ものづくり補助金

ものづくり補助金 実績報告書の書き方|様式6号と不備5選【2026】

ものづくり補助金 実績報告書の書き方|様式6号と不備5選【2026】

この記事の結論

ものづくり補助金の実績報告書(様式第6号)と経費明細表の書き方を、公式マニュアルの記載例に基づき解説。検収印・振込先など不備5選も紹介します。

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ものづくり補助金は、採択されたら終わりではありません。事業を実施したあと、「実績報告書」を期限内に、かつ不備なく提出できて初めて補助金が振り込まれます。実は、この実績報告の段階でつまずく事業者が少なくありません。証拠書類の整備、経費明細表の転記、検収印の押し方――どれも細かいルールがあり、1つのミスが差し戻しや減額につながります。

この記事では、ものづくり補助金事務局が公開している「実績報告資料等作成マニュアル」(2025年8月18日更新版)をもとに、実績報告書(様式第6号)と経費明細表の作り方、証拠書類の整え方、そして実務でよく起きる不備のパターンを整理します。第23次締切分は2026年8月上旬に採択発表を迎えており、これから交付決定・事業実施に入る事業者にとって「先にゴールを知っておく」ための記事です。

この記事で扱う書類の位置づけ

項目 内容
制度名 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)
所管 中小企業庁(申請受付・審査は全国中小企業団体中央会等の事務局)
対象手続き 交付決定後、事業完了期限までに行う「実績報告」
主な様式 様式第6号別紙1(実績報告書本体)/様式第6号別紙2(経費明細表)/様式第7号(取得財産等管理台帳)/様式第12号(試作品等受領書)
提出期限 事業完了期限と同一。事業完了期限は締切回ごとの「補助事業の手引き」で確認する(第23次締切の一般枠は、採択発表日から最大12か月後が目安)
提出方法 地域事務局へメールで事前確認 → jGrants経由で全国事務局へ提出
根拠資料 「実績報告資料等作成マニュアル」(ものづくり補助金総合サイト・2025年8月18日更新版)

制度全体の補助率・上限額の比較は、【完全比較】中小企業向け補助金5制度 早見表もあわせてご覧ください。ここから先は「採択された後、実際に何をどう書けば補助金が振り込まれるのか」に絞って解説します。

まずこれだけ確認|実績報告の前提条件

実績報告に入る前に、以下が満たされているか確認してください。ここが崩れていると、いくら書類を丁寧に作っても補助対象外になります。

  • 発注・契約・納品・支払・効果の検証のすべてが、交付決定日から事業完了期限までの間に完了していること(交付決定日より前の発注書・契約書は補助対象外)
  • 支払いは原則銀行振込のみ。相殺払い、手形、小切手、ファクタリング、代行振込、割賦払い(事業期間内に契約が完了しないもの)は一切認められない
  • 現金・クレジットカード払いも原則不可(10万円未満の少額支払いのみ、事前連絡があれば個別承認されるケースがある)
  • 補助事業計画に記載のない購入、証拠書類が揃っていないものは対象外

正直に言うと、ここまでは「事業実施中に守るべきルール」であって、実績報告書を書き始めてから気づいても手遅れです。事業スタート時点でこの条件を社内共有しておくことが、結果的に一番の時短になります。

実績報告資料はどう構成されているか|8つのフォルダ

実績報告資料は「費目共通(A区分)」と「費目別(B区分)」の2区分、合計8つのフォルダに分けて準備します。

フォルダ 収録する主な資料
A-1_実績報告書 実績報告書(様式第6号別紙1)、経費明細表(様式第6号別紙2)、取得財産等管理台帳(様式第7号)、試作品等受領書(様式第12号)
A-2_出納帳 預金出納帳・現金出納帳、通帳コピー(表紙含む)
A-3_預り金 専門家経費を個人払いした場合のみ。預り金元帳、納付書コピー
B-1_機械装置・システム構築費 見積依頼書・見積書・相見積書・注文書・契約書・受注書・納品書・請求書・振込依頼書、費目別支出明細書、画像データ、受払簿
B-2〜B-6 技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費(費目ごとに同様の経理書類一式)

ポイントは、資料のないフォルダは作成・提出不要という点です。全部のフォルダを無理に埋めようとせず、実際に発生した経費区分のフォルダだけを準備すれば十分です。

実績報告書を仕上げるまでの7ステップ

Step 1: 経理書類を管理No.で整備する(所要: 数日〜1週間)

