デジタル化・AI導入補助金

【6/15締切】デジタル化・AI導入補助金 第2次|申請直前5日でやるべきこと

この記事の結論

デジタル化・AI導入補助金2026の第2次締切(6月15日17:00)が迫る。通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠・複数者連携枠の全5枠が一斉締切。補助率・上限額・申請の優先順位・不備対策を5日間で間に合わせる実践ガイド。

6月15日17時、全5枠が一斉締切

デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の第2次締切が、2026年6月15日(月)17:00に迫っている。通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型+電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠の4枠が2次締切、複数者連携デジタル化・AI導入枠は1次締切。システムメンテナンスが締切直後の17:00から始まるため、事実上のラストチャンスだ。

第1次締切(2026年3月30日交付申請受付開始)から約2.5か月が経過。この間、公募要領が5月15日に改訂され、交付申請マニュアルも6月1日に更新された。特にインボイス枠・通常枠の細部が見直されているため、第1次で使った書類を使い回すのは避けたほうがいい。この記事では残り5日間で申請を間に合わせる優先順位と、見落としがちな不備ポイントを整理する。

全5枠の補助率・上限額を再確認

締切直前に焦って申請枠を間違えないよう、まずは制度の基本を整理しておく。

申請枠 補助率 補助上限額 主な対象
通常枠 1/2以内
(賃上げ要件で2/3)
450万円 AIツール・ソフトウェア導入全般
インボイス枠
(インボイス対応類型)
2/3〜3/4以内 450万円 インボイス制度対応の会計・受発注システム
インボイス枠
(電子取引類型)
2/3〜3/4以内 450万円 電子取引用システム(EDI・XML対応等)
セキュリティ対策推進枠 1/2以内 100万円 サイバーセキュリティ対策ツール
複数者連携
デジタル化・AI導入枠
2/3以内 2,000万円 複数事業者連携のAI・DXプロジェクト

どの枠も補助対象は中小企業・小規模事業者。業種ごとに従業員数・資本金の上限があるため、自社が対象かを事前に確認しておく必要がある。申請にはGビズIDプライムアカウントが必須で、取得には1〜2週間かかる点に注意。

通常枠 — AIツール導入のスタンダード

最も間口が広いのが通常枠。補助率は1/2以内だが、一定の賃上げ要件(事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上に引き上げ等)を満たせば2/3以内に引き上げられる。補助額は5万円〜450万円。ITツールのプロセス数に応じて上限が変わる仕組みで、1プロセスだと150万円未満、4プロセス以上で450万円まで申請可能。

AI関連の具体例: ChatGPTを活用した社内ナレッジ検索システム(月額3〜5万円のSaaS+導入設定費20〜30万円)、AI-OCRによる帳票自動読取り(月額5〜8万円+初期導入費30〜50万円)、AIチャットボットによる顧客対応自動化(月額10〜20万円+カスタマイズ費50〜100万円)など。いずれもクラウド利用料の2年分までが補助対象になる。

インボイス枠 — 補助率が厚いが要件も厳しい

インボイス枠は補助率が2/3〜3/4以内と通常枠より手厚い。インボイス対応類型は会計・受発注システムのインボイス対応改修が対象。電子取引類型はEDIやXML等の電子取引システム導入が対象。補助上限はどちらも450万円。

ただし要件は厳しく、インボイス発行事業者としての登録が必須なのに加え、導入するITツールがインボイス制度に実際に対応していることの証明が必要。令和6年10月のインボイス制度本格施行から約1年半が経過し、事務局の審査も実績ベースで厳格化されている印象だ。

セキュリティ対策推進枠 — 小規模でも申請しやすい

上限100万円と小ぶりだが、補助率1/2以内で、サイバーセキュリティ対策ツールの導入を支援する。IT導入支援事業者が提供するセキュリティ対策ツール(ウイルス対策、不正アクセス対策、情報漏洩対策等)が対象。申請時に「SECURITY ACTION」自己宣言の登録が必要で、取引先記入リストの提出も求められる。

複数者連携デジタル化・AI導入枠 — 大型プロジェクト向け

複数の中小企業が連携してAI・DXに取り組むプロジェクトを支援する枠。補助率2/3以内、上限2,000万円と規模が大きい。コンソーシアム(幹事社+構成員)での申請が必要で、外部専門家の関与も要件。IT提供事業者選定理由書や外部専門家選定理由書など、通常枠より提出書類が多い。第2次の締切はないが、本枠だけは1次締切が6月15日なので、大型プロジェクトを検討しているならこれが最初の機会だ。

5日間で間に合わせる申請の優先順位

締切5日前。残された時間で全てを完璧に仕上げるのは現実的ではない。やるべきことを優先度順に整理した。

最優先(今日〜明日中): GビズIDとIT導入支援事業者の確保

GビズIDプライムを取得していなければ、今日すぐに申請を始める。法人は印鑑証明書が必要で、審査に数日かかる。取得済みでも、ログインできるか今すぐ確認しておこう。パスワード再発行が必要なケースも多いので要注意。

