事業承継・M&A補助金は、事業承継やM&Aを契機とした新たな取り組みに最大1,000万円(賃上げ加算時)を補助する制度です。14次公募は2026年4月3日が締切で、採択率は約60%と比較的高い水準を維持しています。
- 4つの枠:事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠・廃業再チャレンジ枠で幅広い事業承継ニーズに対応
- 補助率:中小企業1/2、小規模事業者2/3 ── 設備投資・専門家費用・廃業費用まで幅広くカバー
- 14次公募:2026年2月27日〜4月3日(申請受付中)、電子申請(Jグランツ)のみ受付
この記事の対象:事業承継やM&Aを検討中の中小企業経営者、後継者への引き継ぎを計画している方、M&A後の統合(PMI)に課題を抱えている方
今日やること:自社がどの枠に該当するかを確認し、GビズIDプライムの取得状況をチェックしましょう。まだ取得していない方は今すぐ申請してください(発行まで2〜3週間かかります)。
「後継者がいない」「M&Aを考えているがコストが心配」「事業を引き継いだものの統合がうまくいかない」――こうした悩みを抱える中小企業の経営者は少なくありません。
中小企業庁の調査によると、2025年までに70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人にのぼり、そのうち約半数にあたる127万社が後継者未定の状態にあります。帝国データバンクの2024年調査では、全国の後継者不在率は52.1%を記録しました。後継者が決まっている「決定企業」はわずか12.5%にとどまり、「廃業予定」と回答した企業が52.6%にも達しています。
さらに深刻なのは、廃業する企業の約半数が黒字経営であるという事実です。経営が順調であっても、後継者がいなければ事業を続けることができません。毎年約4万社が後継者不在を理由に廃業しており、このまま放置すれば約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われるとの試算もあります。2024年には「後継者難倒産」が過去最多水準の年間500件超ペースで発生しており、事業承継はまさに待ったなしの経営課題です。
こうした「事業承継の2025年問題」に対応するため、国は事業承継・M&A補助金を設け、事業承継やM&Aに取り組む中小企業を資金面から手厚く支援しています。この補助金は、単に事業を引き継ぐだけでなく、承継を契機に新しい事業展開や経営革新に挑戦する企業を後押しする仕組みです。
この記事では、2026年1月30日に中小企業庁が公募要領を公表した14次公募の最新情報をもとに、4つの申請枠の違い・補助額・採択率・申請の流れ・採択されるためのポイントまでを網羅的に解説します。「自社が対象になるのか」「どの枠で申請すべきか」「何から準備すればよいのか」がこの記事で明確になります。
事業承継・M&A補助金とは ── 制度の概要と目的
事業承継・M&A補助金は、中小企業生産性革命推進事業の一環として中小企業庁が実施する補助金制度です。事業承継やM&Aを契機に、経営革新や事業転換などの新たな取り組みを行う中小企業・小規模事業者に対して、その費用の一部を補助します。
具体的には、親族への事業承継を機に新商品を開発したい、M&Aで他社を買収して事業拡大を図りたい、M&A後のシステム統合や組織再編にコストがかかる、といった場面で活用できます。事業承継に伴う「守り」だけでなく、承継を成長の契機とする「攻め」の投資を国が後押しする制度として設計されています。
制度の基本情報
| 正式名称 | 中小企業生産性革命推進事業「事業承継・M&A補助金」 |
| 所管 | 中小企業庁(経済産業省) |
| 実施機関 | 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 |
| 予算 | 令和6年度補正予算に基づく |
| 現在の公募 | 14次公募(2026年2月27日〜4月3日) |
| 申請方法 | 電子申請(Jグランツ)のみ |
旧「事業承継・引継ぎ補助金」からの変更点
本制度は、かつて「事業承継・引継ぎ補助金」として運用されていた制度の後継にあたります。令和6年度補正予算から名称が「事業承継・M&A補助金」に変更され、枠組みも再編されました。
主な変更点は以下のとおりです。
- 旧「経営革新枠」が「事業承継促進枠」に改称・再編
- 新たに「PMI推進枠」を創設(M&A後の経営統合を重点支援)
- 「専門家活用枠」に100億企業特例を新設(補助上限が最大2,000万円に)
- 事業承継やM&Aをより広く支援する制度設計に進化
制度の目的