見積依頼書・見積書・相見積書・注文書(契約書)・受注書・納品書・請求書・振込依頼書を、費目ごとに「管理No.」(例: 機-1、原-1)を付けて整備します。1枚の書類に複数の品目が記載されている場合は、明細欄に品目ごとの管理No.を手書きで記入すれば足ります。

Step 2: 費目別支出明細書を作る

費目ごとの支出一覧表を作成します。経理書類に付けた管理No.の順に記載し、機械装置費は税抜単価50万円を境に記入欄が分かれるため、該当する品目の合計額をそれぞれ正しい欄に記入します。

Step 3: 経費明細表(様式第6号別紙2)を作る

交付申請書や費目別支出明細書からの転記ミスが最も多い工程です。表の左側に交付決定額(または変更申請額)、右側に実績額を記入し、補助率は予算額・実績額の両方に該当するもの(1/2、2/3、3/4のいずれか)を選択します。補助金額の端数は小数点以下切り捨てです。

Step 4: 実績報告書本体(様式第6号別紙1)を作る

交付申請時の事業計画に対して、事業期間中に実施した取組内容、スケジュール、発生した課題、成果を具体的に記載します。開始日は「交付決定通知書の日付以降かつ最初の発注日以前」とし、事前着手承認を受けている場合はその承認日を基準にします。

Step 5: その他の必要書類を整える

様式第7号「取得財産等管理台帳」(単価50万円税抜以上の機械装置・システム)、出納帳、通帳コピーなどの帳簿関連書類を揃えます。取得財産等管理台帳の書き方は取得財産等管理台帳の作り方|様式第7・50万円基準・記載例で詳しく解説しています。

Step 6: 地域事務局へメールで事前確認

ものづくり補助金は書類の種類が多いため、jGrantsへの正式提出の前に、担当の地域事務局へメールで一旦提出し、事前確認を受けるフローになっています。ここで不備を指摘してもらえると、正式提出後の差し戻しを減らせます。

Step 7: jGrantsで全国事務局へ提出する

地域事務局の確認が完了したら、jGrants上に補助対象経費や補助金額などを入力し、全国事務局へ報告書を提出します。jGrantsの画面操作でつまずいた場合はjGrantsマイページの使い方|申請後の状況確認・差戻し対応を参考にしてください。

書類作成でよくある不備5選

不備1: 見積書の有効期限切れ

❌ 交付申請時に提出した見積書をそのまま使い回し、注文時にはすでに有効期限(発行日から6か月が目安)が切れていた

⭕ 注文前に見積書の有効期限を確認し、期限切れなら再取得する。内容に変更がなく期限内であれば、交付申請時のPDFデータをそのまま使ってよい

なぜ重要か:品名・型番・金額に交付申請時から変更が生じた場合は、軽微な変更でも購入前に事務局へ連絡する必要があります。無断変更は補助対象外になるリスクがあります。

不備2: 納品書の検収印に必要事項が足りない

❌ 検収印を押しただけで、検収日・検収担当者名・「検収」の文字のいずれかが抜けている

⭕ 検収印(または手書き)に、①補助事業者側で検収した日付、②検収担当者名、③「検収」の文字の3点を必ず記載する

なぜ重要か:この検収日は、様式第7号「取得財産等管理台帳」の取得年月日としてそのまま転記されます。検収は必ず補助事業実施場所で行うことも忘れないでください。

不備3: 振込先の口座情報が確認できない

❌ 請求書に金融機関名・支店名・口座番号などの振込先情報が記載されておらず、後から照合できない

⭕ 請求書または振込依頼書で、取引先の口座情報(金融機関名・支店名・口座種別・口座番号)を必ず確認できる状態にする。確認できない場合は取引契約書や覚書で代用する

なぜ重要か:振込金受取書は原則、金融機関が発行する書類(振込印のあるもの)が必要です。通帳コピーや帳簿類だけでは代用できません。

不備4: 支払年月日が振込依頼日になっている

❌ 費目別支出明細書の支払年月日欄に「振込を依頼した日」を記入してしまう

⭕ 支払年月日は「銀行の振込実施日」と一致させる。振込依頼日ではない

なぜ重要か:発注・契約・納品・支払のすべてが事業完了期限までに完了している必要があるため、支払日がずれていると補助対象期間の判定自体が変わってしまいます。

不備5: 振込手数料を先方負担のまま計上する

❌ 振込手数料を先方(取引先)負担にしたのに、経費明細表には税込請求額をそのまま計上してしまう

⭕ 振込手数料が先方負担の場合は実質的な値引きとして扱い、請求額から手数料分を差し引いた額を補助対象経費として計上する

なぜ重要か:たとえば税込275万円の機械装置で振込手数料880円を先方負担にした場合、補助対象経費は274万9,120円になります。この処理を忘れると、確定検査の段階で減額調整が入ります。

よくある質問

実績報告書はいつまでに提出すればよいですか?

