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【2026年最新】省力化投資補助金 採択事例10選と勝ちパターン徹底解説

【2026年最新】省力化投資補助金 採択事例10選と勝ちパターン徹底解説

この記事の結論

中小企業省力化投資補助金の採択事例10選。製造・建設・飲食業の実例から採択率69%の勝ちパターンと落でも計画の共通点を解説。

第6回の申請受付が2026年5月15日に締め切られた中小企業省力化投資補助金(一般型)。採択率は第1〜4回を通じて60〜69%台と、他の補助金より明らかに高い。

それでも落ちる企業が3割ある。

過去5回の採択結果を分析すると、採択された事業計画には共通のパターンが浮かび上がってくる。逆に落とされた計画にも、繰り返し現れる失敗の型がある。第7回公募の準備をはじめる前に、この「勝ちパターン」を理解しておくことが採択への最短経路だ。


省力化投資補助金の基本データ(2026年・一般型)

項目 内容
制度名 中小企業省力化投資補助金(一般型)
所管省庁 経済産業省 中小企業庁
補助率 中小企業:1/2(賃上げ要件達成で2/3)/小規模事業者:2/3
補助上限額 従業員数により750万〜8,000万円(賃上げ達成時は1,000万〜1億円)
対象者 中小企業・小規模事業者(人手不足の解消が目的)
対象経費 機械装置・システム構築費、技術導入費、クラウド利用料 等
賃上げ要件 年平均3.5%以上の賃上げ計画(必須・未達で一部返還)
労働生産性要件 年率4%以上向上(努力目標・未達でも返還不要)
申請方法 jGrants(電子申請)
公式サイト 中小企業省力化投資補助金

※ 第7回公募の日程は2026年5月時点で未発表。公式サイトで随時確認してください。

各補助金の補助率・上限額の比較はAI導入に使える補助金5選 徹底比較もあわせてご参照ください。


採択率の推移から読めること

公募回 申請件数 採択件数 採択率
第1回 1,809件 1,240件 68.5%
第2回 非公表 非公表 60.9%
第3回 2,775件 1,854件 66.8%
第4回 2,100件 1,456件 69.3%

出典: 中小企業省力化投資補助金事務局 採択結果(各回公表資料)

60〜70%という採択率は、ものづくり補助金(50%前後)や新事業進出補助金と比較して10〜20ポイント高い。補助率と上限額の高さを考えると、この制度の「コスパ」は突出している。

ただし、申請件数も回を追うごとに増えており、競争は確実に激化している。「申請すれば通る」という感覚で臨むのは危険だ。


採択された企業の業種分布

第4回公募の採択内訳(1,456者)を見ると:

  • 製造業: 50.1%(730者超)
  • 建設業: 15.9%(231者)
  • 卸売業: 5.9%(86者)
  • 飲食・宿泊業: 約5%
  • その他サービス業・農業等: 残り

製造業と建設業だけで全体の66%を占める。なぜかといえば、「省力化の成果が数字で出しやすい」からだ。「月200時間の手作業を自動化」「作業人員を3人から1人に」という具体的なBeforeAfterを書きやすい業種が有利になる。

出典: 補助金ポータル 第4回採択結果分析(参照日: 2026-05-05)


業種別・採択事例10選

以下は、公表されている採択結果・審査資料をもとに構成した事例です。

事例1: 製造業(精密加工・従業員28名)

事例区分: 公開事例ベース(事務局公表の採択テーマを元に構成)

課題: ベテラン溶接工2名に依存した手作業溶接で、受注増に対応できない。1本あたりの溶接時間が技術者によって30%以上バラつく。

導入設備: 3Dスキャナー搭載溶接ロボットシステム(主機+ポジショナー+制御ソフト一式)
総事業費: 約3,200万円 補助金額: 約1,600万円(補助率1/2)

申請で工夫した点:
– 「1本あたりの溶接時間: 平均42分→14分」と数値で示した
– ポジショナーとロボットを組み合わせた「オーダーメイド性」を明示
– 浮いた人件費をベテラン溶接工の賃上げに充てる計画を明記

採択のポイント: 単体ロボットではなく周辺装置との組み合わせで「オーダーメイド設備」として申請。採択率95%超のパターン(複合申請)が適用された。


事例2: 製造業(食品加工・従業員12名)

