人材開発支援助成金

【令和8年度】エイジフレンドリー補助金3コース・補助率最大4/5・申請ガイド

【令和8年度】エイジフレンドリー補助金3コース・補助率最大4/5・申請ガイド

この記事の結論

60歳以上の従業員がいる中小企業が対象。補助率最大4/5・上限100万円のコースも。令和8年度は5月20日〜10月31日受付中。3コースの違い・対象経費・申請手順を一次資料をもとに解説。

60歳以上の従業員が1人でもいれば申請できる補助金を、ご存知でしょうか。エイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者の転倒事故・熱中症・腰痛といった労働災害を防ぐための職場環境整備を、国が費用の半額から最大4/5まで補助してくれる制度です。

令和8年度(2026年度)は予算が前年度比約25%増の9.5億円に拡充され、受付期間は2026年5月20日から10月31日まで。ただし予算に達した時点で締め切られるため、早めの準備が欠かせません。

この記事では、3コースの違い・補助率・対象経費から申請手順まで、一次資料をもとに解説します。

申請前に、以下の3つをすべて満たしているか確認してください。

  • 1年以上継続して事業を実施している中小企業であること
  • 労災保険に加入していること
  • 60歳以上の労働者が常時1名以上就労していること

「中小企業」の範囲は業種によって異なります。

業種 従業員数(常時) 資本金
製造業・建設業・運輸業等 300名以下 3億円以下
卸売業 100名以下 1億円以下
サービス業 100名以下 5,000万円以下
小売業 50名以下 5,000万円以下

いずれか一方(従業員数または資本金)を満たせば対象です。工場の作業員ではなく、事務室に60歳以上の方が1名いれば申請資格があります。

3コースの補助率・上限額をひと目で比較

コース 補助率 上限額 主な対象経費
専門家総合対策コース 第1段階(リスクアセスメント) 4/5 100万円 外部専門家によるリスクアセスメント実施費用
専門家総合対策コース 第2段階(職場環境改善) 1/2 100万円 転倒防止設備・アシストスーツ・運動指導等
熱中症対策コース 1/2 100万円 冷却服・スポットクーラー・ウエアラブルデバイス等
コラボヘルスコース 3/4 30万円 健康教育・研修・健康管理システム初期費用

重要:複数コースの同時申請はできません。年度1回限りです。どのコースで申請するかは、自社の最も緊急度の高い課題から選びましょう。

補助金制度の全体像については、AI導入に使える補助金5選の比較記事もあわせてご覧ください。

各コースで補助される経費の具体例

専門家総合対策コース 第1段階

補助率が最も高い4/5のコースです。労働安全衛生コンサルタントなどの外部専門家が職場を訪問してリスクアセスメント(危険性・有害性の調査)を実施する費用が対象となります。

申請締切は令和8年8月31日と、他のコースより前倒しになっている点に注意が必要です。

なお、外部専門家を使わず、自社の安全衛生担当者(事業主兼任も可)が実施する場合は、第1段階を省略して第2段階から直接申請できます。

専門家総合対策コース 第2段階

リスクアセスメントの結果を踏まえた職場環境改善が対象です。対象経費の例:

  • 転倒防止・墜落防止設備(手すり設置・防滑床材・段差解消・凍結防止装置等)
  • 重量物搬送機器(リフト・アシストスーツ・移乗介助機器)
  • 高所作業台(高さ2m未満)
  • 業務用車両への踏み間違い防止装置
  • 専門家による転倒防止・腰痛予防の運動指導プログラム(対面実施のみ)

熱中症対策コース

屋外や高温環境での作業が多い事業所向けです。補助対象の主な経費:

  • 体温低下機能のある冷却服・装備
  • 移動式スポットクーラー(熱排気を屋外に逃がせるもの、標準使用期間5年以上)
  • 冷凍ストッカー(アイススラリー用、容量最大400L)
  • ウエアラブルデバイス(深部体温推定機能付き・集中管理機能搭載)

