人材開発支援助成金

【速報】人材開発支援助成金が改正|設備費助成の新設と訓練対象拡大

【速報】人材開発支援助成金が改正|設備費助成の新設と訓練対象拡大

この記事の結論

人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースが2026年3月2日と4月に改正。設備費助成の新設(上限150万円)・人事計画ベースの訓練対象追加・分割支給など主要な変更点を速報解説。

人材開発支援助成金の「事業展開等リスキリング支援コース」が、2026年3月2日と4月に相次いで制度改正されました。訓練だけでなく設備投資まで助成対象になる——これは制度創設以来、最も大きな変更です。

しかも、このコースは2026年度が最終年度の見込み。使えるのは今年度がラストチャンスかもしれません。


今回の改正は2段階で施行されます。全体像をまとめました。

項目 改正前 改正後 施行日
助成対象の訓練 事業展開・DX・CN に伴う配置転換時の訓練のみ 人事・人材育成計画に基づく訓練も対象に追加 2026年3月2日
設備費助成 なし 訓練修了後の設備購入費の1/2を助成(上限150万円) 2026年4月
分割支給申請 訓練完了後に一括申請 訓練途中での分割支給が可能に 2026年3月2日
中高年齢者実習型訓練 なし 45歳以上対象のOJT+OFF-JT訓練を新設 2026年4月
eラーニング上限額 コースにより異なる 中小企業:1人あたり15万円に統一 2026年4月

出典:厚生労働省 人材開発支援助成金(参照日:2026年3月14日)

「人事計画に基づく訓練」が対象に——3月2日施行の拡充

これまで事業展開等リスキリング支援コースの助成対象は、「新規事業の立ち上げ」「DX推進」「カーボンニュートラル対応」に伴う配置転換時の訓練に限られていました。正直、ハードルが高かった。

3月2日の改正で、おおむね3年以内の人事配置計画に基づく訓練が新たに対象になりました。つまり、配置転換が確定していなくても、「将来この社員にはAI活用スキルを身につけてほしい」という計画があれば使えます。

具体的にどんな訓練が対象になるか

  • 営業部門の社員が、将来のDX推進担当としてAI・データ分析の研修を受ける
  • 製造部門のリーダーが、IoT・ロボット管理のスキルアップ研修を受ける
  • 経理担当者が、AI-OCRやRPAの操作研修を受ける

ただし、中小企業がこの新しい類型を使う場合は、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の事前確認が必要です。商工会議所、地方銀行、税理士事務所など、自社の近くの認定支援機関に相談してみてください。

なお、現時点では電子申請システムが対応準備中のため、紙での申請(管轄の労働局へ郵送または持参)になります。

設備費助成の新設——「訓練→設備→賃上げ」の三位一体設計

4月からの目玉が、設備費助成です。

これまでの人材開発支援助成金は「研修費用と賃金の一部」だけが助成対象でした。研修で学んだスキルを活かすための設備投資は、別の補助金(ものづくり補助金やIT導入補助金)を使うしかなかった。

4月の改正で、訓練修了後に事業展開に資する機器・設備を導入した場合、購入費用の1/2が助成対象になります。

項目 内容
対象者 中小企業事業主
助成率 購入費用の1/2
上限額 「受講者1人あたり15万円 × 受講者数」または「150万円」のいずれか低い額
賃上げ要件(A) 訓練受講者全員の賃金を5%以上増額
賃上げ要件(B) 資格手当等を就業規則に規定し、賃金を3%以上増額

要件AまたはBのいずれかを満たせばOKです。

AI導入でどう使えるか——シミュレーション

たとえば、従業員5名にAI活用研修を受けさせ、研修後にAI-OCRシステム(150万円)を導入するケースを考えてみましょう。

  • 研修費の経費助成:研修費用 × 75%(中小企業の場合)
  • 賃金助成:1人1時間あたり1,000円(中小企業の場合)
  • 設備費助成:150万円 × 1/2 = 75万円(上限は15万円×5名=75万円なのでちょうど上限)

