【2026年最新】事業承継・M&A補助金とは?4枠の補助額・採択率を徹底解説

【2026年最新】事業承継・M&A補助金とは?4枠の補助額・採択率を徹底解説

この記事の結論

事業承継・M&A補助金2026年度は、後継者への引き継ぎやM&Aに伴う設備投資・専門家費用を最大2/3(上限800万〜2,000万円)補助。4つの申請枠の違い、採択率60%の内訳、第14次公募の締切4月3日に向けた準備を解説。

事業承継・M&A補助金で受け取れる金額

後継者への引き継ぎやM&Aを検討している中小企業にとって、設備投資・専門家費用・システム統合にかかるコストは大きなハードルです。「事業承継・M&A補助金」は、そうした費用の最大2/3(上限800万円〜2,000万円)を国が補助してくれる制度です。

2026年度からは旧「事業承継・引継ぎ補助金」から名称が変わり、4つの申請枠に整理されました。現在、第14次公募が進行中で、申請締切は2026年4月3日(金)17:00。GビズIDの取得に2〜3週間かかるため、申請を考えている方は今すぐ準備を始める必要があります。


4つの申請枠ごとの補助率・上限額一覧

事業承継・M&A補助金は、取り組み内容によって4つの枠に分かれています。自社の状況に合う枠を選ぶことが採択への第一歩です。

申請枠 対象 補助率 補助上限額
事業承継促進枠 親族内承継・従業員承継を予定する企業 1/2(小規模事業者は一部2/3) 800万円(賃上げ実施で1,000万円)
専門家活用枠(買い手支援) M&Aで他社を買収する企業 2/3(100億円企業特例は1/2〜1/3) 600万円〜800万円(100億円企業特例で最大2,000万円)
専門家活用枠(売り手支援) M&Aで事業を売却する企業 1/2〜2/3 600万円(DD費用計上で800万円)
PMI推進枠(事業統合投資) M&A成立後の経営統合を行う企業 1/2(小規模事業者は2/3) 800万円(賃上げ実施で1,000万円)
PMI推進枠(PMI専門家活用) M&A後の統合コンサル等を活用する企業 1/2 150万円
廃業・再チャレンジ枠 承継・M&Aに伴い廃業して再挑戦する企業 2/3 150万円

※ 上記は2026年度 第14次公募の情報です。最新情報は事業承継・M&A補助金事務局の公式サイトをご確認ください。

→ 他の補助金との比較はAI導入に使える補助金5選 徹底比較も参考にしてください。

正直、どの枠を選べばいいか分かりにくい

4枠もあると「自分はどこに申請すればいい?」と迷うのは当然です。ざっくり言うと、こう考えてください。

  • 息子・娘・番頭に会社を継がせたい → 事業承継促進枠
  • 他社を買収して事業を拡大したい → 専門家活用枠(買い手支援)
  • 自社を売却して引退・転身したい → 専門家活用枠(売り手支援)
  • 買収が成立して、これからシステムや組織を統合する → PMI推進枠
  • 承継がうまくいかず、廃業して別の道に進む → 廃業・再チャレンジ枠(他枠と併用可)

特にAI導入やDXと関連が深いのが「事業承継促進枠」と「PMI推進枠」です。承継をきっかけにAIツールやクラウドシステムを導入する費用も補助対象になるため、後継者がデジタル経営にシフトする絶好の機会になります。

AI・DX視点で注目すべき補助対象経費

補助金メディアとして特に強調したいのは、この制度が「事業承継 × DX」の組み合わせに使えるという点です。

事業承継促進枠で対象になるAI・DX関連経費

  1. AI-OCRによる経理業務のデジタル化: 紙伝票をAIで自動読取りし、手入力を月40時間削減。導入費100〜300万円が補助対象
  2. クラウドERPの導入: 先代が使っていたオンプレミスの会計ソフトをクラウド移行。リアルタイムで経営数値を把握
  3. AIチャットボットによる顧客対応自動化: 後継者が経営に集中できるよう、問い合わせ対応の70%を自動化

PMI推進枠で対象になる経費

  1. 基幹システムの統合費用: 買収先と自社の販売管理・在庫管理システムを統合するSI費用
  2. データ移行・マスターデータ統合: 異なるコード体系のデータを統合し、一元管理を実現
  3. PMIコンサルタント費用: M&A後の組織統合・業務標準化を支援する専門家への報酬

要するに、「承継のタイミングで一気にデジタル化する」という戦略に、国が補助金をつけてくれる。これを使わない手はないです。

過去の採択率 — 約60%で安定推移

補助金の中では比較的採択率が高い制度です。直近の公募結果をまとめました。

公募回 申請件数 採択件数 採択率
第13次(2025年11月締切) 481件 293件 60.9%
第12次(2025年9月締切) 742件 453件 61.1%
第10次(2024年7月締切・専門家活用枠) 518件 318件 61.3%
第9次(2024年4月締切・経営革新) 388件 233件 60.1%

出典: 事業承継・M&A補助金事務局中小機構 採択結果公表ページ(参照日: 2026-03-21)

採択率60%前後というのは、ものづくり補助金(約50%)や新事業進出補助金(約37%)と比べるとかなり高めです。ただし、「申請すれば通る」というレベルではないので、事業計画の具体性が問われます。

申請の前にまず確認 — 対象要件

「うちは申請できるのか?」をまず確認しましょう。

共通要件

  • 中小企業・小規模事業者であること(業種により資本金・従業員数の上限あり)
  • GビズIDプライムアカウントを取得済み、または取得予定であること
  • jGrants(電子申請)で申請可能なこと

