人材開発支援助成金

【令和8年度】情報公表加算とは?正社員化コースで最大20万円を上乗せ申請する方法

【令和8年度】情報公表加算とは?正社員化コースで最大20万円を上乗せ申請する方法

この記事の結論

令和8年4月8日に新設されたキャリアアップ助成金「情報公表加算」の詳細ガイド。中小企業は1事業所あたり最大20万円が加算。要件・公表内容・申請タイミングを解説します。

令和8年4月8日、厚生労働省はキャリアアップ助成金・正社員化コースに新たな加算措置を設けた。「情報公表加算」と呼ばれるこの制度は、自社ウェブサイトまたは職場情報総合サイト「しょくばらぼ」に正社員転換に関する所定情報を公表した事業主に対し、1事業所あたり最大20万円(大企業は15万円)を上乗せ支給するものだ。

既存の正社員化コースと組み合わせることで受給額が増えるため、非正規から正社員への転換を進める中小企業にとって見逃せない変更といえる。


令和8年4月8日施行の変更点まとめ

項目 令和8年4月7日以前 令和8年4月8日以降 変化
正社員化コース基本助成(有期→正規・中小) 80万円(1・2期合計) 80万円(1・2期合計) 変更なし
情報公表加算(中小企業) なし 1事業所あたり20万円 新設 ↑
情報公表加算(大企業) なし 1事業所あたり15万円 新設 ↑
加算の適用回数 1事業所につき1回のみ 新設
適用対象の転換日 令和8年4月8日以降の転換 新設

出典:厚生労働省 キャリアアップ助成金(令和8年4月8日付け 支給要領改定版)(参照日:2026年6月11日)

そもそもキャリアアップ助成金・正社員化コースとは

有期雇用労働者や派遣社員を正社員(無期雇用・フルタイム)に転換した事業主に対し、国が助成金を支給する制度だ。雇用の安定を目的として厚生労働省が運営しており、雇用保険の適用事業所であれば業種・規模を問わず申請できる。

支給額は以下の通り(令和8年度・中小企業の場合)。

転換区分 対象者区分 1期(6か月後) 2期(12か月後) 合計
有期→正規(直接雇用) 重点支援対象者 40万円 40万円 80万円
有期→正規(直接雇用) 上記以外 40万円 40万円
無期→正規(直接雇用) 重点支援対象者 20万円 20万円 40万円
無期→正規(直接雇用) 上記以外 20万円 20万円

重点支援対象者とは、有期雇用3年超・シングルマザー・訓練修了者など雇用の不安定な状態が長期化しているケースを指す。

正社員化コースの概要・基本的な申請手順は、【2026年】キャリアアップ助成金とは?1人最大80万円の正社員化コースで解説している。本記事では「情報公表加算」に特化して掘り下げる。

情報公表加算の加算額と要件

加算額

企業規模 加算額 上限回数
中小企業 1事業所あたり20万円 1回限り
大企業 1事業所あたり15万円 1回限り

「1事業所1回限り」という点に注意が必要だ。複数の従業員を転換しても、加算は1事業所につき1回しか受け取れない。ただし、基本助成は転換した従業員1人ごとに受給できるため、合算すると受給総額は大きくなる。

情報公表加算の対象となる転換

令和8年4月8日以降に正規雇用労働者等への転換等を行った場合が対象となる。それ以前に転換を実施していた場合は本加算の申請ができないため、4月8日前後に転換を予定していた事業主は施行日を確認しておきたい。

公表しなければならない3種類の情報

この加算を受けるためには、以下3つの情報を自社ウェブサイトまたは「しょくばらぼ」に掲載しておく必要がある。支給申請日までに公表を完了させること。

  1. 正社員転換制度の概要
    手続きの流れ、転換の要件(勤続年数・評価基準など)、実施時期を明記する。就業規則の該当箇所を引用する形でもよい。

  2. 直近3事業年度の正社員転換実績数
    各事業年度に何名を正社員へ転換したかを記載する。実績がゼロの年度があっても「0名」と記載することで要件を満たせる。

  3. 雇入れから転換までの平均期間と最短期間
    直近3事業年度のデータを用いて、最初の雇用日から正社員転換日までに要した期間の平均値と最短値を示す。

公表先は2択

  • 自社が管理するウェブサイト(採用ページ・企業情報ページ・人事制度ページ等)
  • 職場情報総合サイト「しょくばらぼ」https://shokuba.mhlw.go.jp/

「しょくばらぼ」は厚生労働省が運営する無料サイトで、企業登録すれば職場環境や採用情報を掲載できる。自社サイトに掲載するページを設けるのが手間な場合は、こちらを活用するほうが早い。

申請スケジュール — 基本助成と一緒に第1期で申請する

情報公表加算は、基本助成の支給申請タイミングに合わせて申請する。最初のチャンスは「第1期申請」だ。

マイルストーン タイミング・期限
正社員転換の実施 令和8年4月8日以降
転換後6か月間の雇用継続・賃金支給 転換日から6か月
情報の公表完了 支給申請日までに完了(必須)
第1期支給申請の受付期間 6か月分の賃金を支払った翌日から2か月以内
第2期支給申請(重点支援対象者のみ) 第1期後さらに6か月の雇用継続・賃金支給後、翌日から2か月以内

申請期限の2か月を1日でも過ぎると、基本助成も情報公表加算も受給できなくなる。転換日から8か月後(6か月+2か月)を「絶対に越えてはいけない締切」として社内カレンダーに登録しておくことを強く勧める。

