省力化投資補助金 一般型vsカタログ型|第7回の選び方比較2026

省力化投資補助金 一般型vsカタログ型|第7回の選び方比較2026

この記事の結論

省力化投資補助金のカタログ注文型と一般型——2026年第7回公募でどちらを選ぶべきか。補助率・上限額・申請手間・賃上げ要件を徹底比較。30秒で判断できるフローチャート付き。7月31日締切。

まず結論から——規模と課題で選ぶのが正解

中小企業省力化投資補助金には「カタログ注文型」と「一般型」の2つの類型があります。第7回公募が2026年6月5日から始まり、どちらも2026年7月31日が締切。ぶっちゃけ「どっちが自社に合うか」で迷っている経営者が多いんじゃないでしょうか。

答えはシンプルです。「カタログに欲しい製品があるか」が最初の分岐点。あるならカタログ注文型でサクッと申請。ないなら一般型でオーダーメイドの設備投資を計画する——この2軸で考えれば、ほぼ答えは出ます。

といっても、補助率・上限額・申請の手間・賃上げ要件の違いまできちんと比較しないと損をする可能性もあるので、以下で徹底的に見ていきましょう。

まずは数字で比較——カタログ型と一般型の基本データ

比較項目 カタログ注文型 一般型
補助率 1/2以下 中小企業:1/2(賃上げ2/3)、小規模:2/3
上限額(5人以下) 200万円(賃上げ300万円) 750万円(賃上げ1,000万円)
上限額(6〜20人) 500万円(賃上げ750万円) 1,500万円(賃上げ2,000万円)
上限額(21人以上) 1,000万円(賃上げ1,500万円) 3,000万円〜1億円(従業員規模で変動)
対象製品 カタログ掲載の汎用製品のみ オーダーメイド設備・システム構築
申請方式 販売事業者との共同申請が必須 自社単独で申請可能
公募期間 2026年6月5日〜7月31日 2026年6月5日〜7月31日(ポータル受付7月上旬)
申請方法 jGrants(電子申請) jGrants(電子申請)

※ 上記は2026年度 第7回公募の情報です。最新は省力化投資補助金 公式サイトをご確認ください。
URL: https://shoryokuka.smrj.go.jp/

カタログ注文型のリアル——「手軽さ」と「制約」の両面

カタログ注文型は、IoT・ロボット・AI搭載機器などの汎用製品をカタログから選んでポンと導入できるのが最大の魅力です。申請には販売事業者(カタログ製品の取扱事業者)との共同申請が必須で、事業計画書の作成も販売事業者がサポートしてくれるケースが大半。正直、申請のハードルはかなり低いです。

カタログ注文型が向いている企業

  • 「とにかく早く省力化したい」——配膳ロボット、自動梱包機、AI-OCRなど、すぐに効果が出る汎用品を探している
  • 「申請書を1から書く余裕がない」——販売事業者が事業計画のたたき台を作ってくれる
  • 「従業員20人以下」——上限額が比較的小さいため、大規模投資よりスポット導入向き
  • 「賃上げに前向き」——最低賃金45円アップ+給与総額6%増で上限が1.5倍に

カタログ注文型の盲点——知らないと損する3つのこと

1. カタログにない製品は絶対に使えない。「この自動化装置、カタログ製品と似てるけどもっと安いのがある」と思っても、カタログ外の製品は一切対象外。製品選びの自由度はゼロです。

2. 販売事業者の質で申請の成否が変わる。共同申請する販売事業者が補助金申請に不慣れだと、書類不備で差し戻し→締切に間に合わない、というパターンが実際に起きています。実績のある事業者を選びましょう。

3. 上限額は意外と少ない。従業員5人以下で200万円。配膳ロボット1台でほぼ上限に達します。複数台導入したい場合や、より高機能なAIシステムを検討しているなら、一般型への切り替えを真剣に考えましょう。

