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【2026年最新】ものづくり補助金×新事業進出補助金 統合の全容と申請戦略

【2026年最新】ものづくり補助金×新事業進出補助金 統合の全容と申請戦略

この記事の結論

ものづくり補助金と新事業進出補助金が2026年度に統合。新制度の3枠(革新的新製品・新事業進出・グローバル)の補助率・上限額と、統合前にやるべき申請準備を解説。

中小企業の設備投資を支えてきた「ものづくり補助金」と、事業転換を後押しする「新事業進出補助金」。この2つの制度が2026年度から「新事業進出・ものづくり補助金」として一本化されます。

補助上限額は最大7,000万円、グローバル枠の補助率は2/3。正直、制度設計を見ると「これは統合というより再構成」という印象です。従来の2制度のいいとこ取りをしつつ、審査の評価軸を「成長ストーリー」に統一するという狙いが見えます。

ただし、2026年3月時点で新制度の公募要領はまだ公表されていません。この記事では、中小企業庁の予算資料と現行制度の公募情報をもとに、統合後の制度概要と申請準備のポイントを整理しました。公募要領が公開され次第、内容を更新します。


統合後の新制度で補助される金額

新事業進出・ものづくり補助金は、目的別に3つの枠が設けられます。従業員規模によって上限額が変わる点が特徴です。

革新的新製品・サービス枠

従来のものづくり補助金「製品・サービス高付加価値化枠」を引き継ぐ枠です。

従業員数補助上限額補助率
5人以下750万円1/2(小規模・再生は2/3)
6〜20人1,000万円1/2(小規模・再生は2/3)
21〜50人1,500万円1/2(小規模・再生は2/3)
51人以上2,500万円1/2(小規模・再生は2/3)

賃上げ特例を適用すると、補助率が2/3に引き上がります。AI画像認識システムやチャットボットの開発など、技術革新性のある投資が対象です。

新事業進出枠

旧「新事業進出補助金」の流れを汲む枠で、DXによる新規事業立ち上げや業態転換に使えます。

従業員数補助上限額補助率
20人以下2,500万円1/2
21〜50人4,000万円1/2
51〜100人5,500万円1/2
101人以上7,000万円1/2

旧制度と比べて上限額は据え置きですが、従業員規模の区分がより細かくなっています。

グローバル枠

従業員数補助上限額補助率
20人以下2,500万円2/3
21〜50人4,000万円2/3
51〜100人5,500万円2/3
101人以上7,000万円2/3

海外展開を伴う設備投資やサービス開発が対象。補助率2/3は3枠の中で最も手厚い設定です。旧ものづくり補助金のグローバル枠(上限3,000万円)から大幅に拡充されました。

各制度の補助率・上限額の比較は、AI導入に使える補助金5選 徹底比較も参考にしてください。

なぜ統合されるのか — 制度再編の背景

「ものづくり補助金は技術開発に使う」「新事業進出補助金は事業転換に使う」。これまでは投資の目的で制度が分かれていました。

しかし現実のAI導入プロジェクトでは、「新しいAIサービスを開発して(=技術革新)、それを軸に新規事業を立ち上げる(=事業転換)」というケースが増えています。どちらの補助金に申請すべきか迷う企業が多かったのが実情です。

統合の本質は「評価軸の統一」にあります。投資が売上拡大・生産性向上・付加価値増加・賃上げにつながるかという共通の成長ストーリーで審査する。これが新制度の設計思想です。

予算規模は「ものづくり商業サービス省力化・革新的開発・新事業・海外展開促進事業」として2,960億円が計上されています(出典: 中小企業庁 令和7年度補正予算資料)。

旧制度と何が変わるのか — 変更点の整理

項目旧ものづくり補助金(23次)旧新事業進出補助金統合後の新制度
制度名ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金中小企業新事業進出補助金新事業進出・ものづくり補助金
申請枠製品・サービス高付加価値化枠、グローバル枠通常枠、卒業枠革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠、グローバル枠
補助上限最大2,500万円(グローバル3,000万円)最大9,000万円最大7,000万円(グローバル含む)
補助率1/2(小規模2/3)1/21/2〜2/3(枠・特例による)
評価軸技術革新性新市場進出・事業転換成長ストーリー(売上・生産性・賃上げ)

注目すべき変更点は3つ。

第一に、グローバル枠の拡充。旧ものづくり補助金では上限3,000万円でしたが、新制度では従業員101人以上で7,000万円まで拡大。海外展開を検討している企業には朗報です。