同時にIT導入支援事業者との連携も急ぐ。この補助金は事業者単独での申請ができず、登録済みのIT導入支援事業者との共同申請が必須。事務局サイトで事業者一覧(法人・コンソーシアム)が2026年6月5日時点で公開されているので、目星をつけてすぐに連絡を。残り日数が少ないことを伝え、対応可能かを最初に確認するのがマナーだ。

交付申請マニュアル(2026年6月1日更新版)もダウンロードして、申請マイページの操作手順を事前に確認しておくこと。

2番目(明日〜明後日): 事業計画書のドラフト完成

事業計画書では「現状の業務課題」「導入するITツール」「導入後の定量的な効果目標」の3点を明確に書く。特に審査で重視されるのは数値目標の具体性だ。

「業務効率が上がる」ではなく「月間XX時間の工数をYY時間に削減(ZZ%減)」のように書く。インボイス枠・複数者連携枠は特に事業計画の審査が厳しいので、導入効果の根拠を数字で示せるようにしておく。通常枠の場合、補助金申請額が150万円以上の場合は労働生産性の年平均成長率3.0%以上という申請要件があり、事業計画に盛り込む必要がある。

IT導入支援事業者と相談しながら、適切なITツールの選定理由と費用対効果を文章化する。補助金シミュレーター(事務局サイトにあり)で概算の補助額も試算しておくと計画が立てやすい。

3番目(締切2日前まで): 見積書・必要書類の収集

IT導入支援事業者から正式な見積書を取得する。補助対象経費の内訳が明確に分かるものを用意してもらうこと。ソフトウェア費、導入設定費、クラウド利用料(月額×期間を明記)、保守費をそれぞれ区分して記載してもらう。セキュリティ対策推進枠では「取引先記入リスト」、インボイス枠(電子取引類型)でも同様の様式が必要だ。

加点項目(賃上げ計画・サイバーセキュリティ対策自己宣言など)の該当有無も確認し、該当するなら必要書類を忘れずに準備する。6月3日更新の加点項目一覧をダウンロードして、自社がどの加点に該当するかチェックしておくとよい。

最終日(6/15): 余裕を持って申請完了

締切当日の17:00以降は一切の受付が行われない。システムメンテナンスも17:00から始まるため、事実上17:00が最終時刻。直前にアクセスが集中して申請マイページの動作が遅くなるため、遅くとも14:00までに申請を完了させるのが安全だ。申請ボタンを押した後、完了画面が表示されるまで待機すること。SMS認証の待ち時間も考慮に入れておく。

どうしても申請作業中に不明点が出た場合、コールセンター(0570-666-376、受付9:30〜17:30)に電話で問い合わせが可能。ただし締切前日・当日は電話が大変混み合うため、つながらない可能性が高い。基本的には公募要領と交付申請マニュアルを熟読し、IT導入支援事業者と相談しながら進めるのが現実的だ。

第1次→第2次で変わった注意点

事務局から公表されている変更点を整理する。

公募要領は2026年5月15日に改訂された。通常枠では補助率に関わる「地域別最低賃金」要件の参照期間が明確化され、令和6年10月から令和7年9月までの間の賃金実績が判断基準となった。インボイス枠でも申請要件の細部が見直されているため、第1次で使用した書類をそのまま使い回すのは推奨しない。必ず最新の公募要領(5月15日版)をダウンロードして確認すること。

また、交付申請マニュアルも6月1日に更新された。通常枠・セキュリティ対策推進枠・インボイス枠(インボイス対応類型+電子取引類型)のマニュアルが対象。申請マイページのUI変更や添付書類のフォーマット変更が反映されている。6月1日より前にダウンロードしたマニュアルで作業している場合は、最新版に差し替えること。

IT導入支援事業者一覧も6月5日に更新されており、申請可能な事業者が増えている。事業者選定の参考に最新版を活用しよう。なお、複数者連携デジタル化・AI導入枠の公募要領も5月15日に改訂され、交付申請マニュアルは5月25日に更新されている。この枠を検討している場合は、両方の最新版を確認すること。

インボイス枠の補助率引き上げ条件にも注目。インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型とも)の補助率2/3は標準だが、賃上げ要件(事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上に引き上げ等)を満たせば3/4に引き上げられる。通常枠の賃上げ要件(+30円)よりハードルは高いが、補助率の差(1/2→2/3が通常枠、2/3→3/4がインボイス枠)は事業者の実質負担に大きく響くので、満たせるなら積極的に活用したい。

締切後にやるべきこと — 交付決定まで約5週間

申請を終えたら次のステップに備えよう。第2次締切分の交付決定日は2026年7月23日(木)の予定。交付決定までは約5週間ある。

この間に準備しておきたいこと:

