デジタル化・AI導入補助金

【令和8年度】省エネ・非化石転換補助金 設備単位型 申請ガイド

【令和8年度】省エネ・非化石転換補助金 設備単位型 申請ガイド

この記事の結論

省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)は工場全体の省エネ計画不要で設備1台から申請可能。2次公募は2026年6月1日〜7月9日受付中。補助率・対象設備・申請ステップを徹底解説。

省エネ設備への投資を検討しているが、「工場全体の省エネ計画を立てるのは難しい」「まず1台から試したい」という中小企業に向いているのが、省エネ・非化石転換補助金の設備単位型です。

設備単位型は工場や事業所全体の計画を組む必要がなく、更新したい設備1台ずつを対象に申請できます。2026年度版(令和7年度補正予算)は現在2次公募が受付中(2026年6月1日〜7月9日)で、高効率空調・産業用モータ・変圧器など15区分の指定設備が対象です。

この記事では、設備単位型の申請を初めて検討する方向けに、工場・事業場型との使い分けから申請ステップまでをステップバイステップで解説します。

→ 省エネ設備導入後のAI活用・人材育成については省エネ補助金4類型概要・最大15億円のガイドもあわせてご確認ください。

省エネ・非化石転換補助金には大きく2つの申請タイプがあります。どちらが自社に合うかを先に判断しましょう。

比較項目 設備単位型(Ⅲ型) 工場・事業場型(Ⅰ型)
申請の単位 設備1台〜複数台単位 事業場全体
省エネ計画 不要(設備ごとの省エネ効果を証明) 必要(事業場全体で省エネ率要件を達成)
補助上限(従来枠) 1億円 15億円
補助率(従来枠) 1/3以内 1/3以内(先進設備は1/2)
申請の難易度 比較的シンプル 高い(エネルギー診断が前提)
おすすめの場面 老朽設備の更新・手軽にスタート 大規模改修・複合的な省エネ対策

判断の目安:更新したい設備が明確で、工場全体のエネルギー診断を今すぐ行う余裕がない場合は設備単位型が現実的です。一方、投資規模が大きく、事業場全体でまとめて省エネ改修を行うなら工場・事業場型が向いています。

設備単位型の枠と補助率一覧(令和7年度補正予算版)

設備単位型には補助率・上限が異なる複数の枠があります。対象設備の性能に応じてどの枠で申請するかが変わります。

枠の種類 補助率 補助上限 特徴
従来枠 1/3以内 1億円 指定設備への更新。入口として最も使いやすい
GX設備単位型(メーカー強化枠) 1/3以内 3億円 GX要件を満たすメーカー登録設備が対象。補助上限が3億円に拡大
GX設備単位型(トップ性能枠・更新) 1/2以内 3億円 特に省エネ性能が優れた設備への更新。補助率が1/2に引き上げ
GX設備単位型(トップ性能枠・新設) 1/5以内 3億円 新規事業所への高性能設備導入。令和7年度補正から新設対象に追加
電化・脱炭素燃転型(更新・改造) 1/2以内 3億円(電化事業は5億円) 化石燃料から電気・低炭素燃料への転換設備
エネルギー需要最適化型 中小1/2・大企業1/3以内 1億円 EMS(エネルギー管理システム)導入による需要最適化

中小企業が最もよく活用するのは従来枠(補助率1/3・上限1億円)です。高効率空調や産業用モータなど馴染みのある設備が対象に含まれており、申請の複雑さも比較的抑えられています。

出典:省エネ・非化石転換補助金 設備単位型(SII公式)(参照日:2026-06-13)

対象設備15区分:AI・DXとの接続ポイント

設備単位型の指定設備は15区分です。以下の設備が含まれており、AI・DX投資と組み合わせやすいものもあります。

区分 代表設備例 AI・DXとの接続
高効率空調設備 電気式パッケージエアコン、GHP GPUサーバー室・データセンター冷却の消費電力削減
産業用モータ 高効率電動機(IE4等) 製造ラインの自動化と同時に電力コスト削減
変圧器 高効率変圧器 省エネ基盤整備として設備全体に寄与
冷凍冷蔵設備 業務用冷凍冷蔵庫 AIによる温度管理システムと併用可能
高性能ボイラ 廃熱回収型ボイラ 工場の熱利用最適化(AIエネルギー管理と連携)
LED照明器具 制御機能付きLED照明 センサー連動の自動調光(スマートファクトリー構築)
工作機械(工程集約型) 複合加工機・5軸制御マシニングセンタ 令和7年度補正から追加。AI外観検査と組み合わせやすい