この補助金の目的は大きく3つあります。
- 事業承継の促進:後継者への円滑な事業引き継ぎを支援し、廃業による技術・雇用の喪失を防ぐ
- M&Aの活性化:専門家費用やデューデリジェンス費用を補助することで、M&Aへの心理的・経済的ハードルを下げる
- PMI(経営統合)の支援:M&A後の統合プロセスを支援し、事業の継続的な成長を後押しする
4つの申請枠を徹底比較 ── 補助額・補助率・対象経費
14次公募では、事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠・廃業再チャレンジ枠の4つの枠が設けられています。自社の状況に合った枠を選んで申請することが採択への第一歩です。
| 申請枠 | 補助上限額 | 賃上げ加算時 | 補助率 | 主な対象 |
|---|---|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 800万円 | 1,000万円 | 1/2 (小規模: 2/3) |
事業承継を契機に新たな取り組みを行う中小企業 |
| 専門家活用枠 | 600万円 | 800万円 | 1/2 (小規模: 2/3) |
M&Aに係る専門家費用(FA・DD費用等) |
| PMI推進枠 |
専門家活用類型: 150万円 事業統合投資類型: 800万円 (賃上げ加算: 1,000万円) |
1/2 (小規模: 2/3) |
M&A後の経営統合(PMI)支援 | |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 150万円 | – | 1/2 (小規模: 2/3) |
事業を廃業して再チャレンジする事業者 |
どの枠を選べばよいか? ── 状況別ガイド
4つの枠のどれに申請すべきか迷う方のために、よくあるケース別に最適な枠をまとめました。
- 「息子(娘)に事業を引き継ぎ、新しいことに挑戦したい」 → 事業承継促進枠
- 「M&Aで他社を買収したいが、仲介手数料やDD費用が高い」 → 専門家活用枠(買い手支援類型)
- 「自分の事業を売却したいが、仲介会社への費用が負担」 → 専門家活用枠(売り手支援類型)
- 「M&Aで買収した会社のシステムや組織を統合したい」 → PMI推進枠
- 「後継者が見つからず廃業するが、新たな事業に挑戦したい」 → 廃業・再チャレンジ枠(他枠との併用も検討)
複数の枠に該当する場合は、メインとなる枠に廃業・再チャレンジ枠を併用する形も可能です。以下、各枠について詳しく解説します。
1. 事業承継促進枠 ── 最もスタンダードな枠
事業承継促進枠は、親族内承継や従業員承継を予定している、または既に事業承継を実施した中小企業が、承継を契機に新たな取り組み(新商品開発、新サービス提供、販路開拓など)を行う際の設備投資等を支援する枠です。旧制度では「経営革新枠」と呼ばれていた枠の後継にあたります。
この枠のポイントは、「事業承継」と「新たな取り組み」の両方が求められる点です。単純に事業を引き継ぐだけでは対象にならず、承継を契機とした経営革新が必要です。たとえば、先代から引き継いだ製造業でECサイトを新設して販路を拡大する、飲食店を承継して新メニューの開発設備を導入する、といったケースが該当します。
対象経費の例
設備費、外注費、委託費、原材料費、知的財産権等関連経費、広報費、旅費、会場借料費、謝金 など
2. 専門家活用枠 ── M&Aのコスト負担を軽減
専門家活用枠は、M&Aを実施するにあたって必要な専門家の費用を補助する枠です。買い手支援類型と売り手支援類型の2つに分かれています。M&Aは仲介手数料やデューデリジェンス費用など数百万円規模のコストが発生するため、中小企業にとってはこの枠が非常に大きな支えとなります。
買い手支援類型は、企業を買収する側の専門家費用を支援します。一方、売り手支援類型は、事業を譲渡する側(売り手)がM&A仲介会社やFAに支払う費用を対象としています。売り手側も補助を受けられる点は、事業を手放す決断をした経営者にとって心強い制度設計です。
特に注目すべきは以下の加算制度です。
- 廃業費加算:廃業を伴うM&Aの場合、通常の補助上限額に150万円が上乗せ
- DD費用加算:デューデリジェンス費用を申請する場合、補助上限額に200万円が上乗せ
- 100億企業特例(買い手支援類型のみ):将来的に売上高100億円規模を目指す事業者向けに、補助上限額が最大2,000万円に引き上げ
対象経費の例
M&A仲介手数料、FA(ファイナンシャルアドバイザー)費用、DD(デューデリジェンス)費用、企業価値評価(バリュエーション)費用、表明保証保険料 など
3. PMI推進枠 ── M&A後の統合を支援する新設枠
