デジタル化・AI導入補助金

【令和8年度】兵庫県の新設備貸与制度|低利で最大2億円

【令和8年度】兵庫県の新設備貸与制度|低利で最大2億円

この記事の結論

兵庫県が令和8年度に新設したDX・GX設備の低利貸与制度を解説。ひょうご産業活性化センターが機械・システム導入費500万円〜2億円を長期・低利の割賦で提供。国の補助金との組み合わせ方も紹介。

兵庫県は令和8年4月1日、県内の中小企業がGX(省エネなど脱炭素化)やDX推進に使う機械・設備を、長期・低利の分割払い(割賦)で導入できる新制度を始めた。運営するのは公益財団法人ひょうご産業活性化センターで、貸与限度額は500万円〜2億円(税込)、通常の設備貸与制度よりも年0.25%低い年1.50〜2.75%の割賦損料(金利)で、工作機械や省エネ設備、生産管理システムなどを購入できる。

正直に言うと、これは「もらえる」補助金ではなく「借りて返す」制度だ。ただし信用保証協会の保証料が原則不要で、銀行の融資枠を温存しながら長期・固定金利で設備投資ができるため、AI・DX投資の資金調達手段の選択肢としては知っておいて損はない。この記事では対象設備・金利・申込の流れと、国のデジタル化・AI導入補助金2026との組み合わせ方を整理する。

兵庫県GX・DX促進設備導入推進事業の基本データ

項目 内容
制度名 GX・DX促進設備導入推進事業(設備貸与=割賦販売)
実施主体 公益財団法人ひょうご産業活性化センター(兵庫県の資金を活用)
対象企業 兵庫県内の中小企業者。従業員数の目安は製造業300人以下、卸売・サービス業100人以下、小売業50人以下
対象設備 (1)脱炭素化等GXの推進に必要な設備 (2)デジタル化に伴う生産性向上等DXの推進に必要な設備(兵庫県内に設置するもの)
貸与限度額 500万円以上2億円以下(税込)
割賦損料率(金利・年率) 返済期間3〜7年:1.50〜2.50%/8〜10年:1.75〜2.75%(5段階、審査で決定)
償還期間 3年以上10年以内(元金均等の月賦または半年賦)
保証金 原則不要(据置半年の場合は設備価格の10%)
連帯保証人等 原則第三者保証不要。法人は代表者の個人保証が必要(審査により第三者保証・担保を求められる場合あり)
取扱開始日 令和8年4月1日
申込先 ひょうご産業活性化センター 設備投資支援室(078-977-9086)
公式ページ 兵庫県 令和8年度GX・DX促進設備導入推進事業の開始

兵庫県内でAI・DX導入に使える制度の全体像は、兵庫県のDX補助金完全ガイドでも整理している。今回の設備貸与制度は「返済不要のお金」ではなく「低利で借りられるお金」という別カテゴリの選択肢として押さえておきたい。

従来の設備貸与制度と何が違うのか

実は兵庫県はこれまでも小規模企業者向けの設備貸与(割賦・リース)制度を運用してきた。今回のGX・DX促進枠は、その対象と規模を拡大した新設枠という位置づけになる。

項目 【新設】GX・DX促進設備導入推進事業 【既存】小規模事業者等設備貸与支援事業
対象者 従業員300人以下の県内中小企業者 従業員20人以下の県内小規模企業者
対象設備 兵庫県内に設置するGX・DXの促進に必要な設備 兵庫県内に設置する設備(用途を限定しない機械設備)
貸与限度額 500万円〜2億円(税込) 100万円〜1億円(税込)
割賦損料率 3〜7年:1.50〜2.50%/8〜10年:1.75〜2.75% 年1.25〜2.50%(GX・DX枠より高め)

つまりGX・DX促進枠は、既存制度より上限額が大きく、金利も0.25ポイントほど優遇されている一方、対象設備が「GX・DXの促進に必要な設備」に絞られている。何でも使える資金ではなく、目的が明確な設備投資向けの制度だと理解しておくといい。