  • 交付決定前の契約・発注は絶対にNG — 補助対象経費として認められなくなる。口頭での約束も避け、正式な交付決定通知を待つこと。
  • 事業実施期間は交付決定日から2027年1月29日(金)17:00まで(予定)。ITツールの導入・稼働・効果測定をこの約6か月の期間内に完了させる必要がある。
  • 実績報告の期限も2027年1月29日と同日のため、事業完了後に実績報告書を作成する時間も見込んでおく必要がある。
  • IT導入支援事業者とは「交付決定後に発注」の前提でスケジュールをすり合わせておく。交付決定から導入完了までの工程表をあらかじめ作成しておくとスムーズだ。
  • 交付決定後は事業実施・実績報告マニュアル(2026年6月時点では準備中)の公開を待ち、報告手順を確認する。

システムメンテナンス情報(6月15日〜16日)

締切直後の2026年6月15日(月) 17:00から6月16日(火) 12:30まで、システムメンテナンスが予定されている。この間は申請マイページにアクセスできない。締切後の申請内容確認は6月16日12:30以降に行うこと。また、6月4日にも20:00〜翌10:00のメンテナンスが実施済みで、申請システムのアップデートが行われている。

よくある不備で門前払いになるケース

過去の締切回で多発した不備をまとめた。締切5日前の今ならまだ修正が間に合う。

不備1: GビズIDの種別を間違える

❌ GビズIDエントリーで申請する
⭕ GビズIDプライムを取得して申請する

補助金申請にはプライムアカウントが必要。エントリーでは申請できない。未取得なら至急切り替えを。なお、プライムの審査には数日かかるため、今日中に手続きを始める必要がある。

不備2: IT導入支援事業者不在のまま申請作業を進める

❌ 自社だけで事業計画書を完成させてから事業者を探す
⭕ 最初にIT導入支援事業者を決め、共同で計画書を作成する

ITツールの選定・見積取得・申請書類の作成には事業者の協力が不可欠。先に事業者を決めないと、残り5日では物理的に間に合わない。また、IT導入支援事業者は交付申請の段階で正式に登録が完了している必要がある。

不備3: 見積書の内訳が不十分

❌ 「AIチャットボット導入一式 300万円」
⭕ ソフトウェア費・導入設定費・クラウド利用料(○か月分)・保守費をそれぞれ区分して記載

内訳が不明確だと審査で補助対象経費として認められないリスクがある。特にクラウド利用料は2年分までが上限で、月額料金×24か月と明記されていないと審査で減額される可能性が高い。

不備4: 交付決定前に発注・契約してしまう

❌ 採択の見込みがあるから先に発注する
⭕ 交付決定通知を正式に受けてから発注・契約する

これは補助金申請の鉄則。交付決定前の経費は一切補助対象にならない。交付決定後の発注であることを証明できるよう、契約書の日付にも細心の注意を払うこと。

不備5: 事業計画書の数値目標が曖昧

❌ 「AI導入で業務を効率化する」「顧客満足度を向上させる」
⭕ 「月間120時間の帳票処理をAI-OCR導入で45時間に削減(62.5%減)」「顧客アンケートの満足度スコアを2.1→3.8に改善」

審査員は数百件の申請書を読む。数値で書かれていない目標は評価の対象にならない。Before/Afterを具体的な数字で示すことが採択の大前提だ。

まとめ

デジタル化・AI導入補助金2026の第2次締切(6月15日17:00)まで残り5日。全5枠が一斉締切で、次の機会は第3次以降を待つことになる。GビズIDプライムの取得状況を今すぐ確認し、IT導入支援事業者との連携を急ごう。事業計画書のドラフトは数値目標を具体的に、見積書の内訳は明確に。締切当日の午前中には申請を完了させ、17:00のシステムメンテナンスに備えるのが安全な進め方だ。

AI導入の計画策定や、どの申請枠が自社に合うか分からない場合は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

落とし穴: 過去のIT導入補助金の交付決定を受けている場合の制限

IT導入補助金2022から2025までの間に交付決定を受けた事業者は、今回の申請で追加の要件が課される。具体的には、補助金申請額が150万円以上のケースで、事業計画期間における1人当たり給与支給総額の年平均成長率が地域別最低賃金+50円以上であることの誓約が求められる。過去に採択された事業者は公募要領の「別紙1」で自社の該当有無を必ず確認しよう。

3次締切以降に備える情報収集

第2次締切に間に合わなかった場合、第3次締切の日程はまだ公表されていない。2026年度のデジタル化・AI導入補助金は通年で複数回の公募が行われる見通しで、第3次締切は7月下旬〜8月頃と予想される。第2次を逃しても次があるが、補助予算の消化状況によっては枠が縮小される可能性もあるため、できる限り今回の締切を狙いたい。どうしても間に合わない場合は、第3次に向けてGビズIDとIT導入支援事業者との関係構築だけでも今のうちに済ませておくことを強く勧める。

あわせて読みたい:

参考・出典

この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

免責事項: 本記事の情報は2026年6月10日時点のデジタル化・AI導入補助金2026事務局(TOPPAN株式会社)および中小企業庁の公表資料に基づく参考情報です。補助金の制度内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

Need help turning subsidy knowledge into action?

補助金を使ったAI導入を検討中の方へ

制度の最終適用可否は公募要領の確認が必要ですが、AI研修・PoC・導入計画の整理はUravationが無料相談でサポートしています。

この記事をシェア

X Facebook LINE

関連記事