人材開発支援助成金

【2026年最新】外国人労働者就労環境整備助成コース完全ガイド

【2026年最新】外国人労働者就労環境整備助成コース完全ガイド

この記事の結論

外国人労働者を雇用する中小企業が活用できる人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)を解説。1制度あたり20万円・上限80万円の定額助成。

外国人労働者を受け入れる中小企業が「定着率を上げながら最大80万円の助成金を受け取る方法」として注目されているのが、人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)です。令和8年4月1日から社会保険加入要件が廃止され、申請しやすくなりました。本記事では制度の概要から申請手順まで、公式情報をもとに解説します。

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)とは

本制度は、外国人労働者が働きやすい職場環境を整備した事業主に対して、厚生労働省が助成金を支給するものです。対象は雇用保険被保険者となる外国人労働者(特別永住者・「外交」「公用」在留資格を除く)を雇用する事業主。業種・規模を問わず申請できます。公式情報は厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」でご確認ください。

外国人労働者の採用は年々増加しており、2024年10月時点の在留外国人数は340万人を超えています。一方で、言語の壁や就業規則の不周知などによる早期離職も課題です。本コースは、こうした職場定着の課題を解決するために設けられています。

令和8年度の最新情報:社会保険要件が廃止に

令和8年4月1日施行の改正により、以下の変更がありました。

  • 社会保険加入要件の廃止:事業所が社会保険適用事業所であることや、労働者が被保険者であることの要件が全面廃止
  • 添付書類の削減:社会保険料納入証明書・賃金台帳等の添付書類が不要に
  • 申請様式の更新:令和8年4月版の新様式(外国人労働者名簿を「対象労働者一覧(R8.4〜)」に変更)
  • 「苦情・相談体制」の実施日明確化:外国人労働者に苦情・相談体制の内容を周知した日が実施日となる

この改正により、社会保険の適用事業所でない個人事業主や小規模事業者も申請対象となりました。

支給額と助成の内容

支給方式は令和7年4月から「定額方式」に変更されています。以下の表で確認してください。

助成の単位 1制度あたりの支給額 上限額
整備措置1種類の導入・実施ごと 20万円(定額) 80万円(最大4制度)

1回の就労環境整備計画で最大4つの整備措置を組み合わせることができ、すべて実施・認定されれば合計80万円が支給されます。補助率ではなく定額なので、経費の多寡に関係なく安定した助成を受けられます。

対象となる整備措置5種類

就労環境整備計画に盛り込める整備措置は次の5種類です。①と②は必須、③〜⑤から1つ以上を選択します。

区分 整備措置の内容 必須/選択
雇用労務責任者の選任 必須
就業規則等の多言語化 必須
苦情・相談体制の整備 選択
一時帰国のための休暇制度の整備 選択
社内マニュアル・標識類等の多言語化 選択

最大80万円を受け取るには、①②を含む4つの整備措置すべてを導入・実施する必要があります。③〜⑤から2つを選択し、合計4措置が対象となります。

申請するための5つの要件

本コースを申請するには、以下の5要件を満たす必要があります。

  • 外国人雇用要件:雇用保険被保険者となる外国人労働者を1人以上雇用している(特別永住者・外交・公用の在留資格は除く)
  • 計画認定要件:労働局に就労環境整備計画を提出し、認定を受けること
  • 実施要件:認定を受けた計画に基づき整備措置を導入・実施すること
  • 継続雇用要件:計画提出日から離職率算定期間末日まで継続して雇用される外国人労働者が1人以上いること
  • 離職率要件:離職率算定期間における外国人労働者の離職率が15%以下であること

令和8年4月改正により、社会保険の加入要件は廃止されました。農業・漁業等の社会保険適用除外業種の事業主や、個人経営の小規模事業者も対象になります。

申請の流れ(ステップ別解説)

本コースの申請は、計画認定から支給申請まで大きく5ステップです。

ステップ 内容 ポイント
Step 1 就労環境整備計画の作成 実施する整備措置・計画期間(3か月〜1年)を決める
Step 2 都道府県労働局へ計画を提出・認定申請 整備措置の実施前に必ず提出する(実施後の計画は不可)
Step 3 労働局による計画認定 認定通知書を受領してから整備措置を実施する
Step 4 整備措置の導入・実施 計画期間内に全措置を導入し、外国人労働者へ周知する
Step 5 支給申請(離職率算定後) 計画期間終了後、離職率が15%以下であることを確認して申請