事例区分: 公開事例ベース(事務局公表の採択テーマを元に構成)

課題: 手作業による充填・包装工程で1日4〜5人を拘束。繁忙期は残業が月40時間を超えており、パート採用にも限界がある。

導入設備: 自動充填包装機(充填機+シール機+ラベラー一体型)
総事業費: 約880万円 補助金額: 約587万円(小規模事業者・補助率2/3)

申請で工夫した点:
– 包装工程の担当人員を「4人→1人」と明記(76%削減)
– 残業削減分を時給換算で年間コスト削減額として算出
– 地方最低賃金との差額を「30円以上」維持する計画を添付

採択のポイント: 小規模事業者(従業員20人以下の製造業)は補助率が2/3。同じ設備でも補助額が33%増えるため、会社規模の確認が重要。


事例3: 製造業(金属部品加工・従業員45名)

事例区分: 公開事例ベース(事務局公表の採択テーマを元に構成)

課題: 複数工程にまたがる加工で段取り替えに1日2〜3時間消費。熟練工の段取りスキルに依存しているため、若手だけでは回らない。

導入設備: 複合加工機(旋盤+マシニング統合型)+パレットチェンジャー+加工プログラム
総事業費: 約8,825万円 補助金額: 約3,000万円(補助率上限適用)

申請で工夫した点:
– 「段取り時間: 1日150分→35分(77%削減)」を工程記録から算出
– 複合加工機单体ではなく、パレットチェンジャーとCAMソフトを組み合わせた申請
– 「熟練工依存からの脱却→若手定着率向上」という人材面の効果も記載

採択のポイント: 補助上限(従業員21〜50人枠:3,000万円)をフルに活用。大きな設備投資ほど一件あたりの事務コストが薄まるため、上限近くの申請は有利。


事例4: 建設業(土木・従業員35名)

事例区分: 公開事例ベース(事務局公表の採択テーマを元に構成)

課題: 測量業務が手作業(トータルステーション+紙の現場記録)で、ベテラン測量士1名に依存。1現場あたり測量作業に丸1日かかっている。

導入設備: UAVドローン+点群データ処理ソフト+3次元設計システム一式
総事業費: 約1,450万円 補助金額: 約967万円(小規模事業者・補助率2/3)

申請で工夫した点:
– 測量時間「8時間→2.5時間(69%削減)」を過去実績から算出
– 「作業員1名での測量が可能になる」という体制の変化を明記
– 工期短縮→受注増加の連鎖を事業計画に組み込んだ

採択のポイント: 建設業は採択率15.9%(第4回)で、製造業に次ぐ採択数。DXツールと「人手削減の可視化」がセットになった計画が評価されやすい。


事例5: 建設業(鉄筋加工・従業員22名)

事例区分: 公開事例ベース(事務局公表の採択テーマを元に構成)

課題: 鉄筋の切断・曲げ加工を手作業で実施。加工ミスの手直しが月10〜15件発生し、材料ロスが年間約80万円。

導入設備: CAD連動型CNC鉄筋加工機+加工データ連携システム
総事業費: 約2,200万円 補助金額: 約1,100万円(補助率1/2)

申請で工夫した点:
– 「加工ミス件数: 月12件→月2件以下」という品質面の数値目標を設定
– 材料ロスの削減額(年80万円)をROI計算に組み込んだ
– CADデータとの連携による「人が介在しない工程」を図示した


事例6: 飲食業(製麺・従業員8名)

事例区分: 想定シナリオ(公開情報をもとに構成)

課題: 麺の成形・カット工程が手作業で、1日の製造上限が500食。週末の需要増に対応できず、販売機会を逃している状態。

導入設備: 自動製麺機(成形〜カット一体型)
総事業費: 約450万円 補助金額: 約300万円(小規模事業者・補助率2/3)

申請で工夫した点:
– 生産能力「500食/日→1,200食/日」という具体的な数値
– 「省力化した2名分の人件費を時給引き上げに充当」する賃上げ計画
– 最低賃金との差額30円維持を月次モニタリングする計画を記載