枠ごとの固有要件

  • 事業承継促進枠: 今後5年以内に親族内承継または従業員承継を予定していること
  • 専門家活用枠: M&A(第三者への事業引継ぎ)を実施予定、または実施済みであること
  • PMI推進枠: 過去にM&Aが成立しており、統合プロセスに着手する段階であること
  • 廃業・再チャレンジ枠: 事業承継・M&Aの結果として廃業を伴うこと(他枠との併用可)

GビズIDの取得から申請完了までの流れ

Step 1: GビズIDプライムの取得(所要: 2〜3週間)

jGrantsで電子申請するために必須のアカウントです。法人は印鑑証明書が必要。個人事業主は本人確認書類でOK。締切4月3日から逆算すると、遅くとも3月中旬には申請を開始すべきですが、すでにギリギリのタイミングです。

GビズID登録の完全ガイド

Step 2: IT導入支援事業者 or M&A仲介業者の選定

専門家活用枠ではM&A仲介業者・FA(フィナンシャルアドバイザー)の登録が前提になります。事業承継促進枠でも、IT導入を計画するなら導入ベンダーの見積もりが必要です。

Step 3: 事業計画書の作成(所要: 2〜4週間)

審査で最も重要な書類。以下の要素を盛り込みます。

  • 現在の経営課題と承継・M&Aの背景
  • 導入するシステム・ツール・専門家サービスの内容
  • 数値目標(「売上○%向上」「経理工数○時間削減」等)
  • 実施体制とスケジュール
  • 費用の内訳と補助金の使途

Step 4: jGrantsで申請書を提出

オンライン申請のみ。紙の申請は受け付けていません。添付書類(決算書、事業計画書、見積書等)をPDFでアップロードします。

Step 5: 採択通知と交付申請

第14次公募の採択発表は2026年5月中旬の予定です。採択後、交付申請を行い、交付決定を受けてから事業を開始します。

⚠️ 注意: 交付決定前に発注・契約すると補助対象外になります。この点は全ての補助金に共通するルールです。

Step 6: 事業実施と実績報告

交付決定日から2027年6月上旬までが事業実施期間です。計画通りに実施し、実績報告書を提出します。

Step 7: 補助金の受領

実績報告の審査後、補助金が振り込まれます(後払い)。2027年1月下旬以降の予定です。

申請で落ちる人がやりがちな3つのミス

ミス1: 事業計画に数字がない

❌ 「事業承継を機に業務のデジタル化を推進する」

⭕ 「経理業務の手入力工数を月40時間から月10時間に削減(75%減)。AI-OCRとクラウド会計の導入により、決算準備期間を2週間から5日に短縮」

審査委員は数百件の申請を読みます。抽象的な計画では評価のしようがありません。

ミス2: 後継者の関与が見えない

❌ 「代表取締役が責任者として全てを管理する」

⭕ 「現代表が監督責任者、後継者(専務取締役・長男)がプロジェクトリーダー、経理部長が実務担当。外部はITベンダーA社がシステム導入を支援」

事業承継促進枠では「後継者が主体的に関わる体制」が審査のポイントです。先代だけの体制では「本当に承継する気があるのか?」と見られます。

ミス3: M&A仲介手数料の見積もりが適正価格から乖離

❌ 相場を調べずにFA1社だけの見積もりを添付

⭕ 複数社から見積もりを取得し、「M&A仲介協会の自主規制ルールに準拠した手数料体系」を選定理由として記載

専門家活用枠では、仲介手数料の妥当性も審査対象。2024年10月施行の「中小M&Aガイドライン」に沿った手数料体系かどうかが見られます。

第14次公募のスケジュール

イベント 時期
公募申請受付開始 2026年2月27日(金)
申請締切 2026年4月3日(金)17:00
採択発表 2026年5月中旬(予定)
交付申請受付 2026年5月下旬〜9月下旬(予定)
事業実施期間 交付決定日〜2027年6月上旬(予定)
実績報告 2026年10月下旬〜2027年6月中旬(予定)
補助金交付 2027年1月下旬以降(予定)

出典: 事業承継・M&A補助金事務局 第14次公募ページ(参照日: 2026-03-21)

他の補助金との棲み分け

「事業承継 × AI導入」の場合、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)と迷うことがあります。

比較項目 事業承継・M&A補助金 デジタル化・AI導入補助金
目的 承継・M&Aに伴う投資 ITツール導入による生産性向上
AI導入との相性 承継をきっかけにしたDXに最適 AI・ITツール導入全般に最適
補助率 1/2〜2/3 1/2〜4/5
上限額 最大2,000万円 最大450万円
採択率 約60% 約70%
条件 承継・M&Aが前提 承継の有無は問わない

ポイントは「承継・M&Aの予定があるかどうか」。あるなら事業承継・M&A補助金のほうが上限額が高く、設備投資・専門家費用もまとめて申請できます。DX目的のみなら、デジタル化・AI導入補助金のほうが申請しやすいです。

→ 詳しい比較はAI導入に使える補助金5選 徹底比較をご覧ください。

締切まで2週間 — 今やるべきこと

  1. 今日中: GビズIDプライムの取得状況を確認。未取得ならこちらの手順で即申請
  2. 今週中: 承継・M&Aの対象枠を決め、事業計画の骨子(課題・導入するツール・数値目標)を書き出す
  3. 3月末まで: 見積書の取得、事業計画書の完成、jGrantsでの申請を完了させる

→ 申請書の書き方のコツは補助金申請書の書き方ガイドも参照してください。


この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

AI導入の計画策定や、どの補助金が自社に合うか分からない場合は、お気軽にご質問ください。→ お問い合わせフォーム


免責事項

本記事の情報は2026年3月21日時点の事業承継・M&A補助金事務局および中小企業庁の公表資料に基づく参考情報です。補助金・助成金の制度内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

参考・出典

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