PMI推進枠は、M&A実施後の経営統合(PMI: Post Merger Integration)を支援するために令和6年度補正予算から新たに創設された枠です。2つの類型から構成されています。
M&Aは「買って終わり」ではありません。買収後の経営統合こそが事業成功の鍵を握ります。しかし、中小企業のM&Aでは、PMIに十分な投資ができずにシナジーが発揮されないケースが少なくありませんでした。この課題に対応するために設けられたのがPMI推進枠です。
PMI専門家活用類型(補助上限150万円)は、M&A後の経営課題に対応するための専門家活用を支援します。対象となる専門家には、中小企業診断士、公認会計士、税理士、社会保険労務士などが含まれます。たとえば、買収先の財務体制の見直し、労務管理の統合、経営方針のすり合わせなどを専門家に依頼する費用が該当します。
事業統合投資類型(補助上限800万円、賃上げ加算で1,000万円)は、M&A後のシナジー創出に向けた設備投資やシステム統合などの費用を支援します。たとえば、買収先と自社の会計システムを統合する、生産ラインを最適化するための設備を導入する、といった投資が補助対象です。
対象経費の例
【専門家活用類型】コンサルティング費用、専門家報酬 など
【事業統合投資類型】システム統合費用、設備費、外注費、研修費 など
4. 廃業・再チャレンジ枠 ── 再出発を支援
廃業・再チャレンジ枠は、事業承継やM&Aの実施に伴い、既存事業を廃業して新たな事業にチャレンジしようとする事業者を支援する枠です。補助上限は150万円です。
事業承継がうまくいかず廃業せざるを得ないケースや、M&Aで事業を譲渡した後に新たな分野で再起を図るケースなどが対象です。廃業に伴う原状回復や在庫処分などには多額の費用がかかることが多く、この枠はそうしたコスト負担を軽減することで、経営者の「次の一歩」を後押しします。
この枠は他の枠との併用が可能です。たとえば、事業承継促進枠(800万円)と廃業・再チャレンジ枠(150万円)を併用すれば、合計で最大950万円の補助を受けられる場合があります。専門家活用枠との併用も可能で、M&Aで事業の一部を譲渡しつつ、残る事業を廃業する場合などに活用できます。
対象経費の例
廃業支援費、在庫廃棄費、建物解体費、原状回復費、リース解約費 など
14次公募のスケジュールと申請要件
14次公募のスケジュール
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募要領公表 | 2026年1月30日(木) |
| 申請受付開始 | 2026年2月27日(金) |
| 申請締切 | 2026年4月3日(金)17:00 |
| 採択発表(予定) | 2026年5月中旬 |
| 交付決定(予定) | 2026年6月上旬以降 |
| 事業実施期間 | 交付決定日〜2027年6月上旬 |
重要な注意点
交付決定前に契約・発注した経費は原則として補助対象外となります。採択通知後すぐに発注するのではなく、交付決定を待ってから契約・発注してください。
申請要件(対象者)
事業承継・M&A補助金に申請するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 中小企業・小規模事業者であること
- 中小企業基本法に定める中小企業者に該当すること
- 業種ごとに資本金・従業員数の上限が定められています(例:製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下、小売業は資本金5,000万円以下または従業員50人以下)
- みなし大企業(大企業が株式の過半数を保有する企業等)は対象外です
- 事業承継やM&Aの計画があること
- 枠によって「承継予定」「承継済み」「M&A実施予定」「M&A実施済み」など要件が異なります
- GビズIDプライムを取得していること
- 電子申請(Jグランツ)でのみ受付のため、GビズIDプライムが必須です
- 取得には2〜3週間かかるため、早めの申請をおすすめします
- 認定経営革新等支援機関の確認書を取得していること
- 商工会・商工会議所、税理士、公認会計士、中小企業診断士、金融機関などが該当します
- 事業計画の妥当性を確認してもらう必要があります
GビズIDプライムとは?
GビズIDプライムは、法人・個人事業主向けの行政サービスの共通認証システムです。補助金の電子申請だけでなく、各種行政手続きにも利用できます。GビズID公式サイトから無料で取得できますが、審査に2〜3週間かかるため、申請を検討している方は今すぐ取得手続きを始めてください。
過去の採択率データ ── どの枠が通りやすいか?
