人材開発支援助成金

【2026年最新】トライアル雇用助成金とは?月最大5万円・申請手順ガイド

【2026年最新】トライアル雇用助成金とは?月最大5万円・申請手順ガイド

この記事の結論

トライアル雇用助成金2026年度版。月額最大4万円(ひとり親は5万円)・最長3か月の試行雇用で採用リスクを下げながら助成金を受け取る方法を、対象者5類型・申請6ステップ・障害者コースまで完全解説。

採用で「この人、うちに合うかな」と悩んだことはないだろうか。面接だけでは分からないことが多いし、入社後にミスマッチが発覚すると企業にとっても求職者にとっても痛い。そこで使えるのがトライアル雇用助成金だ。最長3か月の試行雇用を行った事業主に対して、月額最大4万円(ひとり親の場合は5万円)が支給される。採用リスクを下げながら助成金も受け取れる、人事担当者にとって一石二鳥の制度と言えるだろう。

この記事では、令和8年度(2026年度)の一般トライアルコースを中心に、障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコースも含めた全体像を解説する。対象者の類型、支給額の計算ロジック、申請の落とし穴まで、実務で使える情報をまとめた。

コース 対象労働者 月額支給額 支給期間 最大合計
一般トライアルコース(通常) 就職困難な求職者 最大4万円 最長3か月 12万円
一般トライアルコース(ひとり親) 母子家庭の母・父子家庭の父 最大5万円 最長3か月 15万円
障害者トライアルコース(精神障害者) 精神障害者 最初の3か月:最大8万円
その後の3か月:最大4万円
最長6か月 36万円
障害者トライアルコース(その他) 身体・知的障害者等 最大4万円 最長3か月 12万円
障害者短時間トライアルコース 精神障害者・発達障害者 最大4万円 最長12か月 48万円

※ 実際の支給額は就労率に連動する。月間の就労日数が75%以上で満額支給、75%未満は按分される。
※ 上記は令和8年4月8日時点の情報。最新の支給額は厚生労働省 トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)でご確認ください。

各補助金制度との比較は、AI導入に使える補助金5選 徹底比較も参考にしていただきたい。

一般トライアルコース:5つの対象者類型

「就職困難な求職者」と言っても、具体的に誰が対象なのかはなかなか分かりにくい。厚生労働省が定める対象類型は以下の5つだ。

類型①:短期間に複数回離職・転職を繰り返している

紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上の離職や転職を繰り返している者が対象となる。「うちに来る前に短期で3社渡り歩いていた」という求職者が典型例だ。

類型②:長期離職者

紹介日の前日時点で離職している期間が1年を超えている者。パート・アルバイトも含めて一切の就労をしていないことが条件だ。「3年以上ブランクがある」「育児でずっと専業主婦だった」というケースが該当する。

類型③:育児・出産による長期離職者

妊娠・出産・育児を理由に離職し、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている者。類型②と似ているが、こちらは離職理由を問わず産後復帰を目指している人が対象だ。

類型④:ハローワークの担当者制個別支援を受けている者(60歳未満)

1968(昭和43)年4月2日以降生まれ(2026年6月時点で58歳未満)で、安定した職業に就いておらず、ハローワーク等において担当者制による個別支援を受けている者が対象だ。ハローワークの担当キャリアコンサルタントに継続的に支援を受けているケースを想定している。

類型⑤:特別配慮を要する者

生活保護受給者、ホームレス、生活困窮者、母子家庭の母父子家庭の父、DV被害者、社会的養護が必要な若者などが含まれる。この類型に該当する「母子家庭の母・父子家庭の父」は月5万円の加算支給となる点が特徴だ。

対象となる事業主の要件

助成金を受け取るのは「雇った企業」側だ。以下の要件を全て満たす必要がある。

  • 雇用保険の適用事業主であること
  • ハローワークまたは民間職業紹介事業者からの紹介で雇い入れること
  • 無期雇用契約への移行を前提とした週30時間以上のフルタイム雇用を行うこと
  • トライアル雇用期間中の賃金を月給制で設定していること
  • 過去に不正受給がないこと

