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働き方改革推進支援助成金【2026年最新】全5コースの上限額と申請手順

働き方改革推進支援助成金【2026年最新】全5コースの上限額と申請手順

この記事の結論

働き方改革推進支援助成金の全5コースを比較し、上限額・対象・申請手順を整理。厚生労働省の公式情報をもとに、自社が使えるコースの選び方と申請までの流れを解説します。

中小企業が勤怠管理システムや業務効率化ツールを導入するとき、その費用の最大4/5(補助率3/4〜4/5)を国が負担してくれる制度がある。働き方改革推進支援助成金だ。厚生労働省が所管し、2026年度は全5コースで申請を受け付けている。

「うちみたいな小さい会社でも使えるの?」と聞かれることが多いが、むしろ中小企業しか使えない。大企業は対象外。しかも申請期限は2026年11月30日まであるから、焦らず準備できる。


勤怠管理システムやIT導入にも使える — 助成額の全体像

項目 内容
制度名 働き方改革推進支援助成金(2026年度・令和8年度)
所管省庁 厚生労働省
補助率 3/4(従業員30人以下かつ所要額30万円超の場合は4/5)
助成上限額 最大150万円〜250万円(コースにより異なる)+賃上げ加算で最大720万円
対象者 中小企業事業主(労災保険適用事業主)
対象経費 勤怠管理ソフト、労務管理機器、業務効率化設備・機器、外部コンサルティング費 等
交付申請期限 2026年11月30日(月)17:00(予算消化で早期終了の可能性あり)
事業実施期限 交付決定日〜2027年1月31日
申請方法 管轄の都道府県労働局へ書面提出
公式サイト 厚生労働省 働き方改革推進支援助成金

※ 上記は2026年度(令和8年度)の情報です。最新情報は厚生労働省の公式ページでご確認ください。

補助金の比較はAI導入に使える補助金5選 徹底比較も参考にしてください。

5つのコースはどう違う?自社に合う選び方

2026年度は5コースが用意されている。正直、名前だけ見ても違いが分かりにくい。ざっくり言えば「全業種向けが3つ、特定業種向けが1つ、団体向けが1つ」だ。

コース名 対象 助成上限額 主な成果目標
労働時間短縮・年休促進支援 全業種の中小企業 最大150万円+賃上げ加算 36協定の上限設定(月60h以下等)、年休の計画的付与導入
勤務間インターバル導入 全業種の中小企業 最大150万円+賃上げ加算 9時間以上の勤務間インターバル制度の導入
業種別課題対応 建設・運送・医療・砂糖製造・情報通信・宿泊業 最大250万円+賃上げ加算 業種特有の長時間労働是正(週休2日制、時間外削減等)
団体推進 事業主団体(商工会議所等) 最大500万円 傘下企業の労働条件改善
取引環境改善(2026年新設) 荷主集団等 最大100万円 運送業への短納期発注の改善等

多くの中小企業にとって最も使いやすいのは「労働時間短縮・年休促進支援コース」だ。業種を問わず申請できるし、勤怠管理システムの導入だけでなく、業務効率化に寄与する設備の導入も対象になる。

建設業や運送業なら「業種別課題対応コース」の方が上限額250万円と高い。2024年4月から時間外労働の上限規制が適用された業種が重点対象だ。

2026年度の新設コース「取引環境改善コース」は荷主側から運送業の労働環境を改善する仕組み。個別企業向けではないため、ここでは詳しく触れない。

対象になる経費 — AI・DXツールはどこまでOKか

ここが一番気になるところだろう。結論から言うと、「労働能率の増進に寄与する設備・機器」という枠でかなり幅広いIT・DXツールが対象になる。

助成対象になる主な取組(全コース共通)

  1. 労務管理用ソフトウェアの導入・更新 — 勤怠管理、シフト管理、給与計算ソフト等
  2. 労務管理用機器の導入・更新 — ICカード打刻端末、生体認証式タイムレコーダー等
  3. デジタル式運行記録計の導入・更新 — 運送業のデジタコ、ドラレコ等
  4. 労働能率の増進に寄与する設備・機器の導入・更新 — POS装置、自動食器洗浄機、自動見積りシステム、営業管理システム等
  5. 外部専門家によるコンサルティング — 社労士、経営コンサルタントへの相談費
  6. 労務管理担当者への研修 — 労働法、勤怠管理に関する研修
  7. 就業規則・労使協定等の作成・変更 — 社労士への依頼費用

