申請ガイド

【2026年最新】事業承継・M&A補助金 4枠比較|PMI×AI活用法

【2026年最新】事業承継・M&A補助金 4枠比較|PMI×AI活用法

この記事の結論

事業承継・M&A補助金第14次公募の4枠を徹底比較。事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠・廃業枠の補助率と上限額。AI活用PMI事例も解説。

事業承継やM&Aを検討している中小企業経営者にとって、「どの枠で申請すべきか」は案外わかりにくい。事業承継・M&A補助金(第14次公募)には4つの枠があり、それぞれ対象者・補助上限・補助率が異なる。さらに近年はM&A後のPMI(経営統合プロセス)にAIを活用する企業が増えており、この補助金との組み合わせが注目されている。

本記事は、4枠の違いを並列で比較しながら、「自社の状況に合う枠はどれか」を判断できるよう構成している。制度の詳細な申請手順については事業承継・M&A補助金14次公募の申請ガイドも参照してほしい。

結論から先に — あなたに合う枠はどれ?

状況 推奨枠
後継者への経営権承継、M&Aで会社を売却・買収したい 事業承継促進枠
M&Aの仲介・FA・デューデリジェンス費用を補助してほしい 専門家活用枠
M&A後の経営統合(PMI)や業務統合にコストがかかる PMI推進枠
廃業を検討しているが、再チャレンジしたい 廃業・再チャレンジ枠

複数の枠を組み合わせて申請することも可能なケースがある。特に廃業・再チャレンジ枠は単独ではなく、他の枠への上乗せとして活用されることが多い。

第14次公募の基本データ

項目 内容
制度名 事業承継・M&A補助金(令和7年度補正予算)第14次公募
所管省庁 中小企業庁
申請受付期間 2026年2月27日(木)〜2026年4月3日(金)17:00(予定)
申請方法 jGrants(電子申請)
公式サイト 事業承継・M&A補助金公式サイト

※上記は第14次公募の情報。最新情報は公式サイトをご確認ください(参照日: 2026-03-24)。

4枠の補助率・上限額を徹底比較

事業承継促進枠

後継者へ経営権を承継する際の費用(登録免許税、デューデリジェンス、専門家報酬、システム統合費用等)を補助する。

項目 内容
補助率 原則1/2(小規模企業者は2/3、800万円超の部分は一律1/2)
補助上限額 800万円(賃上げ実施時は1,000万円)
主な対象経費 専門家費用、登録免許税、システム統合・改修費、M&A関連費用

率直に言うと、この枠が最も汎用性が高い。事業承継もM&Aもどちらもカバーしており、補助上限も最も大きい部類に入る。

専門家活用枠

M&Aのプロセスを外部専門家(FA、仲介、士業等)に依頼する費用を補助する枠。買い手と売り手で設計が異なる。

類型 補助率 補助上限額
買い手支援類型 2/3 600万円(デューデリジェンス実施で+200万円、廃業並行で+300万円)
売り手支援類型 1/2(営業利益率低下または赤字時は2/3) 600万円(廃業並行で+300万円)

特筆すべきは買い手支援類型の「100億宣言特例」だ。賃金・投資の「100億宣言」企業が一定要件を満たすと補助上限が最大2,000万円に拡大される。M&Aを積極的に行う成長企業にとっては見逃せない条件だ。

PMI推進枠

M&A後の経営統合(PMI: Post Merger Integration)を支援する枠。ここが最も注目すべきポイントで、ITシステム統合やAI導入を補助の対象にできる。

類型 補助率 補助上限額
PMI専門家活用類型 1/2 150万円
事業統合投資類型 原則1/2(小規模企業者は2/3、800万円超は一律1/2) 800万円(賃上げ実施時は1,000万円)

事業統合投資類型の対象経費には、ITシステムの統合・改修費が含まれる。M&A後に2社のシステムをAIで連携させる場合、この枠から補助を受けることが可能だ。

廃業・再チャレンジ枠

事業承継・M&Aを機に一部事業を廃業し、新事業へ再挑戦する費用を補助する枠。単独申請も可能だが、他の枠との組み合わせ申請が一般的だ。

項目 内容
補助率 2/3
補助上限額 150万円(他の枠と組み合わせ申請の場合はその枠の上限に加算)
主な対象経費 廃業に伴う原状回復費、在庫処分費、解体費用

M&A後のAI活用でPMIを加速させる具体的な活用シナリオ

事例区分: 想定シナリオ
以下は100社以上の支援経験をもとに構成した典型的な活用パターンです。

シナリオ1: 2社の顧客データをAIで統合し、営業効率を向上させる

製造業のA社がB社を買収。双方が独自のSFAツールと顧客台帳を持ち、データ形式が異なって統合作業が困難だった。PMI推進枠(事業統合投資類型)を活用してAI-OCRによるデータ変換・統合システムを導入。見込み客分析の精度が上がり、営業担当者の情報収集時間を月あたり40時間削減したシナリオ。