注意点として、既にその求職者とトライアル雇用や正規雇用の実績がある事業主は対象外となる。「一度断ったけれど再トライアル」は認められない。

申請から支給までの6ステップ

Step 1:ハローワークに求人票を提出する(雇入れ前)

一般の求人票とは別に、「トライアル雇用求人」として登録する。所要時間は1日程度。ハローワーク窓口で「トライアル雇用を活用したい」と伝えれば手続きを案内してもらえる。

Step 2:トライアル雇用対象者の紹介を受ける

ハローワークまたは民間職業紹介事業者からの紹介が必須だ。一般求人からスカウトした求職者を後からトライアル雇用に切り替えることはできない。

Step 3:トライアル雇用を開始し「実施計画書」を提出する(雇入れから2週間以内)

雇入れ日から2週間以内に「トライアル雇用実施計画書」をハローワークに提出する。この書類提出が助成金受給の大前提だ。提出が遅れると助成対象外になる可能性があるため、雇入れ当日に提出するくらいの心がけで動くことをお勧めする。

Step 4:最長3か月のトライアル雇用を実施する

双方が合意すれば3か月未満での正規雇用移行も可能。逆に3か月を超えてトライアル雇用を継続することはできない。期間中の勤怠・賃金は出勤簿・賃金台帳で記録しておくこと。

Step 5:支給申請書を提出する(雇用終了日の翌日から2か月以内)

トライアル雇用の終了後(または正規雇用への移行後)、終了日の翌日から2か月以内に「トライアル雇用結果報告書兼支給申請書」をハローワークへ提出する。提出先は管轄の公共職業安定所(ハローワーク)または都道府県労働局だ。

Step 6:助成金の支給を受ける

審査後、指定口座に振り込まれる。申請から支給まで通常2〜3か月かかる。

就労率による支給額の按分計算

月額最大4万円と言っても「毎月必ず4万円もらえる」わけではない。実際の就労日数に応じて按分される仕組みだ。

月の就労率 支給額(通常) 支給額(ひとり親)
75%以上(フル出勤) 4万円(満額) 5万円(満額)
50%以上75%未満 2万円 2万5,000円
50%未満 0円(支給なし) 0円(支給なし)

たとえば所定労働日数20日の月に16日出勤すれば就労率80%で満額。12日しか出勤できなければ就労率60%で半額となる。体調不良が多い対象者を採用した場合、想定より助成額が少なくなるケースがあるため注意が必要だ。

障害者トライアルコース・短時間トライアルコースの詳細

障害者トライアルコース

障害者手帳を持つ方や精神障害の診断を受けた方を試行雇用する事業主向けの制度だ。精神障害者の場合、採用初期の定着支援が特に重要であることを踏まえ、最初の3か月は月額最大8万円の手厚い支援が行われる。

対象となる障害者の主な類型は以下のとおりだ。

  • 紹介時に未経験の職種への就職を希望している者
  • 過去2年以内に2回以上の離職・転職を繰り返している者
  • 離職期間が6か月を超えている者
  • 重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者

障害者短時間トライアルコース

週10〜20時間未満の短時間労働から始め、徐々に労働時間を延ばして通常雇用へ移行することを目指す障害者(精神障害者・発達障害者)向けの制度だ。最長12か月にわたって月額最大4万円が支給されるため、最大受給総額は48万円となる。

障害者雇用を検討している中小企業にとっては、障害者トライアルコード(最大36万円)よりも長期的に支援を受けられる点が大きなメリットと言えるだろう。

AI・DX人材採用での活用シーン

実は、トライアル雇用助成金はAI・DX人材の採用でも使いやすい制度だ。長期ブランクのある元エンジニアや、転職を繰り返してきたITフリーランスなど、類型②・①に該当するケースは意外と多い。

想定シナリオとして、次のような活用が考えられる(以下は弊社が支援する中で見られる典型的パターンを想定シナリオとして構成したものだ)。

事例区分:想定シナリオ
製造業・従業員30名の中小企業A社。AIによる在庫予測システムを導入したいが、社内にITスキルを持つ人材がいない。ハローワーク経由で紹介された元エンジニア(離職期間18か月・類型②に該当)をトライアル雇用で採用。3か月間でAI活用の適性と業務フィットを確認した後、正規雇用へ移行。助成金として計12万円を受け取り、採用コストの一部を回収した。

