自治体独自制度

【2026年最新】東京都DX推進助成金完全ガイド|最大5000万円

東京都DX推進助成金完全ガイド

この記事の結論

令和8年度から再編された東京都DX推進トータルサポート事業を完全解説。4コース(DXステップアップ・DXアドバンス・AI活用・生産性向上)の補助率・上限額・対象経費・申請手順と、DXリスキリング助成金との違いを整理します。

東京都が令和8年度から刷新した「DX推進トータルサポート事業」は、従来のDX推進助成金を大幅に再編した新制度です。最大5,000万円の助成金が用意されながら、「どのコースを使えばいい?」「DXリスキリング助成金とは何が違う?」という混乱の声を多く聞きます。

正直、東京都のDX支援制度は名称が似ていて分かりにくい。この記事では、令和8年度から始まった新しい制度体系を整理し、自社に合うコースの選び方を解説します。


結論から先に — あなたに合う東京都のDX支援制度は?

状況別に整理すると、こう選べます。

状況 おすすめ制度 最大助成額
DXに初めて取り組む(どこから始めるか不明) DX推進トータルサポート事業(生産性向上コース) 2,000万円
DX戦略は策定済み、次のステップに進みたい DXアドバンスコース 5,000万円
AI活用の先進事例をつくりたい AI活用コース 3,000万円
従業員のDXスキルを底上げしたい(研修費) DXリスキリング助成金 100万円/年
まず無料で相談・診断したい DX推進センター(無料支援)

国のIT導入補助金や人材開発支援助成金との違いについては、AI導入に使える補助金5選 徹底比較もご参照ください。


令和8年度から「DX推進トータルサポート事業」に再編

旧制度との違い

令和7年度まで「DX推進助成金(生産性向上コース・DX戦略策定支援コース)」として運営されていた制度が、令和8年度からDX推進トータルサポート事業に統合・再編されました。

主な変更点は2つあります。まず、AI活用コースが新設されたこと。そして最大助成額が3,000万円から5,000万円に引き上げられたことです。

旧制度の情報をもとに計画を立てていた企業は、必ず令和8年度の公募要領を確認し直してください。名称・補助率・申請手順が変わっています。

4コースの全体像

コース 助成上限(通常) 助成上限(大幅賃上げ枠) 助成率 募集枠
DXステップアップコース 3,000万円 5,000万円 3/4以内(小規模4/5以内) 20社
DXアドバンスコース 3,000万円 5,000万円 3/4以内(小規模4/5以内) 10社
AI活用コース 2,000万円 3,000万円 2/3以内(賃上げ枠は3/4以内) 10社
生産性向上コース 1,500万円 2,000万円 1/2以内(賃上げ枠は3/4以内) 6月・10月の2回

出典: 令和8年度DX推進トータルサポート事業(東京都産業労働局、参照日: 2026-05-04)

賃上げ枠とは: 大幅な賃金引上げ計画を達成した場合に適用される優遇措置。達成できなかった場合は助成率が2/3以内に下がるため注意が必要です。


各コースの特徴と選び方

DXステップアップコース — DX初期段階の企業向け

「DXに取り組みたいが、どこから手をつければよいか分からない」という企業に向いています。アドバイザー派遣でDX戦略の策定支援を受けながら、その提案内容に基づいて機器・システム等の導入費用を助成してもらえます。

助成上限は通常3,000万円、大幅賃上げ枠で最大5,000万円。令和8年度の募集枠は20社と限られています(令和8年4月6日〜5月8日で募集終了)。

このコースが合う企業の特徴

  • 業務のデジタル化が遅れており、経営課題が整理できていない
  • 社内にDX推進のノウハウを持つ人材がいない
  • まずアドバイザーに診てもらいながら進めたい

DXアドバンスコース — DX戦略策定済みの企業向け

すでにDX戦略を策定し、次の実装フェーズに進む企業向けのコースです。ステップアップコースとの最大の違いは「DX戦略が既にある」こと。ビジネスモデルの変革や付加価値創出を狙う、より規模の大きな取り組みを想定しています。