採択のポイント: 飲食業は一見「省力化」と結びつきにくいが、調理工程の機械化は対象。「何食/日から何食/日へ」という生産量の変化が最もわかりやすい指標になる。


事例7: 飲食業(惣菜製造・従業員15名)

事例区分: 想定シナリオ(公開情報をもとに構成)

課題: 揚げ物工程に常時2名配置が必要で、油温・時間の管理も職人の勘に依存。品質のばらつきが問題になっている。

導入設備: タッチパネル制御付きオートフライヤー+温度ログシステム
総事業費: 約380万円 補助金額: 約253万円(小規模事業者・補助率2/3)

申請で工夫した点:
– 「揚げ物担当者: 2名→0.5名(他業務に兼任)」と明記
– 温度ログによる品質均一化を「クレーム件数削減」として数値化
– 解放された人手を接客・商品開発に振り向ける計画を記述


事例8: 物流業(倉庫・従業員60名)

事例区分: 想定シナリオ(公開情報をもとに構成)

課題: ピッキング作業が手作業で、ミスピック率が0.8%。月あたり誤出荷に伴うクレーム対応に30時間超を費やしている。

導入設備: デジタルピッキングシステム(棚ラベルLED+タブレット連携+WMS連動)
総事業費: 約1,800万円 補助金額: 約900万円(補助率1/2)

申請で工夫した点:
– 「ミスピック率: 0.8%→0.1%以下」という品質目標
– クレーム対応時間(月30時間)を人件費換算して削減効果を算出
– WMS(倉庫管理システム)との連動による「人が介在しない自動照合」を強調

採択のポイント: 物流業は人手不足が深刻で、補助目的(人手不足の解消)との整合性が取りやすい。ただしWMS等のソフトウェアが主体の申請は審査が厳しくなる傾向があるため、ハードウェアとの組み合わせが有効。


事例9: 農業(野菜農家・従業員9名)

事例区分: 想定シナリオ(公開情報をもとに構成)

課題: 収穫・選果作業が繁忙期(7〜9月)に集中し、臨時雇用だけでは対応しきれない。選果の精度も人によってばらつく。

導入設備: 自動選果機(重量選別+画像検査一体型)+コンテナ搬送コンベア
総事業費: 約920万円 補助金額: 約613万円(小規模事業者・補助率2/3)

申請で工夫した点:
– 「繁忙期の選果作業者: 6名→2名」という数値
– 選果精度の均一化による等級品比率向上(A品比率: 68%→82%)
– 臨時雇用費の削減分を正社員の賃上げに充てる計画


事例10: 小売業(EC運営・従業員11名)

事例区分: 想定シナリオ(公開情報をもとに構成)

課題: 受注処理・在庫更新・出荷指示が手作業で、1日4時間を2名で担当。繁忙期はミスが増え、返品・クレームが月15件発生。

導入設備: 受注管理・在庫連動・出荷指示自動化システム(RPA+各ECモール連携)
総事業費: 約680万円 補助金額: 約453万円(小規模事業者・補助率2/3)

申請で工夫した点:
– 「受注処理時間: 1日8時間→1.5時間(81%削減)」と工数削減を数値化
– クレーム件数削減(月15件→3件以下)を信頼性指標として追加
– 「省力化した時間を新規仕入れ交渉・商品企画に充てる」と攻めの計画を記述


採択事例から見えた5つの勝ちパターン

10事例を並べてみると、採択された計画に共通する「型」が見えてくる。

パターン1: 「Before→After」を数字で示せている

落ちる計画の最大の特徴は「定性的な改善」しか書かれていないことだ。

❌ 「業務効率が向上する」
⭕ 「加工時間が1本あたり42分→14分に短縮(67%削減)」

審査委員は数百件の申請書を読む。数字のない計画は「本当に省力化できるの?」という疑念を払拭できない。削減時間・削減人員・削減コストの少なくとも1つを必ず数値で示すこと。

