新事業進出補助金 第4回 申請ガイド|口頭審査対策と6/19締切の準備ステップ

新事業進出補助金 第4回 申請ガイド|口頭審査対策と6/19締切の準備ステップ

この記事の結論

新事業進出補助金の第4回公募が3/27に開始。補助率1/2・上限最大9,000万円。6/19締切までの準備ステップ、口頭審査対策、よくある不備5選をAI導入の観点から解説。

2026年3月27日、新事業進出補助金の第4回公募要領が公開されました。申請受付は5月19日から、締切は6月19日(金)18:00。第1回の採択率が約37%だったこの制度も、回を重ねるごとに競争が激化しています。

しかも今回は、ものづくり補助金との統合が予定されている中での「統合前ラスト公募」とも言える回。統合後は枠組みが大きく変わる可能性があるため、現行制度で申請したいなら今回がラストチャンスになるかもしれません。

この記事では、100社以上のAI導入支援の中で蓄積したノウハウをもとに、第4回の申請で押さえるべき準備ステップと口頭審査対策を具体的に解説します。

新事業進出補助金 第4回のスケジュールと補助額

項目 内容
制度名 中小企業新事業進出補助金(第4回公募)
所管 経済産業省・中小企業庁(事務局: 中小機構)
補助率 中小企業: 1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3)、中堅企業: 1/3
補助下限 750万円(=対象経費1,500万円以上が必要)
補助上限(中小企業) 従業員20人以下: 2,500万円 / 21〜50人: 4,000万円 / 51〜100人: 5,500万円 / 101人以上: 7,000万円
賃上げ特例適用時 従業員20人以下: 3,000万円 / 21〜50人: 5,000万円 / 51〜100人: 7,000万円 / 101人以上: 9,000万円
公募開始 2026年3月27日(金)
申請受付 2026年5月19日(火)
応募締切 2026年6月19日(金)18:00
採択発表(予定) 2026年9月頃
申請方法 電子申請(GビズIDプライム必須)
公式サイト 新事業進出補助金事務局

補助金の比較はAI導入に使える補助金5選 徹底比較も参考にしてください。

まず確認 ── うちは申請できる?5つの前提条件

準備に入る前に、そもそも自社が対象になるかどうかを確認しましょう。ここで引っかかると、せっかくの事業計画書が水の泡です。

  • 中小企業 or 中堅企業であること(資本金10億円未満。みなし大企業は対象外)
  • 日本国内に本社と補助事業の実施場所があること
  • 既存事業と「異なる」新事業であること(既存製品の増産はNG)
  • 過去の採択から16ヶ月以上経過していること(新事業進出・事業再構築・ものづくり補助金で採択済みの場合)
  • 従業員が1名以上いること(申請時点で従業員0名の事業者は対象外)

正直、「既存事業と異なる」の判断がいちばん難しい。後ほどStep 2で詳しく触れますが、製品等の新規性・市場の新規性・新事業売上高要件の3点を全て満たす必要があります。

Step 1: GビズIDプライムの取得を今日始める(所要: 1〜2週間)

申請受付は5月19日ですが、GビズIDプライムの取得には1〜2週間かかります。まだ持っていない場合、今日申請しても4月中旬にようやく届く計算。後回しにしていると5月に慌てることになります。

GビズIDプライム取得の流れ

  1. GビズID公式サイトにアクセス
  2. 「gBizIDプライム作成」を選択
  3. 法人の場合: 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)を準備
  4. 必要情報を入力し、申請書をダウンロード・押印して郵送
  5. 審査後、メールで通知 → アカウント作成完了

すでに取得済みの方は有効期限を確認しましょう。2026年から認証方式が変更されているため、古いアカウントは更新が必要な場合があります。詳しくはgBizIDプライム取得ガイドを参照してください。

Step 2: 「新事業進出要件」を固める(所要: 1〜2週間)

ここが最大のハードル。新事業進出補助金では、「新事業進出指針」に定められた3つの新規性要件を全て満たす必要があります。

要件①: 製品等の新規性

自社にとって初めて製造・提供する製品やサービスであること。「今の製品をちょっと改良した」程度では認められません。

要件②: 市場の新規性

これまで取引がなかった顧客層や市場を対象とすること。既存顧客に新製品を売る場合、市場が「新しい」と言えるかが審査ポイントになります。

要件③: 新事業売上高要件

事業計画期間終了時点で、新事業の売上高が総売上高の10%以上(付加価値額ベースなら15%以上)になる見込みであること。

ぶっちゃけ、ここの要件整理が不十分なまま事業計画書を書き始めるケースが多い。要件を満たさないと判断されたら、どんなに立派な計画書でも不採択です。

Step 3: 事業計画書の策定(所要: 3〜4週間)