シナリオ2: 買収後の業務プロセス統合にRPAとAIチャットボットを活用

小売業のC社がEC事業者を買収。受注・在庫・配送のシステムが別々で、手作業によるデータ連携に毎日3〜4時間かかっていた。PMI専門家活用類型でITコンサルタントを活用しながら、事業統合投資類型でRPA導入費用を補助対象に。受注処理の自動化率80%を実現したシナリオ。

4枠を比較するときの3つの判断軸

判断軸1: 「いつのコスト」を補助したいか

M&Aのプロセスには大きく「検討・実行フェーズ」と「統合フェーズ」がある。

  • 検討・実行フェーズ(仲介・FA費用、DD費用)→ 専門家活用枠
  • 承継後の基盤整備(システム統合、登記費用)→ 事業承継促進枠
  • 統合後のIT整備・AI導入 → PMI推進枠(事業統合投資類型)

判断軸2: 廃業を伴うか

廃業・再チャレンジ枠は単体で使うより、他の枠への「上乗せ」として機能するほうが実績が多い。廃業に伴う原状回復や在庫処分のコストが発生する場合、この枠を合わせて申請することで補助を厚くできる。

判断軸3: 自社が「小規模企業者」か「それ以外」か

事業承継促進枠・PMI推進枠(事業統合投資類型)では、小規模企業者は補助率が2/3に上昇する(800万円超の部分は1/2)。従業員5名以下(サービス業)など、中小企業庁の定義する小規模企業者に該当するかを確認してほしい。

申請前に注意すべき落とし穴

落とし穴1: 「M&Aが完了してから申請しよう」では遅い

❌ M&Aが成立した後で「補助金があるなら使おう」と申請を検討する
⭕ M&Aを検討している段階で公募期間を確認し、申請スケジュールを立てる

この補助金はM&Aのプロセス費用・統合後費用に使えるが、補助対象になるのは交付決定後に発生した経費に限られる。採択・交付決定前に支払った専門家費用は対象外だ。

落とし穴2: 「M&Aを斡旋してもらえる」制度ではない

❌ この補助金がM&Aのマッチングや相手探しをしてくれると思い込む
⭕ あくまでM&A・事業承継に関わる「費用」を補助する制度

事業承継の相談窓口としては、事業承継・引継ぎ支援センター(各都道府県に設置)が無料相談を受け付けている(参照日: 2026-03-24)。

落とし穴3: PMI推進枠の補助上限150万円は小さい

PMI専門家活用類型の上限は150万円に過ぎない。大規模なITシステム統合には足りないケースが多い。その場合は事業統合投資類型(上限800〜1,000万円)と組み合わせて申請する設計が現実的だ。

申請から補助金受取までの流れ

  1. GビズIDプライムの取得(申請前に必須)— → 取得ガイド
  2. 申請枠の選定と費用の見積もり — 対象経費の範囲を公募要領で確認
  3. 申請書の作成・jGrantsで提出(2026年4月3日17:00が第14次の締切)
  4. 採択通知・交付申請 — 採択後に交付申請を行い、交付決定を受ける
  5. 交付決定後に費用を発生させる(交付決定前の経費は対象外)
  6. 実績報告・補助金の受取(後払い)

まとめ:4枠の使い分けと今すぐやること

事業承継・M&A補助金の4枠は「M&Aのどのフェーズ・何のコスト」かによって選び分ける制度だ。PMI推進枠の事業統合投資類型はAI導入・ITシステム統合に使えるため、M&A後の業務効率化を補助金で支援したい場合は積極的に活用を検討してほしい。

第14次公募の締切は2026年4月3日(金)17:00。残り日数が少ない。GビズIDをまだ取得していない場合は今日中に手続きを始めること。

あわせて読みたい:

AI導入を含む事業統合計画の策定でお悩みの方は、Uravationのお問い合わせフォームからご相談ください。どの枠を使うべきか、事業統合後のAI活用計画づくりを含めてサポートします。


この記事は補助金ナビ編集部がお届けしました。


免責事項

本記事の情報は2026年3月24日時点の中小企業庁・事務局の公表資料に基づく参考情報です。補助金の制度内容は予告なく変更される場合があります。申請にあたっては、必ず公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。本記事の情報に基づく申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。

参考・出典

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