AI・DXシステム単体は補助対象外ですが、省エネ設備の導入後に人材開発支援助成金(人への投資促進コース)を活用してAI研修を行うことで、設備投資と人材育成を両輪で進めることができます。詳しくは製造業AI投資・省エネ補助金活用事例をご覧ください。

Step 1:申請資格を確認する

省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)を申請できるのは、以下に該当する事業者です。

  • 法人(株式会社・合同会社・合名会社・合資会社・企業組合等)
  • 個人事業主
  • 民間団体、公益法人等

注意点:中小企業であることは補助率の条件ではなく(従来枠は中小・大企業とも1/3)、申請自体の制限要件には企業規模の上限は設けられていません。ただし、補助事業の完了後に収益報告義務(5年間)があるため、事業継続性を示せることが重要です。

以下に該当する事業者は申請できません:

  • 暴力団関係事業者
  • 消費税・地方消費税の未申告または滞納がある事業者
  • 経営状況が著しく不健全な事業者

Step 2:補助対象設備を確認する

設備単位型で補助を受けるには、SIIが定める「指定設備リスト」に掲載されている設備へ更新することが必要です(従来枠の場合)。

確認手順

  1. SII公式サイトの「補助対象設備一覧(指定設備リスト)」をダウンロード
  2. 更新予定の設備の型番・メーカーがリストに掲載されているか確認
  3. 掲載されていない場合は、メーカー強化枠またはトップ性能枠で申請できるかをSIIに照会

指定設備リストは公募開始時にSII公式サイトで公表されます。2次公募では最新版を確認してください。

出典:SII:令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)1次公募概要(参照日:2026-06-13)

Step 3:GビズIDを取得する(所要1〜2週間)

補助金の申請はSIIの補助事業ポータルから行います。ポータルへのログインにはGビズIDプライムが必要です。未取得の場合は今すぐ申請を始めましょう。

GビズIDの取得方法:

  1. GビズIDのウェブサイトにアクセス
  2. 法人番号を入力してアカウント発行申請(法人の場合は印鑑証明書を添付)
  3. 郵送審査を経て承認(通常1〜2週間)

2次公募の締切は2026年7月9日です。間に合わせるには遅くとも6月下旬に申請を開始する必要があります。

→ GビズIDの取得手順はGビズID・jGrants申請フロー完全ガイドで詳しく解説しています。

Step 4:見積もりとSII確認申請を行う

補助金の申請前に、以下を準備します。

  • 設備の見積書:メーカーまたは販売店から取得。補助対象経費が明確に記載されたもの
  • 設備の仕様書・カタログ:指定設備リストとの対応を確認できるもの
  • SII確認申請:一部の設備は申請前にSIIによる確認が必要。対象かどうかを公募要領で確認する

SII確認申請を忘れると不採択になるリスクがあります。この確認を省略している事例が申請ミスとして多く報告されています。公募要領の「SII確認申請が必要な設備」の一覧を必ず参照してください。

Step 5:補助事業ポータルで申請書を提出する

SIIの補助事業ポータルにGビズIDでログインし、申請書類を作成・提出します。

主な提出書類(設備単位型の場合):

  • 補助事業計画書(更新設備の概要・省エネ効果の試算を記載)
  • 見積書・仕様書
  • 現在の設備に関する情報(型番・導入年・エネルギー消費量)
  • 法人の登記事項証明書・決算書(直近2期分)
  • GビズIDプライム取得済みであること

申請書の書き方で最も重要なのは省エネ効果の試算です。現在設備と更新後設備の消費エネルギー量を比較し、年間削減量(kWh・MJ等)を定量的に示します。計算根拠が曖昧だと審査で弾かれることがあります。

Step 6:交付決定を待ってから発注する(最重要)

採択通知が来ても、交付決定通知書が届くまで設備の発注・契約をしてはいけません。

よくある失敗として:

  • 採択通知が届いたと同時に設備を発注してしまう
  • 「交付決定が出る前に設備を納品しないと間に合わない」として前倒し発注する

交付決定前に発注・契約した経費は一切補助対象になりません。補助金の制度上、交付決定後の経費のみが対象です。採択は「申請が通った」という意味であり、補助金の支払いが確約されたわけではないことを必ず理解しておきましょう。