対象になるDX・AI関連設備の具体例

公表資料では、対象設備の事例として次の6分野が挙げられている。

  1. 工作機械:マシニングセンタ、複合加工機、レーザー加工機、3Dプリンター 等
  2. EV車・低排出ガス認定車両:トラック、観光バス、トラクタヘッド、営業車 等
  3. エネルギー設備:ボイラー、蓄電ユニット、キュービクル、高効率空調 等
  4. 食品製造設備:自動計量包装機、冷凍冷蔵設備 等
  5. 建設機械:油圧ショベル、アスファルトフィニッシャー 等
  6. システム:生産管理システム、CAD/CAM 等

ここで注意したいのは、公表資料に「AI」という単語が明記されているわけではない点だ。生産管理システムやCAD/CAMの中に、AIを使った画像検査装置や需要予測システムが含まれるかどうかは、個別の設備がDX(デジタル化に伴う生産性向上)の促進に資すると認められるかで判断される。ぶっちゃけ、この線引きは案件ごとに変わるところなので、AI関連設備での申込を考えている場合は、必ず事前にひょうご産業活性化センターへ「この設備はGX・DX促進枠の対象になるか」を確認してから見積もりを進めたほうがいい。

申込から返済開始までの流れ

制度スキームの図では「①申込 → ②設備設置 → ③設備代金の支払い → ④返済」という4段階が示されている。実務ではおおむね次のような流れになる。

  1. 事前相談:設備投資支援室(078-977-9086)に電話等で問い合わせ、導入したい設備がGX・DX促進枠の対象になるかを確認する。
  2. 申込書類の準備:決算書、事業計画、導入予定設備の見積書などを用意する。
  3. 審査:経営状況や取組内容を総合的に勘案し、5段階の割賦損料率のどれが適用されるかが決まる。
  4. 割賦販売契約の締結:活性化センターが機械販売業者から設備を購入し、企業との間で割賦販売契約を結ぶ(返済完了まで所有権はセンターに留保される)。
  5. 設備の設置・引き渡し:契約に基づき設備が納入・設置される。
  6. 返済開始:元金均等の月賦または半年賦で、3年〜10年かけて返済していく。

据置期間を半年に設定する場合は設備価格の10%の保証金が必要になる点も、資金計画を立てる際に忘れずに織り込んでおきたい。

国のデジタル化・AI導入補助金2026と組み合わせる考え方

AI・DX投資を考えるとき、まず候補に挙がるのは国のデジタル化・AI導入補助金2026だろう。通常枠は補助率1/2以内(一定の賃金要件を満たす場合は2/3以内)、補助額はITツールのプロセス数に応じて5万円〜450万円。通常枠の第3次締切(2026年7月21日17:00)はすでに受付を終了しており、次回第4次締切は2026年8月25日17:00、交付決定は同年10月7日を予定している。

この国の補助金は、あくまで対象経費の一部(1/2〜2/3程度)しかカバーしない。残りの自己負担分をどう工面するかという場面で、兵庫県の設備貸与制度を資金調達の選択肢に加える、という組み合わせ方が考えられる。ただし次の点には注意してほしい。

  • 同じ経費を「補助金の対象経費」と「割賦の対象設備代金」で二重に計上することはできない。あくまで自己負担分の調達手段として使う整理になる。
  • 国の補助金はソフトウェア・クラウド利用料が中心だが、兵庫県の制度は原則として県内に設置する「モノとしての設備」が対象になる。対象範囲が完全に一致するとは限らない。
  • 両方を使う場合は、IT導入支援事業者(国の補助金側)とひょうご産業活性化センター(兵庫県の制度側)の両方に、経費の切り分け方を事前に相談しておくのが安全だ。