第二に、新事業進出枠の上限引き下げ。旧制度では最大9,000万円でしたが、新制度では7,000万円に。ただし従業員20人以下でも2,500万円の上限が確保されており、小規模企業にとってはむしろ使いやすくなった面があります。

第三に、評価軸の統一。「技術がすごいか」「市場が新しいか」ではなく、「投資が企業の成長と賃上げにつながるか」で評価される。申請書の書き方を変える必要があります。

現在公募中の制度と統合のタイムライン

新制度への移行スケジュールを整理します。

時期制度状況
〜2026年5月8日ものづくり補助金 第23次公募現在公募中(旧制度最後の公募)
〜2026年3月26日新事業進出補助金 第3回公募締切済み
2026年4月〜新事業進出補助金 第4回公募公募開始予定(日程未公表)
2026年夏以降(7月〜秋頃)新事業進出・ものづくり補助金第4回終了後に初回公募の見込み

要するに、旧制度で申請できるチャンスはあとわずかです。ものづくり補助金は第23次(5月8日締切)が現行制度最後になる可能性が高い。

「旧制度と新制度、どちらに申請すべきか?」は企業の状況次第です。以下で判断基準を整理します。

旧制度で申請すべきか、新制度を待つべきか

この判断は意外と難しい。筆者も「ケースバイケースとしか言えない」のが本音です。ただ、いくつかの判断基準は示せます。

旧制度(23次・第4回)で申請すべきケース

  • 事業計画がすでに固まっている(GビズID取得済み、ITベンダー選定済み)
  • ものづくり補助金の「製品・サービス高付加価値化枠」の要件にぴったり合う
  • 2026年内にAI導入を完了させたい(新制度は公募開始が夏以降)
  • 申請書の書き方に慣れている(旧制度の審査基準で勝負できる)

新制度を待つべきケース

  • 新規事業と技術開発の両方を含むプロジェクト(旧制度では枠選びに迷う内容)
  • 海外展開を含む投資(グローバル枠の拡充を活用したい)
  • 事業計画がまだ固まっていない(準備期間を確保できる)
  • 従業員20人以下で新事業進出を考えている(新制度なら2,500万円まで)

新制度で採択されるための申請書のポイント

統合後の最大の変化は「評価軸の統一」です。申請書の書き方を従来のスタイルから切り替える必要があります。

成長ストーリーの4要素を明確にする

新制度では、以下の4つが一貫したストーリーとして書かれているかが審査されます。

  1. 既存事業との関連性: なぜこの投資が自社に必要なのか
  2. 売上・付加価値の見通し: 投資後の売上増・利益率改善を数字で示す
  3. 生産性向上の根拠: Before/Afterを工数・コスト・品質で比較する
  4. 賃上げへの波及: 生産性向上がどう従業員の賃金に反映されるか

よくある不備で落ちるパターン

不備1: 技術の先進性だけをアピールする

❌ 「最新のAI画像認識技術を導入し、検品精度を向上させる」(技術カタログ)

⭕ 「現在月120時間を要している目視検品を、AI画像認識で月30時間に短縮。削減した90時間を新製品開発に充てることで、年間売上を15%拡大し、従業員の基本給を3.5%引き上げる」(成長ストーリー)

不備2: 賃上げ計画が曖昧

❌ 「生産性が上がったら給料を上げます」

⭕ 「補助事業終了後3年間で、従業員1人あたり給与支給額を年平均3.5%以上引き上げる。具体的には、現在の平均月給28万円を3年後に31万円に引き上げる計画」

不備3: 交付決定前に発注してしまう

❌ 採択通知が来たらすぐにベンダーに発注する

⭕ 交付決定通知を受け取ってから発注・契約する

交付決定前の経費は一切補助対象になりません。採択と交付決定は別物です。この違いを見落とすと、数百万円の補助金を丸ごと失います。

不備4: 補助事業終了後の展開が書かれていない

❌ 「AIを導入して業務効率を改善する」(補助期間中の話だけ)

⭕ 「導入したAI検品システムを他工場3拠点に展開し、3年後に全社の検品工程をAI化。蓄積した検品データを品質改善にも活用する」(補助事業終了後のスケールアップ)