2次公募の交付決定は2026年8〜9月頃の見込みです(SII公式発表に基づいて確認してください)。

Step 7:事業を実施し、実績報告書を提出する

交付決定後に設備の発注・導入・工事を行います。事業完了後は実績報告書をポータルで提出し、経費の内容・省エネ効果の実績を報告します。

報告書の審査を経て補助金が交付されます。補助金は後払いです。初期費用は一旦自社で立て替える必要があることを資金計画に含めてください。

補助事業完了後は5年間の収益報告義務があります。補助金額に相当する収益が得られた場合は一部返納が求められることもあります。

申請スケジュール(2026年版)

マイルストーン 日程
1次公募期間 2026年3月30日(月)〜4月27日(月)17:00(終了)
1次公募 交付決定(予定) 2026年6月頃
2次公募期間 2026年6月1日(月)〜7月9日(木)(受付中)
2次公募 交付決定(予定) 2026年8〜9月頃
3次公募 SIIホームページで後日公表予定
交付申請期限 遅くとも2026年12月31日まで

出典:省エネ・非化石転換補助金 2026年版 公募情報(SII公式)(参照日:2026-06-13)

申請でよくある失敗3パターンと回避策

失敗1:交付決定前に設備を発注してしまう

❌ 採択通知が届いた翌日に設備メーカーへ発注する
⭕ 交付決定通知書を受け取ってから発注・契約する

採択と交付決定は別です。採択は審査を通過したという通知であり、交付決定は「補助金を出すことが確定した」という通知です。この2つのタイミングを混同している事業者は多く、交付決定前の発注は補助金ゼロになるリスクを伴います。

失敗2:SII確認申請を忘れる

❌ 指定設備リストに掲載されているから確認申請は不要と判断する
⭕ 公募要領で「SII確認申請が必要な設備」に該当するかを確認してから申請する

設備単位型の一部の設備区分では、申請前にSIIへの確認申請が義務付けられています。この手続きを省略すると、申請受理後に不備として差し戻されます。確認申請には数週間かかる場合があるため、公募締切から逆算して早めに着手してください。

失敗3:省エネ効果の計算根拠が不十分

❌ 「新設備はカタログスペックで20%省エネ」と記載するだけ
⭕ 現在設備の実際の年間消費電力量(kWh)と新設備の計算値を比較し、年間削減量を明示する

審査で最も重視されるのは省エネ効果の根拠の確からしさです。カタログ値の引用だけでなく、実際の稼働条件(稼働時間・季節変動等)を踏まえた計算を行い、根拠を記載しましょう。

省エネ設備導入後のAI活用・次のステップ

省エネ・非化石転換補助金は設備投資への補助であり、AI・ITシステム単体は補助対象外です。しかし、設備の省エネ化とAI活用を組み合わせることで相乗効果が得られます。

具体的な組み合わせ例:

  • 省エネ設備導入(本補助金)+AIエネルギー管理(IT導入補助金:高効率空調・照明の更新後に、AIによる稼働制御・電力見える化ツールを導入
  • 省エネ設備導入(本補助金)+AI研修(人材開発支援助成金):製造ラインの省エネ化後に、AI活用研修で従業員のスキルアップを図る

AI導入の計画策定や補助金の組み合わせ戦略についてお悩みの場合は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

参考・出典

よくある質問(FAQ)

Q1. 設備単位型と工場・事業場型を同時に申請できますか?

原則として同一設備に対して両方で申請することはできません。ただし、事業場内の異なる設備を設備単位型と工場・事業場型に分けて申請することは可能です。詳細はSII公式の公募要領でご確認ください。

Q2. リース設備は補助対象になりますか?

補助金の交付はリース事業者に対して行われるケースがあります。リースを活用する場合は、リース契約前にSIIに照会することをお勧めします。自己所有での購入・更新が最もシンプルな申請方法です。

Q3. AI・ITシステムは対象設備に含まれますか?

省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)はAI・ITシステム単体を補助対象としていません。AIシステムの導入にはIT導入補助金が適しています。ただし、エネルギー需要最適化型(Ⅳ型)ではEMS(エネルギー管理システム)が対象となります。

Q4. 2次公募に間に合わなかった場合はどうすればいいですか?

3次公募以降もSIIホームページで後日公表される予定です。また、工場・事業場型の公募スケジュールとも異なる場合があるため、定期的にSII公式サイトを確認することをお勧めします。

Q5. 中古設備は補助対象になりますか?

指定設備リストに掲載されているのは新品の高効率設備です。中古設備の更新は補助対象外となる場合がほとんどです。最新の公募要領で必ずご確認ください。


この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。


免責事項

本記事の情報は2026年6月13日時点のSII・経済産業省・中小企業庁の公表資料に基づく参考情報です。補助金制度の内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず省エネ・非化石転換補助金公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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