一般型のリアル——「自由度」と「手間」のトレードオフ

一般型はオーダーメイドの設備導入・システム構築を支援する類型です。自社の現場に合わせたカスタム設備、AIを組み込んだ生産管理システム、複数工程をまたぐ自動化ライン——カタログにないものは全部こっち。上限額も最大1億円と大きく、中規模以上の投資に向いています。

一般型が向いている企業

  • 「自社の製造ラインに合わせたカスタム設備が欲しい」——汎用品では要件を満たせない
  • 「1,000万円以上の設備投資を計画している」——カタログ型の上限では足りない
  • 「事業計画書をしっかり書ける人材が社内にいる」——または外部の認定支援機関と連携できる
  • 「従業員数が多い(21人以上)」——上限額が大きいメリットを活かせる

一般型の現実——申請はカタログ型の3倍しんどい

正直に言うと、一般型の申請は書類の量と精度が段違いです。事業計画書はA4で10〜20ページ、設備の仕様書・見積書・レイアウト図まで求められます。さらに、労働生産性CAGR 3.0%以上の達成計画を数字で示す必要があり、適当な数字を並べると審査で即アウト。

ただし、この「しんどさ」が逆に競合を減らすことにもつながっています。カタログ型は申請が簡単な分、採択率もシビア。一般型は申請ハードルが高い分、しっかり書けば通る可能性は上がります。

3つの観点で比べると——どっちが得か

観点1: 申請の手軽さ

カタログ型の圧勝。販売事業者がリードしてくれるので、GビズIDさえ取ればあとは流れに乗るだけ。一般型は事業計画書の作成に2〜4週間は見ておく必要があります。今が6月下旬なので、一般型を検討するなら今週中に動き始めないと締切に間に合わない可能性が高いです。

観点2: もらえる金額

一般型の圧勝。従業員21人以上の会社なら、一般型は3,000万円〜1億円。カタログ型は最大でも1,000万円(賃上げで1,500万円)です。ただし、小さな会社(5人以下)なら差は750万円 vs 200万円と、そこまで極端ではありません。

観点3: 導入の自由度

一般型の圧勝。カタログ型は「カタログに載っている製品」という枠から出られません。一方、一般型は「オーダーメイド」という言葉通り、自社の課題に完全にフィットする設備を導入できます。ただし自由には責任が伴う——仕様決めから見積もり取得、業者選定まで全部自社でやる必要があります。

観点4: 賃上げ要件——どちらが得かは「今の給与水準」次第

両類型とも、賃上げを達成すれば補助上限が引き上げられます。ただし、その条件と恩恵の大きさは結構違います。

賃上げ条件 カタログ注文型 一般型
事業場内最低賃金の引上げ 45円以上 45円以上
給与支給総額の増加率 6%以上 6%以上
上限引上げ倍率 一律1.5倍 補助率が1/2→2/3にアップ(+上限も段階的に引上げ)
実質的な上乗せ額(21人以上の例) +500万円(1,000→1,500万円) 補助率アップで実質数百万〜数千万円の差

一般型の賃上げ効果は、上限額が大きい分インパクトも大きいです。たとえば従業員50人の会社が5,000万円の設備投資をする場合、賃上げなしなら補助額は2,500万円(1/2)。賃上げ達成なら約3,333万円(2/3)——差額は833万円にもなります。

ただし、注意すべきは「賃上げはコスト」という当たり前の事実。給与総額6%アップが年間でいくらになるか計算してみてください。従業員50人・平均年収400万円の会社なら、年間1,200万円の人件費増。補助金の上乗せ分と、賃上げにかかるコスト——このバランスを経理担当者としっかり試算してから「賃上げ達成」で申請するか決めましょう。

業種別・投資額別——このケースならどっち?