ポイントは「採用ミスマッチのリスクを下げながら、助成金も受け取れる」という二重のメリットだ。特にAI・DX推進を始めたい企業にとって、未経験者や長期離職者のリスキリング採用と相性がいい。

人材開発支援助成金のAI研修コースとの組み合わせも有効だ。詳しくは人材開発支援助成金 令和8年度版ガイドを参照してほしい。

申請でよく見られる失敗パターン

失敗①:実施計画書の提出が遅れた

❌ 「トライアル雇用を開始して1か月後に計画書を提出した」
⭕ 「雇入れ日当日もしくは翌日に計画書を提出した」

実施計画書の提出期限は雇入れから2週間以内だが、審査に時間がかかるケースもある。入社初日に提出するのが確実だ。

失敗②:ハローワーク紹介なしで雇い入れた

❌ 「求人サイトで応募してきた求職者をトライアル雇用にした」
⭕ 「ハローワークか民間職業紹介事業者からの紹介を受けた」

トライアル雇用助成金はハローワーク等からの紹介が大前提だ。一般の求人媒体からの応募者には適用できない。

失敗③:支給申請の期限を過ぎた

❌ 「トライアル雇用終了から3か月後に申請しようとした」
⭕ 「終了日の翌日から2か月以内に申請書を提出した」

終了日から2か月という期限は厳格に適用される。カレンダーに締切日を登録して絶対に見落とさないようにしたい。

失敗④:就労率が想定を下回り支給額が減少した

❌ 「毎月4万円もらえると見込んでいたが、欠勤が多く半額しか受け取れなかった」
⭕ 「月の就労率75%未満の場合は按分されることを事前に把握しておいた」

体調管理が難しい対象者の場合、就労率管理を丁寧に行うことで申請額の見通しを立てやすくなる。

よくある質問

Q1:正規雇用に切り替えた場合、残りのトライアル期間分は支給されますか?

トライアル雇用期間中に無期雇用へ移行した場合、移行日を終了日として支給申請できる。3か月待たずに正規移行しても、それまでの期間分の助成金は受け取れる。

Q2:パートやアルバイトとしてトライアル雇用できますか?

一般トライアルコースは「週30時間以上」のフルタイム雇用が対象だ。短時間パートには適用できない。ただし障害者短時間トライアルコースは週10〜20時間未満での利用が可能だ。

Q3:同じ人を再度トライアル雇用できますか?

同じ事業主・同じ労働者の組み合わせでは、一度トライアル雇用を行った後の再実施はできない。

Q4:若年・女性建設労働者トライアルコースとは何が違いますか?

建設業で女性や35歳未満の若者を雇用する事業主向けの専用コースだ。建設業以外の企業は一般トライアルコースを利用する。本記事で解説した一般コースとは対象業種・要件が異なる。詳細はハローワークに確認してほしい。

Q5:複数人を同時にトライアル雇用した場合、人数分の助成金を受け取れますか?

対象者1人につき助成金が支給される仕組みのため、2人同時にトライアル雇用すれば2人分の助成金申請が可能だ。ただし全ての要件を各人について満たす必要がある。

参考・出典


まとめ:採用リスクを下げながら助成金を活用するために

トライアル雇用助成金の活用には3つのアクションが有効だ。

  1. 今すぐやること:ハローワークに「トライアル雇用求人」として求人登録を行う。一般求人と同時に出せるので手間は少ない。
  2. 今週中にやること:採用したい人材の類型を確認する。長期離職・ひとり親・生活困窮者など、対象類型に当てはまる求職者がどのような状況かをハローワーク窓口に相談する。
  3. 採用後にやること:雇入れ日(当日か翌営業日)に実施計画書を提出し、終了日の翌日から2か月以内の申請期限をカレンダーに登録する。

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この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。


【免責事項】本記事の情報は2026年6月12日時点の厚生労働省等の公表資料に基づく参考情報です。助成金制度の内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず厚生労働省公式サイトおよび管轄のハローワーク・労働局で最新情報をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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