3月27日、中小企業庁が新事業進出補助金 第4回の公募要領を公開しました。応募受付は5月19日(火)から6月19日(金)18:00まで。これが現行制度としての最終公募回となり、2026年度以降はものづくり補助金と統合される見通しです。
第3回から何が変わったのか。結論から言えば、口頭審査の対応者が代表者に限定されたこと、地域別最低賃金引上げ特例の新設、実績報告30日ルールの明確化の3点が最大の変更です。
第3回→第4回の主な変更点
| 項目 | 第3回 | 第4回 | 影響 |
|---|---|---|---|
| 口頭審査の対応者 | 代表者・担当者いずれも可 | 申請事業者本人(代表者等)に限定 | ↑ 大きい |
| 口頭審査の外部同席 | 制限なし | 外部支援者・コンサルの同席禁止 | ↑ 大きい |
| 補助率(通常) | 1/2 | 1/2 | → 変更なし |
| 地域別最低賃金引上げ特例 | なし | 新設 — 補助率2/3に引上げ | ↑ 有利 |
| 実績報告の期限 | 完了後(明文化弱い) | 完了日から30日以内(厳守) | ↑ 要注意 |
| 補助事業実施期間 | 交付決定日から12ヶ月 | 交付決定日から14ヶ月(ただし採択発表日から16ヶ月以内) | → やや延長 |
| 補助下限額 | 750万円 | 750万円 | → 変更なし |
| 補助上限額 | 最大9,000万円 | 最大9,000万円 | → 変更なし |
| 公募期間 | 12/23〜3/26 | 5/19〜6/19 | → 約1ヶ月 |
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口頭審査が「代表者限定」に — 何が変わるか
ぶっちゃけ、これが第4回の最大の変更点です。
第3回までは、口頭審査に認定支援機関やコンサルタントが同席し、実質的に代弁するケースが見受けられました。第4回ではこれが明確に禁止されます。
代表者限定ルールの意味するところ:
- 審査対応は申請事業者本人(代表取締役、個人事業主)のみ
- 認定支援機関、コンサルタント、士業の同席・代行は一切不可
- 代表者自身が事業内容を説明できない=事業計画の実現可能性に疑念、という評価になる
口頭審査対策 — 代表者が準備すべきこと
支援者に頼れないとなると、代表者自身の準備が採否を左右します。以下が実務的な対策です。
- 事業計画書を自分で書く(または深く理解する): 申請書の記載内容について「なぜこの数字にしたのか」「この技術をどう使うのか」を自分の言葉で説明できるようにする
- 想定質問を30個用意する: 「市場規模の根拠は?」「競合との差別化は?」「売上見込みの前提条件は?」「なぜこの設備が必要?」「失敗した場合のプランBは?」
- KPIの根拠を暗記する: 「3年後に売上○○万円」の根拠を、計算ロジックまで含めて即答できるようにする
- 模擬面接を3回以上行う: 認定支援機関に「審査員役」をお願いし、厳しめの質問をしてもらう。本番ではもっと鋭い質問が来ます
地域別最低賃金引上げ特例の詳細
第4回で新設されたこの特例に該当すると、補助率が通常の1/2から2/3に引き上げられます。
具体的な要件は公募要領で定義されていますが、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より一定額以上高い水準を維持していることが条件です。既に賃上げに取り組んでいる企業にとっては、実質的な補助額が大幅に増えるチャンスです。
補助額シミュレーション:
| 総事業費 | 通常(1/2) | 特例適用(2/3) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 3,000万円 | 1,500万円 | 2,000万円 | +500万円 |
| 6,000万円 | 3,000万円 | 4,000万円 | +1,000万円 |
| 9,000万円(上限) | 4,500万円 | 6,000万円 | +1,500万円 |
実績報告30日ルール — 1日遅れで全額返還のリスク
正直、このルールは見落としがちです。第4回公募要領では、実績報告の締切が以下のように明確化されています。
締切 = 「補助事業を完了した日から30日」 または 「補助事業完了期限日」 の早い方
つまり、事業が予定より早く完了した場合、完了期限を待たずに30日以内に報告しなければなりません。
❌ 「完了期限まで余裕があるから来月でいいや」
⭕ 「事業完了=その日からカウントダウン開始」と認識し、完了前から報告書の準備を進める