賃上げ要件 — 新制度でも必須の3条件

ものづくり補助金で従来から求められていた賃上げ要件は、統合後も引き続き適用される見込みです。第23次公募(現行制度)の基本要件を基準に整理します。

  1. 付加価値額: 事業計画期間(3〜5年)で年平均成長率3.0%以上増加
  2. 給与支給総額: 従業員・役員それぞれの年平均成長率2.0%以上増加(または1人あたり給与支給総額を都道府県最低賃金の直近5年平均成長率以上)
  3. 事業所内最低賃金: 都道府県の最低賃金より30円以上上回ること

さらに、大幅な賃上げ特例(給与支給総額を年率平均3.5%以上増加等)を満たすと、補助上限額が引き上げられます。所定の賃金水準で事業所内最低賃金の引上げに取り組む場合、補助率が2/3に引き上がります。

ぶっちゃけ、この賃上げ要件は中小企業にとってハードルが高い。しかし裏を返せば、計画段階でこの数字を達成可能な根拠を示せれば、審査で高く評価されるということです。

AI導入で補助対象になる経費の具体例

新制度の対象経費の正式な一覧は公募要領の公表待ちですが、現行のものづくり補助金・新事業進出補助金の対象経費をベースに、AI/DX投資で使える項目を整理します。

対象になる見込みの経費

  1. AI検品システムの開発・導入費: カメラ、サーバー、AI学習モデル開発、インテグレーション費用(500万〜2,000万円の事例が多い)
  2. AIチャットボット・顧客対応自動化: 自然言語処理システム構築、社内データ連携、カスタマイズ費用
  3. AI-OCR・帳票自動化システム: 請求書・発注書の自動読取り、データ連携、既存基幹システムとの接続
  4. クラウド利用料: AI推論に必要なクラウドサーバー費用(補助期間分)
  5. 専門家経費: AI導入コンサルティング、技術アドバイザリー

対象外になりやすい経費

  • 汎用PC・タブレットの購入(AI専用機器でない場合)
  • 既存システムの通常保守・運用費
  • ChatGPTなどの汎用SaaSの月額利用料(カスタマイズなしの場合)
  • 人件費(ものづくり補助金では原則対象外)

「自社のAI投資が対象になるか分からない」という方は、ものづくり補助金の申請方法の対象経費セクションも参考にしてください。

統合前に今すぐやるべき準備

Step 1: GビズIDプライムの取得(所要: 1〜2週間)

新制度でもjGrants(電子申請)での申請が必須です。GビズIDプライムの取得には1〜2週間かかるため、まだ持っていない方は今日中に申請を開始してください。

GビズID取得の完全ガイド

Step 2: 事業計画の骨子を作る(所要: 2〜4週間)

新制度の公募要領が出る前に、以下を整理しておきましょう。

  • 解決したい業務課題(数字で把握: 月何時間、年何万円のコスト)
  • 導入したいAI/ITツール(具体的な製品名・ベンダー名)
  • 期待する効果(Before/Afterを数字で)
  • 実施体制(プロジェクト責任者、実務担当者、外部支援者)
  • 賃上げ計画(3年間の給与引き上げロードマップ)

Step 3: ITベンダー・AI開発会社との事前相談(所要: 2〜3週間)

見積もりの取得、導入スケジュールの確認、補助金申請の経験がある事業者かの確認を行いましょう。

Step 4: 公募要領の公開を待ち、申請書を仕上げる

公募要領が公開されたら、審査基準の変更点を確認し、Step 2で作った骨子をもとに申請書を完成させます。新制度の公式情報はものづくり補助金総合サイトで随時更新されます。

Step 5: 申請提出 → 採択通知 → 交付決定 → 事業実施

採択後は交付申請を行い、交付決定を受け取ってから発注・契約を進めます。事業実施後に実績報告書を提出し、審査後に補助金が交付されます(後払い)。

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参考・出典


今日からやること:

  1. 今日: GビズIDプライムの取得状況を確認する(未取得なら即申請)
  2. 今週中: 自社のAI投資計画の骨子を作成する(課題→ツール→効果→賃上げ計画)
  3. 公募開始時: ものづくり補助金総合サイトで新制度の公募要領をダウンロードし、審査基準を確認する

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この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

AI導入の計画策定や、どの補助金が自社に合うか分からない場合は、お気軽にご質問ください。→ お問い合わせフォーム


免責事項

本記事の情報は2026年3月13日時点の中小企業庁・各事務局の公表資料に基づく参考情報です。「新事業進出・ものづくり補助金」は2026年3月時点で公募要領が未公表であり、記載内容は予算資料・現行制度の情報に基づく見込みです。制度内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ずものづくり補助金総合サイトおよび中小企業庁公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

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