具体的なシチュエーションで見ていきます。自社に近いケースを探してみてください。

飲食業/従業員8人/配膳ロボットと自動レジを導入したい

→ カタログ注文型。配膳ロボットもセルフレジもカタログに複数機種が登録されています。8人なら上限500万円(賃上げ750万円)で、2製品の同時導入も十分可能。販売事業者も飲食店向けの申請実績が豊富で、事業計画書の作成もスムーズです。

製造業/従業員35人/AI外観検査+搬送ロボットの一貫ライン構築

→ 一般型。既存ラインに合わせたカスタム設計が必要な複合システム。投資額も2,000〜3,000万円規模が見込まれ、カタログ型の上限(1,000万円)では到底足りません。一般型なら3,000万円(賃上げ4,000万円)の上限枠で申請可能です。ただし、事業計画書の作成には専門知識が必要——認定支援機関(中小企業診断士など)の活用を強く推奨します。

物流業/従業員15人/自動梱包機1台だけ導入したい

→ カタログ注文型。自動梱包機はカタログ掲載製品。500万円(賃上げ750万円)の上限で十分カバーできます。15人規模なら一般型の上限1,500万円はオーバースペック。必要以上に大きな類型で申請すると、事業計画書のボリュームも増えて「こんな小さな投資にここまで書くの?」という無駄な手間が発生します。

製造業/従業員5人/AI搭載の小型NC工作機械を導入

→ 判断が分かれるケース。小型NC工作機械はカタログ型に登録があるものの、価格帯は400〜800万円。カタログ型の上限200万円(賃上げ300万円)では足りず、一般型の750万円(賃上げ1,000万円)が必要になります。このケースでは一般型一択。5人以下の企業でも、投資額が上限を超えるなら迷わず一般型を選びましょう。

申請から交付までのスピード比較——いつお金が入るか

補助金は後払い。つまり「交付決定→事業実施→実績報告→交付」のサイクルを回さないと、実際にお金は振り込まれません。ここで両類型の所要時間をざっくり比べてみます。

工程 カタログ注文型 一般型
申請→採択発表 約2〜3ヶ月 約2〜3ヶ月
交付申請→交付決定 約1ヶ月 約1〜2ヶ月
事業実施期間 通常3〜6ヶ月 6〜12ヶ月(大型案件はさらに長い)
実績報告→交付 約1〜2ヶ月 約2〜3ヶ月
申請から入金までの目安 約7〜12ヶ月 約11〜20ヶ月

カタログ型は製品が決まっている分、事業実施もスピーディー。一般型はカスタム設備の製作・設置に時間がかかるため、着金までのリードタイムが長くなります。キャッシュフローに余裕がない企業は、この時間差も考慮に入れてください。

ここが盲点——併用・組み合わせの裏技

実は、カタログ型と一般型は同じ年度内でも別々に申請できます。ただし、以下の条件があります。

組み合わせ 可否 条件・注意点
カタログ型→一般型(別事業) ⭕ 可能 補助対象経費の重複がないこと。別の事業計画として申請
同一設備で両方に申請 ❌ 不可 同一経費の二重申請は当然NG
カタログ型で小規模導入→一般型で本格投資 ⭕ 可能 例: カタログ型でAI-OCR導入→一般型で全社DXシステム構築

つまり、「まずカタログ型で小さく試して、成果が出たら一般型で本格投資」という2段階戦略が現実的に取れます。特に人手不足の製造業や物流業では、このパターンが有効です。

よくある失敗——「なんとなく一般型」で痛い目に

失敗1: カタログに欲しい製品があるのに一般型で申請してしまう

❌ 「上限額が大きいから一般型で」と安易に選ぶ
⭕ カタログに製品があるならカタログ型でサクッと申請

なぜ重要か: 一般型の申請書作成には膨大な時間がかかります。カタログにある製品なら、カタログ型の方が申請通過率も高く、交付までのスピードも段違い。上限額が必要なケース以外は、カタログ型を最優先で検討すべきです。