早期申請が可能なケースとして、雇用労務責任者講習を受講済みかつ整備措置実施日前6か月間に解雇等がない場合は、実施日の翌日から2か月以内に申請できます(令和8年改正で明確化)。

他の雇用関連助成金と組み合わせて活用する

本コースは単体での活用に加え、他の助成金との組み合わせも検討できます。

ただし、同一の整備措置について他の助成金の支給を受けている場合は重複して受給できないため、組み合わせ設計は社会保険労務士や各ハローワークに事前確認することをお勧めします。

申請時の注意点とよくある失敗

本コースを申請する際に特に注意すべき点を整理します。

  • 計画認定前に整備措置を実施しない:認定通知書を受領する前に就業規則の多言語化や責任者選任を行っても支給対象になりません
  • 離職率の計算期間を把握する:計画期間終了後の一定期間が「離職率算定期間」となります。計画期間中だけでなく算定期間末日まで外国人労働者の継続雇用が必要です
  • 令和8年4月以前の計画には旧規定が適用:令和8年4月1日より前に提出・認定を受けた計画には改正前の要件(社会保険加入要件含む)が適用されます
  • 苦情・相談体制の「実施日」:外国人労働者に対して内容を周知した日が実施日です。就業規則の周知日ではありません

どんな企業が向いているか

本コースが特に有効な事業所の特徴を挙げます。

  • 製造業・建設業・飲食業・介護業など、技能実習や特定技能の外国人労働者を雇用している
  • 就業規則が日本語のみで外国人スタッフへの浸透が不十分
  • 採用後6か月以内の離職率が高く、定着に課題を感じている
  • 外国人スタッフの相談窓口が不明確で、問題が放置されやすい職場環境にある
  • 人手不足を外国人採用で補う計画があり、定着率向上が急務

社会保険要件が廃止された令和8年4月以降は、飲食店や農業など従来は申請が難しかった業種でも利用しやすくなっています。また、人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)と組み合わせると、職場環境整備と定着支援を同時に進められます。

申請先と問い合わせ窓口

申請先は都道府県労働局です。各都道府県の労働局に「助成金センター」が設置されています。まずはお住まいの都道府県労働局または最寄りのハローワークにご相談ください。

電子申請(e-Gov)にも対応しています。様式は令和8年4月版に更新されており、厚生労働省公式ページからダウンロード可能です。雇用保険全般の手続きについては厚生労働省「雇用関係助成金の申請にあたって」も参照してください。また、外国人雇用に関する届出義務については厚生労働省「外国人雇用関係(外国人の雇用対策)」をご参照ください。

まとめ:令和8年改正で申請しやすくなった外国人就労環境整備助成金

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、外国人労働者の定着支援と最大80万円の定額助成を同時に実現できる制度です。令和8年4月改正で社会保険要件が廃止され、従来よりも幅広い事業主が申請できるようになりました。

計画認定→整備措置実施→支給申請の流れを正しく把握し、整備措置実施前に必ず計画認定を受けることが最大のポイントです。他の助成金との組み合わせも含め、自社の状況に合った活用方法を社労士やハローワークと相談しながら検討してみてください。

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参考・出典

【免責事項】本記事の情報は2026年6月30日時点のものです。制度内容・補助率・締切日は変更される場合があります。最新情報は必ず厚生労働省または各都道府県労働局の公式サイトでご確認ください。助成金の支給を保証するものではありません。

この記事の執筆・運営

佐藤 傑 株式会社Uravation 代表取締役CEO

生成AI研修・AI導入コンサルティングの株式会社Uravation代表。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。法人向けAI研修の受講者4,000名以上、AI導入支援100社以上。

補助金・助成金の金額・要件・締切等は、省庁・自治体の公式公表資料(一次情報)を確認のうえ執筆しています。制度は改定されるため、申請前に必ず公式サイトの最新情報をご確認ください。

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