほうが無難です。

落とし穴3: 個人と法人で必要な種類を混同する

❌ 法人が個人用の「その3の2」を取得してしまう、あるいはその逆

⭕ 自社が法人か個人事業主かを確認したうえで、公募要領の記載どおりの種類を指定する

その3の2は個人用、その3の3は法人用というように対象が分かれている証明書もあります。事務局に「証明書の種類が違う」と差し戻されると、再取得のために税務署へもう一度足を運ぶことになりかねません。

落とし穴4: 確定申告書控えで足りるケースまで納税証明書を取りに行く

❌ とりあえず全制度で納税証明書を取得しておこうとする

⭕ まず確定申告書控え(電子申告の受付番号または収受日付印つき)で足りるか公募要領を確認する

デジタル化・AI導入補助金2026や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のように、確定申告書控えがあれば納税証明書を別途取得しなくてよい制度もあります。手数料と税務署に行く手間を考えると、まず手元の確定申告書控えで代用できないか確認するほうが効率的です。

よくある質問

Q. 補助金の申請には「その3の3」を用意しておけば間違いないですか?

今回確認した主要5制度の公募要領では、「その3の3」を指定するものはありませんでした。制度によって求められる種類が異なるため、必ず申請する制度の最新の公募要領を確認し、それに合わせて取得することをおすすめします。

Q. 確定申告書の控えがあれば納税証明書は不要ですか?

制度によります。デジタル化・AI導入補助金2026や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、電子申告の受付番号や税務署の収受日付印がある確定申告書控えを事業実態確認の書類として使え、その場合は別途納税証明書を取得する必要はありません。ただし省力化投資補助事業のように証明書そのものの提出が前提の制度もあるため、個別に確認が必要です。

Q. 納税証明書はどこで取得できますか?

現在の住所地(納税地)を所轄する税務署で取得します。e-Taxを使ったオンライン請求、税務署窓口での請求、郵送での請求の3通りの方法があります。オンライン請求のほうが手数料はやや安く設定されています。

Q. 納税証明書の有効期限はどれくらいですか?

補助金の公募要領で明確な期限日数を定めていない制度もありますが、入札参加資格審査では「証明年月日が送信日の3ヶ月前まで」という基準が示されています。補助金申請でも直近のものを求める傾向があるため、申請の準備を始める段階で取得し直すのが安全です。

Q. 納税証明書を取得しに行く前に、何を確認すればいいですか?

申請する制度の名称、公募回(第○回・第○次)、そして自社が法人か個人事業主かの3点をまず確認してください。そのうえで公募要領の「添付書類」の項目を読み、確定申告書控えで足りるのか、証明書そのものが必要なのか、必要ならどの種類かを特定してから税務署に向かうと、二度手間を防げます。判断が難しい場合は、事務局のサポートセンターや顧問税理士に確認することをおすすめします。

この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

参考・出典

まとめにかえて

「補助金の必要書類=その3の3」という説明は、建設業の入札参加資格審査など別の手続きの慣習が広まったものと考えられます。実際に今回確認した5制度では、その1・その2、あるいは確定申告書控えで足りるケースが中心でした。書類の準備で迷ったときは、まず自社が申請する制度の公募要領の「添付書類」欄を確認し、それでも判断がつかない場合は事務局のサポートセンターに直接問い合わせるのが確実です。

どの補助金が自社のAI導入・DX推進に合っているか整理したい、書類準備と並行して導入計画を固めたいという場合は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

免責事項
本記事の情報は2026年7月31日時点で各事務局・国税庁が公表している資料にもとづく参考情報です。補助金・助成金の必要書類や納税証明書の取扱いは、公募回や年度によって変更される場合があります。申請にあたっては、必ず各制度の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報にもとづく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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