パターン2: 設備の「組み合わせ」で申請している

省力化補助金は「オーダーメイド性」が重視される制度だ。汎用機械単体の申請より、複数の機器・ソフトウェアを組み合わせた申請のほうが採択率が明らかに高い。

工作機械にパレットチェンジャーを組み合わせた申請の採択率は95%超、単体での申請は83%程度というデータがある(山善 MONOKEN調査)。

「この機械でないとできない工程がある」という特殊性を、組み合わせによって示せると強い。

パターン3: 「省力化した人の行き先」まで書いている

省力化で空いた人員を解雇する計画では採択されない。そもそも補助の目的が「人手不足の解消」だからだ。

採択された計画の多くは、「省力化した2名を接客・商品開発に再配置」「浮いた残業代を時給引き上げに充当」という形で、人材の再配置先を明記している。

パターン4: 賃上げ計画が具体的

年平均3.5%以上の賃上げは必須要件だが、「賃上げします」と書くだけの計画は評価が低い。

「現在の平均給与○万円→○万円(○%増)」という具体的な数字、および「省力化で削減したコストの○%を賃金原資に充当」という財源の説明まで記載した計画が採択率を高める。

パターン5: 人手不足の「深刻さ」から始めている

採択される計画は、「なぜ今この投資が必要か」という緊急性の説明が冒頭にある。業界の人手不足状況、自社の直近3年の残業時間推移、採用難の実態など、審査委員が「これは確かに深刻だ」と感じる情報から入る計画が強い。


落ちる計画の3つの共通パターン

NG1: 汎用パソコン・タブレットが「主役」

汎用PCやタブレットの購入は基本的に補助対象外。ソフトウェアも「自社業務に合わせたカスタマイズ」や「専用システム」でない限り審査が厳しくなる。

❌ 「Excelの代わりにiPadで作業管理したい」
⭕ 「製造工程に特化したCAMソフトと加工機を連携させる」

NG2: 省力化効果が証明できない申請

「たぶん楽になる」という計画は落とされる。過去データ(残業時間記録、工数記録、ミス件数)が存在しない場合は、申請前に3ヶ月間の記録を取ることを強くすすめる。

NG3: 賃上げと省力化が結びついていない

「省力化します、賃上げもします」と並べるだけでは不十分だ。「省力化→コスト削減→賃上げ原資」という因果関係を説明できていない計画は、審査で評価されにくい。


申請の前に確認すべきこと

「カタログ品」でも対象になる条件

省力化補助金はもともとカタログ型(登録製品から選ぶ方式)で始まり、現在は「一般型」に統合されている。

一般型で汎用の設備を申請する場合は、「自社業務への特化」か「複数設備の組み合わせ」によってオーダーメイド性を示す必要がある。メーカーや販売店に「組み合わせ見積もり」を依頼し、構成仕様書を添付するのが実務上の対応だ。

→ 詳しくはGビズID登録ガイドで申請準備の第一歩から確認できます。

採択後に注意すること

交付決定前の発注は補助対象外。 採択通知が届いても、交付決定が下りるまで発注・契約してはいけない。

第4回公募の採択発表は申請締切から約3ヶ月後。この間に業者へのヒアリングや見積もり取得を進めることはできるが、正式発注は交付決定後だ。


第7回に向けた準備ロードマップ

第6回の申請受付は2026年5月15日で締め切られた。第7回の公募時期は2026年5月時点で未発表だが、過去の傾向から夏〜秋の公募が見込まれる(第7回の公募要領が公開され次第、公式サイトで確認を)。

今から動ける準備を整理する。

今すぐ:
GビズID取得(未取得の場合。プライム取得に1〜2週間かかる)
– 過去3ヶ月分の作業時間・残業記録・ミス件数を集計し始める

公募開始1ヶ月前まで:
– 省力化したい工程を絞り、導入設備の候補3〜5案をリストアップ
– 設備メーカー・販売店に「補助金申請用の構成見積もり」を依頼
– 事業計画のBeforeAfter数値の根拠データを整備

申請受付後:
– jGrantsで申請書を作成(GビズIDでログイン)
– 経営力向上計画の認定取得(賃上げ加点を狙う場合)

あわせて読みたい:
補助金申請書の書き方|審査員が評価するポイント
【5/15締切迫る】省力化投資補助金 第6回 申請ラストスパート完全攻略


参考・出典


執筆: 株式会社Uravation 補助金ナビ編集部

この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

AI導入の計画策定や補助金活用についてのご質問は、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。


免責事項

本記事の情報は2026年5月5日時点の各省庁・事務局の公表資料に基づく参考情報です。補助金・助成金の制度内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず各制度の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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