【要注意】よくある誤解と対策

誤解1:補助金だと思って返済不要だと誤解する

❌ 「県の制度だから、もらえるお金」だと思い込んでしまう。

⭕ この制度は割賦(分割払い)による設備の購入支援であり、元金+利息(割賦損料)の返済が必須。返済不要の補助金とは資金の性質がまったく違う。

誤解2:従業員数の上限を誤って解釈する

❌ 「中小企業なら一律で従業員300人以下まで対象」と思い込む。

⭕ 対象人数は業種で異なり、製造業は300人以下、卸売業・サービス業は100人以下、小売業は50人以下が目安。自社の業種区分を事前に確認する必要がある。

誤解3:クラウドサービスだけでも対象になると考える

⭕ 対象設備は「兵庫県内に設置する」機械・設備が中心であり、クラウド利用料のみのSaaS導入は対象外になる可能性が高い。生産管理システムのような「システム」区分も、設置・運用実態を含めて事前確認が要る。

誤解4:保証人なしで誰でも借りられると考える

❌ 「保証金も保証人も原則不要」という説明だけを見て、審査なしで借りられると誤解する。

⭕ 法人の場合は代表者の個人保証が原則必要で、審査の結果によっては第三者保証や担保を求められることもある。経営状況や取組内容によって割賦損料率も5段階で変わる。

よくある質問

Q1. 兵庫県のGX・DX促進設備導入推進事業は補助金ですか?

いいえ。返済不要の補助金ではなく、ひょうご産業活性化センターが企業に代わって設備を購入し、長期・低利で分割販売(割賦)する制度です。元金と利息(割賦損料)の返済が必要です。

Q2. 対象になる企業の条件は?

兵庫県内の中小企業者で、従業員数の目安は製造業300人以下、卸売業・サービス業100人以下、小売業50人以下です。詳しい業種区分はひょうご産業活性化センターへの確認をおすすめします。

Q3. いくらまで借りられますか?

貸与限度額は500万円以上2億円以下(税込)です。既存の小規模事業者等設備貸与支援事業(100万円〜1億円)より上限が引き上げられています。

Q4. 国の補助金と併用できますか?

財源が異なるため、直ちに併用が禁止されているわけではありませんが、同じ経費を両方で重複計上することはできません。組み合わせを検討する場合は、IT導入支援事業者とひょうご産業活性化センターの両方に事前相談することをおすすめします。

Q5. 申し込み窓口はどこですか?

公益財団法人ひょうご産業活性化センター 設備投資支援室(電話:078-977-9086)です。まずは導入予定の設備が対象になるか、電話での事前相談から始めるとスムーズです。

参考・出典

まとめ:今日からできる3つのアクション

  1. 今日やること:導入したい設備がGX・DX促進枠の対象になるか、設備投資支援室(078-977-9086)に電話で確認する。
  2. 今週中:自社の従業員数・業種区分が対象要件(製造業300人以下など)に当てはまるかを確認し、決算書・事業計画のたたき台を用意する。
  3. 今月中:国のデジタル化・AI導入補助金2026(次回第4次締切2026年8月25日)を使うか、兵庫県の設備貸与制度を使うか、あるいは両方を組み合わせるか、資金計画を整理する。

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この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

監修:佐藤 傑(さとう・すぐる)
株式会社Uravation代表取締役。早稲田大学法学部在学中に生成AIの可能性に魅了され、100社以上の企業向けAI研修・導入支援を展開。X(@SuguruKun_ai)フォロワー10万人超。AI導入×補助金・資金調達の実務知見をもとに、中小企業のDX推進をサポートしています。

AI導入の計画策定や、どの制度が自社に合うか分からない場合は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。


免責事項
本記事の情報は2026年7月9日時点で公表されている兵庫県・中小企業庁の資料に基づく参考情報です。割賦損料率(金利)や公募スケジュールは変動する場合があります。実際の申込にあたっては、必ずひょうご産業活性化センター(078-977-9086)および各制度の公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の情報に基づく申込・契約の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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