ものづくり補助金

ものづくり補助金 第23次 賃上げ要件3.5%の対応戦略|5月8日締切まで

ものづくり補助金 第23次 賃上げ要件3.5%の対応戦略|5月8日締切まで

この記事の結論

ものづくり補助金 第23次(5月8日締切)の賃上げ要件3.5%の正確な意味と対応戦略を解説。補助上限750万円〜4,000万円の枠別対策と採択率30%台を突破する事業計画書のポイント。

「賃上げができない会社は申請できない」——ものづくり補助金 第23次でよく聞く誤解だ。

確かに賃上げ要件は強化された。ただ、3.5%という数字の正確な意味を知らないまま「うちは無理」と判断している事業者が多い。要件を正しく理解すれば、対応できる可能性は意外と高い。

締切は2026年5月8日(金)17:00。あと約3週間で事業計画書を完成させる必要がある。今回は賃上げ要件の実態と、補助率・上限額の枠別対策を整理する。


第23次 制度の基本データ

項目 内容
制度名 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第23次)
所管 中小企業庁 / 全国中小企業団体中央会
公募期間 2026年2月6日(金)〜 2026年5月8日(金)17:00
補助率(原則) 1/2(小規模企業者・再生事業者は2/3)
補助上限額 750万円〜4,000万円(従業員数・枠・特例による)
補助下限額 100万円
対象枠 製品・サービス高付加価値化枠 / グローバル枠
申請方法 電子申請(jGrants)
公式サイト ものづくり補助金 総合サイト

※ 本記事の情報は第23次公募要領(2026年2月6日公表版)に基づきます。

IT導入補助金やデジタル化補助金との比較はAI導入に使える補助金5選 徹底比較をご覧ください。

補助上限額の全体像——従業員数と特例で大きく変わる

「上限4,000万円」という数字が独り歩きしているが、実際の上限額は従業員数と申請枠によって細かく分かれる。

製品・サービス高付加価値化枠の上限額

従業員数 基本上限 大幅賃上げ特例適用時
5人以下 750万円 850万円
6〜20人 1,000万円 1,250万円
21〜50人 1,500万円 2,500万円
51人以上 2,500万円 3,500万円

グローバル枠の上限額

申請区分 補助上限
通常 100万円〜3,000万円
大幅賃上げ特例適用時 最大4,000万円

製造業・IT企業でシステム開発を中心に行う事業者の多くは「従業員6〜20人」の区分に入ることが多い。この場合、基本上限は1,000万円で、大幅賃上げ特例を使えば1,250万円まで引き上げられる。

賃上げ要件3.5%の正確な意味

まず「3.5%」が何を指すかを確認する。

基本要件(全申請者に必須): 補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、従業員1人あたりの給与支給総額を年平均3.5%以上増加させること。

重要なポイントが2つある。

第一に「役員は対象外」だ。役員報酬は給与支給総額の計算に含めない。オーナー経営者の報酬が高い会社でも、従業員給与の実績が3.5%増加すれば要件を満たす。

第二に「今すぐ賃上げしなくていい」。事業計画期間(補助事業終了後3〜5年)の目標値として設定するものであり、申請時点での賃上げ実績は問われない。ただし達成できなかった場合は補助金の返還義務が生じる。

大幅賃上げ特例の条件

基本要件(3.5%)に加えて、以下の目標を設定すると大幅賃上げ特例が適用され、補助上限額が引き上げられる。

  • 1人あたり給与支給総額を年率6.0%以上増加させる
  • 事業所内最低賃金を地域別最低賃金より+50円以上アップさせる

この2条件を満たした事業計画を立てて交付申請時に表明する必要があり、目標値未達の場合は補助金返還の義務が生じる。慎重に判断してほしい。

「うちは賃上げが難しい」と感じる場合の判断フロー

賃上げ要件を読んで「難しそう」と感じた事業者向けに、申請の可否を判断するフローを示す。

Step 1: 直近の賃上げ実績を確認する
過去2〜3年の従業員1人あたり平均給与の推移を計算してみる。自然昇給やベアが続いている企業は、すでに年率3.5%前後の賃上げをしているケースが多い。