提出期限は事業完了期限と同じです。事業完了期限は締切回ごとに「補助事業の手引き」に記載されているため、自分が採択された回の手引きで必ず確認してください。第23次締切の一般枠では、採択発表日から最大12か月後が目安とされています。

見積書の発行がない場合はどうすればよいですか?

インターネットでの注文や店頭での購入など、見積書の発行がない取引では見積書の提出を省略できます。ただし、FAXの記録用紙やコピーを見積書の原本として扱うことは認められていません。

経費明細表と実績報告書はどちらから先に作ればよいですか?

マニュアルが示す標準的な順序は、経理書類の整備、費目別支出明細書の作成、経費明細表(様式第6号別紙2)の作成、実績報告書本体(様式第6号別紙1)の作成という流れです。金額面を固めてから内容面を書くと、後戻りが少なくなります。

振込手数料を先方が負担した場合、補助対象経費はどうなりますか?

振込手数料が先方負担だった場合は実質的な値引きとして扱い、請求額から手数料分を差し引いた金額を補助対象経費として計上します。この処理を忘れると、確定検査の段階で減額調整の対象になります。

提出後の流れ|確定検査から補助金振込まで

実績報告を提出すると、事務局による確定検査(書面審査、場合によっては実地検査)が行われます。確定検査では、経理証拠書類の原本確認が行われるため、実績報告に使った書類の原本は補助事業が終わってもすぐに廃棄せず保管しておく必要があります。実地検査で原本が確認できない場合、その経費は補助対象外と判断されることがあります。

ものづくり補助金では、実績報告のさらに先に「事業化状況報告」という別の報告義務もあります。こちらは補助金交付後、原則として事業終了年度の翌年度から5年間、毎年提出するもので、実績報告とは提出のタイミングも目的も異なります。詳しくはものづくり補助金 事業化状況報告とは|交付規程改正の変更点で解説しています。

2026年度の制度統合で押さえておきたいこと

2026年6月29日、中小企業庁は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回公募要領を公開しました。これは、従来の新事業進出補助金とものづくり補助金の枠組みを統合した新しい制度です。この記事で解説している実績報告資料等作成マニュアルは、第23次締切など従来のものづくり補助金として採択された事業者向けのものであり、統合後の新制度に採択された場合は、様式や提出フローが変更される可能性があります。自分がどちらの制度の採択者かを、交付決定通知書と手引きで必ず確認してください。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)で採択された場合は、実績報告の必要書類や提出フローが異なります。あわせてデジタル化・AI導入補助金 実績報告の出し方|必要書類21点と不備事例もご覧ください。

まとめ:今日から始める3つのアクション

  1. 今日やること:自社の交付決定通知書を確認し、事業完了期限(=実績報告書の提出期限)を手帳・カレンダーに登録する
  2. 今週中:経理書類に管理No.を振るルールを社内の経理担当者と共有し、発生した支払いから順に整理を始める
  3. 事業完了の1か月前まで:地域事務局への事前確認メールを送るスケジュールを決め、費目別支出明細書と経費明細表のドラフトを作成しておく

この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

AI導入の計画策定や、どの補助金・助成金が自社に合うか分からない場合は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。


免責事項
本記事の情報は2026年8月2日時点で公開されている「実績報告資料等作成マニュアル」(2025年8月18日更新版)および中小企業庁・ものづくり補助金総合サイトの公表資料に基づく参考情報です。実績報告の様式・提出方法・事業完了期限は締切回や制度改正(2026年6月の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金への統合を含む)によって変更される場合があります。申請にあたっては、必ずご自身が採択された締切回の「補助事業の手引き」および公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の情報に基づく手続きの結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

参考・出典

この制度についてAIに質問する 「ものづくり補助金 実績報告書…」について、無料・登録不要でその場で質問できます
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