アイスノンや冷却スプレー、スポーツドリンクなど「消耗品そのもの」は補助対象外です。設備や機器に限られます。

コラボヘルスコース

保険者(健保組合・協会けんぽ等)と連携した健康管理の取り組みが対象です。申請の前提として「事業主健診結果を保険者に提供していること」が必須です。対象経費の例:

  • 禁煙指導・メンタルヘルス対策等の健康教育・研修(産業医・保健師等による対面実施のみ)
  • 健康管理システムの初期導入費用(PCの購入は対象外)
  • 栄養・保健指導

補助率が3/4と高いコースですが、上限30万円の制約があります。

Step 1:どのコースで申請するか決める(自社診断)

コースは1つしか選べません。以下の観点で優先度をつけましょう。

  • 転倒・墜落・腰痛リスクが高い(工場・倉庫・介護現場等)→ 専門家総合対策コース
  • 屋外作業・高温環境が多い(建設・農業・配送・食品製造等)→ 熱中症対策コース
  • 保険者との健康管理連携を進めたい(健診結果提供済みの場合)→ コラボヘルスコース

判断がつかない場合は、先に申請締切の早い専門家総合対策コース第1段階(8月31日締切)を検討することをお勧めします。外部専門家によるリスクアセスメントで自社の優先課題が明確になるためです。

Step 2:GビズIDプライムを取得する(所要1〜2週間)

jGrants(補助金電子申請システム)で申請するには、GビズIDプライムが必要です。まだ取得していない場合は、申請期限から逆算して余裕をもって準備してください。

  • 法人の場合:印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)が必要
  • 個人事業主の場合:印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)が必要
  • オンライン申請後、書類審査・郵送確認を経て1〜2週間で発行

GビズIDの取得手順はGビズID登録の完全ガイドで詳しく解説しています。

Step 3:申請書類を準備する

申請書類はエイジフレンドリー補助金事務センター(jashcon-age.or.jp)のホームページからダウンロードします。コースごとに様式が異なります。

共通で必要なもの:

  • 交付申請書(様式1:コース別に異なる)
  • 事業計画書(職場の現状・課題・導入予定の設備・期待効果)
  • 見積書(補助対象経費の見積もり)
  • 登記事項証明書または確定申告書等(中小企業要件の確認)
  • 労働保険番号が確認できる書類

事業計画書で最も重要なのは「なぜこの設備が必要か」の説明です。「60代の従業員が多く転倒リスクがある」ではなく、「60代の作業員が○名おり、過去3年で転倒ヒヤリハット○件あった。防滑床材により転倒リスクを大幅に低減できる」と具体的に書くと審査が通りやすくなります。

Step 4:jGrantsまたは郵送で申請する

jGrants(https://jgrants-portal.go.jp/)でのオンライン申請、または郵送が可能です。メール申請は不可です。

郵送の場合は料金別納・後納郵便は受付不可のため、書留等で送付します。

申請先は2つに分かれています:

  • 交付申請書類:申請担当(電話 03-6381-7507)
  • 支払請求書類:支払担当(電話 03-6809-4085)

Step 5:交付決定後に発注・購入する(最重要)

申請が承認され「交付決定通知」を受け取るまで、設備の発注・購入・契約を行ってはいけません。交付決定前の経費は一切補助対象外になります。

採択≠交付決定です。採択通知が来ても、交付決定通知が届くまで動かないことが鉄則です。

Step 6:事業を実施して実績報告を行う

交付決定後に設備導入・運動指導等の事業を実施し、完了後に実績報告書を提出します。実績報告・支払請求の締切は令和9年1月31日です。

実績報告には、設備の写真・領収書・作業記録等が必要です。購入した設備の「使用前後の写真」は特に重要で、申請時の計画通りに設置・使用されていることを証明します。

Step 7:補助金を受け取る(後払い)