AI・DX関連で対象になる具体例

  • クラウド勤怠管理システム(freee勤怠、KING OF TIME等): 打刻、残業管理、有給管理を一元化
  • 業務自動化ツール(RPAソフト等): 定型業務の自動化で労働時間を短縮
  • 受発注管理システム: 手作業の受発注業務をデジタル化し、残業削減に直結

対象外になる経費(要注意)

  • パソコン、タブレット、スマートフォン本体 — 汎用機器は原則対象外
  • 乗用自動車 — 営業車等は対象外
  • 消耗品、日用品 — 一時的な消耗品は不可

ぶっちゃけ「このツールは対象か?」の判断が難しいケースは多い。迷ったら管轄の都道府県労働局に事前相談するのが一番確実だ。厚労省の公式ページに各都道府県労働局の窓口一覧がある。

交付申請から受給まで — 6つのステップ

補助金と違って、この助成金はjGrantsではなく都道府県労働局への書面申請だ。電子申請には対応していないので注意してほしい。

Step 1: 成果目標を決める(所要: 1〜2日)

どのコースを使うか、どの成果目標を選ぶかを決める。たとえば「36協定の上限を月60時間以下に設定する」など。賃上げ加算を狙うかどうかもこの段階で決めておく。

Step 2: 導入する設備・ツールを選定する(所要: 1〜2週間)

見積りを取得する。複数社からの見積りは必須ではないが、費用の妥当性を示すために2社以上から取ることを推奨する。

Step 3: 交付申請書を作成・提出する(所要: 1〜2週間)

管轄の都道府県労働局に「交付申請書」を提出する。申請書には事業実施計画、見積書、36協定届の写し等を添付する。申請期限は2026年11月30日だが、予算消化で早期終了する年もある。できれば夏前に申請したい。

Step 4: 交付決定を受ける

審査後、交付決定通知が届く。交付決定前に発注・契約した経費は助成対象外。これは他の補助金と同じルールだ。

Step 5: 事業を実施する(期限: 2027年1月31日)

計画どおりに設備導入や研修を実施する。この期間中に成果目標の達成に向けた取組を完了させる必要がある。

Step 6: 支給申請・助成金の受給

事業実施後、支給申請書と実績報告書を提出する。審査を経て助成金が振り込まれる。後払いだ。

よくある失敗 — 「知らなかった」では済まないポイント

失敗1: 交付決定前にツールを契約してしまう

❌ 「申請書を出したからもう大丈夫だろう」と、交付決定通知を待たずにシステム発注する
⭕ 交付決定通知書が届いてから発注・契約する

なぜ重要か: 交付決定前の経費は1円も助成されない。申請の準備段階で営業担当に急かされても、必ず交付決定を待つこと。

失敗2: 成果目標を達成できない設備を導入する

❌ 「残業を減らす」が目標なのに、導入したシステムが残業削減と関係がないPR用のウェブサイトだった
⭕ 成果目標(労働時間短縮・年休取得促進等)に直結する設備を選定する

なぜ重要か: 助成金は「成果目標の達成」が支給条件。目標と無関係な設備に投資しても、支給されない可能性がある。

失敗3: 36協定届を提出していない

❌ 36協定が期限切れ、あるいはそもそも届出していない状態で申請する
⭕ 有効な36協定届を労基署に提出済みであることを事前確認する

なぜ重要か: 時間外労働の上限設定を成果目標とするコースでは、有効な36協定の存在が前提になる。届出漏れは意外と多い。

失敗4: 予算枯渇による早期終了を見落とす

❌ 「11月30日までだから秋に申請すればいいや」とのんびり構える
⭕ 予算が上限に達すると申請期限前でも受付終了する。遅くとも8月までには申請を済ませる

なぜ重要か: 過去には申請期限を大幅に繰り上げて受付終了した年度もある。「早い者勝ち」の側面がある助成金だ。

賃上げ加算で助成額を大幅に上乗せする方法

この助成金の隠れた魅力は賃上げ加算だ。成果目標に加えて従業員の時間当たり賃金を引き上げると、追加で助成金が加算される。

賃金引上げ率 引上げ対象者1〜3人 4〜6人 7〜10人 11〜30人(30人以下企業のみ)
3%以上 6万円 12万円 18万円 60万円
5%以上 24万円 48万円 80万円 480万円
7%以上 36万円 72万円 120万円 720万円