事業承継・M&A補助金は、他の主要補助金と比較して採択率が高いことが大きな特徴です。過去の公募結果を分析し、枠ごとの傾向を見ていきましょう。
枠別の採択率推移
| 公募回 | 事業承継促進枠 | 専門家活用枠 | PMI推進枠 | 廃業・再チャレンジ枠 | 全体 |
|---|---|---|---|---|---|
| 12次公募 | 60.8% (152/250件) |
61.0% (266/436件) |
61.8% (34/55件) |
100% (1/1件) |
61.1% (453/742件) |
| 13次公募 | 61.0% (111/182件) |
61.0% (163/267件) |
59.4% (19/32件) |
– | 60.9% (293/481件) |
他の主要補助金との採択率比較
事業承継・M&A補助金の採択率がどの程度高いのか、他の主要な中小企業向け補助金と比較してみましょう。
| 補助金名 | 採択率の目安 |
|---|---|
| 事業承継・M&A補助金 | 約60% |
| IT導入補助金 | 37〜55% |
| ものづくり補助金 | 約34% |
| 事業再構築補助金 | 30〜50% |
事業承継・M&A補助金は約60%の採択率を安定して維持しており、他の主要補助金と比較してもかなり高い水準です。これは、事業承継が国の重点政策課題であることの表れといえます。
採択率データから見るポイント
- 事業承継促進枠・専門家活用枠は安定して約61%の高い採択率を記録
- PMI推進枠は新設枠ながら約59〜62%と同水準を維持(ただし申請件数は少なめ)
- 廃業・再チャレンジ枠は単独申請が少なく、他枠との併用がほとんど
- 全体として「しっかり準備すれば6割の確率で採択される」補助金
申請の流れと必要書類
事業承継・M&A補助金の申請は、以下のステップで進みます。初めて補助金を申請する方でもわかるよう、流れに沿って解説します。
申請から補助金受領までの全体フロー
主な必要書類
申請に必要な書類は枠によって異なりますが、共通して準備すべき書類は以下のとおりです。
| 書類名 | 内容 | 共通/枠別 |
|---|---|---|
| 事業計画書 | 事業内容、実施体制、経費明細、事業効果等を記載 | 共通 |
| 認定経営革新等支援機関の確認書 | 事業計画の妥当性の確認 | 共通 |
| 決算書(直近2期分) | 財務状況の確認 | 共通 |
| 確定申告書 | 個人事業主の場合 | 共通 |
| 見積書 | 補助対象経費の見積もり(原則2社以上) | 共通 |
| 事業承継計画書/M&A契約書等 | 承継・M&Aの具体的な計画や契約内容 | 枠別 |
| 賃上げ計画書 | 補助上限額の引き上げを希望する場合 | 任意 |
認定経営革新等支援機関の探し方
認定経営革新等支援機関は、中小企業庁の検索システムで探すことができます。お近くの商工会議所、取引先の金融機関、顧問税理士なども認定を受けている場合が多いので、まずは日頃から付き合いのある機関に相談してみましょう。
採択されるための5つのポイント
採択率約60%とはいえ、約4割は不採択となっています。採択される申請書にはどのような特徴があるのか、5つのポイントをまとめました。
ポイント1:事業承継の必然性と切迫性を明確に
「なぜ今、事業承継(またはM&A)が必要なのか」を審査員にわかりやすく伝えることが重要です。経営者の年齢、健康状態、業界の動向など、承継を急ぐ具体的な理由を明記しましょう。
単に「後継者に引き継ぎたい」ではなく、「現経営者が65歳を迎え、取引先からも事業継続への懸念が示されている」など、具体的な事実ベースで必然性を説明することが評価されます。
ポイント2:承継後の「新たな取り組み」を具体的に
この補助金は、事業承継そのものではなく、承継を契機とした新たな取り組みを支援する制度です。承継後にどのような事業革新を行うのか、そのための設備投資や費用がなぜ必要なのかを具体的に記載してください。
- 新しい販路の開拓(EC展開、海外展開など)
- 新商品・新サービスの開発
- DX推進による業務効率化
- 新技術の導入による生産性向上
ポイント3:数値目標と実現可能性のバランス
事業計画には、具体的な数値目標(売上増加率、コスト削減率、新規顧客獲得数など)を盛り込みましょう。ただし、非現実的な数値は逆効果です。市場調査データや過去の実績に基づいた、根拠のある数値を設定してください。
たとえば「売上30%増」と書くだけではなく、「新規ECチャネルの開設により月間○件の注文を見込む。同業他社のEC売上比率は平均○%であり、当社の既存顧客基盤を考慮すると初年度○%の売上増加は十分に達成可能」といった具体的な根拠を添えると説得力が格段に上がります。