新事業進出補助金の事業計画書は3〜5年間の中期計画。単なる設備投資の説明ではなく、新事業でどう成長するかのストーリーが求められます。

事業計画書に必ず盛り込むべき5つの要素

① 現状分析(自社の強み × 外部環境)

SWOT分析を使い、「なぜ今この新事業なのか」を論理的に説明します。市場データ(成長率、市場規模)を引用すると説得力が増します。

② 新事業の具体的な内容と差別化

「AIを使います」だけでは不十分。何のAIを、どの業務に、どう使って、競合とどう違うのかを具体的に。

③ 数値目標(付加価値額年率4%以上の成長計画)

付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費。これを年平均4%以上伸ばす計画が必須です。根拠なく「毎年5%成長」と書いても審査員は信じません。売上見込み × 利益率の積み上げで示しましょう。

④ 賃上げ計画

一人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上にすること。加えて、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上に設定する必要があります。

賃上げ特例(補助上限の引き上げ)を狙う場合は、さらにハードルが上がります:

  • 一人当たり給与支給総額の年平均成長率 +6.0%以上(基準3.5% + 追加2.5%)
  • 事業場内最低賃金が地域別最低賃金 +50円以上(基準30円 + 追加20円)

要注意: 目標未達の場合は補助金の一部返還義務があります。

⑤ 実施体制とスケジュール

「社長が全部やります」は不採択フラグ。プロジェクト責任者・実務担当・外部パートナーの役割分担を明確にし、月単位のスケジュールを提示します。

Step 4: 認定支援機関の確認書とワークライフバランス要件(所要: 1〜2週間)

新事業進出補助金の申請には、いくつかの事前準備が必要です。見落としやすい要件を整理します。

認定経営革新等支援機関の確認書

金融機関等から資金提供を受ける場合は、その金融機関から事業計画の確認を受ける必要があります。顧問税理士や取引銀行が認定支援機関であれば、まずそこに相談するのが最短ルート。事業計画書のドラフトを持参して「確認書をお願いしたい」と伝えればOKです。

ワークライフバランス要件

第4回公募から引き続き、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表していることが要件です。未策定の場合は、都道府県労働局への届出と「両立支援のひろば」への公表が必要になります。

Step 5: 口頭審査への準備(所要: 申請後〜審査日まで)

新事業進出補助金では、書面審査に加えてオンラインの口頭審査(Zoom等、約15分間)が実施されます。第3回からは審査の厳格化が報じられており、ここでの印象が採否を分けます。

口頭審査の構成

パート 時間(目安) 内容
事業説明 5〜10分 申請者が事業計画を簡潔に説明
質疑応答 5〜10分 審査員からの質問に回答

口頭審査で絶対やってはいけないこと

❌ コンサルタントや支援機関に同席してもらう
申請者本人(代表者または事業責任者)が一人で対応する

認定支援機関やコンサルタントの同席は原則NGです。自分の言葉で事業計画を説明できないと「丸投げ申請」と判断されるリスクがあります。

❌ 事業計画書を読み上げるだけ
「なぜこの事業なのか」を自分の経験と結びつけて話す

審査員が知りたいのは、書面に書いてある内容の「裏側」。なぜその市場を選んだのか、なぜ自社にできるのか。熱意と実行力が伝わる説明を心がけましょう。

❌ 想定質問を暗記してロボットのように答える
要点を3つに絞って、どんな角度から聞かれても答えられるようにする

よく聞かれる質問パターン

  1. 「既存事業との違いは何ですか?」 → 新規性3要件を端的に
  2. 「この売上目標の根拠は?」 → 市場データ+受注見込みで説明
  3. 「賃上げは本当に実現できますか?」 → 具体的な原資(新事業の利益)を示す
  4. 「なぜ補助金が必要なのですか?」 → 自己資金だけでは実現が難しい理由を正直に

申請でよくある不備5選 ── これで落ちる人が本当に多い

不備1: 交付決定前に発注・契約してしまう

❌ 採択通知が来た瞬間に業者へ発注する
交付決定通知を受け取ってから発注・契約する

採択 ≠ 交付決定です。採択後に交付申請を行い、交付決定通知が届くまで待ってください。交付決定前の経費は1円も補助対象になりません。数百万円を無駄にする最悪のミスです。

不備2: 「新事業進出要件」の説明が曖昧

❌ 「新しいサービスを始めます」と書くだけ
製品の新規性・市場の新規性・売上高10%以上をそれぞれ根拠付きで説明する

審査員は「本当に新事業と言えるのか?」を厳しく見ます。既存事業の延長線上にあるサービスは不採択の筆頭理由。自社の登記簿や過去の実績と突き合わせて、明確に「新しい」と言える根拠を示しましょう。