たとえば従業員10人の会社が賃金を5%引き上げると80万円が加算される。コース本体の上限150万円と合わせれば最大230万円の助成を受けられる計算だ。

2026年度からは割増賃金率の引上げも加算対象に追加された。月60時間以内の時間外労働に係る割増賃金率を5%以上引き上げると25万円、さらに要件を満たせば75万円が上乗せされる。

デジタル化・AI導入補助金や人材開発支援助成金との違い

「ITツールを導入するならデジタル化・AI導入補助金じゃないの?」という疑問は当然だ。使い分けのポイントを整理する。

項目 働き方改革推進支援助成金 デジタル化・AI導入補助金 人材開発支援助成金
所管 厚生労働省 経済産業省 厚生労働省
補助率 3/4〜4/5 1/2〜4/5 最大75%
上限額 150〜250万円+加算 最大450万円 経費助成+賃金助成
主な用途 勤怠管理・労務管理・業務効率化 AIツール・ITシステム全般 社員研修・リスキリング
申請方式 労働局へ書面 jGrants電子申請 労働局・ハローワーク
IT導入支援事業者 不要 必要 不要
使いやすさ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆

勤怠管理や労務管理系のシステム導入なら、IT導入支援事業者を通さなくていい分、働き方改革推進支援助成金のほうが手続きはシンプルだ。一方、生成AIやチャットボットのような本格的なAIツール導入ならデジタル化・AI導入補助金のほうが補助額は大きい。

また、人材開発支援助成金は「社員への研修」が対象であり、設備導入には使えない。AI研修の費用を助成してもらいたいならこちらが適している。

状況によっては複数の助成金・補助金の併用も可能だ。たとえば勤怠管理システムの導入は働き方改革推進支援助成金、AI研修は人材開発支援助成金、というように経費を分けて申請するケースがある。ただし同一経費の二重申請は不可なので、事前に労働局に相談しておくべきだ。

中小企業の業種別おすすめコース

業種 おすすめコース 理由
小売・飲食・サービス業 労働時間短縮・年休促進支援 シフト管理・勤怠システムの導入で残業削減
製造業 労働時間短縮・年休促進支援 生産管理ツールで工程効率化→労働時間短縮
建設業 業種別課題対応(上限250万円) 週休2日制推進、ICT施工管理ツールの導入
運送業 業種別課題対応(上限250万円) デジタコ導入、配車システムで残業削減
医療・介護 業種別課題対応(上限250万円) 電子カルテ、勤務間インターバル制度導入
IT・情報通信業 業種別課題対応(上限250万円) 2026年度から対象業種に追加。長時間労働の是正

申請に必要な書類チェックリスト

コースによって細かい違いはあるが、共通して必要な書類は以下のとおりだ。

  • 交付申請書(様式第1号)
  • 事業実施計画書
  • 36協定届の写し(直近のもの)
  • 就業規則の写し(常時10人以上の事業場)
  • 年次有給休暇管理簿の写し
  • 導入予定の設備・ソフトウェアの見積書
  • 労働保険関係成立届の写し
  • 賃金台帳の写し(賃上げ加算を申請する場合)

様式は厚生労働省の公式ページからダウンロードできる。


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この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

AI導入の計画策定や、どの助成金・補助金が自社に合うか分からない場合は、お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。


免責事項

本記事の情報は2026年5月5日時点の厚生労働省の公表資料に基づく参考情報です。助成金の制度内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず厚生労働省の公式サイトおよび管轄の都道府県労働局で最新の支給要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

参考・出典

この記事の執筆・運営

佐藤 傑 株式会社Uravation 代表取締役CEO

生成AI研修・AI導入コンサルティングの株式会社Uravation代表。著書『AIエージェント仕事術』(SBクリエイティブ)。法人向けAI研修の受講者4,000名以上、AI導入支援100社以上。

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