助成上限・助成率はステップアップコースと同じですが、募集枠は10社と少ない。採択審査のハードルも高めです。

AI活用コース — 先進的AI導入に挑む企業向け

令和8年度に新設されたコース。「AIを活用した先進的な事例の創出」を目的としており、単なる業務効率化ではなく、他企業のモデルになれる先進的なAI活用が求められます。

助成率は通常2/3以内(大幅賃上げ枠で3/4以内)と他コースより低め。ただし「先進事例」としての認知度向上という副次的メリットがあります。

生産性向上コース — まず小さく始めたい企業向け

旧制度の「生産性向上コース」を引き継いだポジションです。助成上限は最も低い1,500万円(賃上げ枠2,000万円)ですが、6月と10月の2回募集と採択機会が多いのが強みです。

また、「DX推進支援事業の生産性向上コース」が無料のアドバイザー支援を提供しており、そこから自然に助成金申請につながる流れになっています。


DX推進助成金 vs DXリスキリング助成金 — 根本的な違い

この2つを混同している経営者が非常に多いです。本質的に対象が違います。

DX推進助成金(DX推進トータルサポート事業)

  • 何に使える: 機器・システム・ソフトウェアの「導入費用」
  • 運営: 公益財団法人東京都中小企業振興公社
  • 必須要件: 公社のアドバイザー派遣を受けること
  • 最大額: 5,000万円
  • 対象経費(5カテゴリ): 機器・ロボット導入費、システム構築費、ソフトウェア導入費、クラウド利用費、データ分析費

DXリスキリング助成金(東京しごと財団)

  • 何に使える: 従業員向けDX研修の「受講費用」
  • 運営: 公益財団法人東京しごと財団
  • 必須要件: 3時間以上10時間未満の研修(令和8年度:サブスク研修は対象外)
  • 最大額: 100万円/年(1人1研修: 最大75,000円)
  • 助成率: 対象経費の3/4(75%)

つまり「システムを入れるのがDX推進助成金、人を育てるのがDXリスキリング助成金」と覚えておくと分かりやすい。両方を同じ年度に活用できます(異なる経費に適用する限り)。


DX推進センターの無料支援との違い

「助成金は要件が厳しそう」「まず相談したい」という段階なら、DX推進センターの無料支援から始めるのが現実的です。

公社が提供する無料の専門家派遣(DXアドバイザー)は、企業の課題抽出から身の丈に合ったDX計画の策定まで無料でサポートします。さらに、この無料支援がDX推進助成金の申請要件(アドバイザーによる提案書)を満たすため、助成金申請への自然な導線になっています。

流れをまとめると:

  1. DX推進センターに相談(無料)
  2. アドバイザー派遣を受ける(無料)
  3. アドバイザーの提案書をもとに助成金申請
  4. 採択後、提案書の計画に沿って導入実施
  5. 実績報告 → 助成金交付

このプロセスを経ずに助成金だけに飛びつくと、「アドバイザーの提案書がない」として申請が通りません。


対象経費の具体例 — AI導入でどこまで使えるか

令和8年度のDX推進トータルサポート事業で助成対象になる経費は以下の5カテゴリです。

機器・ロボット導入費

AIカメラ・センサー・産業用ロボット等の購入・設置費用。AI画像認識による検品システムの導入が典型例です。

システム構築費

AI基盤システムの開発・構築費、既存システムとのAPI連携費用。社内データをAIに学習させるためのデータ整備も含まれます。

ソフトウェア導入費

AIチャットボット・AI-OCR・需要予測ツール等の初期ライセンス費。ただし月額サブスクリプションの継続費用は原則対象外(導入初年度の費用のみ対象が多い)。

クラウド利用費

AWS・Azure・GCP等のクラウドサービス利用料。AI処理のためのクラウドインフラ費用が含まれます。

データ分析費

外部のデータサイエンティストに委託するデータ分析費、データ収集・加工費用。

❌ 対象外になりやすい経費: 汎用PC・スマートフォンの購入費、既存システムの保守運用費(継続費用)、社内人件費


よくある不備で採択を逃すケース

アドバイザーの提案書と申請内容がずれている

❌ アドバイザーの提案書は「在庫管理システムの導入」なのに、申請書では「AIチャットボット導入」を申請する

⭕ 提案書の内容に基づいた申請をする(提案書と申請が一致していることが審査の前提)