不備3: 付加価値額の計算ミス

❌ 付加価値額 = 売上高 と誤解している
付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費

年平均4%以上の成長計画が必須ですが、計算式を間違えている申請が少なくありません。特に減価償却費の計上漏れに注意。決算書の数字をベースに、会計士や税理士に確認してから記入しましょう。

不備4: 賃上げ目標を安易に設定して返還リスクを負う

❌ 賃上げ特例(上限最大9,000万円)を狙って無理な賃上げ目標を設定
確実に達成できる水準で設定する。未達なら補助金の一部返還義務あり

賃上げ特例は魅力的ですが、目標未達の場合は補助金を返さなければなりません。新事業の収益見込みから逆算して、「確実に払える」水準を設定してください。基本の3.5%すら危ういなら、特例は見送る判断も必要です。

不備5: 機械装置費・建物費のどちらも含まれていない

❌ 外注費とクラウド利用費だけで申請する
「機械装置・システム構築費」または「建物費」のいずれかを必ず含める

公募要領上、この2つのうちどちらかが補助対象経費に含まれていることが必須条件です。見落としやすいので注意してください。

AI導入で新事業進出 ── 補助対象になる経費の具体例

新事業進出補助金は9区分の経費が対象ですが、AI導入の文脈で特に使える経費を整理します。

機械装置・システム構築費(メイン経費)

  • AIシステムの開発委託費: 画像認識AI、需要予測AI、自然言語処理システム等の開発
  • 専用サーバー・GPU搭載マシン: AI推論に必要な機器の購入
  • 生産設備のAI制御化改修: 既存ラインへのAIセンサー・制御機器の導入

クラウドサービス利用費

  • AWS / Azure / GCPの機械学習サービス: AI開発・運用のクラウド利用料
  • SaaS型AIツールの利用料: AI-OCR、AIチャットボット等

技術導入費

  • AI技術のライセンス費用: 外部のAIモデルやアルゴリズムのライセンス取得

専門家経費

  • AI導入コンサルティング費用: 要件定義、PoC支援、運用設計等

注意: 汎用PC・タブレットの購入、人件費、土地の取得・賃借料は補助対象外です。

6月19日から逆算 ── 週単位の準備タイムライン

時期 やること 所要目安
〜4月上旬 GビズIDプライム申請(未取得の場合)、ワークライフバランス要件の確認 1〜2週間
4月上旬〜中旬 新事業進出要件の整理、市場調査 1〜2週間
4月中旬〜5月上旬 事業計画書のドラフト作成、数値計画の策定 3〜4週間
5月上旬〜中旬 金融機関からの確認書取得(資金提供を受ける場合) 1〜2週間
5月19日〜 電子申請システムで申請入力・提出 3〜5日
〜6月19日 18:00 最終見直し・提出完了
申請後〜審査日 口頭審査の準備(想定Q&A、説明練習) 1〜2週間

第1回の採択率37%から読み取れること

第1回公募では3,006件の応募に対し1,118件が採択され、採択率は約37.2%でした(出典: 新事業進出補助金事務局 採択結果、参照日: 2026-03-28)。

採択率37%は「3社に1社が受かる」水準。補助金としてはそこまで低くありませんが、回を重ねるごとに競争が激化する傾向があります。第3回以降は口頭審査の厳格化・減点基準の明確化が行われており、「なんとなく書いて出す」では通りにくくなっています。

特に、以下の点が評価されやすいとされています:

  • 自社の強みを活かした新事業であること(飛び地すぎる新事業は実現可能性を疑われる)
  • 数値目標に根拠があること(市場データ、受注見込み、ヒアリング結果等)
  • 実施体制が具体的であること(誰が何をいつまでにやるか)
  • 賃上げ計画に無理がないこと(新事業の収益で賄える水準)

ものづくり補助金との統合 ── 今回が現行制度ラスト?

2026年度(令和8年度)には、新事業進出補助金とものづくり補助金が「新事業進出・ものづくり補助金」として統合される予定です。統合後は「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3枠に再編され、統合後の公募は令和8年6月頃から開始される見込みです。

統合後に新事業進出枠の補助率・上限額がどうなるかは未確定。現行制度の条件で申請したいなら、第4回が事実上のラストチャンスです。

あわせて確認しておきたいこと

  1. 今日やること: GビズIDプライムの取得状況を確認する(未取得なら取得ガイドを見て即申請)
  2. 今週中: 自社の新事業アイデアが「新事業進出要件」を満たすか、3つの新規性を整理する
  3. 4月中: 事業計画書のドラフトを完成させ、認定支援機関に相談する

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この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。

AI導入の計画策定や、新事業進出補助金の活用についてのご質問は、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。


免責事項

本記事の情報は2026年3月28日時点の新事業進出補助金事務局および中小企業庁の公表資料に基づく参考情報です。補助金の制度内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず新事業進出補助金事務局の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

参考・出典

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