ポイント4:経費の妥当性を示す
補助対象経費の見積もりは、原則として2社以上からの見積書が必要です。経費が事業計画と整合しているか、相場から大きく外れていないかもチェックされます。見積もりの根拠を明確にし、なぜその経費が必要なのかを事業計画書内で説明しましょう。
よくある失敗は、経費の金額だけを記載して「なぜその金額なのか」の説明が不足しているケースです。「○○の導入に800万円」ではなく、「○○メーカーの△△型を導入予定。同等品のA社見積もりは○万円、B社見積もりは○万円。△△型を選定した理由は、当社の既存ラインとの互換性が高く、導入後のランニングコストが年間○万円削減できるため」と、選定理由まで含めて記載することが重要です。
ポイント5:認定支援機関との連携を深める
認定経営革新等支援機関は、確認書を発行するだけの存在ではありません。事業計画の策定段階から支援機関に相談し、計画のブラッシュアップに協力してもらうことで、計画の説得力が大幅に向上します。
特に、金融機関が認定支援機関として関与している場合、資金計画の妥当性が高く評価される傾向があります。
採択されやすい申請書のチェックリスト
- 事業承継の必然性と時期が明確に記載されているか
- 承継後の「新たな取り組み」が具体的か
- 数値目標に根拠があるか
- 経費の見積もりが妥当で、2社以上から取得しているか
- 認定支援機関と十分に連携しているか
- 誤字脱字がなく、読みやすい文章になっているか
よくある質問(FAQ)
まとめ
事業承継・M&A補助金は、事業承継やM&Aに取り組む中小企業にとって、非常に活用価値の高い補助金制度です。最後に、この記事のポイントを整理します。
- 14次公募は2026年4月3日(金)17:00が締切(現在申請受付中)
- 4つの枠:事業承継促進枠(最大1,000万円)、専門家活用枠(最大800万円+加算)、PMI推進枠(最大1,000万円)、廃業・再チャレンジ枠(150万円)
- 補助率:中小企業1/2、小規模事業者2/3
- 採択率は約60%と、他の補助金と比較して高い水準
- 電子申請のみ(Jグランツ)で、GビズIDプライムが必須
- 認定経営革新等支援機関の確認書が必要
事業承継は、先送りにすればするほどリスクが高まります。後継者が見つからないまま経営者が高齢化し、長年培ってきた技術・ノウハウ・取引先との信頼関係が失われてしまうケースは後を絶ちません。黒字経営でありながら後継者不在で廃業する企業が年間数万社にのぼる現実を踏まえれば、事業承継の準備は「いつかやる」ではなく「今すぐ始める」べき経営課題です。
この補助金を活用すれば、事業承継やM&Aにかかる費用負担を大幅に軽減できます。採択率も約60%と比較的高く、しっかりと準備すれば十分にチャンスがある補助金です。特に、事業承継促進枠と専門家活用枠は申請件数も多く、安定して60%超の採択率を維持しています。
まずは今日、以下の2つのアクションから始めてみてください。
- GビズIDプライムの取得状況を確認する(未取得なら今すぐ申請)
- 認定経営革新等支援機関(顧問税理士、取引先の金融機関、地元の商工会議所など)に相談する
申請締切の2026年4月3日まで約1か月です。時間に余裕があるうちに準備を進めましょう。
あわせて読みたい:補助金の実績報告ガイド
あわせて読みたい
- 事業承継・M&A補助金14次公募|全4枠の要件と申請のコツ — 14次公募の全4枠の要件と申請のコツを解説
参考・出典
- 中小企業庁「事業承継・M&A補助金」(十四次公募)の公募要領を公表します
- 事業承継・M&A補助金 公式サイト
- 事業承継・M&A補助金 令和6年度補正予算(12次・13次公募結果)
- 中小企業基盤整備機構 補助金活用ナビ 事業承継・M&A補助金のご案内
- ミラサポplus 中小企業庁担当者に聞く「事業承継・M&A補助金(令和6年度補正)」
- 帝国データバンク 全国「後継者不在率」動向調査(2024年)
- 補助金ポータル 2026年 事業承継・M&A補助金を完全解説
※ 本記事に記載の補助率・上限額・申請期限は2026年3月4日時点の公開情報に基づいています。制度内容は変更される可能性があるため、申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、申請の採択を保証するものではありません。
佐藤 傑(さとう すぐる)
株式会社Uravation 代表取締役|補助金ナビ編集長
中小企業のAI導入・DX推進を支援。補助金を活用したIT投資の最適化をサポートしています。