この制度の最大の特徴が「提案書ベースの申請」です。提案書の範囲を超えた申請は審査を通りません。

交付決定前に発注してしまう

❌ 採択通知が届いたらすぐに業者と契約する

⭕ 交付決定通知を受け取ってから発注・契約する

採択≠交付決定です。交付決定前に発注した経費は一切対象外になります。

大幅賃上げ枠を申請して未達成になる

❌ 助成率を上げたいから大幅賃上げ枠を選んだが、賃上げ計画を達成できなかった

⭕ 確実に実現できる賃上げ計画のみを申請する

賃上げ枠の助成率で計算・投資計画を立てておきながら、未達成で助成率が下がるケースが相次いでいます。計画は保守的に設定すること。

生産性向上コースで「先進的AI活用」を申請する

❌ AI活用コースを申請すべき内容を、倍率の低い生産性向上コースで出す

⭕ コースの目的に合った申請内容に仕上げる

各コースには「想定している取り組みのレベル」があります。AI活用コースは「他社のモデルになれる先進事例の創出」が求められます。生産性向上コースに出しても審査基準が違うため評価されません。


申請の全工程 — アドバイザー派遣から交付まで

Phase 1: アドバイザー派遣の申し込み

DX推進センター(iot-robot.jp)から利用申請フォームで申込み。令和8年度のDXステップアップ・DXアドバンス・AI活用コースの申込受付は2026年4月6日〜5月8日(終了)。生産性向上コースは6月・10月に別途募集。

Phase 2: アドバイザーによる提案書の受け取り

公社が派遣するアドバイザーが企業の課題を診断し、具体的なDX推進計画を盛り込んだ提案書を作成します。この提案書が助成金申請の核心になります。

Phase 3: 助成金の申請

提案書をもとに助成金の申請書を作成・提出。申請はGビズIDを使ったオンライン申請が基本です。GビズIDをまだ取得していない場合はGビズID登録完全ガイドを参照してください。

Phase 4: 採択審査 → 交付決定

書類審査・ヒアリングを経て採択が決定。採択後に交付申請を行い、交付決定通知を受け取ります。

Phase 5: 事業の実施

交付決定通知を受け取ってから、提案書の計画に沿ってシステム・機器の発注・導入を開始します。

Phase 6: 実績報告 → 助成金交付

事業完了後に実績報告書を提出。審査後、助成金が後払いで交付されます。


令和8年度の公募スケジュール

コース 令和8年度の動き
DXステップアップコース 4月6日〜5月8日で申込受付(終了)
DXアドバンスコース 同上(終了)
AI活用コース 同上(終了)
生産性向上コース 6月頃・10月頃の2回募集予定(詳細は公社サイトで確認)
DXリスキリング助成金 令和8年3月1日〜令和9年2月28日(通年受付)

2026年5月時点で、DXステップアップ・DXアドバンス・AI活用コースの令和8年度第1回募集は締め切り済みです。次を狙う場合は生産性向上コース(6月予定)か、令和9年度を見据えた準備を始めましょう。


参考・出典


まとめ:令和8年度の東京都DX支援を最大活用するために

令和8年度から「DX推進トータルサポート事業」として再編された東京都のDX支援は、最大5,000万円(AI活用コース:3,000万円)の助成金と、アドバイザー無料派遣の2本柱で構成されています。

重要なポイントを3つ整理します。

  1. まず無料相談から始める: DX推進センターのアドバイザー派遣は無料で、これが助成金申請の前提にもなる。相談しないまま申請しようとしても要件を満たせない
  2. 生産性向上コースは6月募集: 令和8年度の第1回(4月〜5月)は既に終了。生産性向上コースの6月募集に向けて、今すぐGビズID取得と社内の業務課題整理を始めておくのが現実的
  3. 研修費はDXリスキリング助成金を別途活用: システム導入費はDX推進助成金、研修費はDXリスキリング助成金(年間最大100万円)と分けて活用できる

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この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

免責事項

本記事の情報は2026年5月4日時点の各省庁・事務局の公表資料に基づく参考情報です。補助金・助成金の制度内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず公益財団法人東京都中小企業振興公社公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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