研修費と設備投資費を合わせて、実質的な自己負担をかなり圧縮できます。「訓練→設備→賃上げ」をセットで実行することで、生産性向上と賃上げを同時に実現する——そういう制度設計になっています。

分割支給が可能に——キャッシュフローの壁が下がった

地味だけど実務的にはかなり助かる変更が、分割支給申請の導入です。

これまでは、数ヶ月間の研修が全て完了してから一括で支給申請する必要がありました。長期研修だと、先に研修費を立て替えてから数ヶ月待つ必要があり、資金繰りが厳しい中小企業にとってはハードルでした。

3月2日以降は、訓練途中でも分割して支給申請できるようになります。対象コースは以下の3つ。

  • 人材育成支援コース
  • 人への投資促進コース
  • 事業展開等リスキリング支援コース

45歳以上の実習型訓練が新設——中高年の再戦力化を後押し

「人への投資促進コース」に、4月から中高年齢者実習型訓練が追加されます。

45歳以上の労働者を対象に、OJT(現場実習)とOFF-JT(座学研修)を組み合わせた訓練が助成対象になります。賃上げ要件を満たせば、経費助成率や賃金助成額が引き上げられます。

中小企業の現場では、ベテラン社員のIT・AIスキルアップが課題になっているケースが少なくありません。「パソコンは苦手」という世代にこそ、体系的な研修が必要。この新制度はそこを直接支援するものです。

eラーニングの上限額が明確化——高額請求への対策

eラーニングおよび通信制訓練の助成上限額が整理されます。中小企業の場合、事業展開等リスキリング支援コースでは1人あたり15万円に統一。

背景には、一部で高額なeラーニング費用が申請されるケースや不正受給の問題がありました。上限の明確化は、制度の適正な運用を目的としたものです。

ぶっちゃけ、AI研修のeラーニングは1人あたり数万円〜15万円程度のものが大半なので、多くの企業にとっては影響は限定的でしょう。

事業展開等リスキリング支援コースの助成内容おさらい

項目 中小企業 中小企業以外
経費助成率 75% 60%
賃金助成 1人1時間あたり1,000円 1人1時間あたり500円
1事業所1年度の限度額 1億円 1億円
経費助成限度額(10h〜100h未満) 30万円 20万円
経費助成限度額(100h〜200h未満) 40万円 25万円
経費助成限度額(200h以上) 50万円 30万円
設備費助成(新設) 購入費の1/2(上限150万円) 対象外

※ 上記は2026年3月時点の情報です。最新の金額は厚生労働省の公式ページで確認してください。

申請の流れと準備スケジュール

時期 やること
今すぐ 認定支援機関に相談(人事計画ベースの訓練を使う場合)
2026年3月中 人事・人材育成計画の策定、訓練カリキュラムの選定
訓練開始1ヶ月前まで 計画届を管轄の労働局へ提出(紙申請)
2026年4月以降 設備費助成を含む新制度での申請が可能に
訓練実施中 分割支給申請(該当する場合)
訓練完了後 支給申請(訓練終了日の翌日から2ヶ月以内)

今すぐやるべきこと——2026年度が最終年度

「人への投資促進コース」と「事業展開等リスキリング支援コース」は、2022年度(令和4年度)から2026年度(令和8年度)までの期間限定の助成制度です。現時点では2027年度以降の延長は発表されていません。

つまり、75%という高い経費助成率を使えるのは今年度がラストの可能性があります。

  1. 今日厚生労働省の公式ページで改正内容を確認する
  2. 今週中:社員のAI・DXスキルアップが必要な部門を洗い出す
  3. 今月中:認定支援機関に連絡し、人事計画ベースの訓練計画を策定開始する

助成金の申請手続きは社会保険労務士の独占業務とされています。申請にあたっては、顧問の社労士や各都道府県の社会保険労務士会に相談することをおすすめします。

各補助金制度との比較は「AI導入に使える補助金5選 徹底比較」もあわせてご覧ください。

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この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

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免責事項

本記事の情報は2026年3月14日時点の厚生労働省および関連機関の公表資料に基づく参考情報です。助成金の制度内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず厚生労働省の公式ページで最新の支給要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

参考・出典

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