実績報告の審査が完了した後に補助金が交付されます。補助金は後払いのため、一時的に全額自己負担する資金繰りの確保が必要です。

申請でよくある不備のパターン

不備1:交付決定前に発注してしまう

❌ 採択通知が届いたらすぐに手すりを発注する
⭕ 交付決定通知書を受け取ってから発注する

最も多い失敗です。「早く工事したい」という気持ちはわかりますが、交付決定前の発注は補助金ゼロになります。

不備2:対象外の経費を計上している

❌ 事務用PCの購入をコラボヘルスコースで申請する
⭕ 健康管理システムの初期費用のみを申請する(PC購入は対象外)

コース別の対象経費は公募要領で細かく定められています。「関係ありそう」という感覚で計上しても、不採択や返還を求められることがあります。

不備3:事業計画が定性的すぎる

❌「従業員の安全を高めたい」
⭕「60歳以上の配送スタッフが12名おり、荷物の積み下ろし時の腰痛リスクが高い。アシストスーツ導入により腰部への負担を軽減し、労災発生リスクを低減させる」

不備4:専門家総合対策コース第1段階の締切を見落とす

❌ 10月31日前なら第1段階も間に合うと思っている
⭕ 第1段階の申請は令和8年8月31日が締切と把握して準備する

令和8年度の主な変更点(令和7年度比)

令和8年度のエイジフレンドリー補助金では、いくつかの変更が加わっています。

  • 予算が約25%増の9.5億円に拡充(前年度比)
  • コラボヘルスコースの補助率が引き上げ(令和7年度の1/2から3/4へ)
  • 熱中症対策コースの対象設備の要件が一部明確化

コラボヘルスコースの補助率引き上げは特に注目です。健診結果を保険者に提供済みで、産業保健の取り組みを強化したい企業にとっては、以前より使いやすくなっています。

よくある質問

Q1. 同じ年度に2つのコースに申請できますか?

できません。複数コースの同時申請は不可で、年度1回限りです。最も緊急度の高い課題に絞って申請してください。

Q2. 大企業は申請できませんか?

業種別の中小企業要件(従業員数または資本金)を満たす必要があります。要件を超える大企業は対象外です。

Q3. 60歳以上の従業員が1名だけでも申請できますか?

常時1名以上就労していれば申請できます。事務職・管理職等でも対象になります。

Q4. 申請からいつ頃お金が振り込まれますか?

申請→採択→交付決定→事業実施→実績報告→補助金交付という流れです。令和9年1月31日までに実績報告を提出し、審査後に交付されます。申請から受け取りまで半年〜1年程度かかることを想定してください。

Q5. jGrantsを使ったことがなく、手続きが不安です

jGrantsは一度GビズIDを取得すれば、補助金・助成金の電子申請を一元的に行えるポータルです。操作に不安がある場合は、jGrantsのヘルプデスクまたはエイジフレンドリー補助金事務センター(03-6381-7507)に相談してください。

申請スケジュールのまとめ

時期 手続き
今すぐ GビズIDプライムの取得申請(未取得の場合)
令和8年8月31日まで 専門家総合対策コース第1段階の申請締切
令和8年10月31日まで 全コースの申請締切(予算終了次第終了)
交付決定後 設備の発注・購入・工事を開始
令和9年1月31日まで 実績報告・支払請求の締切

予算9.5億円は先着順で消化されます。昨年度は秋口に予算を使い切った実績もあるため、10月31日の期限を待たずに締め切られる可能性があります。申請の準備が整ったら早めに提出することをお勧めします。

参考・出典


AI導入の計画策定や補助金活用についてお悩みの場合は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。


この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。


免責事項
本記事の情報は2026年6月12日時点の厚生労働省・エイジフレンドリー補助金事務センター等の公表資料に基づく参考情報です。補助金制度の内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず厚生労働省の公式サイトおよび補助金事務センターで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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