失敗2: 販売事業者の申請実績を確認しない

❌ 「製品が良いから」という理由だけで販売事業者を選ぶ
⭕ その販売事業者で過去に何件申請し、何件採択されたか確認する

なぜ重要か: カタログ注文型の申請書類は販売事業者が大部分を作成します。補助金申請に不慣れな事業者だと、書類不備で差し戻し→締切超過という最悪のパターンに。販売事業者選びは製品選びと同じくらい重要です。

失敗3: 賃上げ要件を「なんとかなる」と軽視する

❌ 「とりあえず賃上げ達成で申請しておけば上限が上がる」
⭕ 達成できなかった場合、差額の返還だけでなく次回申請時の信用にも影響

なぜ重要か: 賃上げ要件を達成できなかった場合、補助金額が減額されるだけでなく、次回以降の申請で審査に悪影響が出る可能性があります。特にカタログ型で「賃上げ達成」を宣言する場合は、事業場内最低賃金45円アップ+給与総額6%増の2条件を確実にクリアできるか、事前に経理担当者と詰めておきましょう。

失敗4: 締切ギリギリに動き出す

❌ 「7月31日締切なら7月中旬から準備すればいい」
⭕ 今すぐGビズIDの取得状況を確認し、6月中に方向性を決める

なぜ重要か: 一般型は申請ポータルの受付が7月上旬開始。そこから7月31日まで約3週間しかありません。事業計画書の作成に2〜4週間、GビズID未取得ならさらに1〜2週間——今から動いても結構ギリギリです。カタログ型でも販売事業者との調整に時間がかかるため、6月中の着手が必須です。

選ぶときのフローチャート——30秒で答えが出る

以下の質問にYES/NOで答えるだけで、どちらを選ぶべきか判断できます。

  1. カタログに欲しい製品がある? → YESならカタログ注文型、NOなら質問2へ
  2. 投資額が1,000万円を超える? → YESなら一般型、NOなら質問3へ
  3. 事業計画書を書くリソースがある? → YESなら一般型、NOならカタログ型で導入可能な製品を再検討

要するに、「カタログにあるかないか」と「いくら使うか」の2軸で判断すれば、ほぼ間違いありません。

迷ったときのチェックリスト

フローチャートでも判断がつかないときは、以下の5項目をスコアリングしてみてください。YESが多い方が自社に合っています。

チェック項目(YESならカタログ型寄り) あなたの回答
カタログに欲しい製品が載っている YES / NO
投資額が500万円以下 YES / NO
事業計画書の作成を販売事業者に任せたい YES / NO
できるだけ早く導入したい(半年以内) YES / NO
とにかく申請の手間を減らしたい YES / NO

YESが3つ以上 → カタログ注文型。2つ以下 → 一般型を第一候補に。これで8割方、正しい選択ができます。

それでも迷ったら——事務局に電話するのが最短

本記事の情報は2026年6月24日時点のものです。公募要領は予告なく改訂されることがあり、カタログ製品も随時追加・削除されています。「この製品はカタログに載ってる?」「うちの業種は対象?」「費用対効果の計算方法がわからない」といった細かい疑問は、省力化投資補助金コールセンター(公式サイトに番号記載)に直接問い合わせるのが結局一番早いです。7月31日の締切まであと約1ヶ月——悩んでいる時間はあまりありません。まずはGビズIDの取得状況を確認するところから始めましょう。

参考・出典

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執筆: 株式会社Uravation 補助金ナビ編集部

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免責事項: 本記事の情報は2026年6月24日時点の各省庁・事務局の公表資料に基づく参考情報です。補助金・助成金の制度内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず省力化投資補助金 公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

この記事の執筆・運営

佐藤 傑 株式会社Uravation 代表取締役CEO

生成AI研修・AI導入コンサルティングの株式会社Uravation代表。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。法人向けAI研修の受講者4,000名以上、AI導入支援100社以上。

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