Step 2: 補助事業終了後の事業収益を試算する
設備投資・システム開発によって生産性が向上した場合、3〜5年後の売上・利益がどう変わるかを粗く試算する。収益改善の見込みがあれば賃上げの余地が生まれる。

Step 3: 目標値の設定を相談する
中小企業診断士・税理士・商工会議所の窓口で「うちの会社でどのくらいの賃上げ目標なら現実的か」を相談する。目標設定が高すぎると返還リスクがあり、低すぎると審査評価が下がる。バランスが重要だ。

採択率30%台を突破するための事業計画書——3つのポイント

過去の公募では第21次の採択率が34.1%(638件/1,872件)だった。3件に2件は落ちている計算だ。採択されるためには計画書の質が決定的に重要になる。

ポイント1: 「革新性」を数字で示す

ものづくり補助金の最重要審査項目は「革新性」だ。「AI導入で業務を効率化する」ではなく、「〇〇工程で現在発生している月〇時間の手作業を、画像認識AIによる自動検査システムで〇%削減。業界標準の不良品率〇%を〇%まで改善」のように、技術的な内容を数字で説明する。

ポイント2: 投資の経済効果を事業計画年度ごとに示す

「付加価値額年率3%以上増加」という目標も必須だ。補助事業費(設備投資額+人件費等)に対して、何年で回収できるかを計算して示す。根拠のない「3年で回収」では説得力がない。

ポイント3: 実施体制を役割ごとに明示する

❌「代表取締役が全体を監督します」
⭕「プロジェクト責任者: 代表取締役(意思決定・予算管理)/ 技術担当: 製造部長〇〇(仕様策定・試験)/ 外部支援: ITベンダーA社(システム開発・保守)」

一人体制の事業計画は「本当に実行できるのか」という疑念を生む。役割分担を明確にすることで実現可能性を示す。

第23次で申請できる経費——AI・DX活用との相性

ものづくり補助金の補助対象経費は機械装置費が中心だが、ソフトウェア・クラウドサービスも一定の条件で対象になる。

経費区分 AI/DX活用での具体例
機械装置・システム構築費 AI搭載の自動検査装置、産業用ロボット+制御ソフト
ソフトウェア費 生産管理システム、AIによる需要予測ソフト
技術導入費 AIシステムの設計・開発委託費
専門家経費 中小企業診断士・IT専門家への相談費
クラウドサービス利用費 AIクラウドAPIの利用料(事業期間内分のみ)

汎用的なパソコン・タブレット単体は原則対象外。ただしシステム構築の一部として組み込まれる場合は対象になることがある(公募要領で要確認)。

5月8日まで何をすべきか——逆算スケジュール

期限 作業
4月19日(本日) jGrantsへのログイン確認、GビズID状況確認
4月22日(水)まで 事業計画書のドラフト完成(革新性・実施体制・賃上げ目標)
4月25日(土)まで 経費見積書の取得、設備仕様書の準備
4月28日(火)まで 専門家(商工会議所・診断士)への計画書確認依頼
5月5日(火)まで 計画書を最終仕上げ。jGrantsへの入力を開始
5月7日(木)まで 申請完了(締切前日)
5月8日(金)17:00 申請締切(厳守)

5月8日の締切は祝日ではないが、連休明け直後のため「申請しようとしたらjGrantsが重かった」という例が過去にある。余裕を持って5月7日中に完了させること。

5月8日の締切から逆算した今日やるべき3つのこと

  1. 今日: jGrantsにログインし、GビズIDを確認する(GビズID登録ガイド
  2. 今週中(4月25日まで): 賃上げ目標の現実的な数値を税理士と相談しながら計算する
  3. 4月末まで: 公式サイトから第23次公募要領をダウンロードし、対象経費・審査基準を通読する

どの枠で申請すべきか迷っている、事業計画書の数値設定で困っている場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。AI導入の計画策定を中心に、補助金活用のご支援をしています。


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参考・出典


著者・監修情報
執筆: 株式会社Uravation 補助金ナビ編集部
監修: 佐藤 傑(株式会社Uravation 代表取締役)
100社以上のAI研修・導入支援実績をもとに、中小企業のAI活用×補助金申請をサポートしています。


免責事項
本記事の情報は2026年4月19日時点の中小企業庁・事務局の公表資料に基づく参考情報です。補助金・助成金の制度内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず各制度の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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