なぜ重要か: 1日でも遅れると交付決定が取り消され、受領済みの補助金の全額返還を求められる可能性があります。経理処理、証憑(しょうひょう)の整理、報告書の作成に必要な日数を逆算し、事業完了の2週間前から報告書ドラフトに着手してください。
申請スケジュールと準備の段取り
| 日付 | マイルストーン | やるべきこと |
|---|---|---|
| 3/27 | 公募要領公開 | 要領を読み込み、変更点を把握 |
| 4月上旬 | — | GビズIDの確認・事業計画の骨子作成開始 |
| 4月中旬 | — | 認定支援機関への相談、確認書の依頼 |
| 5月上旬 | — | 事業計画書の完成、添付書類の収集 |
| 5/19(火) | 応募受付開始 | jGrantsで申請提出(初日〜3日以内推奨) |
| 5月下旬〜6月 | — | 口頭審査の準備(模擬面接3回以上) |
| 6/19(金)18:00 | 応募締切 | 18:00厳守。余裕をもって前日までに提出 |
| 9月頃(予定) | 採択発表 | — |
第4回の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 中小企業新事業進出補助金(第4回) |
| 所管 | 中小企業庁 / 中小企業基盤整備機構 |
| 補助率 | 1/2(地域別最低賃金引上げ特例: 2/3) |
| 補助下限額 | 750万円 |
| 補助上限額 | 最大9,000万円(従業員数による) |
| 公募期間 | 2026年5月19日(火)〜 6月19日(金)18:00 |
| 申請方法 | jGrants(電子申請) |
| 口頭審査 | あり(代表者限定、外部同席不可) |
| 備考 | 現行制度としての最終公募回(2026年度以降はものづくり補助金と統合予定) |
| 公式サイト | 新事業進出補助金 公式サイト |
※ 上記は2026年度 第4回公募の情報です。最新情報は公式サイトをご確認ください。
ものづくり補助金との統合 — 第4回が「ラストチャンス」の理由
2026年度以降、新事業進出補助金はものづくり補助金と統合される方向で検討が進んでいます。統合後の制度設計はまだ公表されていませんが、現行の新事業進出補助金の枠組み(補助上限9,000万円、新規事業進出特化)がそのまま維持される保証はありません。
「新事業への進出」を軸にした事業計画で申請するなら、第4回が最も有利な条件で申請できる最後の機会になる可能性が高いです。
申請を検討する企業が今すぐやるべきこと
- 今日やること: 公式サイトで第4回公募要領をダウンロードし、第3回との変更点を確認
- 今週中: 認定経営革新等支援機関に相談のアポイントを入れる。口頭審査の模擬面接も早期に依頼
- 4月中: 事業計画書の骨子を完成。口頭審査用の想定Q&Aリストを30問以上作成
あわせて読みたい:
- 新事業進出補助金 第4回 申請ガイド|口頭審査対策と6/19締切の準備ステップ — 申請手順の詳細
- ものづくり×新事業進出補助金 統合|グローバル枠の変更点 — 統合後の制度設計情報
著者・監修情報
執筆: 株式会社Uravation 補助金ナビ編集部
監修: 佐藤 傑(株式会社Uravation 代表取締役)
100社以上のAI研修・導入支援実績をもとに、中小企業のAI活用×補助金申請をサポートしています。
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免責事項
本記事の情報は2026年3月27日時点の各省庁・事務局の公表資料に基づく参考情報です。
補助金・助成金の制度内容は予告なく変更される場合があります。
申請にあたっては、必ず公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。
本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。
参考・出典
- 新事業進出補助金の第4回公募要領を公開しました — 中小企業庁(参照日: 2026-03-27)
- 中小企業新事業進出補助金 公式サイト — 中小企業基盤整備機構(参照日: 2026-03-27)
- 公募スケジュール — 中小企業基盤整備機構(参照日: 2026-03-27)
- 新事業進出補助金 第4回公募の変更点と申請のポイントを詳しく解説! — ものサポ(参照日: 2026-03-27)
- 【第4回新事業進出補助金】の変更点を徹底解説|第3回との違いと賃上げ要件の正しい理解 — 中小企業診断士shinblog(参照日: 2026-03-27)