基本助成と情報公表加算の合算受給例

具体的にどれくらい受給できるか、典型的なパターンで試算してみる。

ケース1:有期→正規転換(上記以外・中小企業)に情報公表加算を加えた場合

項目 金額
基本助成(第1期) 40万円
情報公表加算(1事業所1回限り) 20万円
合計 60万円

ケース2:重点支援対象者(有期→正規・中小企業)+情報公表加算の場合

項目 金額
基本助成(第1期) 40万円
基本助成(第2期) 40万円
情報公表加算(1事業所1回限り) 20万円
合計 100万円

なお、情報公表加算以外にも「正社員転換制度新規規定加算(1事業所あたり20万円)」「賃金3%以上増額加算」など複数の加算措置が存在する。各加算の要件を満たすほど受給総額が積み上がる設計だ。詳細は最寄りの都道府県労働局またはハローワークへ確認してほしい。

申請の流れ — Step by Step

Step 1: キャリアアップ計画の作成・提出(転換実施の前に必須)

まず「キャリアアップ計画」を作成し、都道府県労働局長の認定を受ける。計画の認定は転換日の前日までに行う必要がある。計画書には転換の時期・方法・目標人数などを明記する。キャリアアップ管理者(事業所ごとに1名)の配置も必要だ。

Step 2: 正社員転換制度の就業規則への明示

転換後の雇用形態・賃金・勤務条件等を就業規則または労働協約に定めておく。「どの要件を満たした場合に正社員転換できるか」が規程されていないと、助成対象にならない。

Step 3: 情報の公表(支給申請前までに完了)

前述の3種類の情報を自社サイトまたは「しょくばらぼ」に掲載する。スクリーンショットや印刷物など「公表した事実」を証明できる記録を保存しておくこと。

Step 4: 正社員転換の実施(令和8年4月8日以降)

転換後は6か月間継続して雇用し、所定の賃金を支払う。転換直前と比較して賃金が下がった場合は不支給になる可能性があるため注意が必要だ。

Step 5: 支給申請(6か月分の賃金支払いの翌日から2か月以内)

都道府県労働局に申請書を提出する。jGrants(電子申請)での提出も可能。必要な書類の主なものは以下の通り。

  • 支給申請書(様式第3号)
  • キャリアアップ計画の写し(労働局認定済み)
  • 転換前後の就業規則・雇用契約書の写し
  • 転換前後の賃金台帳の写し
  • 転換前後の出勤簿または タイムカードの写し
  • 情報公表の確認資料(URL・スクリーンショット等)

添付書類は都道府県労働局によって異なる場合があるため、申請前に最寄りのハローワークへ確認しておきたい。

よくある落とし穴と対処法

1. 転換日前に計画認定を受けていなかった

キャリアアップ計画の認定前に転換を実施してしまった場合、その転換は助成対象外となる。よくあるミスで「採択通知が来てからすぐ転換した」という企業が毎年見受けられる。計画認定は転換予定日の前日までに必ず完了させること。

2. 情報公表の内容が3種類の要件を満たしていなかった

「正社員制度があることは書いてある」だけでは不足だ。転換実績の件数と平均期間・最短期間の両方が求められる。公表内容が要件を満たしているかを、申請前にハローワークへ確認する方法が確実だ。

3. 申請期限を1日超過した

「6か月分の賃金を支払った翌日から2か月以内」という期限は厳格に適用される。前払い・一括払いの場合は実際の支払日の翌日が起算日となる。転換日と支払日の両方をカレンダーに入力し、デッドライン管理を徹底してほしい。

4. 転換後に賃金が下がっていた

「形式的に正社員にした」だけで実態が変わらない場合、支給要件を満たさない可能性がある。転換前後の賃金比較が審査で確認されるため、転換にあわせて賃金規程を適切に見直すことが重要だ。

今すぐやるべき3つのアクション

  1. キャリアアップ計画の認定状況を確認する
    既に計画が認定されている場合は、情報公表の準備を進められる。未認定の場合は最寄りの都道府県労働局へ相談する。
  2. 自社サイトまたは「しょくばらぼ」の掲載準備を始める
    自社の転換実績データ(直近3事業年度分)を人事部門で確認し、公表内容の草案を作る。
  3. 厚生労働省 キャリアアップ助成金のページで令和8年度版の支給要領をダウンロードして確認する
    制度の詳細・様式は随時更新されるため、最新版を参照すること。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 情報公表加算は正社員化コースの基本助成と同時に申請できますか?
はい、第1期の支給申請時に基本助成と情報公表加算を同時に申請できます。ただし、申請日までに公表が完了していることが条件です。
Q2. 「しょくばらぼ」への登録は有料ですか?
無料です。厚生労働省が運営するサービスで、企業登録後に情報を入力・公表できます。
Q3. 令和8年4月8日より前に転換した従業員について、情報公表加算を申請できますか?
申請できません。情報公表加算の対象は令和8年4月8日以降に転換した従業員に限られます。
Q4. 1事業所で5名転換した場合、情報公表加算は5回分受給できますか?
いいえ。情報公表加算は1事業所につき1回のみです。基本助成は転換した人数分受給できますが、情報公表加算は事業所単位での一度限りの支給です。
Q5. 情報公表の「公表」はSNSでも認められますか?
現時点では自社ウェブサイトまたは「しょくばらぼ」への掲載が要件とされています。SNSのみへの投稿が認められるかは都道府県労働局へ直接お問い合わせください。

AI導入や人材育成に活用できる助成金・補助金についてのご質問は、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。どの制度が自社に合うか分からない場合も、Uravationの専門スタッフがご案内します。

この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。


参考・出典


免責事項

本記事の情報は2026年6月11日時点の厚生労働省および各公表資料に基づく参考情報です。助成金の制度内容・支給要件は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず厚生労働省の公式ページまたは最寄りのハローワーク・都道府県労働局で最新情報をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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